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テバク15話あらすじ&日本語訳vol.2

   

チョン・グァンリョル、チェ・ミンス出演SBSドラマ「テバク(대박)」15話、中盤です。

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「なぜ行っちゃいけないんです?」ソリムが犬斫刀に訴えた。

ソリム「約束したじゃないですか。六鬼神が死ぬまでの間だけここにいるって」
犬斫刀「気が変わった」
ソリム「私の気持ちは?私の気持ちは私のものじゃないですか!」
犬斫刀「今夜、奴がここへ来る」
ソリム「奴?… テギルのことですか?」
犬斫刀「…。」
ソリム「まさかそのために?」
犬斫刀「見せてやろう」

「お前の好きなペク・テギルが…」じっと前を見つめていた犬斫刀が、鋭い目で彼女を見上げた。「踏みにじられる姿を」

ソリム「!」

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犬斫刀の賭場は今日も賑わっていた。
犬斫刀は、廊下を歩いてくる女を見て、立ち止まる。「?」

それは、骨蛇の娘、ヨナだ。

犬斫刀「久しぶりだな」
ヨナ「ペク・テギルが釈放されました。きっともうすぐここに…」

「知ってる」そう言って、犬斫刀は再び廊下を進もうとする。

ヨナ「殺さないでください」
犬斫刀「?」
ヨナ「決して殺してはなりません。ペク・テギルは必ずや私の手で殺します」
犬斫刀「あやつは俺が仕留める。お前は引け」
ヨナ「…。」

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延礽君はさっそく書庫へやって来た。

粛宗(声)「あの日の日誌を見るのだ。そこに答えがあろう」

「いかがなさいましたか」文官がかしこまる。

延礽君「丁丑年3月の謀反を記録した書籍を探すのだ。一つ残らず、全て!」

※調べてみると確かに1697年(粛宗23年)にイ・ヨンチャンらが謀反を起こしていますね。実際には計画実行前に、失敗を恐れた数名がキム・チェゴンに知らせ、未遂に終わったようです。参考:韓国歴代人物総合情報システム
参考までにこの時期、4年後の1701年に仁顕王妃が病死し、彼女を呪い殺したとされた禧嬪張氏が賜死されています。

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ファングに書簡を届けたムミョンが、インジャの元へ戻ってきた。

インジャ「少し前、犬斫刀の正体は王の知るところとなった。そうなれば犬斫刀を放っておくはずはないし、恩恵を施すふりをしてペク・テギルを利用し、犬斫刀を討とうとするはずだ」
ジンギ「ならば、主君の目的は何です?」

「私の目的か…」インジャは考えを巡らせるように目を細めた。

インジャ「王の標的を私から犬斫刀へ向けるのが一つ。殺人を請け負うことで官僚らの弱みを握っている犬斫刀から名簿を入手するのが二つ。そして三つ目はこの予言書が指し示す人物。李氏朝鮮を滅ぼし、鄭氏王朝を建てる男。その男を探しだすのが真の目的だ。正体を知っているのは、犬斫刀しかいないのだから」
ジンギ「ならば、その鄭氏なる男が王になるんですか?」

#さっきからジンギさん、何でいちいちカメラ目線でキメてくるのか…。

インジャ「実のところ私はこの書籍を信じてはいない」
ジンギ「それならなぜ…?」
インジャ「結局、玉座につくのは私でも鄭氏でもない… ペク・テギル、あやつになろう」

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自分を襲った刺客の一人に刀を突きつけ、テギルはその男の後をついて歩いた。
道行く人々が驚いて道を空け、犬斫刀の賭場の前まで来ると、用心棒たちが慌てて駆けてくる。

そこへ、上衣を頭から被った婦女が一人。
テギルの姿を確かめると、そっと背を向けた。
…タムソだ。

テギルは案内させた男を後ろからひょいと蹴り飛ばし、(←膝カックンした?)
用心棒たちを睨む。「静かに入りたいんだが」

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延礽君は当時の記録を熱心に探していた。
頁をめくっていくと、彼はある箇所で目を留める。

