スイッチ-世界を変えろ31話 あらすじ&日本語訳
チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』31話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。
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オフィスへ戻ってきたクム・テウンは豪快に笑い声をあげた。「マヌケなヤツらめ」
「あの顔、お前にも見せたかった」後ろについてきたソンドゥを振り返る。
クム代表「俺のほうがいつだってヤツらの上にいるのにな」
ソンドゥが静かに頭を下げる。
クム代表「ソンドゥ、お前は他人にしてやられるなよ。騙される側になるなってことだ」
そこへソンドゥの部下、ムンシクが入ってきて、箱を差し出した。「カジノのソン理事から預かって来ました」
クム代表「ソン理事が?」
箱を受け取り、二人を退室させると、クム代表は待ちきれずに箱を開けた。
中に入っているのは、革のカバー付きの分厚い手帳のようだ。
開いてみると…
ページがくり抜かれており、そこに無記名債券がはめ込まれていた。
1枚100億ウォン。20枚ある。
クム代表「2000億…。今までチェ総裁の下で犬のように働きながら貯めに貯めた… 我が子たち!」
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さすがのハラも、取調室に戻ってうなだれていた。
ハラ「クム・テウン、現金を運ぶふりをして私たちを騙したんだわ」
「収穫がなかったわけじゃない」ペク検事(ドチャン)が言う。「最初から2つのうちどちらかだった」
ペク検事「現金じゃないなら、無記名債券」
ハラ「これで無記名債券だってはっきりしたと…?」
ペク検事「あぁ。だが困ったことに、強制捜査だけじゃ無記名債券は見つけられない。使わせないと」
#おまい、頭いいなぁ~(定期)
ハラが身を乗り出す。「どうやるの?」
「こういうときこそ必要なものは?」ペク検事がハラと自分を交互に指す。「”検詐同一体”」
ペク検事「オ検事。今度こそクム・テウンを捕まえようぜ」
ハラは力強く頷いた。
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『16 世界を変えろ』
#あー、このサブタイトル見て、もう終わっちゃうんだなぁと…。
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「ペク・ジュンスとオ・ハラがまた来ましたよ」クム・テウンはさっそくチン検事長に抗議の電話を入れる。
クム代表(電話)「後輩たちをしっかり管理してください。私に何かあったら、一番危ないのは検事長ですよ。あなたに差し上げた10億、証拠もなしに渡したとでも?」
検事長「!」
#絶句…。
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ノックもなしに検事長室へ乗り込んできたのは、ヤン部長だ。「おい、チン・ギョンヒ!」
チン検事長が驚いて立ち上がる。「チン・ギョンヒ?!」
ヤン部長「上司だと思ってこれまでペコペコしてやったがな、もうこれ以上我慢できん。研修院の同期同士、腹を割って話そうじゃないか」
検事長「…。」
ヤン部長「お前、クム・テウンに弱みでも握られてるか?何か受け取ったか?!」
「!」検事長はぎゅっと唇を噛みしめる。
検事長「ペク・ジュンスが本物じゃないって証拠、もうじき見せてやるわ!」
ヤン部長「好きにしろ。俺はクム・テウンを捕まえてやるから」
検事長「…。」
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アジトへ帰ると、ドチャンはさっそく作戦会議だ。
ドチャン「今クム・テウンが持っているのは無記名債券だ。クム・テウンが大事にしまいこんでるその無記名債券を、俺たちで持ち出させる」
ウンジ「どうやって?」
ドチャン「ウンジ、お前はフィールギャラリーを金融監督院に通報してくれ。最初にクム・テウンの舞台へ爆弾を投じるんだ」
ウンジ「(頷く)」
ドチャン「インテは情報を撒いてくれ。特捜部からK貯蓄銀行に捜査が入ったってな。南山クラブを揺さぶるんだ」
インテ「OK」
ドチャン「ボン監督は金融監督院が…」
ボン監督「… 金融監督院が債券市場を見張ってるという気配をプンプン振り撒けと」
ドチャン「ビンゴ!国内で債券を処理できないとなると、別の方法を探るはずだ」
ボン監督「そうだな」
インテが身を乗り出す。「俺たちの望んでる、あの方法?」
ドチャン「万が一、韓国を出なきゃいけない最悪の状況になったら、何か簡単に持って出られるものに替えようとするだろう」
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クム・テウンの執務室を、二人の男性が訪れた。「保険犯罪専門合同対策室から来ました」
差し出した名刺には、”金融監督院 保険詐欺対応団”とある。
男性「IFAS(保険詐欺認知システム)で確認したところ、中南米古代美術展の際、モアイ像の破損を理由に不当に巨額の保険金を受け取っておられますね」
#何?あのモアイ像、普通に美術品だったの?
