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主君の太陽14話あらすじ&日本語訳 vol.1

      2013/09/30

マカロンとコーヒーのいい香りに誘われてオバケも集まるキングダム。
死後ライフだって楽しいそんなキングダムが舞台の「主君の太陽」14話です。

1702

ではさっそく

#どう訳していいかわからない所がいくつか…。ピカっとひらめいたら直しますね。

+-+-+-+

チュ君「お前が…太陽(テ嬢)なのか?」
テ嬢「私のこと覚えていないのにどうやってここまで来たんです?」
チュ君「お前が誰だかは知らない。でも何か…ものすごく重要な人だったような気がする。お前、俺の何だ?」
テ嬢「何かものすごい期待をして来られたようですけど、(辺りを見回し)見えている通り単純に考えてください。私はお金がなくて貧しい女、あなたはお金持ちで立派な社長さん。私が何だと思います?」
チュ君「俺にとって特別な人間だと騒いでたんだろ?お前が、俺にとって、何が、どう特別なんだ?」
テ嬢「通りがかりに車に乗せてもらったんです。キングダムの社長だって。どうにかして捕まえようと思って、バイトで入って追い回したんです。すごく寂しくて悲しいって言ったら、あなたは私のこと見てくれるようになった。辛いときは助けてくれて、就職もさせてくれて、ホテルでイベントもしてくれて…」
チュ君「…。」
テ嬢「そうして私にとってとても特別な人になったんです、あなたは」
チュ君「俺がそんなお前をそばに置いていたと?そんなはずがない。ひょっとしてこの建物はお前のか?」
テ嬢「こんなところに暮らすなって、家も車も買ってやるって、そうも言ってました」
チュ君「俺が?かなり不快な冗談だな。お前はコシテルに住むキャンディ、俺は金持ちのカモってことじゃないか」
テ嬢「…。」
チュ君「特に刺激的でもない女と遊んだのか?俺が?」
テ嬢「私は人並み外れて発達した六感をちゃんと発揮しましたから」
チュ君「お前、俺に届くほどの肉感(※六感と同じ発音)はどこにも感じないぞ?」
テ嬢「届いてましたよ」
チュ君「…。」
テ嬢「苦労して付きまとったんだから、簡単に諦めるつもりはなかったけど、あなたは私といてケガをしたし、申し訳なくてこの際離れるつもりだったんです」
チュ君「…。」
テ嬢「通帳にパンパンに入れてくださったお金は、ここで去る代価だと思って、ありがたく使わせてもらいます。これまでありがとうございました。お気をつけて」

最後まで淡々と話し、家に入ろうとするテ嬢。
チュ君は彼女の腕を掴み、強引に引き戻した。

チュ君「本当にそれで全部か?いいだろう、そうやって遊んだ関係なら、もう一度遊んでみればいい。そうすればお前が何だったのか答えが出るだろう」

チュ君が彼女の腕を引こうとすると、テ嬢はそれを振り払った。

テ嬢「触らないでください。終わりだって言ったでしょう?」
チュ君「こういう関係の場合、終わりはそっちからじゃない。こっちから終わるものだ」
テ嬢「…。」
チュ君「何だって?付きまとったからそばに置いてやった?通帳を見ればお前がどれだけの価値があったのか、たちどころに計算できる。でも… 俺はそれが全てじゃないんだ」
テ嬢「…。」
チュ君「記憶のない間、すごくたくさんのことが変わってる。戸惑うけど… 嫌じゃない。もしかして、それはお前がいたからか?」
テ嬢「…。」
チュ君「俺はすごく大きなものを忘れてしまったらしい…」

テ嬢は胸元のネックレスに手を伸ばした。

チュ君「それが…お前にあるのか?」
テ嬢「ここに置いて行ったものがあるにはあります。待っててください。持って来ますから」

テ嬢が家に入ると、一人になったチュ君は苦しそうに顔をしかめた。
テ嬢もまた、一人になると冷蔵庫の前にヘナヘナと座り込む。
扉を開けると、冷蔵庫の中には彼の持って来たビールがそのまま残っていた。

