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Oh my Venusオーマイビーナス3話あらすじ&日本語訳vol.1

   

ソ・ジソブ、シン・ミナ主演のKBSドラマ「Oh my Venus(オーマイヴィーナス)」3話、ちょっとした情景や表情も交えながら、なるべく丁寧に台詞を拾って訳していきますね。

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「その友だちが言ってくれたんですけど、あんたは寂しいか辛いか、もしかしたらその両方だって」
夢中でジョン・キムに会いに来て、ホテルのエントランスを入ると、ジュウンは昨日そこでばったり出くわしたウシクとスジンを思い出した。

ジュウン「…。」

もうあんな悲劇とはおさらばだ。

#この入ってきたジュウンのおばさん体型、あまりに完璧すぎて愕然とした…。

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「本当のことしか言わないって約束してください」ホテルの部屋から出て来たジウンに、ジュウンは言った。

ジュウン「私にとって二度とないチャンスなの」
ジウン「え?」
ジュウン「ジョン・キムさんでしょ?」
ジウン「何だって?」

後ろにいたジュンソンが慌てて出てくる。
ジュウンはジョン・キムのIDカードを差し出した。

ジュウン「ジョン・キムさんなんでしょ?!」

「そうですよ」もう一人、後ろから出て来たのは… ヨンホだ。

ヨンホ「ジョン・キム」
ジュウン「はっ!(驚き)やった!!!」

「ホントにジョン・キムさ」言いかけた彼女の口を、咄嗟にヨンホが手のひらで押さえた。
彼の合図で弟分はさっと奥へ引っ込む。

ヨンホ「ここで騒いじゃダメだ。とりあえず中へ」

彼はクルリと身を翻すと、彼女を部屋へ押し込んだ。

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部屋の真ん中まで来て手を離すと、彼は手のひらを見つめた。「僕の手のひら舐めたんですか?」

ジュウン「だって!人が喋ってるのに口をガバって…」
ヨンホ「ジョン・キムがなぜシークレットトレーナーだと?騒いだらここに来た理由が水の泡になると思いますが」
ジュウン「何で来たんだと思います?」
ヨンホ「(彼女の体を指し)あえて僕の口からお聞きになりたいなら…」
ジュウン「(話を制し)聞いたことにするわ。とにかく、決定的証言、感謝します」
ヨンホ「?」

「ジョン・キムさん!ジョン・キムさん!」彼女はキョロキョロと辺りを見回し、ジウンを探した。

ヨンホ「…。」

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ジュウンの向かいには、ヨンホ、ジュンソン、そしてジウン、3人が並んで取り調べを受けていた。

ジュウン「自白がない場合、司法では普通、情況証拠で犯人を推測します。例えば、”有ろうことか”、ステラショーを放送しているABC局の通行証!”有ろうことか”、ジョン・キムと同じ職業であるトレーナー!”有ろうことか”、ジョン・キムの名前に合うイントネーションと話し方!さらに、東洋系だという関係者の証言まで!”有ろうことか”が3つだけでも情況証拠には十分なのに、4つもあるわ」
3人「(絶句)」
ジュウン「3人の表情を見てると、心証もさらに固まったけど♪」

ジュウンは嬉しそうに3人の顔を順に見た。「あ、そうだ!」

ジュウン「親友の別れた旦那は超有名な芸能番組のPDだから、それもお忘れなく♪」

「有ろうことか」ヨンホがポツリと言う。「弁護士が僕たちを脅迫なさるんですか?」

ジュウン「脅迫というより、遠回しなお願いなんだけど。あ、脅しが通じるなら、それでもOK」

「OK」ジウンが口を開いた。「Ma’am, Look! I’m not John Kim!

