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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

ホテル・デルーナ11話あらすじ&日本語訳~後編

      2020/07/13

IU(イ・ジウン)、ヨ・ジング主演のtvNドラマ『ホテル・デルーナ(호텔 델루나 )』11話、後半のあらすじを、セリフの日本語訳もまじえて紹介していきます。

サンチェスの計画

サンチェス最愛の恋人、ベロニカが韓国にやって来る。
彼はこの機会にプロポーズしようと計画していた。

「お前のホテルでプロポーズしたいんだ」サンチェスに言われ、チャンソンは思わず狼狽える。

サンチェス「ベロニカは世界中のホテルに行ってるだろ。お前がスペシャルなホテルで働いてるって言ったら、一度行ってみたいって。俺も気になるし」
チャンソン「駄目だ。うちのホテルは」
サンチェス「お前のホテル、やっぱり非常事態なんだろ」
チャンソン「え?」
サンチェス「だって絵は売るわ馬は売るわ、そんなに財政状況が良くないのか?」
チャンソン「…良くはない」

「全く」サンチェスは立ち上がった。

サンチェス「チャンソン、辛いときは言えよ。何でも愛で乗り越えられるわけじゃないぞ」
チャンソン「…そうだな」

そのとき、ミラが電話で大喧嘩をしながら出かけていった。「自分ばっか忙しいと思ってんの?あたしだって忙しのよ!!!」

サンチェス「ミラさん、毎日あぁだな。あの刑事さんと前世で仇同士だったのか、喧嘩ばかりだ。それなのに、せっせと会いに行くんだよな」
チャンソン「(独り言のように)前世の仇なんだ」
サンチェス「?」
チャンソン「サンチェス、ベロニカが帰ってきたら、一緒に食事でもしよう。明後日なら月食の日だな」
サンチェス「あぁ。だから、お前が自慢してたスカイバーで月食を見ようと思ったのに…」
チャンソン「…ごめん」

デルーナの花

デルーナでは月食の日に生きているお客様を迎えるため、入念な準備が進められていた。
霊のお客様と出くわして驚かないよう、あらかじめ周辺の客は別の階へ移ってもらう。
スカイバーでも特別な食事やカクテルを用意していた。

ヒョンジュンが運び込んだ生花からハチが飛び出す。

ヒョンジュン「ハチだ!生花に生きているハチがついて来たんですね」
チャンソン「ここには生きている花がないから、ハチや蝶のような虫はいないでしょうね」

そう言って、チャンソンはふと思い出す。
以前、ホテル内にホタルが飛んでいるのを見たことがあったのだ。

チャンソン「ひょっとして、虫の霊もいるんですか?ホタルとか」
ヒョンジュン「虫の霊は入って来られませんよ」
チャンソン「…そうですか」

それなら、あのときホタルが飛んでいるように見えたのは、何だったんだろう。

ヒョンジュン「では、これを客室に持っていきます」

「待って」チャンソンは職員が抱えた花束から、淡いピンクのバラを一輪、つまみ上げた。

ヒョンジュン「?」
チャンソン「ぼ、僕の部屋にひとつ…」

ヒョンジュンたちが立ち去ると、チャンソンはそっとバラの香りをかぎ、微笑んだ。

+-+-+-+

チャンソンが社長室の前へやって来ると、ちょうどマンウォルが廊下へ出てきた。
ひどく疲れた様子だ。

チャンソン「今日も夢想通話サービスの申込がたくさんあったんでしょう?」
マンウォル「人間のお客が来るからって皆浮かれちゃって、宿泊客の面倒みるのが社長しかいないってどういうことよ?」

「あぁあ」マンウォルは大げさにため息をついてみせる。「何度も夢を見た後みたい。あぁ疲れた」
思わずクスリと笑い、チャンソンは表情を整える。
「それでは、夢から目覚めてほしいという意味で…」彼は背中に隠していたバラの花をサッと差し出した。

マンウォル「?!」
チャンソン「本物の花だから香りだってありますよ」
マンウォル「花なら庭園に咲き散らかしてるじゃない」
チャンソン「生きている花じゃないでしょう?」
マンウォル「…。」
チャンソン「あぁ、ひとつある。“チャン・マンウォル花”」

「!」マンウォルが少々ぎょっとしたように眉毛を上げる。

チャンソン「あなたの木に花が咲いたじゃないですか。キレイに」
マンウォル「何よ、憎たらしい。偉そうにするんじゃないわよ」
チャンソン「だって、僕が抱きしめた途端、花が咲いたじゃないですか」
マンウォル「!」
チャンソン「そうだとわかってたら、さっさと抱きしめてあげればよかった」

