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スイッチ-世界を変えろ 6話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』6話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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意識を失ったまま、ペク・ジュンスは未だ立入禁止の病棟のベッドに横たわっていた。
「少しでも意識が戻りかけたことは?」様子を見に来たハラが院長に尋ねる。

院長「ありません。バイタルは正常なんですが」
ハラ「今後もよろしくお願いします。もし少しでも意識が戻ったら、すぐご連絡ください」

院長が退室すると、ハラはベッド脇の椅子に腰を下ろし、ジュンスを見つめた。「…。」

ハラ「ソウルに戻ってくるって聞いて喜んでたのに… なんてザマなの?私、先輩のことずっと待ってたんだから」

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1年前のことが思い出される。
束草行きが決まり、自宅で荷物をまとめる彼に、ハラは諦めきれずに言った。「私も何かやらかして、先輩について行こうかな」
「僕がいなくても元気にやれよ」ジュンスは穏やかに微笑む。「焦って騒ぎを起こすんじゃない」

ハラ「子どもじゃあるまいし。私だって検事になって3年よ」

ジュンスは棚の女神像に手を伸ばした。
女神の右手がペンダントを掴んでいる。

ハラ「彼女も連れて行くの?」
ジュンス「?」

ハラが女神像を手に取った。「運ぶ途中で壊れるかも」

ハラ「ソウルへ戻ってきたら返すわ」
ジュンス「君こそ壊すなよ」

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引っ越しの荷物をトラックに積み終わり、あとは出発するばかりとなった。

ジュンス「行くよ」

寂しさを押し隠し、ハラが笑顔を見せる。「先輩」

ハラ「私、諦めないわ。捜査を続ける。先輩を陥れたヤツら、絶対捕まえるわ」

「…。」何も言わず、ジュンスはトラックに乗り込んだ。

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女神像が守っていた天秤のペンダントは、1年経った今、ハラの胸元にぶら下がっていた。

ハラ「先輩が目覚めないから、変なヤツと手を組むことになっちゃった。事情がちょっと複雑なんだけど…。先輩とホントにそっくりなのよ。先輩も見たらきっと気絶するわ」

「おっと」ハッと我に返り、自分でツッコむ。「また気絶しちゃダメよね」

ハラ「とにかくそいつ、よくわからないけど只者じゃないわ。先輩が目覚めなかったら、私このままそいつと手を組んじゃうから。先輩の居場所、なくなっちゃうかもよ」

そう毒づきながら、何も反応のないジュンスを悲しげに見つめる。「だから、早く目を覚ましてよね」

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マンションではインテが壁の巨大パックマン、ウンジもスマホゲーム、ボン監督がマッサージチェアに興じていた。

#この巨大パックマン、108インチで世界最大のゲームマシンだそうで…。見栄え満点ですよね。

ボン監督「(気持ちよさげに)はぁ、人生こんなもんさ。飯食ってクソして、足伸ばして眠れりゃそれでいい」

「それだけじゃつまんないだろ」ドチャンがやって来た。

ドチャン「人生には1匙くらいスリルが必要じゃないか?」

ドチャンが手に持ったリモコンのスイッチを入れると、壁のスクリーンに画像が映し出される。

『チャ・ミョンス』なる男性の写真と概要だ。

40歳
79年11月8日生まれ
外交官
2006年 第40回国家試験合格
現在、1等書記官

ウンジ「誰?」
ドチャン「今度セッティングするお客様だ。有力な麻薬の運び屋で、ペク検事のPCで見つけた。叩けば何か出てくるんじゃないか?」

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さっそくチャ・ミョンスに作戦が仕掛けられた。

バーの客に扮したボン監督が心臓発作で倒れる。
元看護師のウンジがすかさず名乗り出て、実力を発揮。
カウンター席にいるチャ・ミョンスが気を取られているあいだにインテが隣の席へ移動し、彼のスマートフォンから超高速でデータを抜き取るのだ。

