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ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 最終話vol.1

   

シム・ウンギョン、チュウォン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)16話前半です。

+-+-+-+

ネイル(電話):
미니민희, 나 생각만 해도 너무 좋…
ミニミニ、考えただけでもすごく…

一直線にやって来たユジンは、ネイルを後ろから抱きしめた。

ネイル:
!!!

ユジン:
데리러 왔어, 내일아…
迎えに来た。ネイル…

驚いたネイルの顔に、じわじわと幸せが滲む。

ネイル:
생각만 했었는데…
想像してた…

ユジン:
…。

ネイル:
선배가 비행기를 타고 나 데리러 오는 거
생각만 했었는데…
先輩が飛行機に乗って、私を迎えに来るの…
ただ勝手に想像してたのに。

ユジンは体を離すと、ネイルを自分の方へ向かせた。

ユジン:
진짜 왔으니까 같이 가자.
本当に来たんだ。だから一緒に帰ろう。

ネイルは確かめるように彼の頬に触れる。

#頬触るの好きだよねぇ、韓ドラって

ネイル:
진짜로 왔구나.
어떻게 왔어요?
ホントに来たんだ…。
どうやって来たんですか?

ユジン:
…비행기 타고.
…飛行機に乗って。

ネイル:
탈 수 있었어요?
乗れたんですか?

ユジン:
도망치려고 했어.
근데 네 목소리가 들리더라.
너 그 때 울었지?
나한테 무슨 짓 한거야?
逃げ出そうとしたんだ。
けど、お前の声が聴こえてきた。
あのときお前、泣いてたろ。
オレに何したんだ?

ネイル:
선배가 어디든 마음껏 갈 수 있으면 좋겠다고 했각했어요.
하고 싶은 일, 가고 싶은 데
포기하지 않고 끝까지 해냈으면 좋겠다… 그러면 좋겠다…
先輩がどこへでも好きなだけ行けたらいいなって… そう思ったんです。
やりたいこと、行きたい所…
あきらめないで、最後までやれたらいいなって… そうならいいなって…。

ユジン:
…。

ユジンは黙って彼女を胸元へ抱き寄せる。

388

ネイル:
!!!

彼の腕の中で、ネイルの瞳から涙がこぼれ落ちた。

+-+-+-+

二人は静かな散歩道を歩いていた。

ユジン:
정말 피아노 포기할 거야?
ピアノは本当に諦めるのか?

ネイル:
근데 자꾸 무대가 생각나요.
예전에는 무대에 서면 마냥 무섭고 떨리기만 했었는데
이제는 손가락이 무대를 기억하고 있는 것 같아요.
でも、やたらとステージが思い浮かぶんです。
前はひたすら怖くて震えるだけだったのに、
もう指が覚えてるみたい。

ユジン:
콩쿨 안 나간다며?
후회해?
コンクールには出ないんだろ?
後悔してるのか?

ネイル:
네.엄청 후회해요.
한번 참가하고 말기나 할걸…뭐 그런 생각도 들고 아쉽기도 하고.
はい。めちゃくちゃ後悔してます。
参加してみてからやめれればよかったって… そんな気もするし、惜しい気もするし。

ちょうどレンタカーの前へやって来たところで、ユジンが足を止めた。

ユジン:
그럼 나가야지.
それなら出るしかないだろ。

ネイル:
네?
え?

ユジン:
한시간 내로 지원서만 보내면 돼!
一時間以内に志願書だせばいいんだ!

ユジンは有無をいわさずネイルを助手席へ押し込んだ。「FAXのあるところは?」
急いで運転席へ回り込むと、車を発進させる。

+-+-+-+

「ほら、一杯ぐいっと!」ネイルの父親がユジンにマッコリを注ぐのを、ネイルたち女性陣はニヤニヤと眺めた。
彼が一気に飲み干すと、自然と拍手が起きる。

父「ネイルは変わった娘やけん、一生嫁にいけんのやなかろうかと心配ばしよったとばってん」
ユジン「(むせる)いえ、僕たちはまだ…」
父「よかよか。もう家族同然たい。何を恥ずかしがることがあっとね。ワシも最初はそうやったと」
ユジン「…。」

