マンホール-不思議の国のピル5話あらすじ&日本語訳vol.1
ジェジュン(JYJ)、ユイ、チョン・ヘソン、バロ(B1A4)出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』5話のあらすじを、セリフを丁寧に翻訳しながら紹介していきます。
叔父の海の家を手伝っていた2011年の夏へ飛んだピル。
そこでの”やり直し事案”を見事クリアし、夜中0時の鐘とともに再び現代へもどってきたのですが…。
さっそくGoです^^
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端正なスーツにネクタイ姿に変わっていた現在の自分に、ピルの期待は高まった。「どこかに就職したみたいだな。スタートからイイ感じだ!」
ひとまず、ピルは近所を見て回る。
「よし、全部正常に戻ったな」チンピラもいないし、町は綺麗だ。「あとはスジンが正常に戻ればいいんだ。命を助けたんだし、スジンの気持ちも変わってるだろう」
民家の庭先を通りかかり、ピルはぎょっとして振り返った。
水やりのじょうろが宙に浮いている?!「わっ!」
ピル「俺、何度もマンホールに吸い込まれたせいでメンタルやられちまったのか?」
「しっかりしようぜ、ポン・ピル!」ピルは自分に喝を入れ直し、歩みを早めた。
5話『愛はどうやって見える?』
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真っ先に訪ねたスジンのアトリエは閉まっていた。「どこ行ったんだ?来るたびにいないんだから」
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ジェヒョンが外出先から薬局へ戻ってきた。
先輩薬剤師「どこ行ってたんだ?」
ジェヒョン「ちょっとそこまで。何かご用でしたか?」
先輩「あぁ。(ニヤリ)お前、またカメラマンのお嬢さんに会いに行ったんだろ」
ジェヒョン「行ったけど、いませんでした」
先輩「やれやれ。ご苦労なこった。お前みたいにスラッとしたヤツが、何で女のケツを追い回してるんだ?髪もフサフサなのに」
ジェヒョン「運命なんです」
先輩「え?」
ジェヒョン「そんな気がするんですよ。理由はわからないけど、ずっと前から一緒にいたような感じ… 初めてなのに馴染みのある感じ。愛のデジャヴュ?」
先輩「ん?」
ジェヒョン「どうすればいいですか?先輩」
「そうさなぁ」先輩は神妙な顔で彼を見上げる。「恋煩いに薬はない」
ジェヒョン「…。」
先輩「病院へ行っても無駄だぞ」
苦笑いするジェヒョンに、先輩は愉快げに笑った。
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病院から出て来たスジンは、思い詰めた表情でタクシーに乗り込んだ。
スジン「…。」
何も言わないスジンに、運転手が不思議そうにバックミラーを見上げる。「あの… お客様?」
スジン「…え?」
運転手「どちらへ行きましょうか」
スジン「あぁ、えっと、それは…」
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「えらくお客さんが増えたな」ジュース販売カーの前に連なる行列を見て、ピルは感嘆の声をあげた。「いやぁ、チンスク!大当たりじゃないか」
近づいてみると、販売しているのは別人で、チンスクの姿は見当たらないようだ。「バイトの人かな?チンスクはどこにいるんだ?」
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清潔感あふれるオフィスルックにパンプス、首から社員証を下げて歩いてきたチンスクは、コンビニの前の簡素な飲食スペースで立ち止まった。「スジン?」
暗い顔で座っていたスジンが、ようやく気づいて顔を上げる。
チンスク「人のテリトリーへ来てぼんやりしちゃって」
「久しぶり」スジンがひょこっと手を挙げたのを見て、チンスクもニコリと笑って手を挙げた。「ちゃんと食べてる?」
二人は向き合ってオニギリを頬張った。