#ボン監督、迫真の演技(笑)

気を取られていたターゲットがカウンターに向き直るのが予想より早く、スマートフォンが見当たらないことに勘付かれてしまったものの、危ないところでインテは上手く誤魔化した。

ウンジ「(インテから受け取ったスマートフォンをターゲットに渡し)これ、お宅のかしら?」
チャ・ミョンス「えぇ、ありがとうございます。どこに?」
ウンジ「あっちに落ちてましたけど」
チャ・ミョンス「患者さんは?」
ウンジ「元看護師なので、目をつぶってても助けられるわ」
チャ・ミョンス「へぇ」
ウンジ「ところで、どんなお仕事を?」

まんざらでもなさそうに、チャ・ミョンスがヘラヘラと笑った。

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チョン検事長は考えにふけっていた。
「ペク・ジュンス検事は本物なんでしょうか」クム代表の言葉が引っ掛かっていたのだ。

「お呼びでしょうか」入ってきたのはキル・デロ検事だ。

チョン検事長「高い所から見れば、視野は広がる。だが、細かくは見えなくなるものだ」
キル検事「?」
チョン検事長「ペク・ジュンス…」
キル検事「ペク・ジュンスが何か?」

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キル検事が向かったのは総務課だ。
「頼みがある」一人の女性職員に小声で声を掛けた。

キル検事「刑事6部にペク・ジュンスって男がいるだろ?彼の人事データが欲しいんだ」
職員「人事データですか?手続きが必要なんですが…」
キル検事「だから頼んでるだろ。手続きを踏むなら最初から頼むか!」

「頼むって言ったろ!」苛立って声を上げたキル検事に、周囲が凍りつく。

キル検事「(モニターを指し)これじゃないのか?俺が誰だか知らない?これ、社内メールで送ってくれ。いいな?」

彼の様子を、ドチャンがそっと見ていた。「…。」
総務課でキル検事がペク・ジュンスを調べている。一体何を企んでいるんだ…?

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考え事をしながら廊下を歩いていたコ係長は、呼び止められて振り返った。
そこにいたのはキル検事だ。

コ係長「はい、キル・デロ検事。何でしょう?」
キル検事「悪いが、あれをご覧に」

顎で指したのは、窓辺に置き去られていた飲み残しのドリンクだ。

キル検事「こんなんでいいのかな?中央地検なのに、基本的な秩序意識がない。そう思いませんか」
コ係長「えぇ、そうですね」
キル検事「さっき目に入ったはずですが、そのまま通り過ぎるとは」
コ係長「…。」
キル検事「コップじゃなく、良心を捨てたんだ。皆良心ってものがない」
コ係長「すぐ片付けます」

キル検事が冷たく背を向けた。
コ係長はコップを拾い上げ、後ろ姿を見つめる。「あいつ悪いもんでも食べたのか?チッ、偉そうに。いやいやキボン、お前よく我慢したぞ。(自分の胸をポンとたたき)男だ」

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屋台のテーブル席で向き合っているのは、ドチャンとコ係長だ。
無礼を働いてしまった”ペク検事“を前に、コ係長の大きな体は小さく縮こまっていた。

#前回書き忘れたけど、この人男気ありますよね。疑って指紋鑑定したこと、責められる前に自分から白状して頭を下げたの見て感心しました^^

コ係長「どうお詫びすればいいのやら」

「何をおっしゃいますか」ドチャンが寛いだ様子で眼鏡を外す。「検事だって過ちがあれば捜査を受けるべきです」

ドチャン「係長の覇気、素晴らしいですよ。尊敬します、先輩」
コ係長「先輩だなんて!」
ドチャン「僕より年上なんですから、人生の先輩じゃないですか。これを機に、プライベートな席では”兄さん“とお呼びします」
コ係長「!(←ここ最高♪)」

