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ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 4話vol.2

      2014/11/03

チュウォン、シム・ウンギョン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)4話後半です。
セリフのやりとりと共に、あらすじを詳しく追っていきますね。

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晩ご飯にカップラーメンやソーセージ、それに板チョコを持って、ネイルはレジに向かった。
いつものようにカードを読み取り機に通すと、店員が言う。「残高不足ですよ」

ネイル「えぇ?残高不足ですか…」

グゥゥ

ネイルが振り返ると、彼女の後ろでミニがペコペコのお腹を押えていた。

+-+-+-+

「ご期待!ネイルの巨大な食料庫!」ミニを部屋へ連れて帰ってくると、ネイルは冷蔵庫を豪快に開けた。

…空っぽだ。

ネイル「ごめん。私も仕送り入るの2日後なんだ」
ミニ「いいよ。気持ちだけでもありがとう…」

「じゃじゃーん」ネイルが見つけたのは、隅っこにあった缶だ。「アーモンドがあったんだ!」

ネイル「お母さんがおやつに食べろって送ってくれたんだよ」

ミニが広げた両手のひらにコロコロと出てきたアーモンドは…2粒。「!」

ミニ「これだけでも分けっこして食べよ」
ネイル「ううん、ミニミニが全部食べなよ。私は大丈夫♪」

「ありがとう!」ミニは2粒のアーモンドを夢中で噛み砕いた。

ネイル「…。」

ボリボリと噛みながら、不意にミニは鼻をくんくんさせる。

063

ネイル「ミニミニ、どしたの?」
ミニ「食べ物の匂い」
ネイル「た、食べ物の匂い?」

くんくん、くんくん

ミニは動物的嗅覚を頼りに、食べ物の匂いを辿って歩き出した。

ミニ「(くんくん)ステーキ、(くんくん)スープ、パンの匂い!」

#あはは~ 可愛い~

+-+-+-+

数分後、ミニはテーブルに並べられた御馳走をむさぼるように食べていた。
「はっ!ごめんなさい!勝手に食べちゃって」無意識でつまんでしまってから、ミニは慌てて詫びる。

ミニ「私、食べ物の前じゃ理性も体面も忘れちゃう…」

「それが正常だよ!食欲さえなくさなきゃいいって」そう豪語するネイルも片手にクロワッサンをつまんでいる。

「正常じゃない!」そうぶった切ったのは、本日のシェフ、ユジンだった。
彼は慣れたように二人にフォークを手渡す。「食べろ」

ミニ「いただきます!」
ネイル「ミニミニ、たくさん食べてね♪」

「…。」飢えた女子たちを前に、ユジンは溜息をついた。

ミニ「超オイシイ!(ネイルに)いいなぁ、毎日こんなの食べさせてもらってるの?」
ネイル「もちろん♪毎日食べてるよ」

ネイルは一口スープを飲み、顔をしかめた「Oh、インスタント!先輩、最近手抜きデスね」

ユジン「食わせてもらってるくせに口うるさいな。文句言うなら帰れ」
ネイル「インスタントでもたっぷり愛がこもってるもん♥」
ユジン「そんなものあるか。さっさと食って帰れ。コントラバスの音程がめちゃくちゃだって分かってるだろ。パート練習に出ないから一人だけボーイングも違うんだ」

「…ごめんなさい」ミニはさらに小さくなる。「バイトがあって」
「そうですよ!ミニミニは毎日バイトで遅れるんですから」ネイルがミニを庇った。

ユジン「バイト辞めればいいだろ」
ミニ「そしたら…学費が払えなくなるから」
ユジン「じゃあ大学辞めれば?学費のために練習に出られないんじゃ、通う意味あんのか?」
ミニ「…。」
ネイル「何で意味ないんですか!キャンパスのロマン!キャンパスカップル!私たちだって学校で出会ったんじゃないですか、先輩」