「さぁ!」チャンソンが彼女に手を伸ばした。
マンウォルは慌てて手をはたき落とす。「何の真似よ?」

マンウォル「誰が抱きしめてくれって?頭おかしいんじゃないの…?」

「電話機を渡してほしいんですけど」チャンソンが指差したのは、マンウォルが抱えていた電話機だ。

マンウォル「…!」

「さぁ」チャンソンは楽しげに両手を広げた。「抱きしめてあげますよ」

マンウォル「結構よ!この威張りんぼで図々しい欲張りハーバード詐欺師っ!」

そうやって開けた口に、チャンソンはバラをさっと加えさせた。

マンウォル「!!!」
チャンソン「わぁ、可愛いな」
マンウォル「!!!」
チャンソン「デスクに追加の申込書を置いておきました。少し休んでまたお仕事をどうぞ」

+-+-+-+

マンウォルはデスクの上に電話機をドンと置くと、くわえたバラをペッと吐き出した。
全く腹が立つ…!
それでも、バラの花を見ていると、月齢樹での出来事が思い出され、マンウォルはそっと香りを嗅いでみた。

マンウォル「(花に)生きてるわね。あんた、ひ弱だから大目に見てあげるんだからね」

月の隠れる夜

とうとう月食の夜がやってきた。
マンウォルとチャンソンの号令のもと、スタッフたちはイソイソと持ち場につく。

チャンソン「みんな楽しそうですね」
マンウォル「月が欠けて、この世にホテルが姿を現すのを感じるのよ。しかも人間のお客様がいらっしゃるなんて、みんな生きているような気分になるんだわ」

チャンソンは黙って頷く。
マンウォル本人もとてもワクワクしている様子だった。

+-+-+-+

予約の新婚夫婦がデルーナへやって来た。
ヒョンジュンが二人を迎え入れ、ソヒたちが案内し、ソンビが料理とカクテルを振る舞う。
すべては順調だ。

マンウォルは社長室で嬉しそうに窓の外を見上げる。

チャンソン「何がそんなに嬉しいんです?」
マンウォル「いつもあの満月が目障りだったの。あれ見なさいよ、全部隠れてるでしょ。はぁ~、せいせいするわ。私、この瞬間が一番いい気分。うふふ」

嬉しそうなマンウォルに思わず笑い、チャンソンも並んで窓の外の満月を見上げる。

チャンソン「満月(マンウォル)が全部隠れましたね。次に現れるときは、新たな月になっているでしょう。もう少し“善良”で、“節約”もできるような」
マンウォル「…。」
チャンソン「(笑)お客様が帰られたら、外で新しく生まれ変わった月を見ませんか?できの悪い満月(マンウォル)?」
マンウォル「死にたいの?賛成(チャンソン)」
チャンソン「賛成ってことですか?だから自分の名前が好きなんですよね。僕の名前を呼んだら、みんな賛成ってことでしょ」
マンウォル「(笑)」
チャンソン「ちょうどいい!(指でゼロを作り)最優先(※優先順位ゼロ)のGood(ク)・チャンソン(賛成)」
マンウォル「うーん、いいんじゃない?優先順位ゼロのク・チャンソンさんは、(指で丸を作り)Okay goodってことね」
チャンソン「なんですかそれ。僕の英語名はアンドリューですよ。それに賛成はOkayじゃなくてAgreementです」
マンウォル「アンドリューでもアグリーでも何でもいいけどさ、あんたはとにかくOkay goodよ」

そうして、指で作った丸を隠れた月に重ねてみる。「Okay good! 月が全部隠れたわ」

#なに言ってんだか…

「そうですね」チャンソンは手を伸ばし、指先で丸く月をなぞった。
そして、スッと斜めに線を入れる。「あなたの印ですよね?」

マンウォル「そうよ」

チャンソンは夢で見た髪飾りをもう一度思い描く。
確かにマンウォルの印がかたどられていた。チョンミョンは彼女を待っていたのだろうか…。

そこへソヒが姿を見せた。「社長」

ソヒ「お客様が客室へお入りになります」
マンウォル「そう。月も完全に隠れたし、ちょうどいいわ。404号室へご案内して」

+-+-+-+

ソヒは新婚夫婦を404号室の前まで案内した。

ソヒ「お入りになりましたら、チェックアウトまで出ていらっしゃいませんよう」
新郎「両親からこの部屋について話は聞いています」
ソヒ「では、ごゆっくり」

新婚夫婦は404号室へ入っていった。

+-+-+-+

夜が深まっていく。一番はしゃいでいたのはヒョンジュンだ。

ヒョンジュン「世界的サッカー選手が生まれたんだから、今度はどんな子が生まれるでしょうね」
ソンビ「まだ死んで70年の子どもにはわからんだろうが、一晩ですぐ上手くいくものじゃないんだぞ」
ヒョンジュン「僕だってわかりますよ。一晩で上手くいくわけじゃないって」

