空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 3話前編
ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、3話の前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。
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帰宅したジンガンはテレビのニュースに見入っていた。
ウォニョン洞で女子大生を殺した犯人が捕まったというのだ。
「あっ!チョロンさんだ」犯人を連行するチョロンに気づき、ジンガンは身を乗り出した。「わぁ~!」
”警察官だから安定してるし、いい人そうだし…”ムヨンの言葉が思い浮かび、ジンガンは顔を曇らせる。
”だけど、純粋すぎて愛せるかどうか。まぁいいか。とりあえず付き合ってみよう”
ジンガン「はぁ、よく知りもしないくせに!」
そこへ帰ってきたジングクがボヤいた。「人が帰ってきたのも気づかずに、テレビに夢中になって」
ジンガンは大急ぎで兄をテレビの前に座らせる。
「チョロンさんよ、チョロンさん!」次の瞬間、画面が記者に切り替わった。「あぁ終わっちゃった」
妹「お兄ちゃん、チョロンさん殺人犯捕まえたみたい」
兄「チョロンさんが捕まえたんじゃない。みんなで捕まえたんだ。強力3班みんなでな」
妹「みんなで捕まえたんなら、お兄ちゃん何で映ってないの?」
兄「…。」
妹「またサボったのね」
「何だよこりゃ」反論できず、代わりにジングクは散らかった洗濯物に話題を替える。「いい年した女が…」
ムヨンに貰った上着が目につき、ジンガンは思わずムッとした。「お兄ちゃんもそうなの?」
兄「何が?俺が何した?何もしてないぞ」
妹「誰彼なく口説いて、呆れるほど自惚れ屋で、彼女がいるくせに違う女と映画観に行って… 男ってみんなそうなの?」
兄「何だ?!彼女がいたって?」
「あいつ!」テレビを睨みつけたジングクを、ジンガンは慌てて止めた。「チョロンさんじゃないよ」
兄「チョロンじゃなくて?誰だ?」
「…まぁね」ジンガンは立ち上がった。
兄「誰だよ?」
妹「そういうのがいるんだってば」
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「どこに隠したんです?」取り調べをするファン捜査官の質問に、チェ・サンフンは口をつぐんだ。
捜査官「どこに隠したのか訊いてるんです、トロフィー」
サンフン「ミヨンの部屋にあります。一番好きな物だから」
捜査官「ないんですよ、部屋に。あんたがそれでチョン・ミヨンを殺したからだ。あんたの彼女の一番好きなトロフィーでな」
サンフン「…。」
捜査官「どこに捨てたんです?」
「時間がありません。僕じゃないんです」サンフンが顔を上げた。「殺してない」
捜査官「…。」
サンフン「こんなことしてる場合じゃないでしょう。頼むから捕まえてください。ミヨンをあんな目に遭わせたヤツ、捕まえてくださいよ!」
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「ずっとあの調子なんです」ジングクが様子を見に来ると、チョロンが疲れた顔で漏らした。
ジングク「一言めは何だった?」
チョロン「最初はひたすら訊くばかりだったそうですよ。本当にミヨンは死んだのか、死んだのは本当にミヨンなのかって。そのうち… わぁ!3時間以上延々と泣いてばっかで…」
ジングク「…。」
チョロン「自白を取るのがこんなに難しいとは」
ジングク「チョン・ミヨンの爪から出たDNAは?」
チョロン「それだって嘘っぱちですよ、ちょっと喧嘩はしたけど殺してないって」
ジングク「…。」
チョロン「チェ・サンフンが言うには、もともとその旅行もチョン・ミヨンと一緒に行くことになってたそうで。でも、喧嘩することが増えて、その日だってチョン・ミヨンが旅行に行かないと言い張って大喧嘩になったって。それで憂さ晴らしに一人で出発したって」
ジングク「…。」
チョロン「はぁ、自白が取れなかったら、明日令状実質審査も棄却されますかねぇ」
ジングク「出国して捕まったんだから大丈夫だろう。それにしても本当なのか?カナダにチョン・ミヨンも一緒に行くことになってたって」