「独学した方がマシだ」ユジンは誰にというわけでもなく、ぽつりと呟く。

ミニ「大学出てない演奏者は… 誰にも知ってもらえないから…」
ユジン「欲しいのは解決策か?それとも同情か?」

「…。」ユジンの厳しくも真っ当な一言に、ミニは黙り込む。

「ごちそうさまでした」ミニはまだ食べ始めたばかりの料理を前に、立ち上がった。

+-+-+–+

ネイルはミニが気になって、彼女がバイトするカフェにやって来た。

ミニ「もう帰りなよ」

「じゃじゃーん」ネイルの手のひらには、500ウォン貨が2枚。

ネイル「家じゅう探して見つけたんだ~♪」
ミニ「…。」
ネイル「終わったらキンパ食べる?何が食べたい?」

「私、オケ辞めるよ」ミニは沈んだ声でそう言った。

ネイル「え?どうして?!」
ミニ「先輩の言う通りだもん。私、言い訳を探してただけなんだ」
ネイル「違うって。言い訳じゃないよ。バイト辞めたらオケも辞めなきゃいけないからでしょ」
ミニ「…。」

「先輩ヒドイ!」ネイルは顔をしかめる。
そこへ鳴ったのは、ヒドい先輩からの電話だ。「偉そうに何の電話?!」

ネイル(電話)「先輩、会いたいからって電話してもムダですヨ!当分の間私たちは別居です!!!…え?総譜?どこ置いたかな?あ、テラスですよ。何でって?分かりませんケド」

「ミニミニ、ごめん」ネイルは電話を切ると、気まずそうに言った。「もう行くね」
ミニは思わずネイルの腕をつかむ。

ネイル「どうした?辛いの?」

ミニはじーっとネイルのポケットを見つめた。
「これ?」ネイルが出したポケットの500ウォン貨2枚を受け取ると、ミニは手を振った。「気をつけてね」

帰って行くネイルを、通りかかったオーナーのソニョンが振り返った。

ソニョン「友だち?」
ミニ「はい。友だちです」
ソニョン「学生結婚みたいね。あんなおチビちゃんが新妻だなんて…可愛いわ」

+-+-+-+

「遅いぞ!」ユジンが玄関の扉を開けると、待っていたイラクがすかさず中へ飛び込んだ。

ユジン「おい!待てって、ユ・イラク!」
イラク「わぁ~、すげー家だな!」

呆然としているユジンの家で、ひょこっと入って来たのはスミンだ。
スミンは憧れのチャ様の部屋に顔を輝かせる。

ユジン「(スミンに気付き)うわっ!」
スミン「夜遅くにごめんなさい。私は止めたんだけど、イラクがチャ様の家に行くって聞かなくて」
ユジン「チャ様?」
スミン「(ニッコリ)」
ユジン「オレのことそう呼んでるのか?ティンパニー」

スミンの顔がハッとしてチャ様に駆け寄った「私のこと、覚えてるの?!」

ユジン「オケのメンバーなんだから当然だろ。それにマトモな演奏するのはオマエだけなんだから」
スミン「!!!(うるうる)」
ユジン「…。」

064

「ほら」えらく酔っ払っているイラクは、ビニール袋を差し出した。

イラク「最高級のステーキ肉だ。食うか?」
ユジン「晩メシで食ったから」

「そうか?」イラクは冷蔵庫を開ける。「それじゃ明日食おうぜ」

そこへ不意に割って入ったのはネイルだ。「お肉はそこに入れるんじゃありまセン!」

ユジン「?!」

ネイルはすっかり慣れた様子でチルド室を開ける。
お肉をトレイに出して並べ、『Chef Pantry』をオンにした。

ユジン「おい、ソルレバル!うちの冷蔵庫を勝手に…」
ネイル「(冷蔵庫をバタン)」
ユジン「どうやって入って来た?」
ネイル「ドアが開いてましたから。先輩、総譜探して来ますね~」

