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空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 2話前編

   

ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、2話の前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。

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妹のジンガンを部下のチョロンに引き合わせたジングクは、ちゃっかり食事に同席していた。
最後のデザートまでゆっくり味わう兄にしびれを切らし、ジンガンはチョロンを誘ってレストランを出た。

二人の勝手にさせてなるものか、ジングクは慌てて後を追う。
やってきたのはパブ。”昼からビール”というワケだ。
ジングクは二人が見える2Fの席に腰を下ろした。

ジンガンたちは、それぞれグラスに注いだビールを5杯ずつ、目の前に並べている。

ジンガン「大丈夫ですか?私、5杯までしか飲めなくて」
チョロン「もちろん!どれから飲もうかな」

「これから」二人は小さくグラスを合わせた。
出会ったばかりにしては、実にいい雰囲気だ。

チョロン「デザイナーさんって、こうやって全部味見しなきゃいけないものなんですか」
ジンガン「えぇ。プロダクトデザインっていうのはね…」

そう言って、ジンガンは手に持ったビールのグラスを指した。「この”何か”が”何なんか”、皆が気になるよう仕向ける仕事なんです」

チョロン「つまり、まずは自分が感じるべきだと思うんですよ」

「本物のプロフェッショナルだ!」チョロンが感動して声を上げる。

チョロン「僕も個人的にそのタイプなんです!」
ジンガン「えぇ」
チョロン「次はどれにします?今度はこれ?」
ジンガン「はいっ」

#楽しそう^^ 普通にお似合いだよなぁ

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「ヤツらめ」2Fから二人を見下ろし、ジングクはボヤくばかりだ。「酒に狂いやがって」

そのときだ。
ビール樽をかついで通り過ぎたスタッフに、彼はギクリと神経を尖らせた。「!」
あいつだ。

下のフロアに降り、歩きながらムヨンがチラリと彼を見上げる。
「…。」「…。」二人の視線が静かにぶつかり合った。

ムヨンはカウンターのサーバーに樽を繋ぐと、腰を下ろしてビールを飲み始めた。
「思いがけなかったな」近くの席からチョロンの声が聞こえてくる。

ジンガン「何が?」
チョロン「実は今日、ちっとも期待せずに来たんです。”ユ課長”の妹さんだから」
ジンガン「うちのお兄ちゃん、そんなにイケてませんか」
チョロン「いえいえ、そうじゃなくて… おばさんかと思って」
ジンガン「おばさん?」
チョロン「こんなに若い妹さんがいらっしゃるとは。それに、妹さんだって言うから、顔だって…」
ジンガン「私、お兄ちゃん似なんだけど」

「いえいえ」光の速さでチョロンが却下する。「全然!ひとつも似てませんよ」
「ふふふ」ジンガンが笑った。「不思議と褒められてるみたい」

チョロン「完全に褒めてるんです」
ジンガン「ところで、うちのお兄ちゃん、ホントに”ユ課長”って呼ばれてるんですね」
チョロン「いえ」
ジンガン「?」
チョロン「ニックネームですよ、ニックネーム。ユ課長が… ユ警査はもともと人柄がいいから」

「いいんですよ」懸命にフォローするチョロンに、ジンガンは明るく笑いかけた。「ソジョンさんに全部聞きましたから」

チョロン「けど、妙なんです。底知れないというか、人を震えさせるところがあって」
ジンガン「まさかぁ。お兄ちゃんが犯人を捕まえたり、そんなの想像もつかないわ。面白い話だって一つもしないし」
チョロン「ジンガンさんはそういう話が好きなんですか?殺人犯を捕まえたとか」
ジンガン「そりゃそうですよ」
チョロン「それなら僕が追々話してあげましょうか?ジンガンさんに会って」

