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ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 13話vol.2

   

チュウォン、シム・ウンギョン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)13話後半です。

前半記事に書こうと思って忘れちゃったんだけど、オーディション前、Sオケの面々も何か企んでたよね。
あれはどーなったのか…。
シウォンの票が少なかったってことは、票を分散させたってこと?

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すっかり夜になっていた。
誰かの帰って来る姿が向こうに見えると、マンションの前で彼を待っていたネイルは嬉しそうに手を振った。「先輩!」

ネイル「?」

彼女に気づき、足早に近づいてきたのは… ユヌだった。

ネイル「あ…」

ユヌもネイルの表情に気付き、拗ねたように彼女を睨んだ。「あからさまにガッカリするんだな」

ネイル「!」
ユヌ「チャ・ユジンを待ってるの?」
ネイル「違いますよぉ」
ユヌ「(ジロリ)」
ネイル「ユヌ先輩、最近どこかに行ってるんですか?学校ではよく見るけど、練習室には来てないって」
ユヌ「…。」
ネイル「ラク君、すごく寂しがってますよ」
ユヌ「Aオケのメンバーがいるからかな、R☆Sオケには馴染めなくて」

「実は私もR☆Sオケはちょっと…」こっそり打ち明けるネイルに、ユヌは笑った。

ユヌ「中で待ちなよ。うちのネイル、鼻が赤くなってる」

ユヌは自分のマフラーを外し、ネイルの首に掛けようとする。
「あっ」ネイルは思わず後ずさりした。

ユヌ「…。」

行き場を失ってしまったマフラーを、ユヌがゆっくりと下ろす。

ネイル「私、ユヌ先輩のネイルじゃありません。すぐそうやってからかうから、私のこと好きみたいに見えるじゃないですか…」
ユヌ「好きだったら… ダメ?」

「はい、ダメです」ネイルはコクリと頷いた。

ユヌ「…。」

「それじゃお先に」ネイルはペコリと頭を下げると、クルリと背を向け、あっという間に遠ざかった。
彼女の後ろ姿に、ユヌは小さく溜息をつく。

ユヌ「… 焦って失敗したな」

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食堂の窓際の席に腰を下ろしたユヌは、どこか不機嫌だ。「ネイルに拒否された」

「?」二つ空けて座っていたユジンが顔を上げる。
彼はかすかに笑みを浮かべた。「当然だろ」
そう言ってから、彼はユヌを振り返る。「それを何でオレに言うんだ?」

ユヌ「他に言う人がいないから」
ユジン「…親友のところに行け」
ユヌ「そんなこと話したらみんな困るだろ。誰の味方になればいいか悩むだろうし」
ユジン「お前、あまり友だち付き合いしたことないんだろ」

#オマエモナー

ユヌ「?」
ユジン「いいところだけ見せて、一人で全部抱えるんだ」
ユヌ「…。」
ユジン「ヘタだからバレバレだ」

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ユヌがユジンに向き直る。「経験談だろ」

ユジン「?!」
ユヌ「…。」

「一人で言ってろ」ユジンが立ち上がる。

ユヌ「ネイルがコンクールで優勝するまで休戦だ」
ユジン「オレはお前と争ってる覚えはない」

歩き出したユジンをユヌは思わず追う。「寂しいこと言うなよ」

ユヌ「オレ、ネイルの留学にも付いて行くつもりなんだから」
ユジン「!」
ユヌ「そうすればこの先も会うことになる」

ユジンの足が止まる。「…。」
彼の反応を、ユヌが後ろから窺った。

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ユヌ「お前は… 行かないのか?」
ユジン「…。」

ユジンはそのまま足早にその場を立ち去った。
なんだか様子が変だ。
去っていくユジンの姿をユヌはじっと見つめた。

+-+-+-+

「大学オーケストラフェス?」イラクが目を丸くする。

ジェヨン「ユ・イラクがソリストのバイオリン協奏曲で出るって?」

冷笑するジェヨンを、ユジンが静かに見下ろす。

ジェヨン「しかも放送の撮影まで兼ねて?」
スミン「まだまだ時間はあるのに、何が心配なの?!それにイラクの演奏だってだんだん良くなってるのに!」

「そうでしょ?」その声に、後ろで口々に同意の声が上がる。

ミニ「そうですよ!イラク先輩、急にパッと上手くなりましたよ!」

イラクがユジンにウィンクすると、ユジンも微笑む。

イラク「ミニミニ、だからってオレに惚れんなよ」

「ムカつくんだから!」ミニが顔をしかめる。

シウォン「私たち、最終日に(セヒョン?)とぶつかるんでしょ?しっかり気合いれないと」
ジェヨン「(セヒョン?)の指揮者… ドイツ留学経験者だ。実力は尋常じゃないって噂だ」