『鄭氏崩李氏朝鮮…』

延礽君(心の声)「李氏王朝を滅ぼし、鄭氏王朝を建てる…?」

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「延礽君様」訪ねてきた彼に、領議政キム・チャンジプは困惑を隠さなかった。「こんな時間に何事ですか」

延礽君「丁丑年3月にあった謀反を覚えておいでですか」
チャンジプ「その事件は口にしないようにと殿下が念を押された…」
延礽君「だからこうして訪ねてきたのです」

「ふむ」チャンジプは静かに考えを巡らせる。「鄭鑑録をご覧になったことは?」
「…。」延礽君はかすかに首を横に振る。

チャンジプ「”蛇に生まれたが、龍となる相。己巳年戊申月己巳日戊申刻に生まれた鄭氏がいる。明国の崇禎帝は同じ時に生まれ皇帝になったのだから、鄭氏もまた李氏朝鮮を倒し、新たな王となるであろう”」
延礽君「ならば、その鄭氏の姓をもつ者は一体誰なのですか」
チャンジプ「正体はわかりません。ただ、あの日、生き残った者が一人おります。逆賊の頭領の使用人で、名前がキム・ジョンリョルだったか…?」
延礽君「キム・ジョンリョル?」

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「早かったな」犬斫刀がゆっくりとテギルを振り返る。

犬斫刀「…。」
テギル「…。」

彼はテギルを賭場の一番奥へ案内した。
途中にある部屋から何事かと次々客が出てくる。
タムソもその一室に客として紛れ込んでいた。

テギル「盛大に歓迎されると調子を崩すものだが」

奥の自席に腰を下ろし、犬斫刀は静かに周りを見渡した。「いいじゃないか。弔問客が溢れて」

テギル「誰の弔問客なのか、そのうちわかるさ」
犬斫刀「…。」
テギル「骨蛇をなぜ殺した」

見物人の中にいたヨナが、緊張を募らせる。
「それをなぜ俺に訊く?」ヨナの存在を意識し、犬斫刀はしらばっくれた。

犬斫刀「ペク・テギル。お前が殺したと聞いたが」
テギル「ソリムはどこだ」
犬斫刀「やめろ」
テギル「!」
犬斫刀「訊かれたら全部答えてやらなきゃいけないのか?」

周囲の人々が笑い声を上げる。

テギル「…。」
犬斫刀「知りたければ、俺に勝て」

テギルをじっと見据えたまま、犬斫刀は手元の赤い闘牋札を混ぜ、ざっと卓上に広げる。

犬斫刀「十の札を掴めば、お前の勝ち。この賭場はお前の物だ」
テギル「思ったより容易そうだが」
犬斫刀「決まりを知らなきゃそうだろう」
テギル「?」
犬斫刀「決まり事はたった一つ。手段と方法を問わない」

犬斫刀の合図で、手下の一人がテギルの前に進みでる。
気合たっぷりで飛びかかってきた男を、テギルはいつも簡単に弾き返した。

「お前と…お前」犬斫刀に指され、別の手下たちが出てくる。
二人がかりで斬りかかった彼らを、テギルはまたしても即座に圧倒する。
ヨナが驚いて目を丸くした。

犬斫刀「もうちょっと楽しくやるか」

指をパチンと鳴らすと、賭場の中の灯りが一斉に隠され、辺りは真っ暗になる。
犬斫刀は手元のろうそくで自分の顔を照らした。「どうだろな。暗闇の中でも出来るかどうか」

テギル「後悔するぞ」

「やってみればわかるさ」犬斫刀はふっとろうそくを吹き消した。
と、その瞬間、方々から手下たちがテギルに襲いかかる。

刀がぶつかり合う金属音に、男たちの発する声、立ちまわる足音。
暗闇の中に響いていた音が止むと、灯りが元に戻された。

目を開けた犬斫刀が見たのは… 目の前で余裕の微笑みを浮かべるテギルの姿だ。
周囲にはあちらこちらを押さえて顔を歪めている手下たちが転がっていた。

204

犬斫刀「!」
テギル「これで俺のもんだな。この賭場」

テギルは卓上の闘牋札に視線を落とすと、迷うことなく指先で1枚を手繰り寄せた。

205

「まだだ」犬斫刀が立ち上がり、卓上に刀を振り下ろす。
テギルの選んだ札が、真っ二つにスッパリと切れた。

テギル「…。」

犬斫刀がつまみ上げたその切れ端には… 十の文字!