テ嬢「…。」

気を取り直し、ビールを抱えて出て来たテ嬢は、彼にそれを差し出した。

テ嬢「持って行ってください。私と遊んで残したものは、これで全部です」

チュ君は差し出されたまま、それを受け取る。

チュ君「…。」
テ嬢「(すぐ離れてくれるなら女になれと言った?)。私はそのつもりだから、もう帰ってください」
チュ君「本当にこんなもの飲んで、お前と遊んだのか?」
テ嬢「…。」
チュ君「そうだな。たったこれだけならもういい。ありがたいね。離れてくれて、返してもくれて」
テ嬢「もう来ないでください」

そう言い捨てて、テ嬢は逃げるように家に入った。

チュ君「…。」

+-+-+-+

チュ君の自宅に副社長が来ていた。

チュ君「テ・ゴンシル…」
副社長「?!
チュ君「あの女の名前…テ・ゴンシルだと言ってました。(厳しい目つき)ご存知ですよね」
副社長「!…君、思い出したのか?」
チュ君「僕の記憶はないし、キム室長は休暇中だから、いつも僕を見張っている副社長が(頭を指す)記憶を報告してください。僕はあの女とざっくばらんに遊んだんです?」
副社長「もともと噂はいくらでもあるし、どこからでも出て来る話だ。大人として俺が聞いたことを話してやろう」
チュ君「(緊張)」
副社長「チュ社長、君はずいぶん突っ走ってたな」
チュ君「続けて」
副社長「最初は君もカジュアルに考えていたようだ」

「意味のないスキンシップだけ共有することにしたんです」

チュ君「…人並み外れて発達した六感…?それに惹かれたと?」
副社長「君はもともと人の目を気にしないスタイルだろ?そのスタイルに沿ってたんだ」
チュ君「それで?」
副社長「セジングループの娘と結婚話が出たときも、別れないと言ったんだ」

「俺が離れないんです。会わないわけにはいかないから、とりあえず結婚で安全な距離を確保して、これからも付き合います」

チュ君「…。」
副社長「俺が見るに、パンシルも普通じゃない。君が婚約祝いに貰った壺を絶対割らなきゃいけないって、叔母さんをまっすぐ見て食って掛かったんだ」
チュ君「…。」

頭の中で、実際とはかなり違う映像が再生される。
叔母の前で「絶対に壊せと言ったはず!」「危険なんですよ」と生意気に言い張るテ嬢が…。

副社長「あの娘がそう主張して、結局君が壺を割り、結婚も破棄した」
チュ君「本当に危険な噛みつき方だ…」
副社長「とにかく君はすっかり堕ちてたようだが、またやり直すことにしたのか?」

持って返ったビールに伸びた副社長の手を、チュ君がピシャリと止める。

チュ君「もういいから…帰ってください」
副社長「分かった。(立ち上がる)皆が知ってることを客観的に話したんだから、主観的な解析は自分でやるといい」

チュ君はビールを手に、冷蔵庫の扉を開けた。

チュ君「正気を忘れて遊んだ記憶なら、失くなって良かった」

乱暴にビールを放り込むと、扉をしめる。

+-+-+-+

コシテルの縁台で溜め息をつくテ嬢のそばには、カン・ウがいた。

テ嬢「こんなとき、お酒の一杯でも飲めたらいいのにな」
カン・ウ「…。」
テ嬢「オバケが見えるせいで、一番悔しいことって何だと思います?」
カン・ウ「?」
テ嬢「怖くてお酒も飲めないことなんです」
カン・ウ「チュ社長はあなたの防空壕なんでしょう?彼のそばにいれば、何でも出来たはずなのに…。本当に大丈夫ですか?」
テ嬢「…残念なのは確かです。一緒にいるとき、手を握ってビールの一杯でも飲めたら、本当に良かっただろうな」
カン・ウ「心配ですね。チュ社長に出逢うまでは、怖いものを避けてコシテルに隠れ住んでいたんですから」
テ嬢「…。」
カン・ウ「あなたがまたそうなるんじゃないかって…心配です」
テ嬢「…。私ね、あの日病院で、この世で一番怖ろしい霊魂を見たんです」