「はい!」ジンガンが満面の笑みでうなずく。

チョロン「じゃあ、僕たち付き合います?」
ジンガン「え?」
チョロン「違った、つまり僕が言いたいのは… 僕、ジンガンさんと正式に”いい感じになりたい”です」

※썸을 타다=恋に発展しそうな、何かありそうな状況。チョロンはそうなりたいと申し入れています。

カウンターで思わずムヨンが吹き出した。

ジンガン「つまり、チョロンさんは私と”いい感じになりたい”って?正式に?」
チョロン「えぇ。クールに」
ジンガン「クールに?」
チョロン「食事をして映画を見て、駆け引きもして」
ジンガン「(笑)」
チョロン「今まで出来なかったこと全部。やってみたかったこと、なんでも全部!」

そう言って両手を広げた瞬間、ちょうど通りかかったヒジュンに腕があたった。
ヒジュンの持っていた料理がジンガンのジャケットに盛大に掛かる。「わっ!」

「大丈夫ですか!」ヒジュンとチョロンが慌てて立ち上がり、2Fでジングクも心配そうに立ち上がる。
「大丈夫です」ジャケットを脱ぐと、ジンガンは渡されたタオルを肘に当てた。
薄茶色の火傷の痕が、タオルの下に見え隠れする。

「ちょっとお手洗いに」ジンガンが立ち上がったときだ。
誰かがやって来て、彼女のノースリーブの肩を、黒い上着でふわりと包んだ。

ジンガン「!」

ムヨンだ。

#こういうところでふわ~っと無音&スローモーションになるのが好き^^

ハッとして振り返ったとき、ムヨンの背中はもうホールの向こうに遠ざかっていた。

ジンガン「…。」

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ホールを遠ざかっていくムヨンを、ジングクは2Fから目で追った。
階段の下を通り過ぎながら、不意にムヨンが彼を見上げると、ニヤリと笑みを見せる。

ジングク「!」

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「俺抜きで楽しかったか」テレビにヘラヘラ笑いながら、ジングクは帰宅した妹に毒づいた。

ジンガン「あぁ、たくさん飲んじゃった」

「あんなにズラズラ酒を並べて…」そう言いかけて、ジングクは口をつぐむ。

兄「チョロンは何て?まさかあいつにも振られたんじゃ?」
妹「ほっといてよ」

「最近は技術もあがったっていうし」テレビ画面を眺めながら、ジングクが淡々と言う。「すっきり消したらどうだ?」

妹「何を?」

ジングクの視線が、妹の肘に向かった。
半袖Tシャツの袖口から、火傷の痕が覗いている。

妹「ずっと見てると、それなりに可愛いものよ」
兄「可愛いって…」
妹「見てよ。見てるうちに情が湧くから」
兄「情なんて湧くもんか」

ジンガンが黒い上着を掴み、洗濯機へ向かう。

兄「見かけない服だな」
妹「何でもないって」

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翌日。
ジングクは同僚のソジョン相手にボヤいていた。「可愛いだの、情が湧くだの」

ソジョン「ホントに気にしてないんじゃない?サバサバしてるじゃない、ジンガンは」
ジングク「ジンガンが中学生のとき、俺に黙って金を貯めてたんだ。火傷の痕を消したくってな」
ソジョン「へぇ」
ジングク「ビックリしてな、それで手術の日程まで決めたのに、急にあいつ、手術しないって言い出した」
ソジョン「どうして?」
ジングク「わからん。それ以来あの調子なんだ。可愛いだの、情が湧くだの」
ソジョン「確かに変ね」

「それにしても」心配そうなジングクの顔を、ソジョンが覗き込んだ。「ユ課長は、それがそんなに気になるの?」

ジングク「当然だろ。相手は良くても、義父母たちは疎ましがるだろ。両親もいないのに、肘に火傷まで」

「やれやれ」ソジョンは頭を抱える。「今から義父母の心配?」
そこへ、チョロンが封筒を持って駆けてきた。

ジングク「DNA検査の結果が出たのか?」
チョロン「DNAは99.9%一致。チェ・サンフンのものです」
ソジョン「あとは捕まえるだけね。インターポールに手配するの?」
チョロン「はい。ヤツはオシマイです」
ジングク「報告して来い」