「のど詰まっちゃう」スジンが空になったドリンク瓶を差し出し、コンビニを指差す。
チンスク「人をこき使う悪い癖、まだ直ってないのね。(自分のドリンクを差し出し)これ飲みな。のんびりさせてよ。足が痛くて」
スジン「性に合わないことやめなよ。ハイヒールなんて」
チンスク「会社には服装規定ってもんがあるのよ。あんたにOL生活がわかる?」
スジン「誰が就職しろなんて言った?」
チンスク「チッ…」
スジン「あんたもともと人の下で働くの嫌がってたじゃない。青年起業支援で1年1億ずつ集めるって言ってたのに」
「だよね。何で就職したんだか」チンスクは自分の頭を小突いた。「町は変わらない?」
スジン「町はどっか行ったりしないでしょ。あそこにあるわよ」
「町はそのままだけど、人はいないわ」スジンはどこか遠い目をして、淡々と言った。
スジン「閑散としてる」
チンスク「クギルさんにタルスさん、ソクテにチョンエ… 会いたいな。みんな元気にしてるかどうか」
「…。」スジンが俄に緊張した面持ちでチンスクを見る。
「ピルは?」チンスクは視線を逸したまま、言い添えた。
スジン「…元気よ」
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ピルが次に向かったのは、タルスのレンタルDVD店だ。
店は営業しておらず、物件売出中の貼り紙がある。「みんなどこ行ったんだ?」
ピル「俺、何かいじっちまったのかな?スジンを助けた以外、何も手をつけてないぞ」
ピルは半ば習慣のようにポケットに手を突っ込み、またそのままブラリと出した。「携帯もない、財布もない。どんな生活してんだ?」
しばらく歩いて、今度はクギルのビリヤード場にたどり着いた。「あぁ、ここはそのままだな」
「クギル兄?」中へ入ってみると、そこには背を向けてキューを持っている男性が一人。
「来たか」男性はそう言って振り返った。
ピル「?!」
クギルの父だ。
クギル父「どこをほっつき歩いてんだ?」
ピル「おじさん?」
クギルの父は鋭い目で台を見据える。
ピル(心の声)「どうして生きてるんだ?2014年度に亡くなったのに… 俺、何をいじっちまったっていうんだ?おじさんは海の火事とは何の関係もないのに」
クギル父「何をぼうっと立ってる?早くキューを取れ」
クギルの父はキューを構え、玉を突いた。「今日はマッセだ」
クギル父「公式用語じゃ”突き打ち”。アベレージ300以下には禁止されているテクニックだ」
「いや、待ってください」クギルの父が次の玉を狙ったキューを、ピルは掴んだ。「叔父さん、こんなこと言うのは申し訳ないんですけど…」
ピル「なぜ生きていらっしゃるんですか?」
クギル父「どういうことだ?」
ピル「おじさんは死ん… いや、亡くなったじゃないですか、2014度に。僕は葬儀に納骨まで行って、弔意金だって5万ウォン出したんですから」
クギル父「このマヌケが、何を言ってるんだ?」
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しばらく無言のまま並んで歩くと、チンスクが口を開いた。「昼休み終わっちゃうわ。行かなきゃ」
スジン「うん、戻りなよ」
チンスク「なんで言わないの?」
スジン「何を?」
チンスクが立ち止まり、スジンの目を見る。「言いたいことが喉元で煮えたぎってるじゃない」
スジン「!」
ハッとした顔でチンスクを見ると、スジンは悲しげに目を伏せた。
チンスク「ねぇ、どうしたの?何かあった?」
「チンスク…」我慢していた涙が、スジンの瞳に滲む。「私たち、もうピルに会えないの」
チンスク「!!!」
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少し時間は遡る。
花を抱え、病院へやって来たスジンに、ピルの父親は重い口を開いた。「ピルのことは…もう待たないでくれ」
スジン「それは… どういうことですか?」
ピル父「変わらないことは、受け入れないと」
ピル母「私たちも苦渋の決断だったの。ピルに済まないという気持ちのせいで、不幸になる必要はないわ。あなたは幸せにならないと。ピルもそう望んでいるはずよ」