「ちょっと!あんた!」ネイルに驚いたスミンが立ち上がる。

スミン「ちょっと!追っかけファン!あんたが何でここにいるのよ!」
ネイル「ストーカー先輩!今度は家の中にまで!!!」

呆れて眺めるユジンの前で、二人はつつきあいを始めた。

ユジン「静かにしろ!!!」
二人「!!!」
ユジン「…。」

「先輩、私、静かに総譜探してきまぁす」ネイルはそそくさとその場を離れた。

ユジン「ユ・イラク、何で肉持って来たんだ?」

「レッスン料」イラクは両手でユジンの手を握る。

イラク「親友、いや… 先生!個人レッスンしてくれよ。頼れるのはオマエしかいねーんだ」
ユジン「…。」
イラク「オマエはチョン・シウォンより上手いだろ。な?」

すがるように見つめるイラクに、ユジンは言葉を失った。

065

+-+-+-+

キッチンで並んで料理しながら、ネイルとスミンはバチバチを火花を散らした。
上品な手つきで器用に食材を切るスミンに、ネイルはいらだちを募らせる。

ネイル「キレイに切ったって一緒。大事なのは味ですヨ!」
スミン「知らないのねぇ。(ネギの小口切りをつまみ)小さく切れば表面積が広くなって、味がたくさん出るのよぉ」
ネイル「先輩の好みは私のほうが知ってるんですから!そんな雑煮みたいなの食べません!」
スミン「何?雑煮?!」
ネイル「(イライラ)」
スミン「わたしの十八番のプデチゲを食べれば、チャ様もあんたが作るつまらない料理には嫌気が差すわ!」
ネイル「つまらない?!言いたいことはそれで全部でスカ!!!」

ギャーギャー騒いでいる二人を尻目に、ユジンは冷蔵庫から水を出し、ソファのイラクへと運んだ。
(↑このときの歩き方がちょっとカッコ悪い:笑)

ユジン「おい、水飲めよ」
イラク「飲まないって!」

イラクの前にはいくつも酒が並んでいる。

ユジン「練習しないんなら帰れ」
イラク「オレにイラついてんのか?コンマスじゃなくなったら、友だちの資格もナシだからな!」
ユジン「そんなつもりだったのか」
イラク「オレはな、レッスン受ける必要なんてねーんだ。練習したってどうせダメだからな」(←酔っぱらいすぎて何言ってるのかわからん
ユジン「そんなことない。お前は…」
イラク「?」
ユジン「…なかなかのコンマスだ」
イラク「マジで?」

「どこが?どこが?」イラクがユジンにしがみつく。

ユジン「だから、お前は… メンバーをリラックスさせるコンマスじゃないか(苦笑)」
イラク「それから?(カモーン!)」
ユジン「もっとくれって?」
イラク「もっと♪」
ユジン「つまり… あぁ!ハツラツとしたコンマスだ」

「ぐふふ♪」イラクは嬉しそうに笑い出した。
…と思えば、抱えたクッションを悔しそうに叩く。

イラク「結局、実力じゃないってことだろ!オレだって上手くなりたい。それなのに、指が言うことを聞かねーんだよ。オレには…資格もないんだ!」
ユジン「じゃあコンマス辞めろよ」
イラク「嫌だ!」
ユジン「…。」
イラク「初めてのオケなんだ。オレ?辞められねーって。辞めねーからな!」
ユジン「…。」
イラク「オレがコンマス、オレのオケなんだ。オレだって上手くやりたい」