病院で彼女の前に現れた、チュ君の霊魂を思い浮かべるテ嬢。

テ嬢「あんなに怖いと思ったことはありませんでした。防空壕だとか何とか言って、彼を自分の世界に引きずり込んだりはしません」
カン・ウ「…。」
テ嬢「その決心さえ出来れば、他のオバケは怖くないわ。耐えられそうです」
チュ君「チュ社長の記憶は全部消えてしまったのに、気持ちを隠すのも、心の痛みも、全部あなたが耐えなきゃいけないのに…胸が痛みます」
テ嬢「心は封印してちゃんと持ってるって、そう言ったでしょう?」
カン・ウ「…。」
テ嬢「だから、全部私が背負うことだって計算は合ってるんです」

+-+-+-+

チュ君は鏡の前で、背中の痛みに首をかしげていた。

チュ君「背中を刺されて、(胸を押さえ)ここまで突き抜けたのか?…何か抜けてる。あの女にやったような気がするが、遊んで捨てたと?」

彼は鏡の中の自分を見つめた。

チュ君「もう取り戻しに行ったりするな」

+-+-+-+

「私のことは心配しないでください」テ嬢は明るく言った。

テ嬢「もう閉じこもって暮らしたりしません。来年から復学しようかと考えてるところなんです」
カン・ウ「ホントですか?」
テ嬢「えぇ。隣にいるオバケに試験の答えを訊けるくらいにはなったみたい」
カン・ウ「それなら首席を取れそうですね」
テ嬢「私ね、もともと首席だったんですよ」
カン・ウ「(笑う)自慢ですか?」
テ嬢「えぇ、ふふっ^^ 賞という賞は何でも取って、ホントに立派な人間になる人材だったんです」
カン・ウ「それなら、あきらめないで立派な人材になってください。そうしたら僕が警護しますから」
テ嬢「^^」
カン・ウ「僕も、誰かを守ることにかけては、ものすごく立派な人材です」
テ嬢「あぁそうだ!大統領官邸を守っても余る経歴!」
カン・ウ「(笑う)」
テ嬢「カン・ウさんに警護を頼もうと思ったら、大統領くらいにはならなきゃ」
カン・ウ「(笑って首を横に振る)テ・ゴンシルさんなら女性会長くらいでもお守りしますよ」
テ嬢「^^」
カン・ウ「じゃ、乾杯。立派な人になろう」

1700

二人はビールとサイダーの缶をカチンと合わせた。
そこへ…

ずっとそばにいたコーヒーオバケくんが、テ嬢のサイダーに手を伸ばす。

テ嬢「(オバケに)ちょっと!あんたのコーヒーここにあるでしょ。(置いてあるコーヒーを差し出す)なんで私のサイダー欲しがるの?」

恐る恐る、ポツンと置いてあるコーヒーの紙コップに視線を移すカン・ウ。

テ嬢「(カン・ウに)私にいつもコーヒー奢ってもらいに来る子がいるんです」
カン・ウ「(ゆーっくりのけぞる)」
テ嬢「あ、カン・ウさん、ここにもオバケがいるっていったら、すごく怖いですか?」
カン・ウ「い、いいえ。僕もだいぶ度胸がついたんです。それくらいの進歩がないと守れない人材でしょう?」
テ嬢「(笑う)」
カン・ウ「(オバケのいる方を見て)そちらも…乾杯」

二人は揃って、オバケのコーヒーカップに缶をチン♪とぶつけた。
笑い合って飲む… 三人。

+-+-+-+

テ嬢は復学申請書に記入を終えた。

テ嬢「大きなテ嬢は勉強が一番得意だったんだから、またちゃんとやれるよ」

何かを探して、キングダムから持ち帰った箱を覗いた彼女は、封筒が入っているのに気付き、取り出した。

それはキム室長から受け取った封筒。
中からヒジュの写真が出て来る。

「チュンウォンのためを思って、あなたの体を貸してください」

訪ねてきたヒジュはそう言ったのだった。

テ嬢「あれ以来、頼みに来ないな」

そのとき、ドアをノックする音が聞こえた。

+-+-+-+

テ嬢の元を訪ねてきたのはコ女史だ。

コ女史「その方は意識が戻って、ご無事だったようですね」
テ嬢「えぇ。助けてくださってありがとうございました」
コ女史「彼の記憶は?(ネックレスを指さし)そこにしっかり封印されているのに、返してはいないのね。それならあなたは彼にとって何者でもなくなるのに」
テ嬢「そうなりたいから返さないんです」
コ女史「(笑う)まぁそうれはあなたのご自由に。私たちの契約は忘れていないでしょう?」
テ嬢「私は何をすればいいんです?」