ジュウン「(ジロリ)」
ジウン「絶対!No! Never!」

ジュンソンがジウンの口を塞ぎ、その場を連れ去った。

ジュウン「あっ!ジョン・キムさん!」

引きとめようとしたジュウンの腕を、ヨンホがつかむ。

ヨンホ「僕たちだけで相談します」
ジュウン「まだお伝えしてないことが」
ヨンホ「第2のジェニファー・アンダーソンになりたいのはご存知のはずです。”ジョン・キムさん”もね」
ジュウン「…。」

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3人組が相談のために籠もったのは、バスルームだ。
「手」ジュンソンの言葉に、正座していたジウンが両手を上げる。
ミスをした罰だ。

ジュンソン「(ヨンホに)韓国での僕の代理人もカン・ジュウンさんだそうです」
ヨンホ「…。」
ジュンソン「キム・ジウン、お前ってヤツは…」
ジウン「すみません。(英語)だけど… 誰が飛行機であんなことが起きると思う?信じられないよ!それに、僕のジャンパーをma’amが持ってるなんて知らなかったんだ!」
ジュンソン「放送局の通行証なんてお前が何で持ってるんだよ」
ジウン「き、記念に」

「足が痛…」立ち上がろうとしたジウンをジュンソンが押し戻す。「あっ!」

ヨンホ「もう水は溢れたんだ。今さら元には戻せないさ」
ジュンソン「どうします?兄貴」

ヨンホは「シッ」と人差し指を口に当てると、考えこんだ。「はぁ」

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「やったわ!ワオッ」男たちの苦渋をよそに、ジュウンは大喜びだ。

ジュウン「心を尽くせば天だって動かせるのよ!こんなチャンスが来るなんて!」

そこへ彼女の電話が鳴った。「お母さん♪私、チャンピオン食べたわ(※手に入れた)」

母(電話)「何よあんた?何食べたって?」

ジュウンの頭の中ではすでにバラ色の光景が広がっていた。
ステラショーの次のヒロインは… 彼女だ。「カン・ジュウン!!!!!」

0023

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「逃げ道はありませんね」ジュンソンが言う。

ヨンホ「一度掴んだチャンスを手放すような人じゃない」

「ジウン」不意に呼ばれ、ジウンはハッと顔を上げた。「え?」

ヨンホ「お前、誰だ?」
ジウン「(ニッコリ)I’m John Kim!」

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バスルームから出て来た3人組は、ジュウンの前に再び並び、揃って威勢を張った。

ヨンホ「どれだけ痩せたいんです?」
ジュウン「(ジロジロ)」
ヨンホ「目標があるでしょう?」
ジュウン「えっとそれは、(ジウンを指し)ジョン・キムさんにお話ししますから」
ヨンホ「(ジウンを指し)”そちらのジョン・キムさん”は韓国語が不自由なんです。だから僕が」
ジウン「(ヨンホに)チームドクター!」
ヨンホ&ジュンソン「(ジロリ)」
ジウン「…。」
ヨンホ「ご挨拶が遅れました。通訳および医療を担当しているキム・ヨンホです」
ジュウン「あぁ、ええ、キム・ヨンホさん。けど(ジウンを指差し)韓国語すごくお上手ですけど?ジョン・キムさん、あのとき…」

ジュンソンがこっそりジウンの足を踏んづけた。

ジウン「(英語)いや、えっと、ときどきすごくナーバスになって…韓国語は僕ホント全然わからないんだ!」
ジュンソン「緊張するとこんなふうに」
ジュウン「あぁ…えぇ」

ジュウンの視線がジュンソンに移る。

ジュウン「ジョン・キムさんに聞いて、ネットで調べてみたんですけど、UFCのチャンピオンなんですね」
ジュンソン「えぇ、まぁ…」
ジュウン「凄いわ。ということは、お二人も揃ってチャン・ジュンソン選手のチームなんですね」

顔を見合わせると、ヨンホは弟分二人の肩を抱き、ニッコリ微笑んだ。「これからは僕たち3人、カン・ジュウンさんのチームってことになりますね♪」
「まぁ!」感激のあまり、ジュウンは目を丸く見開いた。「ホントですか?!」