「ほら」父は上機嫌でユジンに酒を注ぎ足した。
「私に似て男を見る目があっとね」母がネイルをつつく。

ネイル「お父さんがいい家を見つけてくれたおかげデス♥」

+-+-+-+

ソウルへ戻ってきたユジンは、母のカフェを訪ねた。
ソニョンは息子の手を握り、顔を覗きこむ。

ソニョン「辛くはなかった?飛行機の中で気絶したりしなかったの?」
ユジン「少しだけ… 騒いだのは確かだけど」
ソニョン「…。」
ユジン「気絶はしなかった」
ソニョン「!」

そこでようやくソニョンは感激して笑みを見せる。

ソニョン「10年間治そうとして何の効果もなかったのに…。私、ホントにあんたの役に立たない母親ね」

#何でまずそういう発想になるんだろう。いちいち暗くなるわ

ユジン「らしくないな」

「ちょっと、ちょっとごめんね」逃げるように立ち上がったソニョンを、咄嗟にユジンが止める。「母さん」

ユジン「…。」

そっと振り返らせると、ソニョンの目は涙で潤んでいた。

ユジン「一人で気丈にしてると思ったら、オレのいないところで泣いてたのか?」

「何言ってんの」ソニョンは笑って、溢れた涙を拭う。「目が痒かっただけよ」
ユジンは呆れたように母親を小さく睨むと、頬を優しくつまんだ。「母さん、こんなに小さかったっけ」

ソニョン「私が小さくなったんじゃない。あなたが大きくなったのよ」

389

#かわええわー

そういって、ソニョンはすっかり成長した息子の頬を両手でぎゅっと包み込んだ。
微笑み返すユジンを、ソニョンは温かく抱きしめる。「立派よ」

390

+-+-+-+

今度は元気にコンクールに出ると言い出したネイルに、散々振り回されたミニたちは、それでもネイルの前進を喜び合った。

スミン「ザルツブルグコンクールなら、優勝すればリサイタルだって出来るじゃない」
イラク「おお!ってことは、ソン・スジ級に成長ってことか?」
ミニ「(うんうん)」
イラク「そのうちオレたちR☆Sオケに招聘しなきゃいけないんじゃないか?」
スミン「わぁ♥」
ミニ「でも、私たちどうなるんですか?ユジン先輩、間違いなく留学するみたい」
イラク「何心配してんだ。オレがいるじゃねーか。ユ・イラクが!」
ミニ&スミン「…。」
イラク「…。」
ミニ「ふふん♪確かに。もう私たちにはラク先輩がいるんだもん」
スミン「そうそう!私たちにはイラクがいるじゃない!」
イラク「お前ら…どうしたんだよ?反応がいつもと違うぞ」

#スミンはスミンでずっとチャ様を想い続けて、ユジンの留学を前に彼にしかない思いがあるはずなんだよね。すっかり仲間のひとりになってるから、それはそれでいいんだけど。

+-+-+-+

久しぶりにネイルがピアノのレッスン室へ入ると、その後に続いてユヌが覗いた。「ネイル」

ネイル「先輩!」

ニッコリ笑って入ってきたユヌに、ネイルは戸惑ったように頭を下げた。

ユヌ「オレのこと警戒してるんだな。寂しいじゃないか」
ネイル「ごめんなさい。でも、ユジン先輩がユヌ先輩と遊ぶなって」

「チャ・ユジン、また喧嘩売るつもりか…?」ユヌが呟く。

ネイル「これからこの距離を保ってくださいネ。(二人の距離を手で示す)これくらい」
ユヌ「離婚したってクールに友だちとして付き合う時代なのに、一度告白したからってこんな仕打ちは酷くないか?」
ネイル「…ですよね。でも…」
ユヌ「それじゃ過剰反応だよ。(ジロリ)まるでオレに心が揺れてるみたいだ」
ネイル「!」
ユヌ「そうなの?揺れた?」

「わぁ、揺れたんだな」ユヌは楽しそうに笑う。

ネイル「違いますよ!」
ユヌ「…。」
ネイル「絶対違うってわけじゃないけど…」
ユヌ「分かってるって。ネイルはガードが堅いんだから」

下を向いてしまったネイルに、ユヌは一歩近づく。「けどさ…」

ユヌ「断る方も辛いだろ?」
ネイル「…。」

ユヌは背中に隠し持っていた小さな箱を差し出す。「しっかり頑張っておいで」

ユヌ「どこへ行こうと、何をしようと、投げ出したくなった時は、一つだけ思い出してほしいんだ」
ネイル「…?」
ユヌ「君のピアノを聴いて、もう一度やり直した人間もいるって」