#セヒョンのヒョンは「弦」かと思うんですが、次回分かるかもしれないからまた訂正しますね。

+-+-+-+

あっという間に二次予選の日がやって来た。
控室でネイルは緊張を募らせてる。

ユジンはまだ大学だ。

彼の携帯が鳴った。

ネイル(メール)「先輩、二次は知ってる作曲家です。親しいわけじゃないけど、一生懸命弾きますから、絶対来てくださいね。先輩が来てくれなきゃ落ちちゃいますから」

時計をチラリと見て、彼は急いで荷物をまとめた。

+-+-+-+

ステージではすでに二次予選が始まっていた。
女性の堂々たる演奏に、審査員が聴き入る。

※ Rachmaninoff Prelude(ラフマニノフ プレリュード) Op. 23 No. 5

客席にはト教授の姿もあった。

ト教授(心の声)「キム・ガラム…。優勝候補だと言われるだけのことはある」

彼女の演奏をじっと見つめている女性が一人。
それは…
幼いネイルをトラウマに陥れたピアノ教師、その人だった。

#この方、ちょっとロッテンマイヤーさんみたいデスね

+-+-+-+

「40番、スタンバイしてください」とうとう控室にいるネイルに声が掛かった。

その頃、まだユジンはタクシーの中にいた。
渋滞にはまってしまったタクシーは、一向に動く兆しがない。
「ここで降ります」ユジンは渋滞の真ん中で車を降り、駈け出した。

+-+-+-+

ネイルの順番がやってくる。
「ソル・ネイル?」「あぁ!この間のハイドンの子ですね」「名前が変わってるから覚えやすいわ」審査表の名前に、ネイルが登場する前から審査員に笑みが漏れる。
すでに期待が高まっていた。

客席にユヌが現れると、すぐ後ろに続いてユン・イソン教授が入ってきた。

ユヌ「いらっしゃいましたか。先生」

「一次のときは呼んでおいて、二次はなぜ呼ばないんです?」ユン教授はわざとツンとして言ってみせる。

ユヌ「いらっしゃると分かってましたから」

ユン教授はジロリとユヌを睨み、微笑んだ。

+-+-+-+

ステージ袖から現れたネイルは、皆が注目しているにもかかわらず、どこか憮然としていた。
不機嫌そうに形だけ頭を下げると、そのままピアノに向かう。

ト教授「あいつ… 1位になると言っておいて、あの表情は何だ?」

「どうしてあんな表情なのかしら?」ユン教授もユヌに囁いた。

ユヌ「…。」
ユン教授「無理やり連れて来られたみたいだわ」
ユヌ「そうですね…」

真っ黒なドレスに身を包んだネイルの「木枯らしのエチュード」は、まるで葬送曲のようにスタートし、いきなりものすごいスピードで吹き荒れた。
あまりの激しさに客席が戸惑う。
遅れて入ってきたユジンも、鬼気迫る彼女のピアノに思わず立ち尽くす。

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#演奏シーンが不自然じゃなくてとてもイイ。撮影大変なのに頑張ってますね。

弾き切った瞬間、会場はシーンと静まり返る。
ネイルは立ち上がると、怒りがおさまらぬ様子で頭を下げ、首を傾げる審査員を一瞥して姿を消した。

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ト教授「燃え尽きることもできず… 灰になったな。終わった…」

+-+-+-+

「終わっちゃった」控室に帰って来たネイルはぼんやりとソファに腰を落とす。「どうしよう… 先輩」

+-+-+-+

全ての演奏を終え、審査会議が始まった。

審査員1「これで本選進出者は全部選び終えたということでしょうか」
審査員2「あ、いいえ。最後… この学生のことなんですが」
審査員3「あぁ、ソル・ネイル?あまりに勝手な演奏じゃありませんでした?」
審査員2「それでも、すごく魅力があったと思いませんか?」
審査員5「コンクールには明白な規則ってものがあるじゃないですか。それを無視してはいけませんよ」
審査員1「そうですね。例外を出せば混乱が生じて、採点が難しくなりますから」

「…。」ネイルのピアノを推した審査員は残念そうに名簿を見つめた。

+-+-+-+

「ソル・ネイルのヤツ!」ロビーにト教授が現れると、仲良く並んで待っていたユジンとユヌが立ち上がった。

ト教授「楽譜通りに弾けとあれほど念を押したのに!」
ユジン「ソル・ネイルは?」
ト教授「トイレに閉じこもって出て来ん。ふん。やらかしおって、簡単には出て来れまい」
ユジン「…。」