0024

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夢心地で家に帰ると、ジュウンはテーブル一杯に残っていた出前の山に目を留めた。

ジュウン「最後の晩餐だから、一口だけね」

一口放り込んだところへ、電話が鳴った。「(もぐもぐ)ヒョヌ?」

「やれやれ」ヒョヌは帰宅したところだ。「音を聞いただけでもわかるわ。スンデね」

ジュウン(電話)「ブブー。スンデとトッポッキ。最後の晩餐だから手短にしてよ」
ヒョヌ(電話)「ひゃはは!”最後”のバージョン多すぎるわよ」

「それはそうと」ヒョヌの表情が変わる。「さっき言ってた”人生最大のチャンス”って?」

ジュウン「(モグモグ)あぁ~、知ったら痛い目に遭うわ。そのうちあんたの目で確かめて」
ヒョヌ「痛い目に遭う?一人で子ども育ててるバツイチ女が?これ以上どんな痛い目に遭うって言うのよ?早く言いなさいよ、イライラするわ」

ヒョヌの話を聞きながら、ジュウンは何気なくベランダに目をやった。
植木の花がイキイキと咲いているのが見える。「生き返ってる?!」

ジュウン(電話)「ねぇ、あんたうちに来てた?」
ヒョヌ「子どもの幼稚園に行く暇もないのに」
ジュウン「とにかくヒョヌ、ミンジュンママ、人生ってのはさぁ、どんなことがあっても生きてみろって、チャンスをくれるんだと思うの♪」
ヒョヌ「(心配)ジュウン…?あんた、ひょっとしてベランダにいる?飛び降りたい…そんな気分なんでしょ。今から行こうか?」

「ぷぷっ」ジュウンが吹き出す。「ただね、素晴らしい夜だなぁってさ」
「ビックリさせないでよ!」ヒョヌは呆れて電話を切った。

ジュウンはイキイキと咲いたベランダのポインセチアとひょいと摘み、”握手”をした。「頑張ろうね!ファイト!」

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ジュンソンとのスパーリングで、ヨンホはいつになく激しかった。
「ごめんよ、兄貴!僕が悪かったんだ!僕が」リングの外でジウンが賢明に叫ぶ。

リングを降りてきた二人にジウンはつとめて明るく声を掛ける。「兄貴達!」

ジウン「(シェークを振り)見て~!100回振ったんだ。shake it♪shake it to you♪」
ジュンソン「お前のお陰で死ぬところだった」

ヨンホの携帯が鳴る。「えぇ、ミン室長」

ミン室長「論峴洞にいます。午後までに整理を終えますので。体一つでお越しください」

ヨンホはハァッと息を吐き出し、シェークを口に流し込んだ。「甘いな」

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「いつでもご連絡ください」ジュウンは訪ねてきた依頼者との面談を終え、執務室の外へ出て来た。

依頼者「お願いしますね、先生」

依頼者が帰ると、ジュウンは秘書に声をかける。「ヒョンジョンさん、コーヒーお願い」

秘書「はい」
ジュウン「砂糖はね、うーん、1つだけ」
秘書「え?」

澄ました顔で部屋に戻るジュウンに、秘書は唖然とした。

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秘書は心配そうな顔でコーヒーカップを差し出した。「先生、どこか具合でもお悪いんですか?」

秘書「砂糖1つだなんて」
ジュウン「ヒョンジョンさん、”食べなくてもお腹いっぱい”そんな感覚、わかる?」
秘書「(笑)あり得ない!先生、またダイエットですか?」

「うふふ」ジュウンは意味深な笑みを浮かべてみせた。「ひょっとして、ジョン・キムって知ってる?」

秘書「先生もファンなんですか?(私も…と言おうして)…顔もわからないし、ファンも何もないわね」
ジュウン「(ニヤリとうなずき)顔もわからないのに?誰一人知らないのに?」