391

「…。」ネイルは箱の中に収まったネックレスを見ると、驚いて蓋を閉じた。

ネイル「すごく嬉しいけど、これは受け取れません」

「ごめんなさい」彼女は手に取ったばかりの箱を差し出す。

ユヌ「ファンからのプレゼントだと思ってくれればいいんだ」
ネイル「…。」
ユヌ「元気で行きなよ。ネイル」
ネイル「…。」
ユヌ「辛くても泣いちゃダメだよ」

「はい」ネイルはようやく笑顔を見せた。

+-+-+-+

「どうして急に夜に山歩きなんか?」ネイルが尋ねる。
ユジンがネイルをウォーキングに誘ったのだ。

ユジン「気をつけろよ、転ぶから。練習するにも体力がなきゃな。お前今日、あのキザ男と遊んだろ」
ネイル「何で知ってるんですか?!私のこと監視してるんですかっ?」
ユジン「自慢しに来た。楽し~く遊んだってな」
ネイル「先輩、お別れの挨拶しただけですってば。友だち同士、そんな挨拶もダメなんですか?先輩、最近超めんどくさい…」

「お前何で最近そう強気なんだよ?」文句を言いながら、ユジンはネイルの体力づくりに付き合った。

ひとしきり歩くと、二人は高い樹々の間から覗く星空を並んで見上げた。

ユジン「発つ前に、一度見ておかなきゃな」
ネイル「わぁ♪星が降ってきそう!」
ユジン「寒くなればもっと綺麗に見える」
ネイル「先輩、私たち次に来た時にはどうなってるでしょうね」
ユジン「うーん。一緒に来るか、別々に来るか、どちらかだ」

「いつも答えに誠意がないんだから」ネイルが拗ねる。
ユジンは笑うと、もう一度星空を見つめる。「少し遅く来るか、少し早く来るか…それも追加だな」

+-+-+-+

『幼い頃のことを思い出すたびに、真っ先に思い浮かぶのは、ヨーロッパの街道だ。
クラシックの空気を浴びた野原… どの通りも耳にクラシックの旋律が入ってくる。

時間が止まっていたかのように、ボクの記憶の中の姿… そのままだ。
ボクが毎日のように思い焦がれた風景と音。

ヴィエラ先生、ボクはとうとうやって来ました』

392

+-+-+-+

ショーケースの指輪をうっとり覗いているネイルを、ユジンはようやく見つけた。

ユジン「どれだけ探したと思ってんだよ。一人でうろついて道に迷ったらどうするんだ!」
ネイル「(ニッコリ)」
ユジン「…。」
ネイル「あの指輪、ラク君のカップルリングより綺麗じゃないですか?」
ユジン「あぁ、あのカップリリングか」

「どーだ!イカすだろ!」イラクが誇らしげに見せたのを、ユジンは思い出した。

~~~~

「これがまさに愛の証!カップルリングなんデスかぁ~♥」ネイルがチラリと自分を振り返ると、ユジンはさっと目を逸らした。

イラク「この中にオレらのラブストーリーが息づいてるのが分かるか?」
ユジン「…。」
イラク「どーだ?格好いいだろ」

すかさずネイルが「格好いいですよね!」と畳み掛ける。
「格好いいって言っといて^^;」シウォンが困ってユジンを促した。

~~~~

「ここまで来て、またカップルリングのおねだりか?」ユジンが呆れてこぼす。

ユジン「お前、コンクールのために来たんだぞ。入賞出来なきゃヨーロッパ留学は諦めなきゃならないって、分かってんのか?」
ネイル「ここまで来たってことは、幸福の女神様はもう私たちおしどり夫婦の味方ですよぉ~♪だから心配しないでくださ~い♪」
ユジン「…。」
ネイル「あの指輪、超まるくて綺麗~♪」
ユジン「指輪は全部丸いだろ!!!」

