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ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 12話vol.2

   

チュウォン、シム・ウンギョン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)12話後半です。

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※すみませんが、AオケとSオケの対立はもうウンザリで、正直前の喧嘩を繰り返してるだけなので、ざっくりにとどめてすっ飛ばします。ホント理解に苦しむ。力を合わせた先の公演は何だったの?

ジェヨンたちがSオケの悪口を言っているのを聞いたオーボエ君から、Sオケメンバーに一斉に知らせが送られた。
憤慨して解散まで口にするメンバーに、イラクは焦りを募らせる。

あっという間に彼らは正面衝突した。
実力ならAオケだ、ビジュアルならSオケだ、と譲らない彼らをシウォンとイラクは懸命に宥めるが、しまいには「一緒に練習室を使いたくない」とまで言い出す者まで出る始末…。

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「シャンパンを早く開けすぎた?」意味が分からず、ミナは訊き返した。「それはどういう意味?フランツ」

シュトレーゼマン「オーケストラの団員のことです。正式な承認を受けたのは、いいことばかりではなさそうです」
ミナ「承認を受けてこそ支援が出来るんです。心配なさらないで。R☆Sの公演ですっかり有名になったんですから」
シュトレーゼマン「…。」
ミナ「もう彼らで上手くやれるはずです」
シュトレーゼマン「ふむ。まだヨチヨチ歩きの赤ん坊が走ろうとすれば、転ぶのが当たり前です。小さな成功に酔えば、大事なことを見逃してしまいます。今、一番危ない時ではないかと思うんですヨ」
ミナ「…。」

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とうとうAオケのメンバーは練習室に中から鍵をかけ、Sオケのメンバーたちを締め出した。
「子どもじゃあるまいし話し合おう」と説得するイラクに、「先に手を出したのはそっちだ」と中から声が。
オーボエ君が ”軽く” ジェヨンを殴ってしまったのだ。
「私たちも外から閉めちゃいましょうよ!」ミニの一声をキッカケに、ドアの内と外で押し合いが始まった。

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彼らがもみくちゃになっているところに現れたのは、ユジンだ。

彼は団員たちを全員練習室へ入れ、席に座らせた。
静かに黙っているユジンに、気まずい空気が練習室を包む。

後からシウォンが入ってくると、彼女が座るのを待ってユジンが口を開く。

ユジン「方法は二つだ。どちらかを選択しろ」
全員「…。」
ユジン「一つ目。争いの原因はソリストだ。ソリストのいない曲にする」

「何言ってんだ!ありえない!」「それはダメだって」皆が一斉にゴネる。

ユジン「二つ目」
全員「…。」
ユジン「オープンオーディションをやる。その後の投票でお前たち自身がソリストを選べ」

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全員が静まり返る。納得できる話だ。

ユジン「AオケとSオケの人数はほぼ同じだから、不公平はないだろ。お互い相手のオケのメンバーの中から、ソリストに相応しい人の名前を書くんだ」
ミニ「つまり、私たちはAオケの誰かに投票して…」
ジェヨン「オレたちはSオケの落ちこぼ…」
Sオケメンバー「!」

ユジンが呆れて目を閉じる。「…。」

ジェヨン「…の中から一人選べって?」

「そんなの無理!」「何でそんなこと!」また皆がゴネる。

ユジン「嫌なら…」
全員「…。」
ユジン「今回の公演はソリストなしの曲で行く」
全員「…。」
ユジン「曲の選択権はオレにある。嫌なら好きにしろ」

#またオーディションか… って思いません?

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外へ出て来たユジンの表情は重かった。
「あなたもそんな楽器を演奏してみたくない?」スジの言葉が甦る。「世界の本物のオーケストラよ」

#これじゃ、R☆Sオケにうんざりして、海外願望が強くなってる…ってことになるよねぇ。

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ネイルは今日もレッスン室へやって来た。
彼女は自分で持って来た楽譜をト教授に差し出す。