チョロン「えぇ。予約も2人の名前でしてたそうです、2ヶ月前に」
ジングク「…。」
チョロン「けど、全部演技っぽいですよ。演劇科出身なんですから、あいつ」
考えながらジングクは廊下を歩く。「あぁ、お前がニュースに出てたってジンガンが喜んでたぞ」
チョロン「ホントですか♪ ジンガンさん観たって?」
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ジンガンたちデザイン&ルックのチームは、アーツ社を訪れていた。
これから一緒に商品を作る仲間だから…と、アーツ社のチョン代表がスタッフたちを紹介する。
当然のごとくその中にムヨンの姿もあったが、ジンガンが彼と目を合わせることはなかった。
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一段落して、ジンガンはチョロンに電話を掛けた。
さっき、アーツ社の代表と話しているときに着信があったのだ。
ジンガン「すみません、さっきは仕事中で」
チョロン「そうだったんですね。僕らも犯人が捕まって夜通しバタバタしてたんです」
ジンガン「観ましたよ!ニュース。チョロンさん、たくさん映ってました」
チョロンは喜びを押し殺し、努めて何でもなさそうに言った。「あぁそうですか?」
チョロン「映ってたなんて知らなかったな」
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電話を終え、ジンガンがアーツの工房に戻ってくると、ちょうどそこへやって来たのはムヨンだ。「デザイナーだったのか」
「えぇ」ジンガンは彼の後ろで憮然と答えた。
ムヨン「えらく喧嘩腰だな」
ジンガン「今度あやしい真似したら、スンアに全部言うから」
「言えよ。平気だから」彼は大きな袋の封をとき、原料の麦芽を粉砕機に入れ始めた。
ジンガン「図々しいのか、自惚れてるか、どっち??」
ムヨン「やましいことはないから」
「…。」不機嫌そうな彼女の顔を振り返り、ムヨンは思わず笑う。
ジンガン「何で笑うの?私、可笑しい?」
ムヨン「あぁ、お前のその顔、超笑える。負けてたまるか!って顔してるけど」
ジンガン「少なくとも負けられない人に対してはね」
ムヨン「負けたと思ってるんだな。俺は争ったつもりもないけど」
ジンガン「あんた、口が上手いよね。何だって言い逃れる自信がある」
ムヨン「そうかな」
ジンガン「私、そういうの慣れてるの。そういう人間にどう接すればいいかもわかってるわ」
ムヨン「どう接するんだ?」
ジンガン「完全無視」
ムヨン「…。」
ジンガン「警告しとくけど、あんたと個人的に話すのはこれで最後」
「話しかけないで」冷たく背を向けるジンガンに、ムヨンはサラリと言った。「OK」
ジンガンが10mほど歩いたときだ。
「あぁっ!」背後で大きな叫び声がした。「!!!」
ムヨンが粉砕機に両手を突っ込んだまま、うめき声を上げている。
夢中で駆け寄ると、彼女はボタンを手当たり次第に押した。「大丈夫?!」
機械が止まると、粉砕機に吸い込まれた彼の手をそっと引き抜く。
ジンガン「!!!」
無事自由になった彼の手は…
傷一つなかった。
ポカンと口を開けた彼女を見て、ムヨンはいたずらっぽく笑みを浮かべる。「君から声掛けたんだからな」
ムヨン「たった1分で」
ジンガン「… ふざけないでよ!!!」
ムヨン「!」
ジンガン「あんた、完全にアウトよ。二度と話しかけないで」
去っていくジンガンの背中は怒りに満ちていて、ムヨンは何も言えずそれを見送った。「…。」
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集まった強力3班のメンバーの表情は沈んでいた。
容疑者チェ・サンフンの自白が取れず、拘束期限が迫っていたのだ。
自白を得るか、新たな物証の確保が必要だった。
チョロンたちは分担して捜査に出掛ける。
”タトゥー”に聞き取りに向かうチョロンは、見るからに憂鬱な表情だ。
ジングク「タトゥーって?」
チョロン「いるんですよ。参考人なんですけど、超生意気で。課長がしょっちゅう見てるあの写真、後ろの列でタトゥーのある女の子です」
ジングクの視線が壁の写真へ向う。
被害者チョン・ミヨンの隣に若い女がいた。