「はい」少し走って、チョロンはまた戻ってきた。「課長」

チョロン「僕、アパート持ってますから」
ジングク「…。」
チョロン「まだローンがたっぷり残ってますけど、アパートはアパートです。とにかく僕、アパートありますから」

ソジョンが笑いを噛み殺す。

ジングク「だからどうした?」
チョロン「さぁ。なぜかさっきから言いたくて」

チョロンはクルリと背を向け、来た道を引き返して行った。

ソジョン「あの子、アパートあるんだって~。なんて可笑しいのかしら。あの子、ジンガンのこと気に入ったみたい」

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待ち合わせの店にジンガンがやってくると、スンアが先に来ていた。
「お腹空いた」ジンガンはさっそくメニューを覗く。

スンア「ジンガン姉、私に渡すものない?」
ジンガン「え?」
スンア「さっきファン代表から電話があったわ。大事なものなんでしょ?」

船上パーティーでNJグループの専務チャン・ウサンにポートフォリオを渡しそびれ、ジンガンは代表からたっぷり小言を聞かされていたのだ。
「あんたの負担になると思って」ジンガンは苦笑いを浮かべ、バッグから封筒を差し出した。

スンア「負担なんて。死活問題なんでしょ?」
ジンガン「そこまでじゃないけど、大きな案件だから」
スンア「これ、決めるのはウサンさんなの?」
ジンガン「アーツの株はウサンさんの家がたくさん持ってるの。大株主なのよ」
スンア「アーツ?」
ジンガン「うん。知らなかった?」
スンア「うん、私そういうのよく知らないから。それなら急ぐよね」
ジンガン「ちょっとね。なるべくなら」
スンア「…。」
ジンガン「どうして?」

「ううん」スンアは少し困ったようにうつむいた。「最近ウサンさんのこと避けてて」

スンア「ジンガン姉のために会わなきゃ。仕方ないわ」
ジンガン「私のために?ちょっと!それならいいわ」

「冗談よ」封筒を取り返そうとしたジンガンの手を、スンアは笑って遮った。「ちょうど良かった」

スンア「どうせ1度は会わなきゃいけないんだし」
ジンガン「ウサンさんと何かあったの?」

「あのね」スンアは少し照れたようにジンガンを見上げる。「会わせたい人がいるの」

ジンガン「会わせたい人?」

「来たわ」スンアが入り口に向かって手を振った。
近づいてきた人影に、ジンガンは思わず身構える。「!」
ムヨンだった。

「こちらはムヨンさん」二人の間に彼が腰を下ろすと、スンアが紹介する。「私の彼氏」

スンア「(ムヨンに)話したでしょ。ジンガンさん。一番の仲良しなの」
ムヨン「うん」

ジンガンは精一杯の笑顔を作り、立ち上がって頭を下げた。「初めまして、ユ・ジンガンです」
「…。」しばらく彼女を見上げると、ムヨンが口を開く。「どうしたんです?」

ジンガン「え?」
ムヨン「覚えてないんですか?それとも覚えてないふり?」
ジンガン「…。」
ムヨン「俺に会うの、ホントに初めてですか?3度も会ったのに、俺たち。今日が4度目だ」
スンア「ホント?いつ?」
ムヨン「最後に会ったのは一昨日だったかな」

ジンガンは固まったまま腰を下ろした。「イテウォンのパブで」

ジンガン「会ったというより、見かけただけよ」
スンア「アーツ・バー?あそこに行ったの?」
ジンガン「お見合いしたのよ」

お見合いという言葉に、ムヨンが思わずニヤリとする。

スンア「お見合い?!」
ジンガン「うん。お兄ちゃんがあんまり言うから」
スンア「ジングクさんがセッティングしてくれたの?」

「お似合いだったけどな」ムヨンがメニューに手を伸ばし、二人の前に広げる。
「どんな人なの」スンアが興味津々で身を乗り出した。

ジンガン「うん、まぁね」

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「乗っていきなよ」トラックの助手席から、スンアが顔をのぞかせた。