コ女史はテーブルの上に広げてあったテ嬢の参考書を閉じた。

コ女史「まず、こんな平凡な暮らしはやめることです」
テ嬢「…。」

+-+-+-+

テ嬢は人気のない夜の墓地へ来ていた。

コ女史(声)「死んだ処女たちを集めるのです。私は死婚式の仲介人。近頃はあてがう処女がずっと不足しているの。霊魂の集まる場所へ行って、新婦に相応しい霊たちを集めてくるのです」

彼女は恐怖に震えながら、墓地を歩きまわった。

テ嬢「こちらに未婚の方はいらっしゃいませんか?私と一緒に来ていただきたいんです。処女霊はいらっしゃいますか?!」

彼女は向こうを横切る若い霊を見つけ、急いで声を掛けた。

テ嬢「お嬢さん!もしかして、亡くなる前に結婚なさっていなかったら、お嫁に行くおつもりはないですか?」

霊が振り返ると、テ嬢は恐怖に耐えようとネックレスをぎゅっと握りしめる。

コ女史(声)「私が必要とする限り、永遠に…。あなたは私のために霊魂を集めるのです。それがあの男性を救うために、私と共にすること…」

+-+-+-+

イリョンは気乗りしない様子で歩いていた。
マネージャーが映画の話を持って来たのだ。1年間撮影のためにキングダムを離れるのは、マネージャーにとってはありがたい話だった。

そこで、イリョンは向こうにテ嬢がいるのを見つけ、足を止めた。

イリョン「あの魔女みたいな女は誰?!」

カフェで話すコ女史と中年夫婦の隣に、テ嬢が物憂げな表情で座っていた。
息子を失った夫婦に、テ嬢が連れて来た処女の霊をあてがう席だったのだ。

+-+-+-+

イリョンはカン・ウを呼び出した。

イリョン「カン・ウ、あたしアメリカへ映画撮りに行くかも」
カン・ウ「ホントか?お前の出てる映画見たけど、お前の演技最悪だったぞ」
イリョン「(笑う)顔とスタイルがあればいいのよ」
カン・ウ「…。」
イリョン「(嬉)あんた、あたしの映画観たの?!知らないって言ってたのに」
カン・ウ「テレビでタダでやってたからな」
イリョン「あぁ、あの映画は恋愛ものだから、ちっとも似合わない泣きの演技をさせられただけよ。あたし、泣くのは大嫌いなんだから!」
カン・ウ「…。」

カン・ウは防犯カメラの画面の中で泣いていた彼女の姿を思い浮かべた。

カン・ウ「そうだな。お前、泣くのはちっとも似合ってなかった」
イリョン「…。」
カン・ウ「お前が泣くのを見て、ホントに気分悪かった」
イリョン「鑑賞する方が気分悪いって?!たちの悪い投稿レベルね」
カン・ウ「とにかく、もう少し演技を練習して、国際的なスターになれよ。お前はカッコいいから上手くやれるさ」

彼はイリョンの肩をトントンと叩き、微笑んだ。

イリョン「国際的スターの… ボティーガード、やらない?」
カン・ウ「光栄だけど… 申し訳ありません、テ・イリョンさん」
イリョン「テ・ゴンシルがあんたの元に来なかったら、あんただってあたしみたいに鶏を追う犬になるわ。犬マナー!」

※これまで冷たいカン・ウに対し、イリョンが「犬マナー」と何度か毒づいていました。
「犬マナー」と訳したことがなかったので、補足しておきます^^;

カン・ウ「…。」
イリョン「今日ね、(目を引きつらせ)こんな目で真っ黒な服を着たおばさんが、超お金持ちの家にテ・ゴンシルを紹介してるの見たんだもん。うちの息子をよろしくお願いします、そう言ってたけど?」
カン・ウ「真っ黒な服のおばさん?」
イリョン「うん。嘘じゃないからね!テ・ゴンシルに聞いてみれば?真っ黒なおばさんと何してたんだって。ふんっ」