「お前と、団員たち」イラクはユジンの手と自分の手を重ね合わせる。

イラク「こうやって上手く間を取り持って。それがコンマスの仕事なんだ」

「上手くやりたいのに」イラクは倒れこんで泣き出す。
荒れるイラクの話に、ユジンは不思議なほど静かに耳を傾けた。「…。」

「明日までは僕のオーケストラです」シュトレーゼマンの前で言い張った自分の言葉が蘇る。
オケに掛ける思いは同じだった。

066

「顔洗ってこい」ユジンは立ち上がる。

ユジン「練習しよう。お前、前よりだいぶ上手くなってるから」
イラク「ホントか?!」
ユジン「…。」

「明日にしよう」イラクはゴロンとソファに横になった。

ユジン「おい!」

そこへ、ネイルとスミンが揃って料理を抱えて来たかと思うと、我先にとユジンに差し出した。
二人共ユジンに食べさせようと必死のアピールだ。

ユジン「いらん!」

+-+-+-+

翌日。

072

SオケTシャツに身を包んだイラクは、バイオリンを構え、奇妙なポーズを取ってみせた。

ユジン「何だその変な動きは?」
イラク「カッコイイだろ。パフォーマンスを入れてみようと思ってさ」
ユジン「…。」
イラク「音楽に合わせて英雄的なイメージでな。前衛芸術みたいだろ」

「先輩も着てみてください」ネイルがイラクのSオケTシャツを指差す。

ネイル「カッコイイでしょ?これがまさにスペシャルTシャツ!」
ユジン「イメージ?音で表現しろ。妙なマネしないで」
イラク「なぁ、ユジン。お前全部いいんだけど、お堅すぎるって。冒険しないと新しいものは生まれないぞ。ベートーベンだって冒険したからこの曲が生まれたんだろ。ベートーベンのスピリッツを受け継いで、ロックなオケを作るんだ」

「どーだ?最高だろ!」コンマスの掛け声に、皆がテキトーに合わせる。「うん」

ネイル「わぁー、反応イイですねー♪」
ユジン「時間がないって何度も言ってんだろ」

ユジンのキツイ一言に、イラクとネイルは黙り込んだ。

ユジン「みみっちい方法じゃなくて、音楽で認められることを考えろ」
イラク「(ガッカリ)」
ネイル「先輩、それでも1回だけ着てみてくれませんか?似合うと思うんだけど」
イラク「そーだよ。着てみてから…」
ユジン「これ以上邪魔するなら、コンマスは別の人にやってもらう」
イラク「!」

「何よりも練習だっつんだろ」イラクはムキになって席へ戻った。

楽譜台に向かったユジンの目は、まだポツンと開いている一席に移る。
ミニの席だった。「…。」

067

+-+-+-+

Sオケの練習の様子をそっと覗いた学長は、複雑な表情で練習棟を後にした。
そこで彼女はベンチに座っていたシュトレーゼマンと出会う。

二人は学長室の前まで歩いてきた。

学長「善意の競争が学生たちを成長させる… そう分かってはいても、その競争を見守るのは辛いですね」
シュトレーゼマン「正解はないんです、ミナ」
学長「分かっています。だけど…」

学長は言いよどむ。

シュトレーゼマン「何か頼みがあるんですか?」
学長「…。」
シュトレーゼマン「ミナがピアノを諦めたとき、ワタシはミナの音楽を守ってやれなかった。誰よりも愛…」
学長「!」
シュトレーゼマン「…していたアナタの音楽を。ですから、ワタシが必要なら、いつでも使ってください」
学長「…。」

068

+-+-+-+

「おじさん」野菜の仕込みをするイラクの父親に、ネイルはぼんやりと呼び掛けた。

ネイル「愛と友情、おじさんはどっちを選びますか?」

「愛だろ」イラクの父は即座に答える。

ネイル「どうして?」
イラク父「愛があってこそ息子が生まれるんだ。息子ほど尊いものはないよ」
ネイル「ラク君がそんなに好きなんですか?ラク君を見てるときは、目に♥が出てる^^」
イラク父「トーゼンだ。オレの息子なんだからな」