「一杯どうぞ、兄さん」ドチャンが焼酎の瓶を傾けた。
酒を注いでもらいながら、コ係長は涙をこらえる。「たくさんの検事さんにお仕えしてきましたが…」

コ係長「ペク検事のように人間的に接してくれた方は初めてです!とんでもない無礼を働いたのに、兄さんと呼んでくださって。このご恩をどう返せばいいやら…」

「久しぶりに涙が」コ係長は指先で目を拭った。
「それなら」ドチャンは注意深く切り出した。「一つお願いしてもいいですか?兄さん」

コ係長「もちろん!何なりとおっしゃってください」
ドチャン「再調査してほしい事件があるんです」
コ係長「事件?」
ドチャン「1998年5月5日、自殺で片付けられた事件なんですが、ひょっとして他殺の可能性はなかったか、あるなら容疑者は誰なのか、調べてください」
コ係長「死んだ人の名前は?」
ドチャン「サ・マチョン」

教えられた情報を、コ係長が手帳に書き取る。

コ係長「お知り合いですか?」
ドチャン「いいえ、全く無関係な人なんですが、調べてみたくて」
コ係長「あぁ」
ドチャン「オ検事にも内緒ですよ。兄さんと僕だけの秘密です」
コ係長「もちろんです♪ 肝に銘じますよ」

「私がお注ぎします」今度はコ係長が焼酎を差し出す。

ドチャン「ありがとうございます、兄さん」
コ係長「ふっ♪♪♪」

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帰り道。
ドチャンはペットショップの前でふと立ち止まった。
大きな水槽に熱帯魚が優雅に漂っている。「…。」

~~~~

幼いある日のことだ。
ドチャンは父を手伝い、初めて詐欺を働いた。

父が金に困った素振りを見せ、魚の入った水槽を薬局に預ける。
銀行に融資を頼み行く間、預かっていてほしいと。
入れ替わりに、お使いにやってきたドチャンが水槽を見て驚く。「プラチナアロワナだ!」
ものすごく貴重な魚だから500万で譲って欲しい、後で父親(架空)を連れてくるからと名刺を置いて立ち去る。
戻ってきた父が水槽を引き取ろうとすると、儲かる魚だと信じた薬局の店主が「買い取りたい」と150万差し出すのだ。

150万を手に薬局を出た父が向かったのは、路上で商売をしている老女の元だ。
彼は薬局で騙し取った金をそっくり老女に握らせた。「ヤツから金を受け取ってきました」

父「もう絶対あんな野郎から金を借りちゃいけませんよ」
老女「ありがとう!本当にありがとう!」

「これを持ってお行きなさい」老女が差し出した売り物のうち、ドチャンの父は袋を一つだけつまみ上げた。「これだけいただきますよ」

老女から貰った手土産をぶら下げ、父は路地で待っているドチャンの元へ戻ってきた。「詐欺師になるつもりはないか?」

父「なかなかのもんだった。10歳の子が仕掛け人だと誰が思う?シンプルでありながら、インパクトがあったぞ。エクセレントだ!」
ちびドチャン「…。」
父「モーツアルトが音楽の神童だとすりゃ、お前は詐欺の神童だ」
ドチャン「九九より先に見て覚えたんだから。これが人生初めてにして最後の詐欺だよ」
父「こいつ!天がくれた才能を腐らせるってのか?早く大きくなれ。お前と俺が組めばこの世に怖いものなしだ」
ドチャン「父さん」
父「どうした?」
ドチャン「僕、父さんは好きだけど、父さんが詐欺師なのはイヤなんだ」
父「おい、職業に貴賤なんてないんだぞ」
ドチャン「僕、絶対詐欺師にはならないから」
父「じゃあ何になるんだ?」
ドチャン「検事。悪いヤツらを捕まえる検事だよ」

「わぉ!」父は否定することなく、誇らしげに笑ったのだ。