イリョンが去り、一人になると、彼はすぐに心当たりの女性を思い出した。
あのとき、夜道でテ嬢に声を掛けた女性だ。

カン・ウ「あの人か?」

+-+-+-+

カン・ウがコシテルに帰ってくると、レインコートを来て出かけようとしているテ嬢と出会った。

カン・ウ「あぁ、テ・ゴンシルさん。雨が降ってるのに、どこか出掛けるんですか?」
テ嬢「えぇ、ちょっと行くところがあって」
カン・ウ「勉強は進んでますか?」
テ嬢「(気まずそうに頷く)」
カン・ウ「ひょっとして最近、前に会った女史とか何とかいう気分の悪い女性と一緒に行動してるんですか?」
テ嬢「!」
カン・ウ「あのとき、チュ社長のいる病院で、あの女性に会いに行くって言ってましたよね」
テ嬢「…。」
カン・ウ「その後も会ってるんですか?」
テ嬢「…えぇ。ちょっと頼まれたことがあって」
カン・ウ「…。」
テ嬢「でも、心配しないでください。あの方はもともと私のことをよく分かってるんです」
カン・ウ「…。」
テ嬢「行きますね」

出て行くテ嬢を、カン・ウは心配そうに見送った。

#うぐー カン・ウ、聞いたならテ嬢を引き戻してやってくれー 気分が隠滅としますね、もう。

+-+-+-+

今夜も墓地にやって来たテ嬢は、もう怯えたりしてはいなかった。
運命を受け入れたかのように…。

コ女史(声)「平凡な暮らしなどやめることです。永遠に…」

太陽のネックレスを握りしめ、墓地の奥へと入っていく。

+-+-+-+

チュ君は今日も精力的に仕事をこなしていた。
会議を終えると、アン代理に指示を出す。

チュ君「上海キングダムの内装を任せることになった建築家、もう一度資料を探してください」
アン代理「キム室長から建築家に関する資料をまだいただいていないんです」
チュ君「…。」
アン代理「午後のミーティングまでに調べてみます」

慌てた様子で出て行くアン代理の頼りなさに、チュ君は軽く舌打ちをする。

チュ君「キム室長が録音してるはずなんだが…」

チュ君はデスクの端にある箱に手を伸ばした。
箱を開けると、ガランとしたその中には、録音機が一つ入っている。
彼は迷わずイヤホンを耳にはめた。

キム室長(声)「上海キングダム土地関連契約書。売り渡し(早送りボタンを押す)…以下、甲という。キングダム…」

また早送りボタンを押すと、今度は違う声が聞こえてきた。

テ嬢(声)「あ、あ、あ!(咳払い)今日は風邪を引いたキム室長の代わりに、私が録音します。お好きな”ミ”の音程でお読みしますね。ドレミ、ミ?これからお読みするのは上海キングダム市場調査の内容です。うわぁ、社長、すごく儲かりそうですね。嬉しいだろうなぁ…」
チュ君「…。」

チュ君は誰もいなくなった顧客センターの扉を開けた。
いつものように入り口にもたれかかると、ガランとした部屋を眺める。

チュ君「ここにいたというのに…思い出せることは何一つないな。すっかり…空っぽになってしまった」

そこでぼんやり立っているチュ君の横顔を、後ろをそっとついて来た叔母が見つめていた。

+-+-+-+

テ嬢とコ女史はまた別の男性と会っていた。
来週結婚するという男性。だが、以前結婚の約束をしていた女性がずっと夢に出て来るという。
「ずっと一緒にいよう」という言葉通り、死んでもずっと男性のそばにいる女性。
テ嬢は女性の説得を始めた。

そこへ、店の入口から叔母がハンナを連れて入ってくる。

叔母「もうすぐ甥が来るわ。一緒に食事をしても構わないでしょう?」
ハンナ「私が一緒だと話されました?」
叔母「私が食事をしようと言えば、隣に誰がいようとやって来て一緒に食べるわ。私はハンナさんが気に入ってると言ったでしょう?」

微笑んで振り返った二人は、奥にテ嬢がいるのを同時に見つけた。

ハンナ「テ・ゴンシルさんですね」
叔母「パンシルがまたコ女史と一緒に?」
ハンナ「お友だちですか?」
叔母「いいえ。あの女性はね、ゴーストウェディングプランナーと言って、霊媒師なの」
ハンナ「霊媒師?」