「いい演奏でしたよ」ユヌがト教授の怒りにも構うことなく、淡々と言った。

ト教授「?」
ユジン「?」
ユヌ「単にコンクールに合わないだけで」
ト教授「それが話にならんのだ!」
ユヌ「…。」
ト教授「コンクールに出ると決めた以上、コンクールの規則に合わせるべきだろう!」
ユジン「ソル・ネイルなりに努力したんです」
ト教授「(ジロリ)」

#ちょっとクスっと笑ってしもた。ハリセンを前に、一生懸命ネイルをかばう男二人♪

ユジン「あまり責めないでください」
ト教授「…。」

「結果が出たぞ!」ロビーにいる人がざわめき始める。

ト教授「どうせ落選に決まってる。見たって仕方ない」

+-+-+-+

貼りだされた小さな結果表を、ユジンとユヌは急いで覗きこんだ。
俄に二人の顔が輝く。「あ!ここに!」

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#二人の目線が合ってないのはご愛嬌^^;

ユジン「あった。ソル・ネイル」

二人は笑顔でネイルの名前を見つめる。

#番号と名前はいいけど、何で電話番号も書いてあんの?

「すみませんよ」人混みをかき分けてやって来たト教授も、ユジンたちの隣に加わった。

342

#あはははは

ト教授「本当だ…!コンクールも変わったものだ。進化したぞ!」

思わずユジンたちとハイタッチをしようとして、ト教授の手のひらが空を切った。「…。」

階上からチラリと顔を覗かせ、審査発表の賑わいを窺っていたのは、ユン教授だ。

~~~~

審査会議にはまだその後があった。

審査員2「残念ですが、ソル・ネイルさんは落とすことにしましょう」

「私はあの子の演奏をもっと聴きたいわ」不意に会議室に姿を見せたのはユン教授だった。

審査員たちが一斉に立ち上がる。

ユン教授「ものすごく感情のこもった演奏じゃないですか。メトロノームに合わせた規則的な演奏と違って、人間らしい匂いがしてとてもいいわ。あの子が次にどんな演奏をするのか、楽しみじゃありません?」
審査員2「そうでしょう?先生!私もですよ。先生のお考えに100%同意します」
審査員1「正直なところ、私ももう少し聴きたいですね」

ユン教授は愉しげに笑った。

#お偉方があらわれて、その一声で覆るなんて、今回は枠からはみ出した人にOKが出る方向だったからいいけど、予選審査員も微妙な立場ですなー

~~~~

+-+-+-+

「発信者:ユジン先輩♡」

ネイルは化粧室の洗面台の前で、鳴り続ける電話を前に突っ立っていた。

ネイル「ごめんなさい、先輩。今は恥ずかしくて出られません」

そこへ今度はメールが入った。「?」

ユジン(メール)「二次合格だ。だから出て来い、このバカ」

「!!!」ネイルは急いで駈け出した。

+-+-+-+

「センパーーーイ!」ロビーに出て来たネイルは、ト教授と話しているユジンの元へまっすぐ向かった。

ネイル「先輩、来てたんですね」

「私、先輩のお陰で合格したみたーーい!」彼女は思わずギュッとユジンに抱きつく。

ユジン「!!!」

ト教授が呆れて目を逸らす。

ユジン「離れろ!」
ネイル「嬉しい~♪」

「さぁ、いよいよ本選だ」ト教授がネイルの腕を引いた。「時間がない」
「行くぞ」連れて行かれるネイルに、ユジンはニッコリ笑顔で手を振った。

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+-+-+-+

ネイルと入れ替わりにロビーに姿を現したのは、キム・ガラムと担当教師だ。
二人は揃って腕を組み、遠巻きに結果表を見やった。

教師「見るまでもないわ。うちのカラムは一位で予選通過してるはず」

27番 キム・ガラム

なんなく弟子の名前を見つけると、彼女の表情が変わる。

教師「ソル・ネイル?あの子がコンクールに?!」
カラム「知ってる子ですか?」
教師「こんな名前の子が二人いるはずもないし、きっとあの子に違いないわ」
カラム「上手いんですか?」
教師「才能は抜きん出ているわね。だけど気にすることないわ。どうして予選を通ったのか知らないけど、絶対にコンクールに堪えられる子じゃない」