スンア「私を降ろしてから、ムヨンさんが送ってくれるって」
ジンガン「いいの、そんな面倒な」
スンア「ううん、ムヨンさんもウォニョン洞に住んでるんだよ」

「でしょ?」スンアが運転席のムヨンを振り返る。「ウォニョン洞のどこだっけ?」

ジンガン「ううん、いいって。ウォニョン洞って超広いの。きっと遠いよ」

「じゃあね」ジンガンは手を振って歩き出した。

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家の前でトラックを降りると、スンアは持っていた紙袋をムヨンに差し出した。
「何?」中に入っていたのは、小さな陶器だ。

ムヨン「わぁ、こんなものホイホイ人にあげていいのか?」
スンア「こんなものだからホイホイあげられるのよ。これは本当に私が作ったの」

「キレイだな」ムヨンが作品を眺め、ポツリと呟く。
スンアが咳払いをすると、頬を指で指し、催促した。

#女の子がやるの、なかなか見ないよね(笑)

ムヨン「…。」
スンア「何よ?キスもしてくれないの?」

ムヨンが後ろを振り返る。
そびえ立つ門の上に、防犯カメラが光っていた。「客が多すぎる」

スンア「知らなかった?私、もうあんなの気にしないわ」

そう言って、スンアは自分から彼に口づけた。

#この後の暗転のスピードとタイミングが絶妙すぎて何度かリピった。そして、真っ暗になる直前に目を凝らした(笑)

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「OK」受け取ったポートフォリオをパラリとめくると、ウサンは早々にそれを脇に置いた。「俺にシッポ振ってたのはこういうワケか」

スンア「ジンガン姉はそんな人じゃないわ」
ウサン「怒ると可愛いな」

「可愛いから大目に見てやる」ウサンが再び手に取ったポートフォリオを、スンアはムキになって取り上げる。「もういい」

スンア「こんなのジンガン姉だって嫌がるわ」
ウサン「来週末、日本にでも行こうぜ」
スンア「ハッキリ言っておいたほうが良さそうね。ウサンさんにも」
ウサン「?」
スンア「私たち、もう会うのよしましょ」
ウサン「… 何?」
スンア「私、好きな人がいるの」
ウサン「…。」
スンア「私の方が夢中なの。今日はそれを言いに来たのよ」

怒ることもなく、ウサンは静かに言った。「恋愛中だって?」

スンア「うん、初恋よ」

その真剣な物言いに、ウサンは思わず吹き出した。「初恋だって?」

ウサン「お前ホント可愛いな」

「帰るわ」たまらず立ち上がったスンアの腕を、ウサンが掴む。「すればいいさ、恋愛」

ウサン「可憐で美しい恋愛、一度くらい悪くはない」
スンア「…。」
ウサン「いいさ。けど、ヤルなよ」
スンア「!」

スンアは彼の手を払いのけ、店を後にした。

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コインランドリーで洗濯機を回している間、ムヨンはぼんやり旅行雑誌を眺めていた。
通りかかった自転車が、店の前で止まる。
「…。」ジンガンだ。

ムヨンが洗濯を終えて外へ出てくる頃、ジンガンはもう一度戻ってきた。
「こんにちは」「こんにちは」「この間はどうも」二人は少しぎこちなく挨拶をかわす。

「ありがとうございました」ジンガンが家から持ってきた紙袋を差し出した。
中に入っていたのは、パブでムヨンが貸した上着だ。

ムヨン「持ってればいいのに」
ジンガン「いえ」

「それじゃあまた」ジンガンはどことなく逃げるように頭を下げ、自転車に戻った。

ムヨン「近所なんですね」
ジンガン「えぇ、まぁ」
ムヨン「ウォニョン洞はそこまで広くもなさそうだ」

「えぇ、そうですね」ジンガンは困ったように苦笑いを浮かべる。

居心地の悪いジンガンとは逆に、ムヨンは何でもない様子で店の前の椅子に腰を下ろした。
ジンガンはとにかく話題をひねり出す。「週末なのにスンアとは会わないんですか?」