犬斫刀「引き分けだ」

206

#手段と方法を選ばないと言うことだったので、札ごと半分にぶった切って、十と書かれた方を犬斫刀が取れば勝負はお流れ…ということですね。

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「誰かいるか」延礽君が訪ねたのは、ある民家だ。
中には男が一人、何やら薬草を並べ、薬を煎じている。
延礽君はその男の前に腰を下ろした。

延礽君「そなたがキム・ジョンリョルか」
男「そうですが」
延礽君「逆賊の鄭氏を知っているであろう」

「用はない」男…キム・ジョンリョルはぷいと背を向ける。

延礽君「そやつを捕らえるつもりだ」

「!」ジョンリョルはもう一度延礽君に向き直った。「私の命の保証がどこにあります?」

ジョンリョル「あいつが私の首を潰したんです!」

ジョンリョルは曲がったままの不自由な首でそう叫ぶ。

延礽君「力を貸してほしい。あやつの顔を知る者はそなたしかいないのだ」
ジョンリョル「…。」

#生き残った一人って犬斫刀のことかと思ったら、もう一人新たな人物?

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「やめろよ」テギルが言う。「見世物ならこれくらいで十分だ」

犬斫刀「自信はあるのか」
テギル「自信もなしにここへ来ると思うか」

「ならば、ちゃんと勝負を」ふいに進み出たのはヨナだ。

ヨナ「男同士、自尊心を懸けて」

犬斫刀「…。」
テギル「…。」

ヨナは闘牋札を手に取り、さっと混ぜた。

ヨナ「この賭場の規則どおり、十を手にした者が勝ちということに」

彼女が一番上の札をすっと滑らせ、卓に伏せて置く。
札が立てるかすかな音に、二人は耳を澄ませた。

そしてもう1枚。
2枚の札が並んだ。

ヨナ「この中でどれが十か、お二人で判断なさってください」

そう言ってヨナは下がった。

犬斫刀(心の声)「右側が十か…?」

犬斫刀が札に視線を移した瞬間、テギルがその札をさっと押さえる。

犬斫刀「!」
テギル「こっちが十だと思うが」
犬斫刀「…。」

「どうした?」テギルがニヤリとした。「違うのか?」

犬斫刀「…。」

「ちょっと不公平じゃないか?」テギルがヨナを見る。

テギル「二人で結託したイカサマじゃないかってな」
犬斫刀「イカサマなら俺の首を斬れ」
テギル「それに、自尊心も傷つく」
犬斫刀「?」

テギルは視線で犬斫刀の不自由な左腕を指した。「片腕じゃないか」

犬斫刀「…。」

刀を置き、テギルは右腕を上げた。「縛れ」
手下が紐を持ってくると、上げていない左腕を体に縛り付ける。

テギル「片腕を相手にするのは自尊心が傷つくからな」
犬斫刀「お前、キム‥チェゴンの弟子だそうだな」
テギル「師匠を…知っているのか」
犬斫刀「…。」

そう、キム‥チェゴンこそ、彼の大事な人を一瞬にして奪った憎き仇だ。
「楽しみじゃないか。どちらが勝つのか」犬斫刀が刀を手に、中央へ進み出る。
テギルもまた刀を抜き、犬斫刀に向き合った。

テギル「ところで…なぜ刺客なんかになった?」
犬斫刀「おい、勝負中に何をそう知りたがる?勝つことだけ考えろ」

二人はいよいよ互いに刀を向けた。「!」「!」
刃先が激しくぶつかり、音を立てる。

その時!