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※ハイドン ピアノソナタ変ホ長調 Hob.XVI/49

ト教授「ハイドンを選んだのか。前に弾いたことがあるのか?」
ネイル「いいえ。でも、課題曲の中で一番惹かれたんです。何ていうか… 付き合ったことがないタイプの人と付き合ってみたくなったっていうか、そんなカンジです」
ト教授「付き合ったことある奴と付き合え!」
ネイル「…。」
ト教授「時間もないのにプレイガールの真似なんて」
ネイル「イヤです!私、この曲にします!どうせ他の課題曲だってよく知らないし。それに私、昨日は夜通し練習したんですから」
ト教授「練習してきたんだね?」

ネイルが頷く。

ト教授「分かった。弾いてみなさい」

楽譜を広げ、彼女はピアノソナタを弾き始めた。

どんどん曲が進んでいく。
それにつれて、ト教授の指導もどんどん熱くなった。

「楽譜をちゃんと見ろ!勝手に盛り上がって気分に酔うな!」
「そこは切らなきゃダメだ!楽譜を正確に鍵盤に移せ!」
「お前のフィーリングだけで進んだら、予選ですぐ脱落だぞ!」

ト教授の大声にもネイルはもう怯むこともなく、集中して弾き続けた。

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どこか深刻な様子で練習室を出たト教授は、そっとユジンを呼んだ。

ユジン「ソル・ネイルに何か問題が?」
ト教授「どんなものにもタイミングがある。自分が何に優れているのかも知らずに、チャンスも手に入らなければ、誰しも平凡に生きるしかない」
ユジン「何のお話でしょう…?」
ト教授「あの子を無理やり枠に閉じ込めている気分だ」
ユジン「…え?」
ト教授「ソル・ネイルは楽譜通りに弾くのを嫌がる。自分のフィーリングだけで弾く癖を捨てられないんだ。本選ならともかく、予選はそんな型破りは認められない」

ユジンが頷く。

ト教授「予選を通過できないなら、本選なんて何の意味もない。ソル・ネイルを見つけるのが遅すぎたんじゃないかと思ってな」

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自宅にいるネイルの携帯にメールが届いた。

♡ ユジン先輩 ♡(メール)「ちょっとうちへ来てみろ」

訪ねてきたネイルの前に、ユジンはヘッドフォンや携帯オーディオ、薬など、いろんな物を抱えて持って来た。

ネイル「何ですか?」
ユジン「練習後に必要な物だ。必ず手袋をして、練習前には温水に手を浸すといい。ピアノ以外に手を使うなよ」
ネイル「?!」
ユジン「あ、ミシンも禁止だ。衣装を作ろうなんて考えたら怪我するからな」
ネイル「だけど先輩。ト教授から聞いたでしょ?」
ユジン「…。」
ネイル「コンクールに出ないってことじゃなくて、あと何日かだけ練習すればいいんです。まだ楽譜通り弾くのに慣れなくて…」

ネイルが話している間、ユジンは淡々とヘッドフォンを用意すると、彼女の頭にかぶせた。

ネイル「?!」

ネイルはヘッドフォンから何か流れてくるのに気づき、耳を澄ませる。「…。」

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ユジン「審査員の傾向やコンクールの基準に徹底的に合わせた演奏だ。覚えられるよな?」
ネイル「…。」
ユジン「ト教授はまだお前のことをよく知らない。お前の才能の一部だけ見て、やってみたいと切望しただけだ。お前は楽譜より耳で聴いたほうが早いなんて、知らなくて当然だろう」

「暫くの間は」彼は少し強調する。「決められた型に合わせるんだ」

ユジン「世間にお前のことが知れ渡れば、そのときはお前の好きなように弾けばいい」

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ヘッドフォンから流れる演奏を聴くうちに、ネイルがニッコリ笑った。

ネイル「これ先輩が演奏してるんデスね♪」

ユジンはさっと視線をそらす。「暇だったから」

ネイル「協奏曲の準備で忙しかったはずなのに」

曲に合わせて指を動かす彼女に、ユジンはふっと微笑んだ。

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予選を目指したネイルの奮闘は続いた。

「ハイドンと恋愛しているつもりで弾け!」ト教授の声が飛ぶ。「そうすれば音符一つ一つを正確に弾きたくなるはずだ」

「また自分勝手に!音楽は知っているだけ楽しめるんだ。自分勝手に演奏しないで、楽譜どおりだ!」
「定石どおり演奏するほうが難しいんだ。分かるか?!」

レッスン以外の時間も、彼女はヘッドフォンとプレイヤーを手放さず、常に課題曲に没頭した。

暗くなっても課外レッスンは遅くまで続く。

そのうち、ネイルの演奏にト教授は口を挟むことなく、落ち着いて耳を傾けるようになっていた。

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ユヌが真っ白なコートの裾を揺らし、メトロノームに合わせて右手を振りながら颯爽と歩いてくる。