バーのカウンターの隅で、死神も嬉しそうだ。

ソンビ「死神に何がおわかりで?」
死神「私だって全て知っている」
ソンビ「まことですかな?」
死神「何もわからぬと決めつけるな」
ヒョンジュン「新しい命の話なんですから、死神は首を突っ込まないでください」
死神「…。」

「とにかく」2人は再びつつき合う。

ソンビ「できれば今度は学者が生まれるといいなぁ。ノーベル賞とかいうのを貰うような」
ヒョンジュン「どうせなら3つ子が生まれて、ノーベル賞も3つ取ってほしいですよ」
ソンビ「ふははは」
ヒョンジュン「今、ホテルのスタッフ全員、404号室ファイト~~~!って言ってるはずですよ。クックックッ」

突然の別離

サンチェスが不安そうな声でチャンソンに電話を掛けてきた。
ベロニカが待ち合わせのレストランにまだ現れないというのだ。
飛行機が遅れているわけではなく、電話にも出ないという。

サンチェス(電話)「もしかして、俺がプロポーズするのを察して、負担に感じたんじゃないかな」
チャンソン(電話)「ベロニカの方が惚れてるじゃないか」
サンチェス「いや、俺のほうがずっと惚れてる。はぁ、ベロニカは一度も約束破ったことないのに」

そこへ、サンチェスの携帯にメッセージが入る。
メッセージを見て、サンチェスは慌てて駆け出した。

誰もいなくなったテーブルで… 血まみれのベロニカが泣いていた。

+-+-+-+

知らせを聞き、チャンソンは大急ぎで家へ駆け戻った。「サンチェス!」
ちょうどサンチェスがスーツケースを手に出掛けようとしている。

チャンソン「事故ってどういうことだ?」
サンチェス「ベロニカが怪我したって。上海で交通事故があったみたいだ。(時計を見て)行かないと」
チャンソン「ひどい怪我なのか?」
サンチェス「行ってみないとわからない。きっと大丈夫だ」
チャンソン「あぁ」
サンチェス「ベロニカが良くなるまで、向こうにいないと」
チャンソン「あぁ」

「車のキーはどこかな?」慌てたサンチェスがポケットを探る。
ふと彼の後ろに人影が見えた。

チャンソン「?」

首から血を流したベロニカがサンチェスをじっと見ている。

チャンソン「!!!」

「行ってくる」サンチェスの腕を、チャンソンは咄嗟に掴んだ。

サンチェス「?」
チャンソン「… 行ってもベロニカには… 会えない」
サンチェス「そんなこと言うなよ」
チャンソン「会えないんだ!」
サンチェス「?」
チャンソン「もう遅い」

「!」サンチェスは彼の手を思い切り振り払った。「なんてこと言うんだ!遅いわけないだろ!」

サンチェス「…行けば会えるさ」

サンチェスが庭へ出ていく。
どうすれば…?
欠けた月がチャンソンの目に止まった。
月を遮っていた影が動き、明るい月が少し顔を出している。

チャンソン「待って!俺が会わせてやる」
サンチェス「何だって?」
チャンソン「今からうちのホテルへ来れば、ベロニカに会えるから」
サンチェス「おい、一体何言ってんだ?!」

チャンソンは夢中でサンチェスの肩を掴んだ。「俺のこと信じるよな?」

チャンソン「時間がない。少しでも遅れたらもう会えないんだ!」

+-+-+-+

サンチェスを連れて、チャンソンはデルーナの扉を開けた。
ヒョンジュンが怪訝な顔で2人を迎える。「支配人?」

チャンソン「(ヒョンジュンに)この後、女性のお客様が入ってきます。スカイラウンジで待ってますから… 驚かせないような姿で案内してください」

※驚かせないような姿=キレイに身だしなみを整えてあげてほしい、ということですね(涙)

