ホテル・デルーナ11話あらすじ&日本語訳~前編
IU(イ・ジウン)、ヨ・ジング主演のtvNドラマ『ホテル・デルーナ(호텔 델루나 )』11話のあらすじを、セリフの日本語訳もまじえて紹介していきます。
裏切りの真相
チャンソンはベッドで目を開けた。
「…。」また夢の中でマンウォルの過去を見たのだ。
マンウォル(満月)の印の入った瓢箪が木にぶら下がっているのを見て、マンウォルは仲間たちと離れて湖へ向かった。
そこで待っていたのは彼女が会いたかったチョンミョンではなく、敵だ。
彼女たち一団はまんまと罠に嵌ったのだった。
それはすでにチャンソンも知っていたのだが…。
たった今、夢で見た光景はどこか違っていた。
湖のほとりに一人で立っていたのは、紛れもなくチョンミョンだ。
彼が手に大切に握っていたのは、満月をかたどった髪飾りだった。
チャンソン「コ・チョンミョン… あそこへ会いに来てたのか?」
虎柄スーツに化けた馬
サンチェスに呼ばれて部屋を出てみると、マンウォルから贈り物が届いていた。
『嬉しくて』カードにはそう一言だけ記されている。
箱を開けてみると…
現れたのは虎柄のスーツだ!
ガオぉぉぉ!
そうだった。
「白頭山の絵が売れたら、記念にこれとおそろいのスーツを作ってあげる」そう言って見せられた、マンウォル自慢のアニマル柄のタイツがチャンソンの脳裏に蘇る。
白頭山の代金は渡していないのに、どこにこんなスーツを仕立てる金が…?
マンウォルは会長に夢想通話をサービスする代わりに愛馬を譲り受け、サンチェスに頼んで売りさばいていたのだった。
+-+-+-+
「なんで着てこないのよ?」社長室へ姿を見せたチャンソンの地味なスーツを見て、マンウォルは口をとがらせた。
マンウォル「虎の格好で来ると思って期待してたのに」
チャンソン「ここは職場ですよ」
マンウォル「社長がいいって言ってんだから何だっていいのよ」
チャンソン「(憮然)」
マンウォル「ほら、あんたに合わせようと思って、(ゼブラ柄のストールを首にかけ)これも買ったのに」
チャンソン「馬ですね。シマウマ」
マンウォル「イケてるでしょ」
チャンソン「目障りです」
マンウォル「気に入らない?ふん、偏屈なんだから」
チャンソン「(憮然)」
マンウォル「いいわ。虎もシマウマも嫌なら、あんたの気に入ったのを買ったげる」
チャンソン「そんな時間はありません」
チャンソンは手に持ったファイルを掲げた。「特別サービスの申込みが溜まっていますので」
夢想通話サービスが評判になり、他の宿泊客もこぞって申し込んでいたのだ。
マンウォル「夢想通話は特別な代金を支払ったお客様だけに提供するサービスよ」
チャンソン「代金はもう十分いただいたじゃありませんか」
「馬!」チャンソンは語気を強める。
マンウォル「サンチェスめ」
チャンソン「そのお金には口出ししませんから、その代わり他のお客様にもサービスを」
「ク・チャンソン」マンウォルが身を乗り出す。「死人が生きてる人の夢に出てきて、良いことばかり言うとは限らないわ」
チャンソン「!」
マンウォル「お前のせいで死んだ、一緒に死のう、恨むだの呪うだの、そんなこと言ったらどうするのよ?」
「あ…」チャンソンは困ったように腕組みをした。
確かにそうだ。
マンウォル「だから、その都度検討して、ふさわしい代金を受け取って、特別な場合だけやってあげるのよ。お金のためだけじゃないわ!」
チッと舌をうち、マンウォルはぷいとそっぽを向いた。
チャンソン「おっしゃるとおりです。社長を誤解していました。お金にならないからではなく、考えがあってやらないんですね」
マンウォル「そうよ。何もかもお客様のことを考えて、やるに値すると判断した場合のみやってあげるんだから。私を何だと思ってんだか…」
チャンソン「それではこちらで規定を決めて社長のお考えに合うお客様を選別します」
一気に言い切り、一瞬ニコリと愛想笑いをすると、チャンソンはクルリと背を向けた。
マンウォル「もう!!!」
最後に一人、会えるとしたら…