スジン「おばさん!おじさん!」
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「今、何て?!」ピルは目を丸くして訊き返した。
「俺は2014年度に死んだ」クギルの父は繰り返す。
ピル「それなのに、どうして僕は今おじさんと話してるんです?」
クギル父「お前、海へ遊びに行って火事に遭ったろ」
ピル「えぇ、それが…?」
クギル父「お前、そのとき怪我して、昏睡状態で病院にいるんだ」
ピル「そんなはずが。僕は無事スジンを助け出したのに」
クギル父「スジンは助けた。助けたが、お前は大怪我して病院に運ばれ、それ以来、今までずっと昏睡状態なんだ」
ガラスの窓を突き破って海の家へ突入した際、お腹にガラスが突き刺さってしまったのだ。
クギル父「俺は病院へ見舞いにも行ったんだぞ。俺が死ぬ前だから、ええっと…2011年だったか?」
そこへクギルが入ってきて、アイスを咥えながら、ソファに腰を下ろす。
「兄貴」伸ばしたピルの手は、クギルをつきぬけて宙を舞った。「クギル兄!」
クギル父「聞こえるわけがない」
ピルは腰が抜けたように座り込んだ。「おじさん… 僕、死んだんですか?」
クギル父「まだ死んじゃいない。魂が抜け出てるだけだ」
ピル「!」
クギル父「だが、お前のご両親は、もうお前を送り出してやるつもりのようだな」
「無理はない」クギルの父は表情を和らげる。「長く待ったのは確かだ」
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病室のベッドに横たわっている自分を目の前にして、ピルは思いもよらなかった状況に愕然とした。「僕はいつから意識が?」
クギル父「6年だ。火事以来ずっと、体に入れずに彷徨ってる。もし治療をやめれば、お前は本当に死ぬんだ」
ピル「…。」
クギル父「(ベッド脇の花を見つめ)これまでスジンが持ってきた花だけでも、トラック1台分にはなる」
ピル「スジンがどうして?結婚相手もいるのに」
クギル父「何を言ってる?結婚って?お前がこんなことになってから、スジンは恋人もいない様子だったが」
スジンの結婚が消えた…!
ピルは心の中で叫んだ。
それなのに…
スジンの結婚は阻止しても、俺が死ぬなんて。
話になるかよ… ピルはガックリと項垂れた。
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「どういうことですか」訪ねてきたピルの両親を前に、スジンの父親が言った。
「スジンは毎日のようにピルに会いに行くのが日課なのに」隣でスジンの母親が続く。
ピル父「今日も来ました」
治療の断念を聞かされ、涙に全身を震わせながら病室へ入っていくスジンの様子が、胸の中にずっしりとのしかかっていた。
スジン母「この間、ピルが自分の声に反応したって、すごく喜んでいたのに」
ピル母「私たちもスジンを娘のように思っていました。ピルは幼い頃から、ずいぶんスジンの後を追い回していたでしょう?お似合いだったのに…」
ピル父「スジンももう…いい人に出会わないと」
言葉が見つからず、スジンの両親は押し黙った。「…。」
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外へ出て歩くうちに、ピルの心の中にはだんだんと怒りが湧き上がってきた。
ピル「いくらなんでも一人っ子なのに、治療をやめるなんて、酷いよ。いや、生まれてこの方、息子扱いされたことなんてない」
「親戚にだって息子は…」と後ろを振り返ると、クギルの父の姿が忽然と消えている。「あれ?おじさん?」
クギルの父が石垣の中からぬうっと出て来た。
ピル「わっ!そうやって行けるんなら、言ってくれないと。急ぐから横切って行きましょう」
ピルはさっそく石垣へと踏み込んだ。
クギル父「何で道に沿って歩いてるのか、不思議に思ってたんだ」
+-+-+-+
ピルが自分の部屋へ来てみると、両親がそこでただじっと座り込んでいた。
ピル「父さん、母さん…」
声を掛けてみたものの、あまりに沈んだ彼らの様子に、ピルは思わず言葉を飲み込む。「…。」