嬉しそうなジュウンを、秘書は怪訝そうに見た。

秘書「あ、先生。オ・スジン副代表のことですけど」
ジュウン「(顔が厳しくなる)何?」
秘書「あいつのオーガニックのせいで大変なんですよ!!!」

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そのスジンは優雅にエステだ。
「肌がとてもお綺麗ですね」背中にオイルを塗りながらエステティシャンが言う。

エステティシャン「いくらケアしても、生まれ持った美しさには叶いません」
スジン「そうですか?」
エステティシャン「私たちは専門家ですから。生まれつきのものは分かるんです」

スジンがふと目を開け、ポツリと言った。「違うけど」

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スジンが出てくると、そこで待っているウシクに気づいた。
ここはウシクの統括するメディカルフィットネスセンターだ。
二人はお互い嬉しそうに顔を見合わせた。

スジン「センター長さんはお暇なんですね」
ウシク「仕事中だよ。(彼女を見て)VIPの接待もセンター長の仕事なんでね」

スジンの顔に嬉しさが滲む。「これほどとは思わなかった」

スジン「会うたびに欲が出ちゃうわ。過去まで嫉妬するほどね」

「またそれか」ウシクは頭をコツンと彼女の頭にぶつける。

スジン「(笑)」
ウシク「車の前までお見送りしますよ」

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スジンを見送ると、ウシクは一人エレベーターへ戻ってきた。
センター長室のある11階のボタンを押す。

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パーカーのフードを深く被ったヨンホがエレベーターに乗り込む。
彼は理事長室のある12階のボタンを押した。

ヨンホ「…。」

~~~~

子どもの頃の出来事だ。

「申し訳ございません。理事」ミン室長が若きヨンホの父の前で跪いていた。

ヨンホ父「!!!」
ミン室長「雨に濡れた道で…。急いで病院にお連れしましたが、理事長もチェ運転手も…」

「どうしてそんなことに」ヨンホの父の目に涙がにじむ。

ミン室長「私が付いているべきでした。申し訳ございません」
ヨンホ父「会長には私が報告するから、君は葬儀の準備を進めなさい」
ミン室長「はい、理事。喪主はご子息のヨンホ坊っちゃんに」
ヨンホ父「いや、まだ外にだす時じゃない」
ミン室長「?」
ヨンホ父「母親の遺影の前で礼ができるようになるまではな」
ミン室長「申し訳ございません」

「…。」暗がりから聴こえてきた大人たちの会話は、幼いヨンホ少年の胸に突き刺さった。「お母さん…」

~~~~

「ミン室長を通せば良かったのに」デスクで書類を見ながら、父… キム理事長が言った。
「そうですね」ソファでヨンホがコーヒーに手を伸ばす。

キム理事長「わざわざここまで何の用だ?」
ヨンホ「アメリカ支社の辞表受理、取り消してください」
キム理事長「(顔を上げ)会長のご意志だ」
ヨンホ「人事の責任者は理事長です。辞令をお願いします」

「理事長もそのほうがいいのでは?」ヨンホの視線が父へ向かう。

キム理事長「避けることも楽しむことも出来ないなら、受け入れるのが人生だ。ガフンの一族として生まれた以上はな」
ヨンホ「…。」
キム理事長「人生はそう甘くはいかん。それは知っておくべきだ」

「…。」ヨンホの顔に苦しみがにじむ。「ご存知のとおり、これまで甘いだけの人生じゃなかったので」

キム理事長「…。」

「ではこれで」ヨンホは立ち上がった。「もしまた来ることがあったら、予約してからにします」

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ガフン財団前に停めた車へ戻ったところへ、ミン室長一団がやって来た。

ミン室長「どうなさったのです?」
ヨンホ「(苛立つ)来ちゃいけないんですか?」
ミン室長「支社長」
ヨンホ「アメリカ支社の辞表は最終処理されたそうですよ。ご存知のとおりアメリカも騒がしいしね」
ミン室長「会長には何とお伝えすればよろしいでしょうか」
ヨンホ「クビになって行くところもないから、ミン室長にどうにかしてくれとね」