#こうなったからには何か話を続けようとするジンガンの、こういうところが結構リアルだと思う。

ムヨン「おばあちゃんの家に行くって」
ジンガン「あぁ」

そこへジンガンの携帯がうなった。
「えぇチョロンさん」兄ジングクの後輩、チョロンからだ。

チョロン(電話)「明日の夜って時間ありますか?… それなら一緒に映画観に行きませんか?」
ジンガン(電話)「えぇ、いいですよ!… いえいえ、私もその映画観たかったんです。えぇ、じゃあ明日」

「とうとう”いい感じになった”んですね」電話を切った途端、ムヨンが声を掛ける。
その言葉に、ジンガンの顔色が変わった。「!」

ムヨン「正式に」
ジンガン「…。」
ムヨン「クールに、食事して、映画見て。それから何て言ってたっけ… あぁ、駆け引きして」
ジンガン「何がそんなに楽しいんですか」
ムヨン「気に触りました?」
ジンガン「えぇ、気に触ったわ。人の話を盗み聞きして、どういうつもりですか?」
ムヨン「聴こえたから。だから見たんだ。よく出会うし」

「気を悪くしたならすみません」そんな気もなさそうに、ムヨンが軽く言う。

自転車を漕ごうとして、ジンガンはどうにも収まらず、踵を返した。「あの…」

ジンガン「私に3度会ったって言ったでしょう?」

ムヨンがうなずく。
「…。」ジンガンは自転車のスタンドを立て、彼の前に座った。

ジンガン「スンアの展示会で1回、パブで服を貸してくれた日で2回。あと1回はいつです?」
ムヨン「…。」
ジンガン「どんなに考えても私が記憶では2回だから」

「違うよ」ムヨンは少し愉しげに口角を上げる。

ジンガン「わざとやってるんでしょ」
ムヨン「何が?」
ジンガン「興味を引くために」
ムヨン「まさかぁ」
ジンガン「それならいつなんです?」

真っ直ぐに見つめるジンガンを前にして、ムヨンは身を乗り出した。「むかしむかし、どこかで誰かが…」
「…。」夢中で聞き入るジンガンの目に、ムヨンはしばし言葉をとめる。

#今日のジンガンの髪型すごく可愛い。顔周りだけヒョロンとなってるの

ムヨン「まるで…」
ジンガン「…。」
ムヨン「生き別れた妹みたいっていうか」

「可愛い妹」軽く言い放ち、ムヨンは背もたれに体を戻す。

ジンガン「あんた何歳?」
ムヨン「君と同級生」
ジンガン「私は何歳なわけ?」
ムヨン「さぁね」
ジンガン「…。」

ピリピリするジンガンに、ムヨンは少し子どものように笑みを浮かべる。

ジンガン「これでわかったわ」
ムヨン「…。」
ジンガン「初めて会うのに… 知ってるわけでもないのに、なぜか最初からイイ気がしなかった」
ムヨン「…。」
ジンガン「あんたみたいな人間はね、自分の無礼が許されてるかのように周りを傷つけてまわって、女はみんな自分を好きだと勘違いしてるのよ。ろくでもない」
ムヨン「俺が?」
ジンガン「きっとね。自分でよくわかってるだろうけど」

立ち上がって自転車に乗ろうとしたジンガンは、次の瞬間、ハッと目を見張った。
「おじさん、待って!!!」発進しようとしたトラックに夢中で駆け寄ると、運転席の男性を制する。
後輪の前に猫がいたのだ。
いつの間にかそこにいたムヨンが、小さな猫を優しく抱き上げる。
彼女に猫を差し出すと、倒れた自転車に戻ってサッと起こし、タイヤに異常がないか確かめた。

#ムヨンの一連の動きがとてもイイ♪ テキパキしててキュンとなるね^^

「いいのに」ジンガンは慌てて彼に駆け寄った。「自分でやります」
自転車を彼女の前に戻してやると、ムヨンは彼女の胸元の猫をそっと撫でる。「連れて帰りたい?」
「…。」ジンガンは無言で首を横に振り、自然と彼の手に猫を委ねた。