そこへイラクが2階の部屋から降りてきた。

イラク「親父、ジュースくれよ」
父「何で降りてきたんだ?父さんを呼べよ」

「ちょっと待ってろよ」父親は立ち上がり、キッチンへ向かった。

イラク「なぁ、ソルレバル。お前、チェ・ミニと仲いいよな」
ネイル「ミニミニ?!」
イラク「(うんうん)」
ネイル「…どうして?」

+-+-+-+

「この近くなんだけど」ユジンは地図を見ながらどこかを歩いていた。
そこへスーッと後ろから現れたのはネイルだ。

ネイル「オラバン♪」
ユジン「!!!」
ネイル「ミニミニに会いに行くんでしょ?ラク君にお訊きになったって噂が」

芸能レポーターの取材のように、ネイルはユジンにマイクを向ける。

ユジン「オーケストラを続けるのかどうか確かめに行くんだ。連絡も取れないし」

069

ふたたび歩き出したユジンの腕に、ネイルはちゃっかりしがみつく。「オラバン♪ ムッツリ~♪」

ネイル「ミニミニは携帯料金払えなくて停められてるんですって。それから、週末の昼間はコンビニでバイトしてるんです」

「ついて来てください。どの辺か知ってるから♪」ネイルは先を歩き出す。

ユジン「週末は結婚式とか公演のバイトの方がいいんじゃ?」
ネイル「たくさん引かれすぎてイマイチだって。それにいつもあるわけじゃないし」

しばらく歩くうちに、二人はどうやら迷ってしまったようだ。

ユジン「さっきあっちだって言わなかったか?」
ネイル「あっちだったんですけど… この辺コンビニ多すぎますーー!どこにいるのー?」

そのとき、前方にミニ発見。「ミニミニ~!」ネイルは大きく手を振った。

目の前で、ミニはオーナーらしき男性と揉めている様子だ。

ミニ「私、カウンターを見るだけだと思って来たんですけど」
男性「雑用もするのがコンビニだろ!お姫様か?なんで手首がそんなに大事なんだ?」
ミニ「昨日もファックスを運んだときに手首を捻って…」
男性「それはお前がひ弱だからだろ。割れた瓶代を弁償して、もう帰れ」

男性は入り口に立て掛けてある大きなコントラバスを振り返った。

男性「あれ、金になるか?」
ミニ「?」
男性「あれで帳消しにしよう」
ミニ「あっ!!!」

「ダメです!私のコントラバス!」ミニは必死で男性の腕を引っ張る。

男性「放せ」
ミニ「社長!」

ミニはコントラバスを抱え、逃げるように店を出ようとした。
それを、今度は男性が捕まえる。

男性「お前!くさい飯食いたいか?法律の怖さ、教えてやろうか!」

そこへ割って入り、男性の手を払いのけたのはユジンだ。

男性「?!」

「大丈夫?ミニミニ!」ネイルがミニに寄り添う。

ユジン「他人の楽器を強奪するのは犯罪です」
男性「あんた何だ?!」

ユジンは後ろのミニを振り返る。「ちゃんと最低賃金を受け取ってたのか?」

男性「何?」

ミニが黙って首を横に振る。

ユジン「タイムカードは?ちゃんとつけてあるよな」

ミニは黙って首を縦に振った。

ユジン「週休手当は?」

「週休手当?」男性は気まずそうに黙り込んだ。

ユジン「法をどれだけ守っているのか、一度調べてみましょうか」

+-+-+-+

翌日。

Sオケの練習室へやって来たネイルは、嬉しそうに誰かに駆け寄った。

ネイル「ミニミニ!」

ミニが笑顔でコントラバスを抱え、座っていたのだ。

ネイル「今日は早かったんだね!」
ミニ「うん。実はね、芸術学校生の個人レッスンを始めて、バイト一つ減らしたの」
ネイル「ホント?!良かった♥」
ミニ「そんなバイト私には来ないと思ってたのに、どうして連絡が来たのかな」
ネイル「^^」
ミニ「だから、後はカフェのバイトだけで学費の心配はなくなったよ♪」
ネイル「ミニミニ、今日もファイティン♪」

