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テバク15話あらすじ&日本語訳vol.1

   

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」15話です。

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延礽君は呆然と歩いた。
テギルが去り際に残した言葉が… 頭の中を渦巻いている。

延礽君(心の声)「母上はご存知だったということか…?」

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延礽君が訪ねると、淑嬪は床に臥せっていた。
息子が来たのを見て、淑嬪は布団の上に起き上がる。

延礽君「大丈夫ですか」
淑嬪「もう1ヶ月、胸が苦しくて… 息切れがするわ」
延礽君「…。」
淑嬪「どうしたのです?」

#あれ?でもついさっき淑嬪さん、王様に謁見してたよね。
こんなにしんどいのに気力で頑張ってたのか…?

気になっていることを切り出せず、延礽君は母を見つめた。「…。」

淑嬪「…。」

淑嬪は汗を拭いてくれていたファジンの手を止めさせ、彼女を下がらせる。

淑嬪「お話しなさい」
延礽君「母上、私が生まれる前に死んだという兄上のことですが…」

「!」淑嬪は一瞬ハッと息を呑んだ。

淑嬪「その子が…何です?」
延礽君「もしかして… 兄上は生きているのですか」

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「なぜそう思うのです?」引きつった顔で淑嬪は問い返した。

延礽君「ペク・テギルですか」
淑嬪「…。」
延礽君「母上。死んだという兄上はペク・テギルなのかとお訊きしているのです」

淑嬪の表情がじわじわと悲しみに歪んでいく。「…。」

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「主君から預かった」ファングを訪ねたムミョンが丸めた書状を差し出した。
広げてみたファングの目つきが一瞬にして変わった。「!」

それはインジャの描いた絵だ。
池の中に2匹の魚がいる。

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ファング「この絵の意味がお分かりですか」
ムミョン「この高麗桂魚は王を意味するが、一つの池に2匹…。謀反を指している」
ファング「この絵は私が師匠にお届けしましょう」

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インジャは大切にしまってあった一冊の書を出した。
「鄭鑑録?」そばでファン・ジンギが覗きこむ。

ジンギ「どういう本です?」
インジャ「我が国朝鮮の未来を予測した予言書だ。発見されれば直ちに焼かれる禁書中の禁書だ」
ジンギ「はっ!どんなすごいことが書いてあるんだか」
インジャ「大したことではない。李氏が高麗を滅ぼし、朝鮮の国を建てる。さらに鄭氏が李氏朝鮮を滅ぼし、鄭氏王朝を建てる。」
ジンギ「鄭氏が李氏王朝を滅ぼすか…。その鄭氏って誰です?」
インジャ「顔は知らぬが、只者でないのは明白だ。これまでに200の寺と100の郡衙の首長が、そやつのたった一言で謀反に賛同し、都入りした」

~~~~

謀反に同調した者たちが、ある民家の庭に集まっていた。
彼らの前で話すのはイ・ヨンチャンなる男だ。

イ・ヨンチャン「刀の先がどこへ向かうべきか、皆さん方もよくご存知だと信じます」

そこへどこからか戻ってきたのは、仲間のチャン・ギルサンだ。「咸鏡道の都堂からもじき到着すると知らせがありました」

イ・ヨンチャン「それはよかった」

順調に事が運んでいる感触に、彼らの雰囲気は良かった。
その中に、黙々と刃物を研いでいる若い男がいる。
「それくらいにしなよ」彼より少し年下だろうか…女が近づいてきて、彼の隣に腰を下ろした。「斫刀の刃が無くなっちゃいそう」

その男… 犬斫刀は刃の研ぎ具合を熱心に確かめる。「王の首を取るんなら、これくらいしないとな」
「何言ってんの」女は自分の刀を抜く。「王の首は私のものよ」

女「邪魔しないでよね」
犬斫刀「…スニム」

犬斫刀は彼女… スニムの名を呼ぶと、おでこをピンと指で弾いた。

スニム「もう!」
犬斫刀「ほどほどにな」
スニム「何がほどほどよ!」

と、そこへ…
突然数人の武官が姿を現した。「ここか」

犬斫刀「!!!」

彼らは実は、志を同じくした仲間だった。
イ・ヨンチャンが民家の扉を少し開き、外の声を中へ通す。

武官「守御廳と御營廳からも大業に参加するとの意思を伝えて来ました。あなたの方で先に王を討ってさえくれるなら、後のことは我々が片付けましょう」

武官の視線の向こうで、背を向けている人影が無言で頷いた。

武官「今夜、子の刻。我々内禁衛が祟政門と隆福殿を開けておきますから。どうかお忘れなく。機会はたったの一度だけです」