ミン室長がわずかに顔を綻ばせる。

ヨンホ「ヘソを曲げるのはやめて、電話に出てくれと。…会いたいと」
ミン室長「…。」
ヨンホ「OK?」

ミン室長が車から手を離すと、ヨンホはエンジンを掛けた。

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「私におっしゃってくださらないと」台所で、上品な婦人が召使に言う。

女性「お義母様は一口召し上がっただけでお分かりになるでしょう?」
召使「奥様は昨日の祭祀でお疲れのご様子でしたので」

その女性… キム理事長の後妻ヘランは鍋でぐつぐつ煮えている粥を器によそった。

召使「どうしてこんなに毎回…」
ヘラン「薬食同源というのに、おろそかにしてはいけないわ」

彼女は仕上げた粥を、会長であるヨンホの祖母の部屋へ自ら運んだ。

ヘラン「白蛤粥です。…申し訳ありません、お義母様」
会長「いいの。あんたが寝坊をするとは、私も老いたもんだ。もう行きなさい」
ヘラン「はい」

ヘランが立ち上がったところへ、会長の手元の電話が鳴る。「ヨンホが理事長室に?」

ヘラン「…。」

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ヨンホの電話が鳴る。「兄貴」
ジュンソンだ。

ジュンソン(電話)「今週は夜トレーニングがないらしくて」
ヨンホ(電話)「そうか?… あぁ、それならそこがいい。家はどうだ?」
ジョンソン「最高ですよ、兄貴。ありがたく使わせていただきます」

「兄貴、アイラブユ~♥」横からジウンが口を出す。

ヨンホ「なんとかなるさ。とにかくやってみよう」
ジュンソン「えぇ、また」

ジュンソンは新居を見渡した。
トレーニングのための設備が完璧に整えられている。「ジムに行く必要もなさそうだ」

「兄貴、見て!」ジウンが自分のTシャツを見せる。胸元にJKと書かれていた。

ジュンソン「?キム・ジウン」
ジウン「違うよ。JにK。ジョン・キムだ!Oh」

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仕事を終え、駐車場へ向かったジュウンは、自分の車の前を完全に塞いでいる真っ赤な車にムッとして電話を取った。
車の持ち主に電話を掛けてみると、すぐ近くを歩いてきたスジンの電話が鳴る。「あんたなの?」

スジン「私の番号、登録してないの?」
ジュウン「名刺貰ったことないでしょ」
スジン「上司の番号も知らない職員がどこにいるのよ?」
ジュウン「!」
スジン「登録しなさい。その間に車出してあげるわ」

と、カッコよく車に乗り込んだまでは良かったが、キチキチに停めた車を出すのにスジンは必死の形相だ。
前の車にぶつかりそうになったところを、思わずジュウンは止めた。「降りて!」