廊下をやってきたイラクたちは、前に見える人影に驚いた。「ユヌじゃないか?」

それがユヌだと分かると、彼らは顔を輝かせる。「イ・ユヌ!!!」
彼らに捕まると、ユヌもまた嬉しそうに笑顔を見せた。

イラク「どこ行ってたんだよ」
ユヌ「イラク!」
ミニ「先輩、いつ帰国したんですか?」
ユヌ「?」
ミニ「(拗ねる)ちょっと寄っただけなんですか?挨拶しに?」
ユヌ「まさか。久し振りだな、ミニミニ。相変わらず可愛いね」
ミニ「ふふん♥ 」
スミン「あんたも相変わらず。それで、そうしてたの?何も言わずに消えちゃって」
イラク「そうだぞ。二重奏キャンセルして消えちまって、ネイルは何も言わねーし、学長が後始末に苦労されたんだ」
ユヌ「母さんもそう言ってた」

頷いたイラクは、ようやくユヌの左手のギブスに気づく。「お前!どうしたんだよ?!」

イラク「怪我したのか?」

「!!!」他の二人も驚いて息を呑んだ。

ユヌ「(苦笑)軽い骨折だって。大事を取ってこうしてるだけだ。大したことないよ」
ミニ「大変!痛そう…」
イラク「…。」
スミン「大丈夫?大変…」
ユヌ「みんな… オレのこと心配してくれるのか?いい気分だなぁ」
皆「…。」
ユヌ「ところで、うちのネイルはコンクール準備で忙しのかな?見かけないけど」
イラク「あぁ、最近忙しいん…」

「!!!」イラクがハッとする。「うちのネイル?!」

驚く彼らに、彼は嬉しそうに笑った。

#「うちのネイル」って訳したけど、なかなか適当な日本語がありません。彼が決めた「やりたいことは全部やる」の一環でしょう(笑)

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楽譜を睨みながら歩いてきたネイルは、突然誰かに後ろから肩を抱えられ、ハッとして立ち止まった。
ユヌが彼女に笑いかける。

ネイル「ユヌ先輩!」
ユヌ「可愛くなったね、ネイル」

そう言って、ユヌは少し拗ねた顔を見せる。「オレに会いたくなかった?」

ネイル「いや… 会いたかったけど…」
ユヌ「…。」
ネイル「でも、そんなに触っちゃ困ります。私、人妻なんですカラ」

そういって彼女は両手で体を抱える。

ユヌ「何を今更」
ネイル「先輩、ちょっと変わったみたいですね」

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#うんうん、その髪型のほうが可愛いよ、ユヌ先輩

ユヌ「?」
ネイル「病気になると変わるって言うけど…」

彼女は手のひらで彼のおでこに触れてみる。「具合が悪いんですか?」
うんうんと頷き、彼はギブスで固定された左手を出した。

ネイル「!!!」
ユヌ「…。」
ネイル「どうして?大した事ないって言ってたのに!」
ユヌ「ホントはあのときめちゃくちゃ痛かったんだ」
ネイル「…。」

「冗談だって」ユヌは明るく笑ってみせる。

ネイル「…。」
ユヌ「あのときは大したことなかったけど、その後ちょっとひねっちゃって、念の為にギブスしてるんだ」

ネイルが心配そうに彼の左手を見つめると、ユヌはその彼女の顔を楽しそうに覗きこんだ。

ユヌ「ネイルが心配してくれて嬉しいな」
ネイル「…。」
ユヌ「帰ってきた実感が湧くよ」
ネイル「ホントに… ずいぶん変わったみたいです、先輩」

ユヌは彼女の言葉にニッコリ微笑んだ。

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R☆Sオケのメンバー同士でのオープンオーディションが始まった。