さっそくチャンソンが選んだ宿泊客の夢想通話サービスが実施された。
数組めにやってきたのは、交通事故で亡くなった父子だ。
今日あの世へ旅立つ前に、遺された家族との通話を申し込んでいた。
父親「通話は1度だけですか?」
チャンソン「はい。1度きりです」
父親「それなら別の人と話したいんです」
「?」マンウォルが厳しい視線を向ける。
父親「私たち親子は交通事故に遭いました」
転がったボールを追って道路に飛び出した息子を助けようとして、父も一緒にトラックに轢かれてしまったのだ。
父親「トラックを運転していた青年に会いたいんです」
マンウォル「恨みごとや呪いの通話は出来ません。お引取りを」
父親「恨みごとを言うつもりはありません!」
2人「?」
父親「謝罪したいんです」
2人「!」
~~~~
トラックを運転していた青年は、執行猶予の判決を受けたものの、父子を轢き殺してしまった自責の念に苦しんでいた。
彼の前に、父子が現れる。
「あなた方は、私が殺してしまった…」青年は2人の前でひざまずき、涙を流した。
青年「申し訳ありません!本当に申し訳ありません!死んでも償えないことを…!」
父親「私たちこそ申し訳ありません」
青年「!」
父親「いきなり車道に飛び出した私たちの過ちです。私たちも不幸でしたが、あなたを大きな不幸に突き落としてしまいました」
「申し訳ありませんでした」そう言って父子は頭を下げた。
父親「あなたの人生、私たちのせいで駄目になってほしくありません」
「申し訳ありません」青年はもう一度頭を下げた。「ありがとうございます」
~~~~
電話を切ると、父親は明るく微笑んだ。「これで少しは気が楽になりました」
「ありがとうございます」父子は頭を下げ、晴れ晴れと部屋を後にした。
遺した妻ではなく、自分たちを轢いた青年に会いたい。
それは、青年の今後の人生を思ってのことだった。
思ってもみなかった善意を目の当たりにし、マンウォルは押し黙ってしまう。「…。」
チャンソン「今日はここまでにしましょうか?」
マンウォル「あと数人なんだから今日終わらせましょ…」
花は散るために咲く
ソンビたちは庭園で月齢樹を見上げていた。
青く美しい花をいっぱいに咲かせている。
ソンビ「すっかり花が咲いたなぁ」
ヒョンジュン「心配するのはやめましょうよ。やっと咲いたんですから、このまま咲き続けるかもしれないでしょう?」
ソヒ「麻姑神が社長を連れて行こうとしているのよ。花は… 散るために咲くの」
ソンビ「社長より先に我々が逝かなければ。みな覚悟を決めよう」
+-+-+-+
すべての夢想通話を終え、マンウォルはぐったりして部屋を出てきた。「疲れたわ」
マンウォル「現世と繋いであげるのにどれだけ気力を削られると思う?」
チャンソン「でも、そのお陰で今日は多くの人が笑顔で目覚めるでしょう。大変だったから、あなたのことも笑顔にしてあげますよ」
マンウォル「どうやって?虎柄のスーツ、着てくれるの?」
チャンソン「やっぱり!笑いものにするためだったんですね」
マンウォル「ちょっと!笑うために努力したなら称賛されるべきじゃない?」
チャンソン「僕だってあなたを笑顔にしようと努力しましたよ」
マンウォル「?」
チャンソン「何度も並んでは癇癪起こして諦めたチョレンイ雑煮の店、予約しておきました」
マンウォル「!」
チャンソン「行きましょう」
マンウォル「えっ?!あそこは予約も出来ないし2時間並ばないと食べられないのに」
チャンソン「ハーバードの人脈を使ったんです」
マンウォル「ハーバードには雑煮学科もあるの?!」
チャンソン「同級生に雑煮屋の息子がいるんですよ」
「!」マンウォルが納得してパンと手を叩く。
チャンソンは得意げに腕時計を確かめた。「閉店まで貸切にしました」
マンウォル「まぁ!!!」
チャンソン「急ぎましょう」
「待って!」歩き出したチャンソンをマンウォルが引き留める。
「あぁ」チャンソンは笑った。「雑煮に似合う服に着替えないといけませんね」
マンウォル「ただの雑煮じゃないわよ。その名もチョレンイ雑煮なんだから」