+-+-+-+

「コンクール?大したことありませんネ」レッスン室でヘラヘラ笑うネイルの前で、ト教授は選曲に余念がない。

ト教授「油断は禁物だと言ったろ。この中に知ってる曲はあるか?」

「どれどれ」ずらりと並んだ曲目に目を移したネイルの顔が、あっという間に引きつる。「…ないです」

ト教授「そうだろうな」(←すっかり慣れてる

「何がいいだろうな」ト教授はもう一度曲目を睨み、一番下のタイトルに目を留めた。

ト教授「そう、リストだ!」
ネイル「?」
ト教授「リストのラ・カンパネッラにしよう」
ネイル「ら・かんぱねら?」
ト教授「そうだ。パガニーニを憧憬し、ピアノ界のパガニーニになろうとしたリストの果敢な攻撃精神。他の追随を許さぬ卓越した技巧!お前にはこの曲がピッタリだ」

「はい!」ネイルは元気に答えた。「頑張ります♥」

+-+-+-+

「おめでとう」シウォンは事務局で差し出された封筒を手に取った。「狭き門だったでしょうに、ラッキーね」

シウォン「えぇ。私もこんなに早くなるとは思ってませんでした」
職員「羨ましいわ。カイ・ドゥーン… ベルリン弦楽団のリーダーのレッスンを受けられるなんて」
シウォン「はい」
職員「準備で忙しくなるわね」

嬉しい知らせにもかかわらず、シウォンはどこか浮かない顔だった。

+-+-+-+

イラクのチャイコフスキーは日に日に目覚ましい進化を遂げていた。
R☆Sオケの演奏にも自然と熱が入る。

曲の盛り上がりとともにどんどん皆の集中力が高まった。
そして…

「!!!」

突然ジェヨンが出した間抜けな音に、最高潮の場面で思わず演奏が止まる。
練習室が静まり返った。

ユジン「…ソリストに迷惑が掛からないように、もう少し個人練習して来てくれ。敢えて誰とは言わないが」

スミンが訴えるようにジェヨンを指さす。

ジェヨン「…。」
ユジン「今日はここまで。お疲れ」

+-+-+-+

ベンチで楽譜を見ているユジンのところへやって来たのはイラクだ。
ユジンの前に立つと、イラクは暫く躊躇った。

ユジン「(笑)今度は何だ?もう一人で練習できるだろ」
イラク「えーと、そうじゃなくてさ。んー、つまり」
ユジン「早く言えよ」
イラク「え?えーと」
ユジン「?」
イラク「オレ、ステージで失敗しないかな」

「何?」ユジンは笑った。

ユジン「そんな心配してる暇があったら、帰って練習しろ」
イラク「だってさ、今回はセヒョンと一緒なんだろ?どんなステージになるのか、全く見当もつかなくてさ」
ユジン「言いたいことは何だ?」
イラク「えーと、つまり…」
ユジン「…。」
イラク「今からでもチョン・シウォンにソロを代わっちゃ駄目か?」

「帰れ。バカなこと言ってないで」ユジンは手元の楽譜に視線を戻す。

イラク「バカなことじゃねーぞ!こんなに大事なステージなのにさ、オレよりシウォンの方が遥かにイイだろ」
ユジン「絶対に代えない」
イラク「…。」
ユジン「立派な演奏がしたいって情熱はどこ行ったんだ?何気弱なこと言ってんだよ」
イラク「…。」
ユジン「今みたいに一生懸命練習していれば、勝手にいいステージになる。だから、帰って練習しろ」

ユジンはカバンを掴み、イラクを残して立ち去った。

+-+-+-+

ネイルはさっそくラ・カンパネッラの練習に集中していた。

『薬指と小指でトリル。
違う… 違う!リズムが狂ってる。
これは鐘の音。
鐘の音… もう少しか細く…』

※カンパネッラとはイタリア語で「鐘」のこと。

ネイルの演奏をト教授は静かに見守る。

ト教授(心の声)「完成だ。しっかり弾けている。私が教えたわけじゃない。こんな人間がいようとは…」

+-+-+-+

ト教授とのレッスンを終えてからも、ネイルの練習は遅くまで続いた。

「チャ・ユジン、お前の助けが必要なんだ」

ト教授に頼まれ、様子を見に来たユジンは、廊下からじっと彼女の演奏に聴き入る。「…。」
曲が終わった途端、大きな音がする。
ネイルが鍵盤に突っ伏していた。

ユジン「!」

驚いて中に入ったユジンは、顔を覆った彼女の髪をそっとかきあげてみた。
完全に力尽きている彼女に、ユジンは思わずため息をつく。

ユジン「こいつ… 手に負えん」

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+-+-+-+

ユジンはネイルを背負い、マンションの前までテクテクと歩いてきた。
「先輩、一緒にヨーロッパ行きましょう」背中でネイルが言う。

ユジン「行けたらいいな」
ネイル「私、絶対先輩をヨーロッパに行かせますから」

「光栄な言葉だ」ユジンはよいしょっとネイルを背負い直す。

ユジン「ソル・ネイルに負けないために頑張らないとな」
ネイル「私も負けませんヨ。先輩に恥ずかしくないように一生懸命やりますから」
ユジン「必ずしも1位にならなくていい。お前の言った通りだ。自由に、楽しく。お前が弾きたいように弾けばいい」
ネイル「…。」
ユジン「演奏するお前が幸せなら、聴く人たちも幸せになるんだ」