「よく走るヤツだったな」写真を見つめ、父親が言う。「いつもスタートが一歩遅かったが」
母親が握りしめているのは、名札の付いた高校の制服だ。「何に対してもそうだったわ」
母「話し始めるのも、読み書きも、他の子たちより遅かったわ」
父「そうだったな。何事もスタートが遅い代わりに、長く続くだろうと思ったのに…」
母「私、今までピルより大事なものなんてなかったわ。それなのに、あなたにピルを奪われるような気分よ」
父の目から大粒の涙がこぼれ落ちる。
愛する息子と、息子を愛してくれる人たちを思い、彼も心を引き裂かれる思いだった。
母「この先、私たちに残った時間は地獄でしょうね」
父「君が苦しむことはない。ピルを天国へやることが出来れば、僕が代わりに地獄へ行こう」
「あぁ」母が嗚咽を漏らし、ベッドに倒れ込んだ。
父「考えてみたら、あれを言ってやれなかったな。後ろ姿を見るたびに、どれだけ微笑ましく思ったか」
「一度も言ってやれなかった」父の声は、涙でほとんど言葉にはならない。
ピル「…。」
+-+-+-+
バルコニーを抜け、ピルはスジンの部屋へと入った。
「?」机の上に並んでいる写真に目が留まり、彼は椅子に腰を下ろす。
海で過ごしたあの日の写真。
そして… 1枚だけフレームに収められているのは、自分がグラウンドを走る姿だった。
「スジン…」ピルの口から、ひとりでに彼女の名前が漏れた。
+-+-+-+
帰りのタクシーの中で、スジンは思い切り泣いた。
”言いたいことがあるのに、ピルがチャンスをくれないの。
長い間、悩んで躊躇っているうちに”
チンスクは赤く泣きはらした顔を洗い、洗面所の鏡を見つめる。
”そんなはずない。スジンの勘違いよ。聞き間違えたんだわ”
他の仲間たちにも知らせが飛んだ。
タルス(メール)「どういうこと?ピルがどうなるって?」
チョンエ(メール)「わからない。久しぶりにスジンから連絡があって…。ピルはどうなるの?」
「どういうことだ?」クギルもラーメンを食べようとしていた箸を放り出した。「明日ピルに会いに行くのに!」
彼らはすぐさま病院へと向かった。
+-+-+-+
マンホールの前にしゃがみこんだまま、ピルは途方にくれていた。
ピル「何度かマンホールに吸い込まれただけなんですよ」
「そんな…」クギルの父が地面に這いつくばり、マンホールの穴を覗き込む。「これで過去と現在を行ったり来たりしたって?」
ピル「そうなんです。僕、本当は死ぬんじゃないんですよ!」
クギル父「訳がわからん。くだらんことを言うな」
ピル「本当なんですってば。もう一度戻れなきゃ大変なことに!」
クギル父「そんならもう一度マンホールで行けばいいじゃないか」
ピル「12時にならないと開かないのに、今日治療をやめるって」
クギル父「!」
ピル「そうなりゃマンホールが開く前に僕は死ぬってことじゃないですか!」
「おじさん」ピルはクギルの父の足にすがった。「僕を助けてください」
ピル「お願いですから!」
クギル父「おい、お前を助ける才能があったら、そもそも俺は死んでないぞ」
「わかったから」宥めるように、クギルの父はピルの手を引き離した。「とにかく治療中止を阻止しよう」
そこへトンネルの向こうから一台のトラックがやって来て、彼らの前で止まった。
作業着に身を包んだ一団の中にソクテを見つけ、ピルは目を丸くする。「あいつ、公務員になったのか?」
クギル父「お前があんなことになって、あいつらは散り散りになった。ソクテは必死で勉強ばかりしてたんだ」
「何でまた壊れたんだ?」ソクテが見上げたのは、マンホールの真上にある街灯だ。「マンホールに問題でも?」
「あぁ、暑いのにめんどくさい」ソクテは座り込んでマンホールを見つめた。「このマンホール、なんだかイヤな感じだ」
ソクテ「これ、塞いでしまわないとな。今後も問題が起きる予感(feel)がする」
手に持ったトンカチでマンホールを小突くソクテに、ピルは焦って怒鳴った。「やめろ!それで行かなきゃならないんだ!」
勿論ソクテに聞こえるはずもなく、反応はない。
どうにもならず、ピルはソクテめがけて体当たりをした。
と…?
ハクション!