クム・テウンはウンザリした様子で頷く。「わかりました。額面通り罰金を払いますよ」
程なくしてフィームギャラリーの前に休館の看板が立てられる。『無期限』と上に添えられていた。
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インテは南山クラブのメンバーに宛てて情報を流した。
”K貯蓄銀行にソウル中央地検の捜査が入った。K貯蓄銀行クム・テウン理事長の選任過程に違法性が見つかったか…”
さっそく南山クラブの面々が重苦しい様子で顔を合わせる。
メンバー「ソウル中央地検特捜部がうちの銀行を捜査してるらしい」
メンバー「我々が書いた株譲渡の覚書、無効訴訟をしましょう」
南山クラブのメンバーはクム・テウンへ直ちに連絡を入れた。「理事長解任決議案?」
クム代表(電話)「ソン主筆、どういうことです?」
ソン主筆(電話)「検察が銀行の健全性を理由に捜査に入ったそうです」
クム代表「健全性?」
ソン主筆「えぇ。理事長の職を下りていただいませんと」
「…。」クム・テウンの目が… 座った。「この非礼、ボヤを消し止めたら数倍にしてお返ししましょう」
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真夜中。
拘置所の集合部屋で眠っているキム室長に、示し合わせた同室の囚人たちが襲いかかった。
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朝。
コ係長が電話を受け、驚いて立ち上がる。「えっ?」
コ係長「キム室長が昏睡状態だそうです」
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クム・テウンの元へ駆け込んだのは、チョ・ソンドゥだ。「代表、キム室長が倒れたそうです」
その知らせに、クム・テウンは眉一つ動かすことはない。
クム代表「キム室長が口を割れば何かと厄介だから、予め口封じをしてやったんだ」
ソンドゥ「!!!」
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インテ扮するパク弁護士が、クム・テウンの執務室を訪れていた。
クム代表「お耳に入っているかもしれませんが、状況が良くありません。この債券、まとめて替えたいんですが」
偽パク「万が一の場合は出国することまでお考えなんですね」
クム・テウンは大きく頷いた。
偽パク弁護士のプレゼンテーションが始まった。
スクリーンに映し出されているのは、大きな宝石だ。
偽パク「2007年、サザビーにて900億で落札。しばらく行方知れずでしたが、フランスのブラックマーケットの競売にて1500億で落札された60カラットのダイヤです。別名ホワイトスター」
※2013年、60カラットのピンクダイヤが83億円で落札されたことが実際にニュースになっていますね。インテの話している価格には単位がありませんが、ウォンだと思われます。
クム代表「これを購入できますか」
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中国の宝石商がクム・テウンのもとを訪れた。
インテ扮するパク弁護士、そして宝石鑑定士も同席している。
宝石商「初めまして。チェンタイグループの秘書室長、グレース・チョンです」
中国女性の差し出した手を、クム・テウンが握り返す。「クム・テウンと申します。お掛けください」
さっそくクム・テウンが本題に入った。「鑑定から始めましょうか」
グレース・チョンの後ろに控えていた外国人スタッフが、アタッシュケースをテーブルの上に置き、蓋を開けた。
中に宝石箱が一つ収まっており、クム・テウンへ向けてそれが開かれる。
大きなダイヤが光を放っていた。
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このアタッシュケースはボン監督が作った特殊ケースだ。
事前にチェンタイグループの面々がアジトに呼ばれ、アタッシュケースについてのレクチャーを受けていた。
見た目が同じ模造品のダイヤを用意して、カラクリを仕掛けるのだ。
ボン監督「このケースは二重構造になってるんだ」
ケースを開けると、ボン監督はダイヤを手に取った。「ここに模造品のホワイトスターを入れる」
蓋を閉じ、クルリと裏返しにする。蓋を開くと、中の構造は同じでダイヤはなく、わかりやすく☓印がつけられていた。
「おぉ」皆から感嘆の声があがる。
#隣で聞いてる中国人、1話冒頭でピストルぶっ放した人だね!