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「クビになったら責任とってよね」訪ねてきたチョロンを見て、イム・ユリは憎まれ口を叩いた。
チョロン「俺だってイヤイヤ来たんだ」
チョロンが差し出したのは、バレリーナの衣装でトロフィーを手にしている、ミヨンの写真だ。
#ユリの黒いネイルが剥げていて、役作り細かいなぁと^^
チョロン「何か知ってることは?」
ユリ「これ何?」
チョロン「決定的物証だ。これで後頭部を殴られて致命傷を負った」
ユリ「ふーん」
チョロン「チェ・サンフンが捕まったのは知ってるよな」
ユリ「えぇ」
チョロン「何か心当たりはないかな。どこに隠したのか」
ユリが上目遣いでじっとチョロンを見る。
ユリ「…。」
「知らない」たった一言そう答え、ユリは背を向けた。
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チョロンの来た受付からスタジオに下りてくると、ユリはひどく動揺して爪を噛んだ。
あの日…
スタジオの床に転がっていたトロフィーの飾りが、まだ記憶の中に鮮やかなままだ。
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ユリがパブのカウンターに現れたのを見て、ヒジュンはそっけなく言った。「兄貴、今日は来ないぞ」
ユリ「酒」
ヒジュンの目が険しくなる。
ユリ「お客にその態度?話があるんだから」
ヒジュンは渋々グラスを手に取った。
ユリ「どこにいるかホントに知らない?」
ヒジュン「デートだ。今頃ラブラブだろうな」
ユリ「だから何?私に何の関係があんのよ」
ヒジュン「彼女、超金持ちなんだ。聞いたら驚くぞ」
ユリ「…。」
ヒジュン「それに決定的なのは、超美人だ」
ユリが呆れたように笑みを見せる。「金持ちで美人なら、キム・ムヨンが好きになると思うわけ?」
ヒジュン「お前よりはな」
ユリ「それなら、その子と私が溺れたら?どっちを先に助けると思う?」
「バカな」ヒジュンが笑う。「その子に決まってるだろ。何でお前を?」
ユリ「…勝手に言ってな」
ヒジュン「俺はわかってるぞ。好きでたまらないのに、好きだとすがった瞬間にアウトだ。それが怖くて告白も出来ないくせに」
ビールのジョッキを、ユリがドンとカウンターに置く。「何言ってんのさ」
ヒジュン「何だよ。図星か」
ユリ「誰が好きだって?」
「ダサ男」ユリはほとんど口をつけてないビールジョッキをガタンと倒し、ぷいと背を向けた。
ヒジュン「おい!」
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一緒に時間を過ごしたスンアとムヨンは、彼女の家へ向かって歩いていた。
バッグの中で鳴っている電話を、スンアは無視して歩く。
ムヨン「出ないの?ずっと鳴ってるけど」
スンア「お母さんから。さっきメールしたわ。もう着くって」
スンアは並んで歩くムヨンの横顔を見つめた。「ご両親ってどんな方?」
ムヨン「両親?うーん、うちの両親は… 」
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「施設?」ウサンが秘書からの報告を受けていた。
秘書「6歳から15歳まで保育園で育ったそうです。自明保育園、ヘサンにあるカトリック系施設です」
ウサン「孤児ってことか」
秘書「はい」
ウサンは報告書の写真を眺めた。
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「母さんはすごく生真面目だった」ムヨンがポツリポツリと話す。
ムヨン「お説教ばかりだったけど、いちいち言うことが正しいから、いつもむかついてた。それに、一年中同じ服を着てるんだ」
スンア「嘘。そんな人いないわ」
ムヨン「ホントだって。年中同じ服しか着ない」
「おばさんたちもたくさんいて…」ムヨンが続ける。
ムヨン「ほとんど母さんと同じだ。いちいち言うことが正しくて、ずっと同じ服を着てる」
スンア「ふふふ、面白い。じゃあお父さんは?」
ムヨン「父さんは… 警察官だった。悪いヤツを捕まえる熱血刑事」
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「施設に入ったのは6歳」秘書の報告は続く。「それ以前の記憶は一切見つかりませんでした」