「特別な服を着なきゃ」マンウォルはイソイソと駆け出した。
+-+-+-+
器いっぱいの雑煮を前に、マンウォルは上機嫌で写真を撮った。
チャンソン「サンチェスは僕より3つ年上なんです。僕が今日、雑煮を3杯完食したら、サンチェスみたいにあなたとタメ口で話してもいいですか?」
マンウォル「え?」
チャンソン「サンチェスは呼び捨てにしてるじゃないですか」
マンウォル「あんた、私にタメ口ききたいの?」
「…。」チャンソンはニッコリ微笑んでみせた。
マンウォル「いいわ。じゃあ雑煮1300杯ね」
チャンソン「そんなのキム・ジュニョンだって無理です!」
マンウォル「キム・ジュニョンをナメないでよ!」
チャンソン「…。」
マンウォル「ハンデをあげる。トック1つあたり1年ずつ減らすわ」
チャンソン「100年ずつにしましょう」
「!」マンウォルがテーブルをドンと叩いた。「このハーバード詐欺師!横着するんじゃないわよ」
チャンソン「トックを13個食べたら、その瞬間から呼び捨てですからねっ」
マンウォル「(呆れて)やってみなさいよ。1300も年食ったら人間は死ぬわ」
チャンソンは匙にトックを2つすくった。「挑戦!まずは軽く200歳」
チャンソン「200歳だと思うとさらに美味しいな。(もう一口)さぁ、この勢いで300歳追加しますよ」
こうして楽しい時間はゆっくりと流れていった。
呪いのサイト
「犯行の動機がわかりました」捜査会議でパク警部が発言する。
モニターに映し出されているのは、あるサイトだ。
パク警部「Hellloというサイトです」
同僚「Helllo?何かの集まりか?」
パク警部「Hellが地獄、loが“へ”(韓国語で로)で“地獄へ”。言葉遊びで作られた名前です」
同僚「どういうサイトなんだ?」
パク警部「会員数が10万を超える息の長いコミュニティです。最初はただ悩みごとをシェアする場所でしたが、次第に本物の地獄に変わっていき、誰かに対する恨みつらみを書き込む感情の掃き溜めに成り果てました」
同僚「それで?」
パク警部「容疑者は死んだ妻に関する批判を何度か書き込んでいます。他の被害者6人についての批判文に返信しているのも確認しました。被害者たちへの批判文はどれも返信や閲覧数が多いものばかりです」
パク警部はたくさんある書き込みの中から、あるスレッドを開く。「ある被害者についての批判文と返信です」
写真とほんの短い文章に、「呪います」「死ねばいい」などと200を超える返信がぶら下がっている。
#私、パク警部かなり好きです♪
パク警部「人を恨む書き込みに対して、一緒に呪ってあげるのがこのサイトの目的なんです」
同僚「容疑者はその呪いを実行に移したってことか」
パク警部「…。」
同僚「悪魔じゃあるまいし…」
「容疑者の妻イ・ドヨン以外の被害者は、面識もない容疑者にワケもわからないまま殺されたんです」パク警部は怒りを募らせた。
+-+-+-+
ユナはデルーナに宿泊中の被害者6名を集め、報道されている容疑者の写真を見せた。
ユナ「この人じゃなかったんですね?」
皆、一様に首を縦に振る。
ユナ「(ヒョンジュンに)ほら、私の言うとおりでしょ?あの車の男が犯人だってば。あの車にも霊がいたんだし」
ヒョンジュン「証拠もないのに通報できないだろ?」
ユナ「そうだ、モンタージュ!ドラマに出てくるあれよ!描いてみましょ。私、絵は得意なの」
ヒョンジュン「ドラマの真似ごとをして社長にバレたら大変だぞ」
ユナはさっそくカバンからノートを出した。「思い出せる特徴、全部教えてください」
+-+-+-+
“グレーの車の男”ソル・ジウォンは携帯の画面を見つめていた。
あの日、後ろを走っていたトラックの拡大写真だ。
配送を依頼した人物はク・チャンソン。
しかし、助手席に座っていたのは、髪の長い若い女性だった。
彼は当日のドライバーを尋ねる。
ドライバー「予約したク・チャンソンという人には会っていません。女学生と配送したんですよ。あの日は車が故障してエライ目に遭ったんだ」
ジウォン「女学生の名前や連絡先は?」