ボン監督「こっち側に本物のホワイトスターを入れておく」
そうして、再び蓋を閉じてクルリとケースを裏返し、反対側の蓋を開けた。「クム・テウンは模造品の方を手にするんだ」
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宝石鑑定士がホワイトスターを顕微鏡にかざし、レンズを覗いた。
鑑定士1「素晴らしい。最高級のフローレスグレードです」
鑑定士2「インクルージョンやブレミッシュにおいても欠点がありません。パーフェクトです」
鑑定士1「サザビーのオークションに掛けられた本物に間違いありません」
※インクルージョン=宝石の内包物で、その出産地の証明となる。
※ブレミッシュ=研磨する際にできてしまう痕
クム代表「いいでしょう。1600億とおっしゃいましたね」
「それが…」グレースが待ったをかける。「会長から連絡がありました。2000億です」
「2000億だそうです」パク弁護士が通訳をする。
クム代表「今更どういうことですか」
グレース「宝石の相場は毎日変化しますので」
さすがのクム・テウンも顔を曇らせた。「…。」
2000億となると、手元の無記名債券を全て手放すことになる。「1800億ウォンでは?」
「…。」グレースの合図で、控えていた外国人スタッフがアタッシュケースを引き取った。
”アタッシュケース裏返しの術”の大役を受け持つ、彼だ。
グレースが退散しようと立ち上がった時、クム・テウンが手を挙げる。「いいでしょう」
クム代表「2000億、お支払いします」
ニッコリと微笑み、グレースが席に戻ると、外国人スタッフがアタッシュケースをテーブルに戻す。
と…
テーブルのアタッシュケースを見て、インテがギョッと目を丸くした。
さっきと同じ、本物のホワイトスター側が上になっているではないか!
”黒い印が入っている方が本物のホワイトスターだ”、念を押したボン監督の声が頭の中に蘇る。
「!!!」失敗に気づいた外国人スタッフの額に汗がにじむ。
クム代表「ご同行の方、緊張なさっているようですね。汗をかいていらっしゃる」
偽パク「外国人ですので、気候に慣れないようです」
クム代表「香港からいらっしゃったのに、暑いんですか?」
絶体絶命のピンチだ。
このままでは本当にホワイトスターがクム・テウンの手に渡ってしまう。
インテは懐からハンカチを取り出した。
「ハンカチを」そう言って振り返ったついでに、組んでいた足でアタッシュケースを蹴り落とした。「!」
クム代表「パク弁護士!気をつけ…」
偽パク「申し訳ありません」
すかさず外国人スタッフがアタッシュケースを拾い、今度こそ模造品側を上にして、テーブルに戻した。
#はぁ、心臓止まるかと思ったよ。
「保証書です」グレースの用意したファイルが、クム・テウンへ渡る。
すばやく内容を確認すると、クム・テウンは持参した2000億分の無記名債券を差し出した。
交渉成立。
ホワイトスターもどきと引き換えに、2000億の無記名債券が”チェンタイグループ”の手に渡ったのだ。
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作戦完了。
本物のホワイトスターはアジトに戻っていた。
「わぁ、キレイ」穴のあくほど見つめているのは、ウンジだ。
#この作戦、本物のホワイトスターを好きに使える必要があるわけだけど… どうなってるんでしょうねっ♪
インテ「ドキドキして死ぬかと思った。彼がミスしたからさ」
ボン監督「インテ、よくやった!」
ドチャンも隣でインテの肩を叩く。
インテ「これでクム・テウンは全財産をフイにしたわけだ」
ウンジ「このダイヤはどうするの?何日か首にかけて歩いちゃ… ダメだよね」
ボン監督「ダメなことはないさ。首が折れてもいいならそうしろ」
ウンジの手から、ボン監督は丁重に宝石箱を取り戻す。「それにな、これは宝石じゃない」
ボン監督「クム・テウンの汚れた財産だ」
インテ「そうだな」
ドチャン「あとは兄貴が処理しろよ」
ボン監督「え?」
ドチャン「本来の持ち主に返してやらないと」