席を立って歩いてきたコ女史は、叔母に気づくと軽く会釈をして通りすぎようとした。

叔母「お待ちになって」
コ女史「?」

+-+-+-+

叔母は場所を移し、コ女史に話し始めた。

叔母「あのときもコ女史はどうしてもあの子を使いを出してくれとおっしゃいましたよね?もしかして、あの子も幽霊というか…そういうものと関係があるんですか?」

コ女史は叔母の顔を見つめ、ゆっくりと頷いた。

叔母「それで死んだ子を呼ぶとか何とか言ったのかしら…?」

コ女史の視線は、向かいに座っているハンナに移った。

コ女史「…。」
ハンナ「…。」

+-+-+-+

男性の隣にいる女性の霊に「もう彼は結婚するんだから」と説得するテ嬢。
まだ信じられない様子の男性に、テ嬢は女性の特徴を話し始めた。

そこへ店に入って来たチュ君は、男性と二人で話すテ嬢の姿を見かけ、呆れた表情で首を横に振った。
後ろを通りすぎようとして、二人の話が盛り上がっていることにカチンと頭にくるチュ君。

男性「本当に僕に幽霊がついているんですか?」
テ嬢「すごく寂しくて悲しいって。だから夜訪ねてくることがあったら、心から慰めてやってください」

彼女のすぐ後ろにチュ君がやって来た。

チュ君「うちのキャンディーはここでも寂しくて悲しいのか?」
テ嬢「!」
チュ君「俺から離れたばかりなのに、なんでもう寂しいんだ?」

彼がテ嬢の肩に手を置くと、男性の隣にいた霊が消えた。

テ嬢「!(チュ君の手をキツく振り払う)私、作業(※ナンパすることをそうともいいます)中なんです。触らないでくださいよ」
男性「そちらの方もこちらに会った経験がおありなんですか?」
テ嬢「えぇ。(チュ君を指し)こちらの方も同じ状況だったんです」
チュ君「?!」
男性「あははっ。(神妙な顔)確実にちゃんと離れて行きました?」(←もちろん霊のこと
チュ君「?!」
男性「いや、ずっと付きまとわれるんじゃないかって本当に怖いんです。経験者なら、そちらの方はどうやって追い払ったんです?」
チュ君「(テ嬢をジロリ)はぁ、こんなこと話してやらなきゃいけないのか?僕はね、死にかけましたよ」
男性「!」
チュ君「背中にこんなドライバーが突き刺さって、それでやっと離れて行ったんです」
男性「!!!」
チュ君「死にたくなけりゃ、さっさと消えな」
男性「(慌てる)消えなきゃ」

男性は席を立ち、逃げるように出て行った。

テ嬢「ちょっと!誤解です。この人は気にしないで!」
チュ君「(テ嬢を捕まえる)気になる。気分が悪い」
テ嬢「…。」
チュ君「寂しくて悲しくても当分は我慢しろ。通帳パンパンにしてやったろ」
テ嬢「…。」

チュ君は彼女の前を離れ、奥の個室の扉を開けた。
コ女史の姿はなく、叔母の隣にはハンナがいる。

叔母「一緒に食事をと思って呼んだの。いいでしょう?」

彼は黙って席についた。
ハンナの胸元に太陽のネックレスが光っているのに目が向かう。
彼の視線に気づくと、ハンナはネックレスに手を添え、彼を見つめ返した。
そんな二人の様子を、叔母が嬉しそうに見守る。

1699

チュ君「何も覚えてないけど、僕たちどこかで会ったことがありましたか?」
ハンナ「同じ場所に住んでいるから、チュ・ジュンウォンさんが私を見かけることもあったでしょう」
チュ君「…。」
ハンナ「だけど、私はチュ・ジュンウォンさんを見たとき、前から知っていた人みたいに親近感を覚えたわ」
チュ君「…。」

+-+-+-+

ここでいったん区切ります。
萌えもなく、特にツッコミどころもなく、陰鬱な気分のまま淡々と進んでしまいましたわ…。
これは後半、動きがありそうですね。続きは仕事を終えてから再開しますね。

 - 主君の太陽 ,