070

ネイルはユジンの隣へ移ると、無言でニッコリ彼を見上げた。

ネイル「…。」
ユジン「…。」

ユジンはいつもどおりニコリともせず、彼女をチラリと見る。

ユジン「何だ?」(←顔はツンケンしてても、言い方は優しいよね^^
ネイル「先輩♪ 先輩は頭もいいけど、心だって負けてませんね♥」

「うるさい」ユジンは面倒くさそうに呟き、楽譜に視線を戻す。
思わず抱きついたネイルを慌てて引き離し、ユジンは照れを隠すように皆に言った。「練習しよう」

ユジン「…^^」

+-+-+-+

こっそり偵察に入ろうとしていたスンオたちは、練習棟から飛び出してきたSオケメンバーの姿に、慌てて姿を隠した。

#やっぱ指揮科で2番目に有名な大河内だね

クラリネット君「チクショーーー!チャ・ユジン!!!」

出て来たクラリネットとオーボエの二人を追ってきたのはスミンだ。

スミン「逃げちゃダメ!」

「これ以上我慢できるか!」彼らはスミンを払いのけ、歩き出した。

オーボエ君「あいつ、自分を皇帝だと思ってるんだ。独裁だ!独裁!!!」
クラリネット君「オレはもう自信ないぞ!チャ・ユジンのヤツ、オレばっか目の敵にしやがって」
スミン「違うって!チャ様は公平なんだからぁ!私たち全員目の敵よ」
二人「!」
スミン「(クラリネットに)それにね、あんた最近すごく上手くなった」
クラリネット「…ホントか?」
スミン「うん♪」