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ホームレスの男に扮し、ボン監督がやって来たのは、近くの警察署だ。
彼が近づくと、警察官がその臭いにのけぞった。
ボン監督「ゆうべ寒くて眠れなくてね、ウロウロしていたら、公園でこれを拾ったんですよ」
そう言ってポケットから握りこぶし大の包みを差し出す。
ボン監督「ダイヤだ」
警官「何言ってるんですか」
「ダイヤですってば」新聞紙に包んだ塊を、デスクの上にゴトンと置く。
ボン監督「それも最高級だ。ホワイトスターって言ってね、2000億ですよ!」
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驚きのニュースがテレビを駆け巡った。
TV(ニュース)「ホームレスが公園でダイヤモンドを拾い、警察署へ届け出たことが話題となっています」
「?」ニュースに気づき、クム・テウンがデスクから立ち上がる。
TV(ニュース)「専門家が鑑定したところ、このダイヤはオークションにて約2000億で取引されたことのある、ホワイトスターだとわかりました」
「ホワイトスター?」クム・テウンの顔色が変わった。
それでは、金庫にあるこのホワイトスターは…?
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クム・テウンはすぐさま鑑定士を呼んだ。
ホワイトスターをルーペで覗き、鑑定士は困った顔でクム・テウンを見た。
鑑定士「これは… 模造品です。偽物ですね」
クム代表「偽物?間違いないのか」
鑑定士「完全なる偽物です」
「このクム・テウンを騙し…」クム・テウンの目が偽物のホワイトスターに向かう。「俺の全財産を…!」
偽物のホワイトスターを掴むと、そばにあった花瓶めがけて思い切り投げつけた。
クム代表「サ・ドチャン!!!!!」
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「ナイス!」ドチャンとハラは拳をコツンと合わせた。
ハラ「我が”浅知恵の達人”が、ついにクム・テウンの全財産を弾き飛ばしたわね」
「戻りました」捜査に出ていたコ係長たちが戻ってくる。「ニュース、ご覧になりました?」
コ係長「2000億のダイヤを落とした人がいるって」
イム係長「まだ持ち主が現れないそうですよ」
ペク検事とハラがチラリと目を合わせる。
ペク検事「誰なんでしょうね、持ち主は。気になるなぁ」
ハラ「どんなにヤキモキしてるかしら。自分の物なのに、名乗り出ることも出来ないで」
イム係長「確かに。汚いお金で買ったものなら、自分の物だって言えませんよね」
コ係長「そうなると、そのダイヤは誰のものに?」
ハラ「持ち主が現れなければ、国庫へ還元されるでしょうね」
コ係長「あぁ、還元ね」
そこへ扉が開き、ゾロゾロと人が入ってくる。
数人の男たちを連行してきたのは、ハラたちの探偵役を担っていたカン刑事だ。
「この人たちですか」ハラが言う。
カン刑事「えぇ。仁川の倉庫での暴力を請け負ったヤツらです」
ペク検事「!」
カン刑事「これまで木浦に隠れていたのを、ようやく見つけて捕まえました」
確かにクム・テウン一味が日頃から使っている暴力要員たちだ。
さっそく彼らをハラの前に並べ、その場で尋問が始まった。
ハラ「あなたがたはキム・ヒョヌクから金を受け取り、仁川港湾の倉庫で暴力を働きましたか」
男「そのとおりです」
ハラ「殺人も犯しましたか」
男「いいえ!俺たち殺しはやってません」
ハラがクム・テウンの写真を取り出す。「では、この人が殺すのを見ましたか」
「はい」男が即答する。「鉄パイプで殴って、首を締めてました」
男「この人が殺したんです!」
その証言に、ペク検事が重く目を閉じる。
あぁ、ようやく…。
ハラ「今すぐ令状を取ってください」
「わかりました」コ係長とイム係長が同時に立ち上がった。
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クム・テウンは激昂してオフィスへ戻ってきた。
パク・ヒョク弁護士の事務所へ駆け込んだものの、そこにいたのは全くの別人だったのだ!