メンバーが皆の前に順に進み出て、演奏する。

#人数少なっ!いいや、もうこれ以上ツッコむまい。
オーボエのソンジェが演奏してる曲は、黒木くんのピンクのモーツアルト♥
あぁ黒木くん…

イラクの番が回ってきた。

ソンジェ「ユ・イラク、なかなかのモノだな」
ジェヨン「けど、シウォンがあの曲やるって知っててチャイコフスキーを選んだんだよな。ホントにソロをやるつもりはないらしい」

#訳しませんでしたが、↑で喧嘩してたとき、「オレはソリストする気はない」って言ってました。

次はシウォンの番だ。
皆が納得して頷き合う中、彼女の演奏を見つめるイラクの目はひときわ純粋だった。

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スミン「イラク、あんたシウォンと同じ曲だって知っててわざと選んだの?」
イラク「(笑)そうすれば比較できるだろ。うちのコンマス、ホントに上手い」
ミニ「何てバカなこと」
スミン「バカなことっ」
イラク「ソン・スジの公演の後なんだ。すごい関心が集まる。R☆Sのソリストとして立てるならシウォンくらいじゃないとな」
ミニ「そりゃそうだけど、Aオケの人たち、憎たらしいんだもん」

#いいから演奏を聴け

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全員の演奏が終わり、シウォンとイラクが待っているところへ、ユジンがやって来た。

ユジン「投票は来週にしよう。みんな考える時間が必要だろうし。候補曲はだいたい選んであるから」

#何てことを…。聴いてその場で投票させなきゃ、いらん結託するでしょーが

二人は頷いた。

ユジン「常識的な投票なら、結果は明らかだ」

「そうとも」イラクが微笑む。「結果は明らかだ」

イラクとユジンの視線が揃ってシウォンに向かう。

シウォン「???… あ、(咳払い)ここちょっと暑いね」

「暑いか?」イラクは手のひらでシウォンを懸命に扇いでやる。

ユジン「みんな文句はないよな」
イラク「もちろん。実力は分かってるんだし、文句の言いようがない。公正に投票すれば、それで終わり。問題は全部解決だ」

シウォンにニコニコ笑いかけるイラクが微笑ましくて、ユジンはふっと笑った。

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投票が来週となり、彼らには憶測をふくらませる時間がたっぷり与えられた。

Aオケのメンバーたちはさっそく顔を突き合わせる。

ジェヨン「Sオケのヤツらは誰を選ぶんだろう?」
ソンジェ「そうだな。常識的にはシウォンだろうけど… Sオケがシウォンを選んでくれるかな?」
ジェヨン「それなら、オレたちも真面目に票をやるわけにはいかないな」
ソンジェ「どうするんだ?」
ジェヨン「選ばれたってまともに出来ない奴を選ぶより、自分から辞退する奴にするんだ」

Sオケのメンバーたちも同様だ。

ミニ「シウォン先輩が上手いのは確かですね。そっちに票が集中したらAオケからソリストが出るってことでしょ」
クラリネット君「そんなこと出来るかよ」
オーボエ君「そうだ。Aオケにソリストを譲るくらいなら、番組に穴あけた方がマシだ」
スミン「私たち、どうしたらいいのかな」
ミニ「みんな、Aオケからソリストが出るの、嫌でしょ?」
一同「(うんうん)」
ミニ「それなら、方法はたったひとつですね」

皆が大きく頷いた。

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誰もいない暗い講義室で、シウォンとイラクはこっそり待ち合わせた。
外から見えないよう、廊下側の壁に体をくっつける。

シウォン「ねぇ、何もやましいことないのに、何でコソコソしなきゃいけないの?」
イラク「仕方ないだろ。みんな超神経質になってんだから。オレたち二人きりで相談するなんて言ったら、裏切り者扱いされる」