「これじゃダメだ。お前、戻って練習しろ」ユジンが言った。

ユジン「ヴィエラ先生の家にはオレ一人で行く」
ネイル「何で?!ヴィエラ先生の家に行って、夜は遊んでくれるって言ったじゃないですかぁ!」
ユジン「…。」

困り果てるユジンに構わず、ネイルは先を歩き出した。
彼は溜息をつき、ショーケースの中の指輪を振り返る。「…。」

+-+-+-+

「マエストロ・ヴィエラはご不在なんですか?」ユジンは列車の中で電話をしていた。

ユジン(電話)「そんなはずはありません。マエストロと約束してあるんですが」
相手(電話)「ベルリンの日程が変更になったんです。スケジュールの調整が出来次第、お知らせしますよ」
ユジン(電話)「えぇ、分かりました」

「…。」ぼんやりするユジンの元へ、少し離れて景色を眺めていたネイルが戻ってくる。「おらばん」

ネイル「ヴィエラ先生には会えないんですか?」
ユジン「(頷く)あぁ」
ネイル「でも、もう同じヨーロッパにいるんだから、その気になりさえすればいつでも会えるじゃないですか」

「でしょ?♪」ネイルはニッコリと彼の顔を覗きこむ。
彼女につられてユジンも思わず笑った。

ネイル「仕方ない。今日は私が犠牲にならなきゃ♥」

「おらばんの気分、私がパァーッと盛り上げてあげますよ」ネイルが挑発的に迫る。

ユジン「何すんだよ!」
ネイル「観光ツアー!どうせなら今日は楽しく遊びましょうよ~」
ユジン「オレを口実に観光?練習しないつもりか?」
ネイル「元々今日はヴィエラ先生に会って遊ぶ予定だったでしょ」

ちょうど列車は山間を抜け、そこには壮大な景色が広がった。「わぁ!♥」

393

+-+-+-+

二人がたどり着いたのはザルツブルグだ。

394

#映像とGoogle検索とGoogle Mapで場所探しました。
おそらくこのシュターツ橋を渡り、少し上の方にあるMozart wohnhaus(モーツァルトの家)を訪れてます。

その後、川の南側へ渡り、モーツァルトの生家のあるGetreidegasse(ゲトライデガッセ)という狭い通りを歩いているのではないかと。
青空の似合う、素敵な街ですねぇ。