~~~~

夜遅くハラが家に帰り着いた頃には、母はソファでうたた寝していた。

ハラ母「あら、帰ってきたのね」
ハラ「腰が痛いのに、部屋で寝なきゃ」
母「年頃の娘が帰ってこないのに、眠れるもんですか」

「おこげ湯作ってあげようか?」母は台所へと立ち上がった。

しばらくすると、おこげ湯のグツグツと煮える音と、香ばしい匂いが部屋を包んだ。
「ハラ、出来たわよ」お椀を手に戻ってきた母は、ふと足を止める。
短い間に、ハラはソファですっかり寝入っていた。

「何をそんなに頑張ってるのやら。だからって世の中変わりゃしないのに」隣に腰を下ろし、娘の寝顔を覗き込む。

母「いいところにお嫁に行って、楽に暮らしなさいよ」

日々戦い続ける娘の人生を思い、彼女はそっと娘を抱き寄せた。「…。」

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検察庁前に停めた車に、キル検事が乗り込もうとしていた。
そこへ通りかかったのが、ハラとドチャンだ。

ハラ「キル先輩、今日は検事長のお誕生日なのに、どちらに?」

#検事長の誕生日なのにって… 素直に引くわー

キル検事「ちょっと地方に用事ができてな」
ハラ「出席しないってことですか」
キル検事「出席するに決まってるだろ。デカいプレゼントを用意してあるんだから」

「後でな」ニヤリとしてキル検事が車に乗り込む。
「…。」ドチャンがチラリと車のナンバーを確かめた。

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さて、束草へ向かったチョ社長は、張り切ってペク・ジュンスを捜索中だ。
交通事故の後、救急隊がペク検事を病院に搬送したと踏み、救急隊員を探す。

大卒「(救急隊員に)ペク・ジュンスって知ってるだろ。海にダイブしたヤツ」
救急隊員「し、知りません」
大卒「思い出させてやろうか?」
救急隊員「…。」

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料亭『五色漢餐』に続々と車が入ってくる。

※実在するのは『五色燦宴』というお店ですね。何と豪華な…。

到着した上司たちを、ハラがヤン部長と共に店の前で出迎える。
まだ姿を見せないドチャンが気がかりだったのだ。

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ハラの妹、ソラがフラフラと家に帰り着いた。
クラブ帰りだ。

母「記者って暇なのね」
ソラ「取材で疲れた心と体を癒やしてあげないと」

母が2枚写真を差し出す。「この人は病院長の息子、こっちは建設会社の息子よ」

母「どっちがいいかしら」
ソラ「もう!私はどっちもイヤ。検事に嫁入りするんだから」
母「誰があんたにお見合いしろって?お姉ちゃんよ」
ソラ「お姉ちゃんはペク・ジュンス検事が好きみたいだけど?」
母「弁護士で開業したって、病院長ほど稼げないでしょ」
ソラ「ただならぬ仲に見えたわ。ピッタリついて回ってさ、ホントに好きみたい」

「ソラ」母が声を低くする。「バッグ買ってあげようか」

母「エルメスの」

※ひとまずエルメスと書きましたが、히로메스(ヒロメス)と聞こえます。히로메스(ヒロメス)で調べたところ、犬の革製首輪のブランドが出てきました。真相はいかに…。

母「オ・ソラ。あんたに特殊任務を与えるわ」
ソラ「今度は何?」
母「2人が恋仲にならないよう引き裂くの。どんな手を使ったっていいわ」

「ところで」母の話は続く。

ソラ「まだあるの?」
母「あんたも私がヘップバーンに似てると思う?」
ソラ「え?」
母「え?」
ソラ「…。」
母「私はそうは思わないんだけど」

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「あちらのお部屋です」遅れて料亭へやって来たペク検事が店員の案内で廊下を進む。
突き当りに、キル検事が大柄な男性と一緒に立っていた。
2人に頭を下げ、彼はそのまま部屋へと入る。
その態度に、2人は顔を見合わせた。「…。」