ドライバー「電話番号は知らないな。会社のSNSアカウントから連絡したんですがね」
ジウォンはユナのSNSアカウントを教わり、あっという間に彼女の学校へたどり着いた。
スカウトマンを装い、クラスメイトに接触する。
ユナはかなりの変わり者で、霊が見えるのだと言う。
クラスメイト「一人でぶつくさ言うし、誰もいないのに付いていくんだから」
ジウォン「霊に…付いていく?」
「面白いな」ジウォンは小さく笑った。
+-+-+-+
夢想通話サービスはさらに人気が高まっており、ソヒが新たに受け取った申込書をマンウォルに届けた。
うんざりして申込書をめくりながら、マンウォルが淡々と言う。「花が咲いてるの見たはずだけど、何も言わないのね」
マンウォル「皆あの世に行く決心はついたの?」
ソヒ「皆、覚悟はしています。私は… あの一族の血が絶えるのを見ずには行けません」
マンウォル「…。」
ソヒが背を向ける。
マンウォル「娘が死んだって言ってたわね」
ソヒ「!」
マンウォル「その一族の家門を守るために」
「…。」前に組んだ手を、ソヒはぎゅっと握りしめた。
マンウォル「いくら気が急いても42年前みたいな真似はしないで」
ソヒ「!」
マンウォル「客室長、悪霊になって消滅してしまったら、200年ここで積んできた善行が無駄になるわ」
ソヒ「それも惜しくないほどの… 遺恨なのです」
ソヒは目を赤くし、声を震わせる。
無表情で彼女をしばらく見つめると、マンウォルはまた申込書に視線を戻した。「今度の満月、月食になるわ」
ソヒ「はい。今度の月食は月が長時間欠けるそうですね。準備いたします」
月食の夜は何かが起きる
家に突然訪ねてきた屈強な男たちの案内で、チャンソンはあるビルのガランとした一室へやってきた。
彼を待っていたのは、新聞でも見たことのある著名な女性だった。
女性「現在、あるホテルの理事をお務めですね?」
チャンソン「あ… はい、そのとおりです」
女性「私をそのホテルへ連れて行っていただけますか?社長に会いたいんです」
チャンソン「我々の社長をご存知なのですか?」
女性「ホテル・デルーナのチャン・マンウォル社長」
「!」いったい彼女は何者なのか。
チャンソンは緊張を募らせる。
女性「私は以前、支配人としてあの御方に仕えておりました」
チャンソン「!」
驚いて言葉が出ないチャンソンを見て、女性は明るい笑みを見せた。
#この方、品があってお美しい!
+-+-+-+
さっそく彼女… ファン元支配人はチャンソンと共にデルーナへやって来た。
マンウォル以下、職員たちのことは見えるものの、もう宿泊客たちのことは見えないようだ。
※ヒョンジュンとの会話から察するに、彼女は政治家になっているようです。
「ずいぶん大きくなりましたね」社長室へ通されると、ファン支配人は30年ぶりのデルーナをそう懐かしんだ。
マンウォル「ムンスク、全部あんたのおかげよ。あんたがしっかりお金を運用して明洞の土地を買ったのが大きかったわ。あんたも大きくなったものね。よく見るわ。どこぞで総長になるそうね」
ファン支配人「まだ候補です。社長が解放してくださったおかげですよ」
マンウォル「泣く泣く手放したのよ。あんたみたいな逸材をこんなところに縛り付けちゃいけないって、麻姑婆がこっそり薬を飲ませて、霊を見えなくさせたもんだから」
「はぁ」マンウォルはため息をついた。「あんたがあと数年稼いでくれたら、江南に土地をいくつか持ってたわ」
ファン支配人「私はここでの経験で、世の中を見る目や価値観が随分変わりました」
「ふん」マンウォルが小さく笑う。「それは良かったわ」
マンウォル「ところで、用件は?」
ファン支配人「お願いがありまして」
「お願い…ね」マンウォルが皮肉な笑みを浮かべる。
マンウォル「そりゃそうよね。恋しくて来るわけないもの。皆、心残りがあって来るんだから」
「社長にプレゼントを」ファン支配人がタイミングよく小箱を差し出す。
中からあらわれた世にも見事な宝石に、マンウォルは顔を輝かせた。「お願いってなぁに?」
ファン支配人「些細なことですが、大切なお願いです」