大きなくしゃみをしたと思ったら、ソクテはハッと辺りを見回した。「ソクテのヤツ、どこ行った?!」
と、さらにハッとして自分を見る。「わっ!わぁっ!俺がソクテになってる?どうなってるんだ?」
#”석태 이자식 어디갔어(ソクテのヤツどこ行った” の言い方がもう天才的(笑)一瞬でピルだってわかるね。
ソクテ(?)「おじさん、僕どうなってるんです?」
クギル父「お前、ピルなのか?」
ソクテ(?)「どうなってんだ?!」
クギル父「おい!お前、どうやってそこに入った?早く出て来い!」
ソクテの体がぐらりと揺れたかと思うと、ピルはそこから飛びだした。
ソクテ「あぁ、目眩がする。一瞬居眠りしたのかな?(後ろの職員を振り返り)僕、今何してました?なんでこんなに疲れてるのかな…」
+-+-+-+
ピルが自宅へ戻ると、両親はダイニングにいた。
テーブルに並んだ食事を前に、彼らはじっと動かない。
ピル「母さん、僕これからちゃんと言うことを聞くし、勉強も頑張るよ。父さん、たった一日だ。たった一日だけ!」
さっきソクテにそうしたように、両親の体に飛び込んでみるが、まるでバリアが張られているかのように跳ね返されるばかりだ。
「そらな」クギルの父が言う。「無理だと言ったろ」
クギル父「この人たちには絶対憑依できん」
ピル「それじゃどうしろって?どうやって治療中止を阻止しろって言うんですか!」
「大変だ。時間がないのに」途方に暮れたところに、電話の音が聞こえた。
父の電話だ。「もしもし」
父(電話)「…わかりました。今から行きます」
父は一言だけ答えて電話を切った。「病院で何かあったらしい」
食事に一口も手を付けないまま、両親は立ち上がった。
+-+-+-+
病室の前へ来てみると、そこはちょっとした騒ぎになっていた。
医師たちがピルの病室へ入ろうとするのを、チンスクたちが皆で立ち塞がって、阻止しようとしていたのだ。
クギル父「(ピルに)お前のお陰で、皆が揃ったな」
「みんな!」涙に顔を歪め、ピルの父が声を上げる。「こんなことはやめよう」
クギル「おじさん!こんなのダメですよ!」
チョンエ「そうですよ。私たち、ピルを見送るなんて出来ません!」
タルス「きっと後悔なさいます。ご存知じゃないですか。ピルは絶対に諦めるようなヤツじゃありません」
「おじさん、おばさん」チンスクが口を開いた。「私とお話を」
#チンスクと両親がその場を離れて、押し問答が収まった瞬間、タルス兄とクギル兄が揃って病室のピルを覗き込んでるのが何ともいえない。
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チンスクは騒ぎから離れたところへ、ピルの両親を連れ出した。「なかなか来られなくてすみません」
ピルの父は黙って大きく頷く。
ピル母「私たち、スジンやあなたには感謝しているの」
ゆっくりと近づいてきたピルの耳にも、彼らの話が入ってくる。
母「この間、看護師が教えてくれたわ。スジンとあなたがどれだけピルに会いに来てくれたか」
「ありがとう」母はまっすぐにチンスクを見つめ、頷いた。
チンスク「町はすっかり空っぽになってしまいました。たった一瞬で全てが変わってしまったんです。ピルのことで」
チンスク「もしかしたら今日みたいなことがあるような気がして、みんな町を去ったのかもしれません。ピルが目覚めるかどうかわからないけれど、ピルのいないこの町なんて、私はもう来られません。だから、おじさん、おばさん、もう少しだけ…あと少しだけ待ってみましょうよ」
「ね?」そう言って、チンスクはすがるようにピルの両親を交互に見た。
ピル父「6年だ…。もう送り出してやろう、チンスク」
チンスク「…。」
そう言ったっきり、彼らにはもう言葉がなかった。「…。」
+-+-+-+
ここで一旦区切ります。
「タイムスリップして戻ると、前の変化はリセットされるのか。それなら、ちょうどいい結果に変わるまで、タイムスリップを繰り返さなきゃな」と思ったのが先週。
でも、ここまで見て、見方が変わりました。
大事なポイントは、ピルだけは何度タイムスリップしても、記憶が全部残っていること。
タイムスリップで過去の自分を振り返ったり、周りの人たちの思いに触れることで、ピル自身が変わっていくんだろうなと。
結果的にはきっと、過去をいじることで現在を変えるのではなく、スジンにちゃんと“愛してる“と言えるピルに成長するんじゃないかなぁと、そう思ったりしました^^
ガチコメディかと思ったら、意外と奥が深いかもね。
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Comment
いつもありがとうございます。
あらすじもなんですが、緑色のコメントも楽しみにさせていただいております。
これからもよろしくお願い致します。