+-+-+-+

ねだって買ってもらったモーツァルト人形を手に、これまたねだって買ってもらったチョコレートを食べながら、ネイルは大満足で河畔を歩いた。

ユジン「お前、モーツァルトよりチョコレートに感動してるみたいだな」

ネイルはひととおりブツブツ言うと、「あーん」とユジンにチョコを差し出す。
しつこいネイルにユジンはとうとう折れた。「しつこいから食べるんだからな」

ユジン「(ネイルの買い物袋を見て)そんなにたくさん何買ったんだよ」
ネイル「おみやげですよぉ~。新婚旅行のメインはショッピングじゃないですかぁ♥」

「もう帰って練習だ」呆れたユジンが言う。

ネイル「ここまで来たんだから、ヘルブルン宮殿に行かなきゃ!何言ってるんですかっ」
ユジン「何言ってんだか。ダメだ。」

ユジンは先を歩き出した。

ネイル「おらばん!悪いものでも食べたんじゃないですよね?サウンド・オブ・ミュージック観てないんですか?」

※映画「サウンド・オブ・ミュージック」はここザルツブルグが舞台です。

ネイル「トラップ大佐がマリアにプロポーズしたのは、このすぐ近くなんですから!リーズルがボーイフレンドと過ごしたあの愛の場所!」

結局ユジンはネイルに手を引かれ、ヘルブルン宮殿を走り回ることになった。
浮かれて走るネイルを追いかけながら、彼は右手に持った指輪を見つめ、溜息をつく。「…。」

+-+-+-+

噴水公園の脇を歩きながら、いよいよユジンはネイルを呼び止めた。「ソル・ネイル」

ネイル「何ですか、オラバン。もう帰ろうって言うんじゃないですよね?」
ユジン「あげたいものがある。目を閉じてみろ」

「何ですかぁ?」ネイルが目を輝かせ、彼を見上げる。
彼女は目を閉じ、唇を突き出した。

ユジン「…。その口はどけろよ」

それでもひたすら唇を突き出す彼女に、ユジンは思わず笑った。
彼はネイルの目の前に指輪を近づける。「目開けてみろ」

その瞬間…

周囲の噴水が一斉に噴き出す。「!!!!!」
驚いた彼の手から、二つの指輪が美しい弧を描き、池の中にポチャリと落ちた。

「!!!!!」ユジンはネイルを残し、目の前の浅い人工池にバシャバシャと入っていく。「あ゛ー、気が狂いそうだ」

ネイル「おらばん。あげたいものって、水爆弾だったんデスか…」

キョロキョロしたネイルは、ようやく池をウロウロするユジンを見つけた。

ネイル「おらばーん!何か探してるんですか?!私がピアノ練習しないからって意地悪したんでしょ!」

「!」そのとき、ユジンの目が輝く。
水の中から、彼は指輪を拾い上げた。

ネイル「おらばんがそんな男とは思いませんでしたヨ!」

ユジンがようやく顔を上げ、ネイルを振り返る。「それならもう帰るか?」

395

ネイル「(ムスッ)」
ユジン「そうだな。失くしたと思って諦めるさ。もう買わないからなっ」

ユジンは右手をポケットに突っ込み、びしょ濡れで水から上がってくる。

ネイル「な、何失くしたんですか?!何買ったんですか?!何ーーっ?!」
ユジン「…指輪」
ネイル「!!!」
ユジン「お前があれだけ欲しがってた、まんまるで綺麗な指輪だ」
ネイル「はっ!!!」

「ダメーーー!まんまるで綺麗な私の指輪!!!」ネイルは荷物を下ろし、大慌てで水の中へ入っていった。

ユジン「もう帰ろうって」
ネイル「ダメです!指輪見つけるまで帰れません!」
ユジン「コンクールの練習しないのか?」
ネイル「カップルリングの方が先!見つけるまで絶対帰らない!!!」
ユジン「…。」
ネイル「カップルリングは愛の完成形なんだから!知らないくせに!」

泣きそうな顔で指輪を探すネイルを、ユジンは見つめる。「…。」
彼は彼女の腕を掴んで振り返らせると、指輪を差し出した。「ここにある」

ネイル「はぁっ!」
ユジン「…。」

「くださーい」欲しがるネイルを前に、ユジンは高く手を上に伸ばし、指輪を彼女から遠ざけた。

ユジン「欲しいだろ」
ネイル「はい」
ユジン「コンクールが先だ。入賞したらやるから」
ネイル「(凝視)」
ユジン「帰って練習するか?」
ネイル「(凝視)はい。帰って練習します」

#何このグダグダなやり取り(超絶句)

+-+-+-+

ユジンはホテルの部屋に戻っていた。
「家はネイルのコンクールが終わってから探すから」電話でそう告げる。

396

ユジン(電話)「心配ないって。ちゃんとやるから。早く寝ろよ、母さん。そっちは夜中だろ?」

電話を切ったところへ、ノックの音がする。
ドアを開けると、枕を抱いたネイルがコホンコホンと咳をしながら立っていた。

ユジン「どうした?」
ネイル「眠れないし、体調も良くないんデス…。さっき水に濡れたからかな?」

ユジンは両手で彼女の頬に触る。「熱はないけど」

ネイル「あぁ…それじゃ風邪じゃなさそうだしぃ…」
ユジン「…。」
ネイル「けど、お母さんとか友だちのことばかり思い出すのって… ホームシックですかネ?」

ネイルはすがるような目でユジンを見上げた。

ユジン「…。」
ネイル「えっと…」
ユジン「…。」
ネイル「怖いからって、飛行機の中で雨に濡れた仔犬みたいに鳴いてたとき、私が隣でトントンしてあげたじゃないですか…」
ユジン「…。」
ネイル「それなのに… 冷たいな」
ユジン「…。」

「入れよ」ユジンはそれだけ言って部屋へ入った。
「あー寒い!」ネイルがニヤリとして続くと、その後ろでドアが閉まる。

+-+-+-+

わざとらしく咳をしながらベッドの縁に座ったネイルを、ユジンは遠巻きに眺めた。

ネイル「ここ、食べるものないんですか?」
ユジン「…。」
ネイル「お腹空いちゃったんだけど」
ユジン「ないな」
ネイル「ラーメンみたいなの食べたいんだけど… ないのかなぁ?前のスーパーに行けばあるのかなぁ?ないのかなぁ?」
ユジン「(溜息)」
ネイル「あるのかな?ないのかな?」