マンウォル「?」
ファン支配人「39年ぶりに大きな月食がありますので」
+-+-+-+
ロビーに残ったチャンソンは、ソンビとソヒからファン支配人がデルーナにいた頃のことを聞いていた。
ソンビ「我が国が経済復興真っ只中だった頃、ファン・ムンスクの登場によってチャン社長は困窮から逃れ、今のような贅沢のできる富の礎を築いたのだ」
ソヒ「7、8年ほど働いていましたわ」
チャンソン「あのような方がここで支配人をしていたなんて、想像もつきませんでした」
ソヒ「社長はここを辞めた支配人の痕跡を残しませんから」
「…。」チャンソンが表情を曇らせる。
ソンビ「それにしても、一大事を前にどういうわけで訪ねてきたんだろう」
+-+-+-+
「人間のお客様を受け入れる?」チャンソンは社長室で目を丸くした。「そんなことが出来るんですか?」
マンウォル「月食だからね」
チャンソン「月食だと何が違うんです?」
マンウォル「月が欠けると、この“月の旅館”が現実世界で見えるようになるの」
チャンソン「!」
マンウォル「だから、人間のお客様もちらほら入ってくるし、ホテル内では人間にもうちのお客様の姿が見えるわ」
チャンソン「月食の日は人間のお客様も受け入れるということですか?」
マンウォル「もちろんフロントで断るわよ」
「だけど…」マンウォルが記憶を巡らせる。「あれは81年度だったかしら」
マンウォル「ムンスクがいた頃、月食の日に新婚夫婦がうちに泊まっていったの」
まだ夜間の通行禁止令が敷かれていた時代、夜中に雨に降られて困っていた新婚夫婦が、デルーナのドアを叩いた。
このまま追い返せば、警察署で初夜を迎えることになる。
仕方なく404号室に彼らを泊めたのだ。
#回想の映像が昔っぽくなってて好き♪
マンウォル「その日、新婚夫婦はうちのホテルで初夜を迎えたわ。そして、この幽霊ホテルで初めて… 赤ちゃんが授かったの。その赤ちゃんこそ、韓国の生んだ天才サッカー選手…」
チャンソン「(期待)」
マンウォルに名前を耳打ちされ、チャンソンは息を呑んだ。「本当ですか?!」
マンウォル「(うんうん)」
チャンソン「あの人がここで?!」
マンウォル「らしいわ。私もさっき聞いてビックリしたのよ。その人がムンスクの娘婿になるんですって」
チャンソン「!」
マンウォル「両家の顔合わせの席であの日の新婚夫婦に会って、お互い仰天だったらしいわ」
チャンソン「いやぁ、不思議な縁ですね。ここは他にない不思議な気の溢れる場所ですから、ここで授かった子は特別かもしれません」
マンウォル「その不思議な気にもう一度あやかりたくて、娘たちをここへ新婚旅行に寄越すって」
チャンソン「では、王様をご案内したV.I.Pルームをご用意すればよろしいですか?」
マンウォル「ううん。人間なんだから当然404号室よ」
チャンソン「404号室?!あそこはチェックインできてもチェックアウトできない部屋じゃないですか」
マンウォル「うちのホテルのチェックアウトは“あの世行き”だけよ」
チャンソン「それならどうやってチェックアウトするんです?」
マンウォル「お客様が心配?それならあんたが入って確かめてみれば?」
+-+-+-+
今度の月食の日、生きている人間が泊まりにくると聞いて、デルーナのスタッフたちは大喜びだ。
しかもハネムーンだなんて!
マンウォル「今回は正式に予約していらっしゃるお客様だから、しっかり準備するのよ」
「はい!」皆は思わず拍手で答える。
ソヒ「(ソンビたちに)お料理もルームメイクも人間用に準備しなくては!」
ソンビ「生きているお客様がいらっしゃるとは、楽しみだなぁ。ところで、うちの“生きている支配人”の姿が見えないが」
ヒョンジュン「404号室にいらっしゃいます」
2人「あぁ~(納得)」
ソンビ「それなら今夜じゅうは戻ってこないな」
「まぁとにかく」彼らから再び拍手が湧いた。
+-+-+-+
ここで一旦区切ります。
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