~~~~

インジャ「守御廳や御營廳は勿論、王直属の内禁衛まで抱き込み謀反を起こしたのだから、その不法性は言うまでもなかろう。だが、それよりも重要な事は、民が彼をこの鄭鑑録の主人公、李氏を滅ぼし鄭氏朝鮮を興す人物だと信じているということだ。それゆえ、権力を握る王にとって、千の逆賊より恐ろしいもの、それがまさにこの予言書なのだ」

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「教えてください、母上」延礽君は母に食い下がった。

淑嬪「その通りです」
延礽君「…。」
淑嬪「母が入宮し、たった6ヶ月で産んだ子。この世の光を目にした途端、母のもとを去った子」

「ペク・テギル…」その名を口にした瞬間、淑嬪の目から涙が流れ落ちた。

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淑嬪「あの不憫な子は… あなたの兄上です」
延礽君「なぜ… なぜ今まで隠していらしたのですか」
淑嬪「他にどんな方法があると言うの?!誰も彼もあの子の死を望んだわ。中殿張氏は勿論、朝廷の大臣たち、殿下までも…」

雑仕女から側室となったばかりの彼女を、さらに窮地に立たせることとなった早すぎる出産。
でも、だからこそどうしても守りたかったのが、その子だったのだ。

#ここで出た昔の回想見てビックリしたんだけど、粛宗はどこがどう変わったと言うわけじゃないのに、すごく若くない?

淑嬪「あの子が宮廷に残っていたなら、生きていたなら、私は勿論、延礽君あなたも今この場にはいなかったはず」
延礽君「…。」
淑嬪「不憫な子よ。生まれるなり母を失い、父を失い…」

淑嬪は怒りと悲しみに身を震わせる「…イ・インジャの企みで投獄されているなんて!この世にこれほど可哀想な子はいないわ…」
ボロボロと涙を流す母を、延礽君は静かに見つめた。「ペク・テギルは今、牢獄にはおりません」

淑嬪「…? 牢獄にいないとは?釈放されたということ?」
延礽君「…。」

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時間はない。
テギルは人影のない夜道を駆け抜けた。

# テッテッテッテッ という足音は残しつつ^^

ふと立ち止まり、じっと耳を澄ませると、刀を抜く。
十歩前に剣使いが二人、背後に二人、弓手が二人…。

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指先に持った葉銭を、左で弓を構える男に投げる。

#おっ!懐かしの銭形平次?!

弓手が転がり落ちた瞬間、反対側の弓手が放った矢を指で挟み取り、そのまま投げ返す。
一瞬にして弓手二人が消えた。

前後から剣を構えた男が二人ずつ走り出て、彼は四方を囲まれる。
鮮やかな身のこなしであっという間に彼らを倒すと、そのうちの一人に剣を向けた。「案内してくれないか。犬斫刀のところに」

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「殿下があの子に機会を?」淑嬪が不安げに言う。「犬斫刀なる者を捕まえて来るよう命じられたと?」

延礽君「はい」

「そんなはずが」淑嬪はかすかな声でそう呟いた。

延礽君「?」
淑嬪「わからない?殿下は決して理由もなく恩恵を施す御方ではないわ」
延礽君「…。」
淑嬪「理由はわからないけれど、あの子を死地に追いやり、何かを得ようとしているのよ」

「駄目だわ、今すぐ!今すぐ殿下にお会いして」立ち上がろうとして、淑嬪は延礽君の懐へふらりと倒れこむ。

延礽君「母上!」
淑嬪「…。」
延礽君「私が調べます。ですから、母上は心配なさらないでください」

淑嬪は黙って頷いた。

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「理由?」粛宗が訊き返した。

延礽君「はい。一つを得るために一つを差し出すのが政治なら、父上にも当てはまることでございましょう」
粛宗「…。」
延礽君「ですが、ペク・テギルを釈放し、賭博師犬斫刀を捕らえたところで、父上が得るものは何一つありません」

粛宗が頬をピクリと震わせる。「それで…」

粛宗「お前の知りたいのは何だ?」
延礽君「…。」
粛宗「余が何を掴もうとしているのかが知りたいのか、それとも、ペク・テギルを釈放した理由が知りたいのか」
延礽君「私が知りたいのは… 全てです」
粛宗「余の心中が知りたいと言うなら、お前が先に心を開かぬか」
延礽君「!」
粛宗「お前、何をどこまで知っておる?ペク・テギル、あやつについて」
延礽君「ペク・テギルは賭博師ペク・マングムの息子であり、朝鮮一の剣豪キム・チェゴンの弟子、また、私の友であり、私の… 」