クム代表「ヤツら、とことん俺を騙しやがって!!!!!」
そこへ、ハラが捜査員たちを引き連れてやって来た。
クム代表「?」
イム係長が掲げたのは、逮捕令状だ。「!!!」
ハラ「クム・テウンさん、あなたをサ・マチョン殺害容疑で逮捕します!」
#今までと違うハラの威勢がとてもイイ^^
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逮捕されたクム・テウンはさっそくハラの取り調べを受けていた。
ハラ「拘置所にいるキム室長を昏睡状態にして、安心していたんでしょう?」
クム代表「…。」
ハラ「あなたがサ・マチョンを殺すのを見た別の目撃者がいたんです」
クム代表「?」
そのとき、扉が開き、ペク検事が姿を見せる。
クム代表「サ・ドチャン、2000億のダイヤをかっさらっただけじゃ満足できないか?」
ペク検事「…。」
クム代表「そんなことしたって、俺は絶対に捕まえられんぞ」
「なぜって!」クム・テウンが声を荒げる。「これは詐欺師がやった捜査だからだ」
そこへさらに扉が開いた。入ってきたのはチン検事長とキル・デロ、そして監察部の面々だ。
検事長「ペク・ジュンス検事」
ペク検事「!」
検事長「いいえ、サ・ドチャン。今すぐ監察部へ行ってもらうわ」
「おい、偽者」キル検事が乱暴に呼ぶ。「ゲームは終わった」
「検事長!」ヤン部長が怒鳴り込んでくる。「何の真似ですか」
ヤン部長「なぜおとなしくしているペク・ジュンスを詐欺師に?何を根拠に?!」
検事長「証拠もなしに来たと思う?!」
ヤン部長「!」
キル検事が自信満々で封筒を掲げた。「3年前、ペク・ジュンス検事が担当した方背洞母子殺害事件」
キル検事「現場へ出動したペク検事が容疑者に攻撃され、現場で出血した。被害者のものと区別するため、ペク検事の血液もDNA検査を受けたんだ」
ペク検事「…。」
キル検事「おい、偽者。もう肩の傷跡なんて必要ない。そんなもの捏造すれば済むことだ」
キル検事は封筒をテーブルに叩きつけ、ペク検事を威圧する。「血を抜いてみようぜ」
キル検事「お前がいくら桁違いの詐欺師でも、血まで捏造できないだろ」
ペク検事「…。」
監察官「監察部に医師を待機させてあります」
検事長「3年前のデータと比較して、ピッタリ合えば認めてあげるわ」
キル検事「おい、偽者」
#しつこい!!!!!