「先輩、すごく変わったな♥」ネイルが嬉しそうに呟く。

ネイル「でも、絶対1位になります」
ユジン「お好きにどうぞ^^」

+-+-+-+

『ネイル ファイト!』バイトの休憩中、ミニは熱心にボードを作っていた。
「何作ってるの?」ユジンの母ソニョンが姿を見せる。

ソニョン「ネイル、ファイト?ネイルが何かコンクールに出るの?」
ミニ「はい!本選まで進んだんです。応援に行こうと思って」
ソニョン「何で言ってくれなかったのよ~!私も一緒に応援しに行かなきゃ」

「ミニミニ、ちょっと協力してよ」ソニョンが身を乗り出した。

+-+-+-+

さっそくミニの案内で本選会場に乗り込んだソニョンは、せっせとネイルの世話を焼く。
ネイルに元気な赤いリップを塗り、気分を盛り上げた。「映画女優みたいよ!」

上機嫌で廊下を歩いてきたネイルは、前を歩いてきた誰かを避けようとした。「すみません♪」
その人物… かつてのネイルのピアノ教師はわざと彼女の前に立ちふさがる。

「?」ようやく顔を上げたネイルは、凍りついた。「!!!」

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教師「久しぶりね、ソル・ネイル」
ネイル「…。」
教師「合格者名簿で名前を見つけたわ。珍しい名前だからきっとあなただろうと思ったけど、意外ね。まだピアノを弾いているなんて」
ネイル「…。」
教師「音大に通ってるの?」
ネイル「…はい」
教師「どこ?」
ネイル「韓音…大」
教師「あなたが韓音?いいところに入ったのね。せっかくのコンクールなのに気の毒だわ。どうせこのコンクールは、うちのカラムが優勝するから」

硬直するネイルを残し、教師は勝ち誇ったように立ち去った。

+-+-+-+

パニックに陥ったままネイルはロビーを通りかかった。
ちょうどそこへ階上から彼女を見つけたのは、花束を抱えたユヌだ。「ネイル!」

彼の声に全く気づかず、ネイルはふらふらと遠ざかっていく。

ユヌ「?」

+-+-+-+

ステージではキム・ガラムの演奏が始まっていた。
奇しくもネイルと同じ曲だ。

ト教授の隣にはアン教授も姿を見せていた。(←久しぶりやん!

ト教授「彼女に勝とうと思ったら、ひとつもミスは許されない」

ソニョンとミニも口をポカンと開けて演奏に見入る。

ソニョン「めちゃくちゃ上手いわね」
ミニ「ですよね。ソン・スジより上手いかも。次はネイルの番なのに…」

+-+-+-+

待機しているネイルの耳にも容赦なくカラムの演奏が入ってくる。
「完全にノーミスね」聞いている他の出演者が囁き合った。

出演者「リストにしなくてホントに良かった。比べられるちゃ堪らないもの」

「久しぶりね、ソル・ネイル」「意外だわ。まだピアノを弾いているなんて」振り払おうとすればするほど、ピアノ教師の言葉が甦る。

「7番、ソル・ネイルさん、出てください」係が呼びに来た。「!」

係「急いでください。遅れたら失格になりますので」

と、立ち上がったネイルは突然ステージとは反対に駈け出した。

係「ソル・ネイルさん!!!」

+-+-+-+

舞台袖を飛び出し、廊下を駆け抜けると、ネイルはそこでギョッとして立ち止まった。「!!!」
ユジンだ。

ネイル「!!!」
ユジン「ソル・ネイル… 何でここに?」
ネイル「…。」

346

#お取り込み中申し訳ないけど、後ろの白いオブジェ(コーラス隊?)のインパクトがなかなかのものだ。

+-+-+-+

ここでエンディングです。

リストのラ・カンパネッラはもし宜しければ辻井伸行さんの演奏をどうぞ。

聴いていると勝手に涙が出てくる、本当に美しい演奏です。

ネイル、ユジンに力貰って頑張ってー!

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