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全員が揃い、皆が乾杯の盃を掲げた。

チョン検事長「皆集ってくれてありがとうございます。楽になさってください」

乾杯の声が上がる。
ハラたちも一番隅の席で盃を合わせた。

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その頃、救急隊員を吐かせたチョ社長たちが正面から病院へ押し入った。
しらみつぶしに病室を調べるが、ペク・ジュンスの姿は見当たらない。

看護師「そんな人いないって言ってるじゃないですか」
チョ社長「いないはずないだろ!救急車がここへ運んだって言ったのに」

仕方なく外へ出てくると、ふと小さな看板が目に入った。
『立入禁止』と書かれた門だ。

門を開け、チョ社長はクム代表の電話を鳴らした。「そいつを見つけたら、どうしましょう?」

クム代表(電話)「静かにお連れしろ」

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検事長の宴の途中、黙って席を立ったペク検事が、しばらくして席へ戻ってくる。
それを見て、キル検事がおもむろに立ち上がった。「お話中失礼します」

キル検事「検事長のお誕生日祝いにサプライズをご用意しました」

「何だ?」あちらこちらから笑い声が起きる。

キル検事「ソウル中央地検にあるはずのない、あってはならない衝撃的なことが起こっています」
皆「?」
キル検事「先輩後輩の集まったこの席で明らかにしましょう」

彼の視線がペク検事へ向かう。「ペク・ジュンス!」

キル検事「皆さん、ここに座っているペク・ジュンス検事は本物ではありません。顔が似ているだけの偽者です」
ハラ&ヤン部長「!!!」

「キル・デロ!」声を上げたのは、女傑チン次長だ。「何のマネ?」

キル検事「申し訳ありません、チン次長。しかし、証拠があるんです」

「お入りください」彼の掛け声で扉が開いた。
入ってきたのは、会の始まる前にキル検事と一緒にいた、大柄な男性だ。

キル検事「こちらはペク・ジュンス検事の高校時代の同級生、シン・ジャンフンさんです。それなのにペク検事、さっき入ってきた時、目もくれずに通り過ぎましたね」
ペク検事「…。」
キル検事「検事の会合に検事でない人が来ているにも関わらず、です」

ハラとヤン部長が何も出来ずに目の前の”ペク検事”を見つめる。
「ジュンス」シン・ジャンフン氏が目の前に座っている同級生に呼びかけた。「俺がわからなかったのか?」

ペク検事「…ごめん。公の席だったからかな。寂しい思いをさせてしまった」
キル検事「その程度の言い訳は想定内です」

「キル先輩」ハラがたまりかねて口を開く。「あんまりじゃないですか?検事長もいらっしゃるのに」

ハラ「冗談が過ぎるわ」
キル検事「冗談かどうか確かめればいい」
ハラ「!」
キル検事「シンさんのおっしゃるには、高校時代、廃屋で火遊びをしていて二人とも火傷を負ったそうです」

「そうですよね?」キル検事の問いに、シン氏が頷く。
彼は袖をまくりあげ、大きな火傷の痕を披露した。「これです」

キル検事「どうだ?ペク検事。我々の前で火傷の痕を見せられるか?」
ペク検事「…。」

「なぁ、キル検事」重い空気に絶えきれず、ヤン部長が声を上げた。「どうするつもりだ?この空気」
「待って」遮ったのはチョン検事長だ。

チョン検事長「誕生日のサプライズプレゼントか。面白い。続けなさい」

キル検事が丁重に頭を下げる。ヤン部長は仕方なく口をつぐんだ。
「ペク検事、見せてみろよ。ここか?」キル検事が乱暴に腕を掴むと、ペク検事は頑なにそれを振り払う。

キル検事「見せられないって?なぜ?それはお前が偽者だからだ!」
ペク検事「…。」

「どういうことだ?」検事長が言う。「ペク・ジュンス検事でないなら…君は一体」

キル検事「公務員詐称、万が一この詐欺劇に協力者がいるとしたら、共犯ですよね」

グラスに酒を注ぐヤン部長の手がガタガタと震える。
「実はその…」恐れをなしてヤン部長が白状しようとしたところへ、ハラの厳しい声が飛んだ。
「やめて!!!」キッとキル検事をにらみつける。