キル検事「ビビってんだろ。気が狂いそうだろ。検事の真似事なんかするからだ!」
辛抱できなくなったハラが立ち上がった。「捜査妨害です。出ていってください」
そこへ、ペク検事が続いて立ち上がる。「いいでしょう」
ペク検事「血液検査を受けます」
「おお~」見物していたクム・テウンが、面白がって声を上げる。「わははは」
検事長「万が一ペク検事が偽者だとわかれば、この捜査は元から無効になるわ」
「失礼します」頭を下げるキル検事に、クム・テウンは余裕たっぷりに首を振る。「いえいえ」
クム代表「楽しい見世物ですから、構いませんよ。ゆっくり行ってらしてくださいな。私にもぜひ結果を教えてください」
キル検事「(ペコリ)」
クム代表「あぁ、いま目の前にいるペク・ジュンス検事が戻っていらっしゃらなければ、偽者だったということですね」
ペク検事は先に立って取調室を後にした。
#このシーンの途中で我慢できなくなって、一旦とめて休憩しました。何で取り調べ中に乱入してきて、被疑者の目の前で偉そうに内輪揉めしてるんですか、この無能な人たち!あー、ムカムカ
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監察部へ出向いたペク検事が、さっそく採血を受ける。
監察官たちに加え、キル検事までがその場で様子を見守った。
監察官「監察部の取調室へ行きましょう」
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「検事長」監察部の取調室までやって来て、ヤン部長は強く抗議を繰り返した。「どうしてもやるおつもりですか!」
「…。」ペク検事は微動だにせず、黙って検査結果を待つ。
扉が開いて、キル検事が入ってきた。
先程までの表情とは打って変わり、ひどく硬直した様子で、彼は書類を検事長の前に差し出した。
「?」数枚綴りの書類をめくるうち、検事長がみるみる顔を引きつらせる。「!」
驚いた顔で、彼女は目の前のペク検事を見ると、愕然と背もたれに身を沈めた。
キル検事がヤン部長に頭を下げる。「申し訳ありませんでした」
一体何が?ペク検事の後ろで、ハラが目をキョロキョロさせた。
キル検事「今回も私が間違っていました」
ヤン部長「…。」
キル検事「3年前の検査結果と一致しています」
「!」ハラが思わず目の前のペク検事を見る。
サ・ドチャンだとばかり思っていたこの人は…!
キル検事「確かに本物のペク・ジュンス検事です」
ヤン部長「おい、キル・デロ。ふざけてるのか」
キル検事「…。」
ヤン部長「検事長、それでは我々はこれで」
じっと前を見たまま動かない検事長を前に、ヤン部長は部下たちに声を掛けた。「行こう」
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「監察部が妙な動きを」ジュンスは病院でドチャンから連絡を受けていた。
ドチャン(電話)「自分がサ・ドチャンだと勘づいたようです」
ジュンス(電話)「僕が行きます」
ドチャン「手術が終わって、回復もまだなのに」
ジュンス「たとえ倒れたって… 僕は行きます」
クム・テウンを逮捕し、取り調べに向かおうとしたとき、ペク検事に扮したドチャンにメールが入った。
『スイッチ待機完了』
#震えた…。ソンベ~~(゚∀゚)!
「先に行っててくれ」ドチャンはハラに言う。「確認したい書類があるんだ」
先にハラを行かせておき、急いで駐車場へ向かうと、ドチャンは待機していたバンに乗り込んだ。
程なく反対側から降りてきたのは… 我らがペク・ジュンスだ。
「ペク検事」全く同じ顔に同じ格好をしたドチャンが、車の中から呼び止める。
ジュンス「?」
彼は首から検事証を外し、ジュンスに差し出した。
いや、返したのだった。
+-+-+-+
検察の取調室へ戻るエレベーターの中はとても静かだ。
いつのまに?どうやって?また私に内緒で…
そんな言葉はもはや必要ない。
ペク・ジュンスが戻ってきたこと、それが全てだ。
エレベーターが停まる。
「元気そうで良かったわ、ペク先輩」前を向いたままそう言って、ハラは先にエレベーターを降りる。
「…。」俯いてかすかな微笑みを噛み締め、ジュンスは後に続いた。
+-+-+-+
血液鑑定を待っている間に、クム・テウンのもとに弁護士が到着していた。
クム代表「この勝負、ひっくり返してやる」
そこへ扉が開いた。