代わりに運転席に乗り込んだジュウンはハンドルを鮮やかに切り返し、あっという間に車を脱出させる。

ジュウン「車庫出しもロクにできないのに、いい車乗ってどーすんのよ」
スジン「車庫出しだけできてどーすんのよ。あんたの車じゃないのに」
ジュウン「ちょっと!!!」

+-+-+-+

「チーム カン・ジュウン」の3人組は広いトレーニングジムで待ち構えていた。

ジュンソン「弁護士なら学のある方なんだから、秘密は守ってくださるでしょう」
ヨンホ「そう願いたいが、信用できないな」

「失礼しますぅ」そこへ柱からひょいと顔を覗かせたのは、噂の張本人、ジュウンだ。
「Ma’am!」ジョン・キム、いや、ジウンがいつものように彼女を歓迎した。

ヨンホ「(ジュンソンに)ほらな、声がはしゃぎすぎだ」

「どこで着替えればいいですか?」ジュウンはワクワクしてジウンに言う。
ジウンに手を引かれ、彼女はトコトコと奥へ走った。

+-+-+-+

「キム・ジウン、気弱になるなよ。お前が厳しくすれば、あの人だって早く諦める」ジュウンが着替えるのを待つ間、ジュンソンはジウンに言い聞かせた。

「ジョン・キムさぁん♪」ジュウンが勿体ぶって更衣室から顔だけ出す。

ヨンホ「気にならないから、さっさと出て来てください」
ジュウン「ジョン・キムさんだけいてくれればいいのに。どうして全員集まってるの?」
ジュンソン「僕たちチームだし、(ジウンの肩に手を)ジョン・キムさんは韓国語がちょっと…」
ジュウン「(ジーッ)」
ヨンホ「…。」
ジウン「あぁ、(英語っぽいイントネーションで)ホントに韓国語が…えっと(手招き)カモンベイビー」

覚悟を決めて出て来たジュウンの”胴回り”の迫力に、3人組は絶句した。「!」

ジュウン「まぁ、すぐ痩せるんだし」
ヨンホ「なるべく早く始めてくださいよ、ジョン・キムさん」

ジュウンはニコニコと3人に近づくと、名刺を差し出した。「自己紹介代わりに♪」

ジュウン「それじゃ、何からやります?ジョン・キムさん♥」

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「これからジョン・キムのトレーニングを始めますよ!」ジウンが宣言する。「ついて来てください」
ジウンが次々にポーズを取るのを、ジュウンが真似る。

黙って見ていたヨンホが声を上げた。「ジュンソン」
それを合図に、ジュンソンが黙ってサーキットトレーニングを始める。

ジュウン「(ジウンに)何してるんですか?!」
ジウン「Sorry、今までのはストレッチ」
ジュンソン「はじめてください」
ジュウン「あぁ、一周まわってくればいいんですか?」
ヨンホ「その1周をまわり続けるんです」
ジュウン「?」
ヨンホ「(指をクルクル)ず~っとね」

「Go!」サーキットへの挑戦が始まった…。

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しばらくして…

ジュウンはジムの真ん中で完全にノビていた。
「シャワーしようがそのまま帰ろうがご自由に。ドアは自動で鍵が掛かりますので」ヨンホの冷たい声が降ってくる。

0025

ヨンホ「それでは、”明日の朝会おう、ma’am!”とジョン・キムさんがおっしゃってます」

【時間を巻き戻したいと、こんな切実に思うなんて。私、ホントにタイムマシンに乗りたいのかな。現実じゃ叶わないからって…。だけど、私はカン・ジュウンだ。その気にさえなれば何だって出来るんだから。スタートさえすれば半分は叶ったようなもの… そうだよね?】

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ひとしきり泳いだウシクは、向こうからやって来た人影に笑顔を浮かべた。
水着姿で照れくさそうに歩いてきたのはスジンだ。

ウシク「寒くない?」
スジン「このために呼んだんじゃないの?」

彼は笑って水から上がり、タオルを差し出す。「存分に見たからもう着ろよ。スタッフが帰ったから暖房効いてないんだ。寒いだろ」

スジン「(押し戻し)ちっとも寒くないわ」

「私、全然泳げないの」スジンはチラリと水面に目をやった。

スジン「前は泳ぐこともなかったから…」
ウシク「引退しても一応は国家代表選手だったんだ。それなのに、彼女がカナヅチだなんてアリか?」
スジン「(ニッコリ)」

「ジュウンだって俺が教え…」そう言いかけて、彼は気まずそうに口をつぐむ。「あっ」

スジン「ジュウンの話をするたび、そんな顔するの?」
ウシク「…。」
スジン「ちっとも良くないわ、この表情」

ウシクが力なく笑う。

スジン「無理して避けるのはよしましょ。過去の精算は、まず認めることからよ」

嬉しそうに彼女の頬に手を伸ばしたウシクを、スジンがいきなり水に突き落とした。「あっ!」

スジン「(笑って)でも、憎らしいのは確かね」

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

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