秘書「キム・ムヨンという名前も施設でつけてもらったものです。仕事には誠実で、職場での評判も悪くありません。ノ・ヒジュンというインターンはしばらく施設で一緒に育っており、ノ・ヒジュンは後に養子に出たそうです。周りに女性はおおぜいいますが、一人と長く付き合ったことはなく、女性を家に連れ帰ることもないようです」
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「君のご両親は?」ムヨンが訊き返した。
スンア「うちはまぁ… 平凡よ」
「ムヨンさん」家の前まえたどり着いて、スンアは立ち止まった。
「?」まっすぐ見つめ返すムヨンを前に、彼女は言葉を飲み込む。
別れろとウサンに言われたことがずっと胸にのしかかっていたが、彼の前では何も言い出せなかった。
スンア「ジンガン姉のお兄さんも刑事なの。ジングクさん」
ムヨン「うん、知ってる。近所で会った」
スンア「すごく面白い人よ。けど、ジングクさんがジンガン姉を一人で育てたの。結婚もしないで」
ムヨン「一人で?」
スンア「うん。ジンガン姉が小さい時、両親とも亡くなったから」
ムヨン「あぁ…」
スンア「気の毒よね」
ムヨン「気の毒?」
スンア「そりゃそうよ。一番気の毒だと思うわ、ジンガン姉が」
「お母さんがすごく憎らしくても…」そう言ってスンアはうつむく。「ジンガン姉のこと考えたら、ちょっと気がおさまるの」
ムヨン「…。」
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娘の帰りを待っていたスンアの母親は、防犯カメラの映像に目を見張った。
家の前で娘が若い男と抱き合っていたのだ。
スンア母「!!!」
カッとなって出ていこうとして、彼女は思いとどまる。
ウサンのことを考えたら、可笑しくてたまらなくなったのだ。
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「全部頼めよ」カフェの注文カウンターで、ジングクはソジョンに勧めた。
昼間、コーヒーを奢るのをケチったばかりに、彼女の逆鱗に触れてしまったのだ。
正確にはコーヒーのせいではない。
コーヒーをねだるソジョンに、独り身で子どももない、贅沢もしない、お洒落っ気もなく美容に金もかけている様子もないんだから、金なんかたっぷりあるだろう、と言ってしまったのだ。
女心を踏みにじったつけは大きい。
ジングク「(店員に)一番高いのはどれですか?ルアックとか、1杯2万ウォンするようなヤツ」
店員「そういうのはないんですが、こちらのブルーベリーヨーグルトクリームケーキピンスが一番高くなりますね」
ジングク「たった12,000ウォンじゃないか」
「それでいいか?」ジングクがソジョンの顔色をうかがう。
「いらないわよ」ソジョンが声を上げる。「この肌寒いときに何がピンスよ」
ジングク「機嫌直せよ。非番なのに来たんだから」
ソジョン「他に用事があったからでしょ。私のために来るわけないじゃない。天下のユ課長が」
ジングク「用事なんかないぞ。俺に何の用事がある?お前にコーヒー奢ってやるために来たんだから」
ソジョン「本当でしょうね」
ジングク「うん」
「アイスアメリカーノください」店員に笑顔で注文し、ソジョンは席へ向かった。
ジングク「そんなのでいいのか?4500ウォンで?」
ソジョン「それで帳消しだと思わないでよね。あと15500ウォンよ」
「計算が早いな」ジングクは苦笑いし、同じものをもうひとつ注文した。
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ジンガンは今日もアーツ社を訪れていた。
スタッフの案内で製造施設を見て回る。
「ちょっと残念」アーツのスタッフが席を外したすきに、同僚のイム代理が言う。「あの人、今日はいないみたい」
ジンガン「誰?」
イム代理「いるでしょ?イケメンの人」
「ここにいますよ」後ろから顔を覗かせたのは… ヒジュンだ。
イム代理「ビックリした!」
ヒジュン「イケメンを探してたんじゃ?」
イム代理「(苦笑)」
ヒジュン「全部聞こえてましたよ」
イム代理「あ… じゃああの人は?全部聞こえてたんでしょう?」
「俺なんだけど」ヒジュンがポツリと言った。