「はぁ」シウォンは大きく溜息をついた。

シウォン「いいことが続いてると思ったのに、何てピンチなの?どうしたらいいのかな」

「だからオレたちだけでも心を合わせて…」イラクは思わずシウォンのそばに近づいた。

イラク「!」
シウォン「…何?」
イラク「…匂い」

「え?!」シウォンは慌てて自分の髪や服を匂った。

シウォン「私、匂う?」
イラク「…。」
シウォン「ちゃんと洗ってるけど」
イラク「髪… いい匂いだな」
シウォン「…。あんたに匂い嗅がせるためじゃないから」
イラク「…。」
シウォン「ちょっと!あんた私のこと口説いてんの?常套句なんでしょ」
イラク「そんなんじゃないって!」
シウォン「誰彼かまわず口説くのは悪い癖だからね」
イラク「誰彼かまわず口説いたりしない!お前だから口説いてんだ!」
シウォン「!」

感情に任せて思わず言ってしまってから、イラクはハッとする。
「…。」長い沈黙が流れた。

イラク「好きだから口説いてんだ…」
シウォン「…。」

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そして、細長い窓を隔てて向こう側の壁へフラフラと戻り、壁に顔を押し付けた。「…。」

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ブティックの前を通りかかったユジンは、通り過ぎたところで駆け戻った。
キョロキョロと周りに誰も居ないのを確かめ、ショーウィンドウのドレスに見入る。
ひとりでに顔が緩んだ。

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ユジン「背丈がこれくらいで、体つきがこれくらいなら… サイズはいくつだろうな?」

ぶつぶつ言いながら首を傾げているところへ、不意に現れたのは天敵ユヌだ。
ユジンが気づかないまま、ユヌは隣で一緒にドレスを見上げた。

ユヌ「あのドレスか?ネイルがコンクールで着るドレス?」
ユジン「いや、まだ。ソル・ネイルが気にいるかどうか…」

そこまで普通に答えて、ユジンは初めて振り返る。「!!!」

ユヌ「あぁ~♪ ネイルはああいうドレスが好きなんだな!」

ユヌは何の躊躇もなく店に入って行くと、外からユジンが見ている目の前で、店員にそのドレスを指さした。
「おい!」ユジンは慌てて店へ飛び込んだ。

ユヌ「(店員に)このドレスください。試着しに来ますから、そのときに」
ユジン「(店員に)このドレス、僕が先に目をつけたんですよ!」
ユヌ「(ユジンに)僕が先に買うと言ったんですが?」
ユジン「(店員に)僕が先に見てたの、ご存知でしょう?さっきご覧になりましたよね?」

店員が頷く。

ユヌ「買うと言った人が先だ」
ユジン「人が目をつけたのを横取りするのは酷いんじゃないか?」
ユヌ「迷ってるほうが悪いんだ」
ユジン「横取りするのは悪くないのか?」
ユヌ「…。じゃあお前が買えよ」

「オーダーメイドも可能ですよね?」ユヌが店員に言う。

店員「もちろんです。そうオススメしようかと思っていたんですよ」
ユヌ「…。いや、今回はオレが引き下がろう」
ユジン「?」
ユヌ「(ユジンに)今後もそうやってピリピリしてろよ」

ユジンをからかうだけからかって、ニッコリ微笑むと、ユヌは満足気に店を出て行った。

#出て行く時、ギブスしてる左手でドンとドアを押したよ(笑

ユジン「はぁ…。あのキザ男、前より手強くなってる…」

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「家の前に出て来い」ユジンはマンションの階段を上がりながら、ネイルに一言電話で告げた。

ネイルがドアの前に出てくると、すぐにユジンが帰って来る。「先輩、どうしたん…」
すれ違いざまに、彼女の手にボンとショッピングバッグを押し付けると、彼はそのまま見向きもせず、自分の家の中へ消えた。

#ぷぷぷっ♥

ネイル「あれ?たった今何か通り過ぎた気がするけど…」

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玄関の中へ逃げこむと、彼はぐったり疲れた様子でドアにもたれかかった。
「わぁ!ドレスだ!」ドア越しに彼女の声が聴こえてくる。「先輩、これ私のですよね?」

ネイル(声)「コンクールのドレスでしょ?」
ユジン「じゃなきゃオレのか?」
ネイル(声)「わぁーどうしよう!」

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「はぁ」ユジンは小さく息をついた。「買い物って疲れる」

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「それでは決心したのですか?」シュトレーゼマンに尋ねられ、ユヌは晴れ晴れとした顔で答えた。「はい」