入ってきたのは…硬い表情のハラ一人だ。
クム代表「なぜ一人で戻ってきたんです?一緒に出掛けたペク検事は?」
それには答えず、ハラは資料をテーブルに置き、席につく。
クム代表「言ったろ。オ検事、お前もこれで終わりだ。詐欺師とつるんだんだからな」
ハラ「…。」
#ハラも意地悪だね( *´艸`)ププッ
黙って睨むばかりのハラを笑い、クム代表は立ち上がった。「行こう、キム弁護士」
と、そのとき…
再び扉が開いた。
入ってきたペク・ジュンスが、まっすぐにクム・テウンを見る。「…。」
クム代表「どうした?何で詐欺師が戻ってきたんだ?」
ジュンス「…。」
ハラが手元のファイルをクム・テウンへ押し出した。
ハラ「ペク・ジュンス検事の血液を検査した結果、99.99%したという確認書です」
「…。」クム・テウンの口元に滲んでいた笑みが、一瞬にして消え失せる。
ハラ「詐欺師も血までは欺けません」
99.99%… 紛れもないその数字を見て、クム・テウンはその場に崩れ落ちた。
「そんなはずが…」クム・テウンは狐につままれたような目でジュンスを見上げる。「お前はサ・ドチャンじゃないといけないのに」
クム代表「お前がサ・ドチャンじゃないと、捜査は無効にならないじゃないか…」
さぁ、反撃の時間だ。
ジュンスは席につき、クム・テウンの前にまっすぐ身を乗り出した。「取り調べを再開します」
クム代表「…。」
ジュンス「クム・テウンさん、サ・マチョンさんを殺しましたか」
+-+-+-+
チョ・ソンドゥは拘置所の面会室にぼんやりと座っていた。
ガラス窓の向こうに姿を現したのは、囚人服のクム・テウンだ。
「ソンドゥ」席につくと、クム・テウンが低く呼びかける。
ソンドゥ「はい」
「俺は…」そう言いかけて、クム・テウンは珍しく言いよどんだ。
クム代表「俺は… 俺はお前の父親だ」
ソンドゥが視線を上げ、まっすぐに彼を見る。
その表情から感情はうかがえない。
クム代表「その様子じゃもう知っていたんだな」
ソンドゥ「…。」
クム代表「殺したいだろう。お前と母親を捨てたんだから。だが… それにも事情があったんだ」
「…。」ソンドゥが再び目をそらす。
クム代表「ソンドゥ、これまで叱ってばかりで寂しい思いをしたろ。それもみな、お前を有能な人間にして、財産を相続させようと思ったからだ。お前は息子だから」
ソンドゥ「…。」
クム代表「父親として、最初で最後の頼みがあるんだ」
ソンドゥ「…?」
クム代表「もうすぐ裁判が始まる。そのとき、俺のために証言してくれるか?」
クム・テウンは軽く後ろを窺い、声を低くする。「キム室長とやり取りしたメールがあるだろう」
ソンドゥ「はい」
クム代表「それを証拠として提出するんだ。麻薬、殺人、キム室長が全部先頭に立ってやったことで、お前に命令したとな」
#ん?ソンドゥは殺人とかに関わったっけか?
クム代表「俺はやらせてないからな」
「…。」ソンドゥはどこか悲しげに目を伏せた。
クム代表「意識のないヤツに何ができる?お前が証言さえしてくれれば、俺はすぐ出られるさ。ここを出れば、今まで出来なかった父親らしいこと、何だってしてやる。財産も譲ってやるし」
ソンドゥ「…。」
クム代表「ソンドゥ… お前が唯一の希望なんだ」
「…。」ソンドゥは何も言わず、じっと唇を噛みしめる。
物言わぬソンドゥを、クム・テウンは不安げに覗き込んだ。「なぜ返事がないんだ?」
顔を上げ、かろうじて微笑むと、ソンドゥは頷いてみせた。「よくわかりました」
クム代表「それでいい」
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「あぁ」アジトへ戻ってきたジュンスを前に、ドチャンはふぅっと安堵の息をついた。「僕の仕事はここまでのようですね」
ドチャン「裁判は検事さんたちがしっかりやってくださるだろうし」
「サ・ドチャンさん」静かなジュンスの声に、ドチャンは少しハッとしたように彼を見た。
ジュンス「誰かが僕を…心から応援してくれるなら」
そう言って、ジュンスは表情を和らげる。「そんな人が一人でもいるなら、本当に有り難いことです」
「…。」その心中をはかるように、ドチャンがじっと彼を見つめる。
「サ・ドチャンさん」もう一度呼びかけたジュンスの声は、温かみを増していた。「有難うございました」
ドチャン「礼を言われたくてやったわけじゃないけど。まぁ、おかげで僕も思う存分検事をやれたし、お互い感謝ってことにしましょうよ」