キル検事「本物なら見せてくれりゃいいじゃないか」
ハラ「!」
キル検事「(ペク検事に)自信があるなら見せてみろ」
ペク検事「…。」
キル検事「どうした?降参か?見せられないか」

「皆さん、ご覧になりましたね?」キル検事が得意げに宣言した。「こいつは偽者です!」

「先輩」ずっと黙っていたペク検事がようやくポツリと口を開く。「やめましょう。人前なんです」

キル検事「よくも先輩なんて言えたもんだ。偽者のくせに」
ペク検事「…。」
キル検事「本物なら証明してみろよ」
シン氏「ジュンスは左肩の後ろに火傷痕があります。稲妻の形の」

ハラとヤン部長がいよいよ絶望して項垂れる。
グラスの酒をくいっと飲み干し、チョン検事長がグラスを置いた。「ペク検事」

検事長「疑いを晴らしたければ、見せたほうが良さそうだが」

「…。」沈黙の末、ペク検事は意を決して立ち上がった。

ペク検事「そこまで気になるなら、失礼します」

そう言うと、あとは微塵のためらいも見せず、ネクタイを外し、シャツのボタンを一気に外す。
皆に背を向け、シャツの肩を大きくはだけて見せた。
そこには…

くっきりと稲妻の火傷痕が!!!

皆「!!!」

「おおっ」皆が口々に声をあげる。

#ここのBGM、戦隊ヒーローでも登場しそうで楽しいよね!

ペク検事「………。」

一番驚いたのはハラとヤン部長だ。
口をあんぐり開け、ただただ”ペク検事”を見上げるしかなかった。

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ここでエンディングです。
いやぁ痛快!楽しかった~♪

今後、ジュンスと書くか、ドチャンと書くか、客観的なニュアンスを込めてペク検事と書くか、シチュエーションごとに悩むことが増えそうで怖い…。

 - スイッチ~君と世界を変える

Comment

  1. T-chan より:

    yujinaさん、いつも、いつも、翻訳ありがとうございます。
    特に今回は本物ぺクジュンスが登場したところで、緊張極まりない場面!! yujinaさんの訳で、臨場感溢れるドラマが堪能できました。
    これからドラマの中盤!、またお世話になりますが、無理ないように、どうぞよろしくお願いします(^o^)/

  2. ma-cha より:

    yujina〜さん、休日なのに訳して頂きありがとうございます!
    料亭のシーンでは、表情からもしや最初からペク検事なのかと思ったくらいの演技でした。
    yujinaさんの訳を読んで、あぁ、最初はドチャンだったんだ、と。
    ハラハラして楽しめるドラマです!
    のんびりでかまいませんので、どうか最後までyujinaさんも楽しまれますように!

  3. のこ より:

    ユジナさん、翻訳読ませて頂いてます。
    とても有り難いです。ありがとうございます。

  4. ゆえ より:

    翻訳、ありがとうござます。
    Twitterもフォローさせて頂いてますが、このドラマ、視聴者も騙すので翻訳は、ホント難しいと思います。(⌒-⌒; )
    でも、ユジナ〜のさんの翻訳、大好きです。読みながら、場面場面が蘇ります。
    また、緑色で書かれる感想が楽しくて
    (笑)

    グンちゃんの演技を褒めて頂けるのは、うなぎとしてはすごーく嬉しいんです!
    が、そう言った記事が韓国で上がれば上がるほど、ただチャン・グンソクという名前だけで敬遠する人が増えるのでは?とも思ってしまいます。
    このままの路線で脚本が進み、ドラマ自体が高評価を受けると良いな〜と願っています。

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