「待ってろ」ユジンはポツリと言い、上着を手にとって姿を消した。

+-+-+-+

ユジンは近くにある小さな食料品店へやって来た。
彼は棚の前で腕を組む。「風邪には何がいいんだ?」
オレンジジュースとはちみつを手に取り、彼はそこで思い出した。「そうだ、ラーメンだ」

+-+-+-+

ネイルはベッドの上でセクシーランジェリーを広げ、ミニミニとテレビ電話中だ。

ネイル「似合う?」
ミニ「(ダメダメ)」
ネイル「じゃあこれは?」
ミニ「ちょっと、あんたホントに先輩と同じ部屋なの?」
ネイル「うん。私たち夫婦同然だもん。どうせ一緒に留学生活するんだし、予め練習することにしたんだ♥」
ミニ「ホントに?先輩がそうしようって?」
ネイル「そうだってば!」

そこへ戻ってきたユジンが背後にやって来た。

ネイル(電話)「思いっきり噂してもいいよ♪」

ユジンが後ろにいるのも知らず、ネイルははしゃぐ。

ネイル(電話)「これはどう?色っぽい?」

397

テレビ電話の画面の端に、じっと見ているユジンの顔が映り込む。

ミニ「けどさ、あんたの後ろにいるユジン先輩、何でそんな顔してるの?」
ネイル「ん?」

ネイルは慌てて咳き込んだ。「先輩、もう帰って来たんですね…」

ユジン「心配してやったのに。出てけ」
ネイル「え…?」
ユジン「出てけ!早く!!!」

画面の中で呆れているミニの前で、ベッドの上のセクシーランジェリーと共に、ネイルは引きずり出される。

ネイル「ミニミニーー!」
ミニ「そりゃそうなるわな…」

あっという間にネイルはドアの外へ放り出された。

ユジン「お前、コンクール終わるまで出入り禁止だ」
ネイル「もう噂流したりしませんから!ごめんなさい」
ユジン「全部ウソばかりじゃないか。こんなことしてる暇あったら練習しろ。いいな?」

ユジンは舌打ちし、部屋の中へ消える。
「お願いですからーー!」叫ぶネイルの目の前でドアがバタンと閉まった。

+-+-+-+

ここで区切ります。

音楽活動一切なし。練習するしないで前半終了。
我慢して訳したけど、ちょっとあんまりですねぇ。
こんなことなら、ネイルの実家のシーンをたくさん入れてくれれば良かったのに。

コンクールなんて落ちればいいんデスよ…(毒
これで入賞したら、それこそちゃぶ台です。

Google Mapでのザルツブルグ巡りは楽しかったです♪

 - のだめカンタービレ(韓国版) ,

Comment

  1. tamaarikun より:

    海外ロケをドラマ撮影前に先撮りしていたのがあまりにもバレバレでしたね(^^;)
    ネイルの服装や”おらばん”などの言葉遣いも途中から激変しましたが
    それでもこのネイルの無邪気さ、なんだか懐かしいです。

    海外での撮影地をGoogle Mapで(^^)/!ありがとうございます^^
    画像を拡大したり動かしたり、「おおお・・・!」「わああ!」の連続です^^;

  2. yuchiko より:

    折角の海外ロケが余りストーリーと関係なく観光地巡りのようですね。
    ネイルのせいではないのにネイルが能天気に見えてしまい本当に残念です(涙)ユジンも若干明るく見えるし。

  3. maachan より:

    ちゃぶ台wwww
    指輪が噴水に ボチャンw←美男ですねを思い出しちゃいました、、、(^o^;)

    ほんとに ネイルの実家のシーンたくさん
    見たかったデスよ、、、
    博多弁への翻訳が 愉しくて~
    もっと 見たかったデス~(*´∀`)♪

  4. Mako ko より:

    最終話だというのに盛り上がりに欠ける内容で、和訳本当にお疲れ様です
    せめて 迎えに行ったシーンと実家のシーンをもっと入れて欲しかったです。
    オーストリアは事前にロケしてたので、色々突っ込みどころ満載ですけど、しょうがないとしても、山登りのシーンは要らないでしょう( ̄◇ ̄;)
    スポンサーを出しすぎる不自然な脚本に嫌気がさしてたんだけど、ダメ押しが(O_O)
    もう笑ってしまいました。
    何も考えないように美しい景色と、素敵なユジンと後半良くなったユヌだけを堪能しました。

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