言葉が続かず、延礽君は目を伏せてぎゅっと口をつぐんだ。

粛宗「それは違う」
延礽君「?」
粛宗「あやつはお前の友ではなく、猟犬。ただ首を食いちぎってくれる猟犬だ」
延礽君「…。」
粛宗「兔死狗烹。猟に必要なら使い、必要がなくなれば取って食らうのみ」

「猟犬が…」粛宗はゆっくりと身を乗り出した。「友になるわけがなかろう」

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延礽君「…。」
粛宗「よかろう。お前が余の心中を知りたいと言うなら」

粛宗が手招きをすると、内官が木箱を抱えてきた。

#もはやサウンかサモかもわからん

そこに入っていたのは、一冊の書籍だ。

粛宗「この書籍は余が禁書に指定した鄭鑑録の原本だ」
延礽君「?」
粛宗「李氏が高麗を滅ぼし朝鮮を建立、鄭氏がその朝鮮を滅ぼし新しい王朝を建立すると」
延礽君「!」
粛宗「この酷い予言書によって、王が変わるたびに謀反が起こり、それにより数百数千が犠牲になった。余もまた同じだ。お前の幼い頃、余を引きずり下ろし鄭氏を王位につけようとする謀反が起きたのだ!」
延礽君「謀反と!全くの初耳です」
粛宗「その日、朝鮮全土から集まった1千の兵が宮廷の塀を越えやって来た。余ははっきりと覚えている。そやつの顔を。その夜、余の顎下に刀を突きつけた、そやつらの顔を!!!」

~~~~

その夜のこと。

内禁衛が密かに開けた門から、逆賊たちが宮中に侵入した。

ある建物に押し入った犬斫刀とスニムは、奥で幼子を抱えている女性を目にした。

その母子こそ淑嬪と延礽君だ。

淑嬪「…。」

犬斫刀は二人に手を出さず、黙って背を向けた。

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王も自ら刀を手に、逆賊を次々に斬り捨てた。
そばで共に戦っているのは、軍校キム・チェゴンだ。

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廊下を曲がってきた犬斫刀は、その先に立っている男と目が合った。「!」
何人もの同志の遺体がその間に転がっている。
その男… キム・チェゴンの足元に倒れている仲間…イ・ヨンチャンがかすかに視線を上げた。

犬斫刀「…父さん!」

雄叫びを上げて斬りかかった犬斫刀は、するりと交わされて床に転がった。
チェゴンが刀を振り下ろそうとしたその瞬間、誰かがそこへ立ちはだかる。「あっ!」
犬斫刀の目の前で、斬られたスニムがバタリと倒れた。

犬斫刀「スニム!」

スニムは懸命にチェゴンの足にしがみつき、後ろを振り返った。「あなたは生きなきゃ!」

スニム「行って… 何してるの、早く行って!」

犬斫刀が駈け出した途端、スニムはガクリとそこに力尽きた。

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血まみれになって廊下へ出て来た粛宗は、廊下に倒れかかっていたイ・ヨンチャンに渾身の一刺しを浴びせる。

イ・ヨンチャン「王よ!勝ったと思いなさるな!李氏王朝は滅び、鄭氏が新たな王朝を…!!!」

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~~~~

「あの日…」粛宗は淡々と延礽君に話した。「キム・チェゴンがいなければこの父は死に、この座にはいなかった」

延礽君「ですが父上、その謀反と賭博師犬斫刀に何の関係が…?」

粛宗は息子を静かに見下ろし、呆れたと言わんばかりに舌を鳴らす。「そんな了見の狭さでどうやってイ・インジャを捕らえる?」

粛宗「ん?」
延礽君「…。」
粛宗「あの鼠はお前の目にそうも容易く見えるか?イ・インジャの背後に誰がいるのか知ったうえでのことか」

手に持った鄭鑑録を、粛宗が投げて寄越した。

粛宗「この書は犬斫刀の賭場に出回っているはず。犬斫刀、あやつこそあの日生き残った逆賊の一人だ!」
延礽君「賭博師犬斫刀が…逆賊だというのですか!」

「余の本音が知りたいと言ったな」粛宗は再び身を乗り出し、延礽君をまっすぐに見据える。

延礽君「…。」
粛宗「長い月日を耐え忍び、待ちに待ってついに探しだしたのだ!イ・インジャと犬斫刀らの後ろに隠れている逆賊の根を!まさにその根を引き抜くのが余の目的だ」

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ここで区切ります。

犬斫刀がソリムにこだわる理由がわかりましたね。
自分を庇って死んだスニムと年頃も同じ、方言も同じ釜山方面のものです。
彼女をスニムに重ねあわせていたんですね。

スニムは犬斫刀の妹かもしれませんが、今の時点ではわかりません。
どうなんでしょ^^

そして… 若かりし犬斫刀が、間違いなく同じ人なのにホントに若くて素晴らしいです♪

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