彼らが落ち着いた瞬間、次の大集団が飛び出してくる。

タニャ「チャ・ユジン、ホントむかつくーーー!!!」

あまりの剣幕に止めることも出来ず、追ってきたイラクは茫然と立ち尽くした。

イラク「タニャ、お前泣いてんのか?!はぁ… チャ・ユジンのヤツ!タニャ、泣くなよ~」

+-+-+-+

学長は秋の音楽祭の開催概要のファイルを開いた。

学長「審査員は6名。学科ごとに教授がお一人ずつですね」

※ピアノ科・管楽器科・国楽科・作曲科・声楽家・音楽理論科 だそうです。

アン教授「どういうわけか私がピアノ科代表の審査員ですね」
学長「理事長の指示通りに動く方が3名。他の3名に公正性を期待しなきゃならないなんて…」

彼女は頭を抱えた。

+-+-+-+

Sオケの練習は厳しいながらも集中して続いていた。

071

『ゴミみたいだった音が、それぞれの場所を見つけた。
オレの指示どおり、楽譜どおり… ちゃんとできてる』

073

『…音が微妙にずれていく』

074

ユジンはいつの間にか指揮棒の動きを止めていた。
それでも演奏は続く。

075

『みんな指揮を見ていない… 』

茫然の立っているユジンにようやく気付き、皆が演奏を止めた。

イラク「ごめん、ユジン!楽譜ばっか見てて、指揮を見るの忘れてた」
ミニ「…私も」

「いや、いいんだ」ユジンはどこか力なく首を横に振る。

076

ユジン「…。」

+-+-+-+

マンションに帰っても元気のないユジンを、ネイルが心配そうに見上げた。

ネイル「先輩、今日は先輩の思った通りの演奏だったんでしょ?」
ユジン「あぁ。けど、何かが違う」
ネイル「正確だったけど」
ユジン「はぁ… 何だろうな」

ネイルはふと思いついて顔を輝かせる。

ネイル「ちょっと待っててください♪ ピアノ弾いてあげますね」
ユジン「一人でいたいんだ。帰れよ」

ネイルは構わず弾き始める。
ジャーン ジャーン
鳴り始めたのは、ベートベン交響曲第3番だ。

「?」ユジンは思わず立ち上がった。「それ、覚えてるのか?」
「うん♥」ネイルは頷く。「毎日毎日聴いてたから」

079

ネイル「ちょっと複雑だけど… すごく面白い曲です。聴いててください。そうすれば、何が問題なのか分かるはず♪」

ネイルはふたたび楽しそうに弾き始める。

ユジン「そんな自分勝手に弾いてるのに、どうやって問題が分かるんだよ?」

ネイルの演奏が進むと、ユジンはふっと微笑んだ。

ユジン(心の声)「はしゃぐ 湧きあがる… 計算のない個性… 」

080

「!」ユジンはハッとした。
シュトレーゼマンの指揮するSオケの演奏。
イラクの弾く型破りなバイオリン。
そして、目の前で弾いているネイルの自由奔放なピアノ。

ユジン(心の声)「なんで巨匠がおまえたちを選んだのか… やっと分かった」

+-+-+-+

「オラバーン♪ とうとう今日ですよー!」翌朝、ネイルは意気揚々とユジンの部屋へやって来た。

ネイル「まだ行っちゃってませんよねー」

彼女はソファでうたた寝しているユジンを発見し、ニンマリとほくそ笑んだ。

ネイル「(小声)オラバーン♪ 早く起きないと襲っちゃいますよぉー」
ユジン「(スヤスヤ)」

「ふぅん」ネイルはユジンのそばに腰を下ろすと、おもいっきり彼に覆いかぶさった。「襲っちゃう♪」

081

ネイル「(ドキン♥)」

ノリで襲ってみたものの、心臓の高鳴りに耐えられず、ネイルはそっと体を起こす。
その瞬間、ユジンが目を覚ました。

ユジン「寝てる間に変なマネしたんじゃないだろーな」
ネイル「…。」
ユジン「今何時だ?」
ネイル「…。」

「起こせよな」ユジンは固まっているネイルを残し、寝室へ上がった。

+-+-+-+

「理事会の決定は、皆さんよくご存知だと思います」教授を集めると、学長は言った。

学長「二つのオーケストラを存続させるのが現実的に難しいことは、私もよく分かっています」
ト教授「最初から作るべきでないオーケストラだったんです」
学長「?!」
ト教授「点数の低い方を解散させるのは、当然のことでしょう」
学長「学生たちが納得できるよう、公正な審査をお願いします」
ト教授「公正な審査のためには… 専任教授は除外すべきでは?」
学長「!」

学長の視線がアン教授に向かった。

ト教授「ピアノ科教授のアン・ゴンソン教授は除外してください」
学長「!」
ト教授「専任教授が審査員とは。公平性を疑われます」

「私が入れば公正でしょう」そこへ不意に現れたのはシュトレーゼマンだ。

082

#ミナ様のときめき顔が素晴らしすぎる(笑)

+-+-+-+

083

正装して現れたユジンは、練習棟の前で大きく息をついた。

そこへやって来たネイルは栄養剤か何かを差し出す。「昨日一睡も出来なかったんでしょう?」

ネイル「これを飲んで元気だしてください。そうすれば上手く行きますヨ♪」

ユジンはその粒を口の中へ放り込むと、棟内へと足を踏み入れた。

+-+-+-+

練習室へ入ったユジンの耳に入って来たのは、Aオケが演奏するドボルザークの「新世界」だ。
ユジンはイラクのスマートフォンを奪い取り、再生を停める。

ユジン「動揺するな」

「はぁ、これがAオケの実力か」イラクが溜息をつく。
重苦しい空気が全体を覆っていた。

ユジン「それくらい分かってただろ」
タニャ「これほどとは思わなかった。私たち…勝てるかな?」
ミニ「負けたら私たち解散しなきゃいけないんでしょ」

「もう!私たちだって上手いんだから!」ネイルが重い雰囲気を吹き飛ばそうと声をあげた。

ネイル「私たちだって勝てる!」

隣で拳をあげるネイルを無視し、イラクは楽譜をめくり始めた。
ユジンは楽譜を奪い取ると、無言でそれを破り捨てる。

イラク「!!!」

練習室が一瞬で凍りついた。

ユジン「全員楽譜を破れ!」

ユジンの厳しい声が、静まり返った部屋に響き渡った。

084

+-+-+-+

ここでエンディングです。

たくさんの方に読んでいただき、とても嬉しいです。
コメントやTwitterでのリプライ等、たとえ一言でも残してくださる感想が本当に嬉しくて、大きな力になっています。
ありがとうございます!

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