「やめて!」駆け込んできたのはソリムだ。

#前もいいところで「やめて」って水を差したよねぇ(´ー`)

ソリム「何やってるんですか!」
ヨナ「男同士の勝負よ。父の復讐が懸かっているの」
ソリム「!」

次の瞬間、犬斫刀がテギルの刀を押し戻し、再び二人は目にも留まらぬ速さで刀を振るい合う。

「!!!」と、そこへソリムがたまらず二人の中へ分け入り、犬斫刀の前に立ちはだかった。

テギル「!!!」
犬斫刀「!!!」

勢いで犬斫刀が刀を振り下ろすのと同時に、テギルは後ろからソリムを抱きかかえ、くるりと背を向ける。
そこへ振り下ろされた刃先が、スパリと鋭い音を立てた。

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犬斫刀「!!!」

テギルは即座に向き直り、犬斫刀を睨みつけた。
幸い刃先は体にまで達していないようだ。ひとまず腕を縛り付けていた紐を刀で引きちぎる。
犬斫刀は事もなかったかのように奥の卓へ戻ると、狙っていた札を手に取った。「俺の勝ちだ」

テギル「…。」
犬斫刀「言ったろう。手段と方法を選ばぬと」
テギル「札は表に返すまでわからないだろ」
犬斫刀「諦めが悪いな」
テギル「だがその前に、ここに集まった人たちの前ではっきりさせておこう」
犬斫刀「?」
テギル「俺が勝てば、この賭場は勿論、ソリムも俺が連れて行く」
犬斫刀「お前が勝てば、そうしろ」

「お前、その女を信じてるのか?」テギルがちらりとヨナを指す。
犬斫刀の笑みが消え、彼は怖い顔でヨナを振り返った。

テギル「表に返してみろ」

札の数字を隠した親指をそっとどけてみる。
そこに現れた数字は… 『一』!!!

テギル「残りの一つが十だ。俺の勝ちだな」

犬斫刀がジロリとヨナを睨む。

ヨナ「なぜ殺したの?父を」

犬斫刀がふははと乾いた笑い声を立てる。
不気味な静寂が場を包んだ。
彼は卓へ戻ると、器に酒を注ぐ。「知っていたのか」
その瞬間、ヨナの目に涙が滲んだ。「今わかったわ!」

犬斫刀「!」

#カマかけたってことだね^^

ヨナ「犬斫刀、お前自ら白状して初めてわかったのよ!!!」
犬斫刀「!!!」

テギルがやって来て、素知らぬ顔で刀を鞘に収める。
彼はもう1枚の札を指先で押さえた。「この札、何だと思う?」

犬斫刀「?」

テギルが静かにそれを表に返す。
それは… 『一』ではないか!

#変だと思ったんだよ。ヨナが2枚選んで卓上に置いたけど、そのうちの1枚が十かどうかなんて、誰も確認してないもん。

テギル「勝負より、お前の口で白状させるのがここでの目的だ」
犬斫刀「最初から二人で結託していたということか」
テギル「…。」
犬斫刀「こんなことは想定してなかったな」

「なぜ殺したの!」ヨナの目から涙が流れ落ちる。「父をなぜ殺したのよ!!!」

犬斫刀「賭博師が死ぬのに理由なんてあるか!」
ヨナ「!」
犬斫刀「それにこの状況で重要なのは理由じゃない。まだ勝負が終わったわけでもなし」
テギル「ならば男らしく、本気で勝負するか」

「テギル!」ソリムが進み出る。「もうやめて」

テギル「心配するな」

犬斫刀は左腕を固定していた帯を解き、腕をゆっくりと回した。

犬斫刀「ここからは真剣勝負だ」
テギル「わからせてやろう。俺とお前の距離」

二人は刀を片手に再びぶつかり合った。

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ここで区切ります。

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