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「わぉ」ソジョンがコーヒーをすすりながら顔を綻ばせる。「なんて美形なの?」
ソジョン「最近の子って、何食べてあんなに背が伸びるのかしら」
視線の先を振り返ってみると、カウンターで若い男がコーヒーを注文している。
ムヨンだった。
ソジョン「わぉ、ステキだわぁ」
「おい」ジングクが唐突に呼びかけ、ムヨンが振り返った。
ソジョンが慌ててジングクを諌める。「何すんのよ、やめて」
ソジョン「(ムヨンに)違うんですよ~」
ジングク「朝メシ何食った?」
ソジョン「(ムヨンに)すみません!この人ちょっと… 最近こういう人多いじゃないですか」
ムヨンは黙ったまま椅子を引っ張ってきて、二人の前に腰を下ろした。
ジングク「(ムヨンに)この人が知りたがっててな。何食ったらそんなに背が伸びるのかって。俺の方が背は高いと思うけどな」
「?」ソジョンはようやく二人が知り合いらしいと気づき始める。
ムヨン「牛乳かな」
二人「…。」
「冗談です」ムヨンが初めて笑みを見せた。「朝は食べません」
ソジョン「あぁ~。朝は召し上がらないのね」
ムヨン「恋人ですか?」
二人「(プハッ)」
ジングク「同僚だよ、同僚!純粋に同僚だ」
ムヨン「当然違うと思いましたよ。すごい美人だから」
喜びを押し殺し、ソジョンは言った。「お気遣いなく。私、気にしてませんから」
ジングク「こんな時間にどうしたんだ?」
ムヨン「ちょっと友だちに会いに」
ムヨンの手元のブザーが鳴った。
注文した商品が出来上がったのだ。
「じゃ、行きます」ムヨンが立ち上がった。
ソジョン「(ジングクに)何よ、ビックリしたじゃない!誰?」
ジングク「…。」
ソジュン「誰なのよ?」
ジングク「(小声で)キム・ムヨン」
ソジュン「キム・ムヨン?例のキム・ムヨン?」
ジングク「あぁ」
ムヨンがドリンクを受け取り、二人のそばを通り過ぎて窓際の席へ向かう。
二人は揃って彼を目で追った。
ソジュン「… 本当ね。ユ課長の言うとおりだわ」
ジングク「何が?」
ソジョン「あの人見てるとドキッとするんでしょ?妙に緊張するんでしょ?」
ソジョンは胸をおさえ、はぁっと溜息をつく。「私もそうよ」
ソジョン「どうしてかしら」
「行こう。1時5分前だ」ジングクはコーヒーカップを持って立ち上がった。
カフェを出ようとすると、入ってきた若い女とソジョンが軽くぶつかる。
「すみません」謝るソジョンを、女が睨みつけた。「チッ」
イム・ユリだ。
「何て失礼なの」カウンターに向かうユリを、ソジョンが睨む。
ソジョン「自分だってぶつかったのに」
ジングク「やめとけ」
ソジョン「最近の子って、何食べてあんな生意気になるわけ?」
「すみません」ジングクがユリを呼ぶ。
ユリ「?」
ジングク「朝、何食べました?」
ユリ「何なの」
「いいってば」ソジョンがジングクを引っ張ってカフェを出た。
ソジョン「調子に乗りすぎよ。じゃあユ課長は何食ってそんなに優柔不断なわけ?」
「年(とし)」そう言ってジングクは愉しげに笑った。
店内を振り返ると、たった今すれ違った生意気女がムヨンの向かいに座っているではないか。
ソジョン「何よ!ガッカリだわ。決定的に女を見る目がないわね」
ジングク「可愛いじゃないか」
「私もタトゥー入れようかしら」ソジョンが首筋に手をやる。
ジングク「何で?」
ソジョン「生意気に見えるかと思って」
「タトゥー?」ジングクはガラスの向こうの女に目を凝らした。
首筋にタトゥがある。「!!!」
ジングク「先に行くからゆっくり戻れ」
ジングクはソジョンにコーヒーカップを押し付け、駆け出した。
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署に戻ると、ジングクは壁の写真に直行した。
殺されたチョン・ミヨンが誕生日パーティに友人たちと撮った写真だ。
ミヨンの隣にいる若い女の首筋に…
たった今カフェで見たものと全く同じタトゥーが刻まれていた。
ジングク「!」
直接ではない。しかし、彼の中でチョン・ミヨンとキム・ムヨンが繋がったのだ。
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ここでで区切ります。
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