ジンガン「連れて帰るの?」

答える代わりに、ムヨンは腕の中の猫を一心に撫でる。

ジンガン「飼ったことは?」
ムヨン「ない」

そのまま洗濯物の袋を掴むと、彼は背を向けて歩き出した。

ジンガン「ちょっと!これ!(紙袋を掴み)パーカー!」
ムヨン「やるよ」
ジンガン「…。」

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デザイン会社【DESIGN & LOOK 】のスタッフは、今日、ビールメーカー【ARTS(アーツ)】で、プレゼンテーションを行っていた。
皆を代表して説明を行うのは、デザイナーのジンガンだ。
ひととおりのコンセプト説明が終わると、皆から拍手が起きる。「いいんじゃない?」

画面が切り替わり、ビール瓶がずらりと並ぶ写真が映し出された。

チョン代表(アーツ)「これ、全部うちのビールじゃ?」
ジンガン「そのとおりです。この1ヶ月、プレゼンの準備をしながら、自分で買って飲んだアーツのビールです。最初は義務感で1,2本飲んてみたんですが、飲んでみたらすごく美味しかったんです。”楽しむ者には勝てない”という古い言葉があります。デザインスキルに加えて、製品自体が大好きだとなれば、さらに良いデザインが出来るのではないでしょうか。アーツのビールをより多くの方に味わっていただけるよう、最良のデザインをお見せいたします」

皆が自然と立ち上がり、盛大な拍手を送る。

#ドラマのこういうプレゼンって、だいたい内容がないよね(笑)

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ムヨンは製品開発室で調合を吟味していた。
そこへ同僚のヒジュンが声を掛ける。
「学費だって」ヒジュンが差し出したのは、金の入った封筒だ。

ヒジュン「参ったな。いいって言ってるのに、無理やり置いて行っちまった」
ムヨン「学費にしろよ」
ヒジュン「大学生になりすませって?」

#ここでようやく「結局嘘だったのか」とわかります。つまり、その場で嘘だったと認めた日本版よりタチが悪い^^;

ヒジュン「何でいきなりあんな嘘言ったんだ?」
ムヨン「金持ちの娘はどうすりゃ心を動かせるのかなって」

「この金どーすんだよ?」部屋を出ていくムヨンに、ヒジュンは困って訴えた。

+-+-+-+

プレゼンを終え、ジンガンたちは好感触を喜びあった。
後は大株主であるチャン・ウサンのがいい判断を下してくれるよう、祈るだけだ。

+-+-+-+

アーツの鋳造所を訪れると、ウサンはチョン代表から施設の説明を受けた。
スタッフに言われ、そこにいたムヨンが試飲用のビールを注ぎ、ウサンに差し出す。

ウサン「誰かと思ったら…」
ムヨン「…。」

二人の間に漂う冷たい空気に、皆が静まり返った。

「そっちは何をする場所です?」ムヨンが歩いていった奥のスペースを、ウサンが指差す。

チョン代表「あちらは倉庫兼事務所です。酵母の培養をしたり、新たなレシピを考えたり」

棚やホワイトボードの間を進むと、ウサンの目が机の上で止まった。「?」
手に取ったのは小さな陶器だ。
スンアがムヨンにプレゼントした物だった。「!」

チョン代表「なんで陶器が?ムヨンさんの?キレイだなぁ。どこで買ったんだ?」

ムヨンの視線が陶器に向かい、続いてそれを持っているウサンへ向かう。「…。」
彼は厳しい表情でウサンに近づくと、さっと陶器を取り上げた。
「貰ったんです」あくまでチョン代表にそう答える。

ウサン「キレイだ。似合ってはいないが」

ムヨンはデスクに向かうと、淡々と仕事を続けた。

+-+-+-+

ここで区切ります。

ムヨンの部屋に連れてこられた猫ちゃんの、↑この「ここはどこかにゃ?」とちょっとビクビクしながらキョロキョロしてるのが可愛くて可愛くて^^

 - 空から降る一億の星

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