ユヌ「決心するようなこともありません。シュトレーゼマン教授の指揮科に編入すればいいんですから」
シュトレーゼマン「ふむ。まさか韓音大へ来るとは思ってもいませんでしたが、驚きましたヨ」
ユヌ「今後はもっと驚かせて差し上げますよ」
シュトレーゼマン「期待しましょう」

「それでは失礼します」ユヌは立ち上がる。「今日はネイルのコンクール一次予選なんです」

シュトレーゼマン「Oh、ネイルがコンクールに出るとは聞きましたが、今日でしたか」
ユヌ「えぇ」
シュトレーゼマン「それでチャ・ユジンのヤツ、私の呼び出しを無視したんですね」
ユヌ「僕も遅れそうです。こうしてるうちに、うちのネイルの予選、見逃すかも」
シュトレーゼマン「行ってらっしゃい」

ユヌが元気に部屋を出て行く。

シュトレーゼマン「うちのネイル?」

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予選会場では、広いステージの中央にピアノだけが置かれ、スポットライトが当たっている。
五人の審査員が客席の一番まえに待機していた。

控室でネイルはユジンから贈られたドレスに身を包んでいた。

#マネキンに着せてあったときよりずっとイイね^^

そこへ入ってきたのはト教授だ。
彼女はドレスをアピールする。「綺麗でしょう?」

ネイル「ユジン先輩がプレゼントしてくれたんです。ブラボー♪」
ト教授「ドレスのこと言ってる場合じゃないだろう。緊張しないのか?」
ネイル「…。」
ト教授「忘れるなよ。絶対にカッとなるな。フィーリングに釣られちゃダメだ」
ネイル「(うんうん)」
ト教授「楽譜どおりに弾くんだぞ」
ネイル「はい。何があっても楽譜どおり!定石どおり!」
ト教授「(うんうん)」
ネイル「それでこそハイドンはハイドンらしくなる!」

ト教授がニッコリ微笑み、指をパチンと鳴らした。

そこへ、ネイルの番号が呼ばれ、準備するよう指示が出た。
「ファイティン!」ト教授とネイルは固く拳を合わせる。
深く息をつくと、ネイルは出陣した。

ト教授「はぁ、緊張する!」

+-+-+-+

客席に出て来たト教授が、隅っこの席に腰を下ろす。
同時に後ろの扉が開き、ユジンが入ってくる。

別の入口から入ってきたのは、ユン・イソン教授だ。

「ある人に頼まれて見に来たんです」声を掛けた関係者に、ユン・イソン教授は答える。

関係者「ユン・イソン先生を動かすとは、よっぽど大物なんでしょうね」

「あの学生はソル・ネイルでしょう?」ユン・イソンはチラリとステージを見る。

関係者「ご存知の学生ですか?」
ユン・イソン教授「えぇ、よく知っていますわ。私のマスタークラス初日に逃げ出した学生ですからね」

関係者が立ち去ると、ユン・イソン教授は後ろの方のの席にそっと腰を下ろした。

+-+-+-+

舞台の袖からネイルが顔を覗かせた。

彼女に気づいたユジンの顔がほころぶ。
ト教授も温かい表情で彼女を見守った。

一歩ずつ、ぎこちなくピアノへ向かいながら、彼女は緊張のあまりズルっと滑り掛ける。

ユジン「!」
ト教授「!」

気を取り直し、何とかトコトコと中央へ辿り着くと、彼女はピョコリと頭を下げ、ピアノの前に座った。

ネイル「…。」

気になって客席に目をやった彼女は、ある一点に目を留めた。
ユジンの姿だ。

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見守っていくれるユジンに力を貰い、彼女は力強く頷くと、ピアノに向き直る。

ユジン(心の声)「そうだ、そのまま…。上手く行ってる。世界中に見せてやれ。ピアニスト、ソル・ネイルを」

ネイルは慎重に鍵盤の上に手を置いた。
いよいよだ。

+-+-+-+

ここでエンディングです。

ユン・イソン教授を呼んだのはユジンでしょうかね^^
相変わらずイライラさせる教授ですが、ネイルを軽蔑させたままで終わらせない流れになるようで、嬉しいです。

こんなことやってるんなら、R☆Sオケの皆さんはネイルのコンクールが終わるまで休んでてください。

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