#ソンベ~がつやつや過ぎて、目が離せない。
その言葉に微笑み、ジュンスは立ち上がった。
ドチャン「あ、そうだ」
ジュンス「?」
ドチャン「渡すものがあったんです」
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裁判所の前で、オ・ソラ記者がマイクを握っていた。「本日、フィールギャラリーのクム・テウン代表の第一審が開かれます」
ソラ「殺人および殺人教唆、特定犯罪加重処罰法違反など多くの罪名で起訴されたクム代表は、超豪華な弁護団を組織したことが明らかになりました。検察側の主張にどれだけ反論できるか、関心が集まっています。SBCニュース、オ・ソラでした」
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法廷で着るガウンが、デスクの後ろにかかっていた。
「…。」決意を新たにし、ジュンスはガウンの袖に腕を通す。
久しぶりに見るジュンスの正装に、ハラは目を細めた。「よく似合ってるわ。その検事服」
ハラを見て、ジュンスは嬉しそうに微笑んだ。「胸が高鳴るよ。初めて着たときのように」
ハラ「嬉しいわ。先輩がそんなふうに言うと」
ジュンスが微かにニヤリとする。「詐欺師の鼓動は静からしいが…」
ジュンス「検事の鼓動は熱く打たないとな」
ハラ「…うん。熱くないとね。」
「ただし、使命感で」彼女はそう添えた。
ハラ「裁判であいつらに見せてやりたいわ。正義は決して負けないって」
ジュンスが少し意地悪な目で彼女を覗き込む。「サ・ドチャンに見せたいんじゃなくて?」
ハラ「もちろん、サ・ドチャンにも見せないと。巻き込んで苦労させたんだから」
ジュンス「よし。裁判、作戦通りうまくやれるよな?」
ハラ「うん」
清々しいハラの表情に、ジュンスは微笑みを返した。
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ここでエンディングです。
セッティングはいつもすごく面白い。
どれもすんごく無理やりな作戦で、こんなのあり得ない~なんて思いながら、とても楽しんでます。
ただ、それに比べて、捜査部分がホント物足りない!
今回も、一番必要だったサ・マチョン殺人事件の証人は、脈略もなしにカン刑事が見つけて連れてくる。
このドラマ、肝心なところでいつもそうです。
あれだけ「誰なんだろう~」といろいろ勘ぐったサイモンジョーの正体、あれも「親父が教えてくれた」とドチャンが呆気なく正解発表。
私も一緒に謎を探り、「そうだったのか!」と真相にたどり着きたいのに、いつも肩透かしを食らってしまいます^^;
「俺はお前の父親だ」っていうのも、「言うてまうんかい!」と(笑)
それにしても… 信じて検事長と闘ってくれたヤン部長を悲しませずに済んで、ホントによかった(*´∀`)
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Comment
ちょっと寂しかった水曜日にユジナさんの訳が拝見できて満たされました 笑。
あらすじは様々な場所で確認していましたが、やはり全ては台詞から成り立つ表情なのだと再確認できて、鳥肌が立つシーンがいくつもありました。
ありがとうございます。
ドチャンがセッティングした”金融監督院が見張る気配”、
以前ヤン部長の所へ訪ねて来た親戚のおじさん、「医者の資格がない人が医者を院長に据えて病院を開いたけれど、金融監督院からしょっちゅう監査に来るから何とかしてほしい」というシーンを思い出し、
後に金融監督院という存在を利用するにあたり、あれはそのための印象付けだったのかな?とも受け取れました。
そして、
ジュンスが言った台詞
「誰かが僕を…心から応援してくれるなら」
「そんな人が一人でもいるなら、本当に有り難いことです」
この言葉のニュアンスはグンソクさんがステージの上で度々発する言葉だったので、
考え深いものがありました。
このシーンにきて初めて、ペクジュンスからグンソクさんが透けて見えたような、
そんなあたたかい楽しみ方もありですよね。
残るは最終話。
寂しさでいっぱいなのですが、
静まり返った深夜にじっくりと読む習慣がすっかり定着したユジナさんの訳は、
愛があって、情があって、素とユーモアがあって、いつも心地よい睡眠を与えてくださいました。
ありがとうございました。