チャンソンがサンチェスの腕を引いてエレベーターに乗り込むと、入れ替わりに血まみれのベロニカが入ってきた。

+-+-+-+

バーを抜けて扉を開けると、そこは見晴らしのいいスカイラウンジだ。

サンチェス「どうしてここに?」
チャンソン「ここは特別なホテルだ。死んだ人々が訪れる」
サンチェス「え?」

チャンソンは満月を見上げた。
もうすぐ月食が終わってしまう。

チャンソン「説明する時間はない。月食が終わるまでは、サンチェスにも死んだ人が見える。…ベロニカと話せる時間はほんの僅かなんだ」

サンチェスが目を真っ赤にして笑う。「冗談よせよ。ベロニカがなんでここに来るんだ?」

チャンソン「… 死んだから」
サンチェス「…!!!」
チャンソン「今ここへ向かってる。サンチェス、ベロニカは死んだんだ」
サンチェス「…。」

入り口から誰かが姿を現す。

サンチェス「?」

まっすぐ近づいてくるのは… ベロニカだ。
それを確かめて、チャンソンはそっと席を外した。

+-+-+-+

「ごめんなさい、驚かせて」そう言って、ベロニカはそっと手を伸ばし、サンチェスの頬に触れた。

ベロニカ「私のせいで… 泣かないで」
サンチェス「…。」
ベロニカ「私、あなたのおかげで幸せだったから」

月が完全に姿を現そうとしていた。
涙を流すサンチェスに、ベロニカは優しく笑ってみせる。「とっても素敵な愛しい人…」

ベロニカ「…さようなら」

サンチェスが彼女を抱き寄せると、その瞬間… 生まれ変わった満月が彼女を消した。

#サンチェスーーーー。°( ´:ω:` )°。

+-+-+-+

バーで沈んでいるチャンソンに、マンウォルは声を掛けられずにいた。
ソヒがそっとやって来る。「支配人のご友人、恋人を見送られたのですね」

マンウォル「…。」
ソヒ「こうした突然の別れは、遺される人々の大きな悲しみとなりますね」
マンウォル「死んで訪ねてくる人ばかりだったから、遺される人の悲しみを目の当たりにしたのは…久しぶりだわ」

花が散る時…

すっかり朝になった。
新婚夫婦は大いに満足し、404号室を出る。
その瞬間、404号室の扉は消え、建物は全く違う姿に様変わりしていた。

新郎「母さんたちが言ったとおりだ。二度と見つけられないホテル」
新婦「子どもが出来たら、このホテルを見つけて新婚旅行に行かせましょ」

404号室の室内を整え、ソヒが同じ扉から廊下に出てくる。
そこはいつもと変わらぬデルーナだった。

+-+-+-+

ベロニカの葬儀がイタリアで執り行われるため、サンチェスはイタリアへ渡った。
帰国は少し先になりそうだ。

ミラ「サンチェス、気の毒だわ…。最後に恋人に会って、別れも言えないなんて」

「会えたよ」チャンソンがぽつりと言う。「別れも言った」

ミラ「?」
チャンソン「死が終わりじゃないとわかったから、サンチェスは乗り越えられるはずだ」
ミラ「別れは言えたのね。だけど、どうやって会ったわけ?上海で死んだんでしょ?」
チャンソン「…コーヒー美味しいぞ」

+-+-+-+

通学路。
ユナは完成したモンタージュ画をじっと見つめていた。

横断歩道を渡ろうと歩き出した途端、車が一台突っ込んでくる。
危うく衝突する寸前で車は止まった。

運転手「すみません!」

ユナは車を見てギョッと後ずさりをする。
後部座席には血を流した女性の霊。
運転席に座っている男性は…
あの男ではないか!!!

ユナは後ろから来たタクシーを捕まえ、グレーの車を追った。

+-+-+-+

車を走らせながら、ソル・ジウォンはバックミラーをチラリと覗いた。

ジウォン「本当について来た。可愛い女子高生が、なんで俺について来るのかねぇ~。訊いてみないとな」

+-+-+-+

チャンソンはまた屈強な男たちに連れ出され、ファン支配人の待つビルの一室に来ていた。

#もう電話一本で呼べばいいって^^;

ファン支配人「娘たち、チェックアウトまで済ませたそうです。ありがとうございました」

チャンソンが頭を下げる。

ファン支配人「デルーナの支配人をお辞めになったら、私を訪ねていらして。チャンソン君はずば抜けた能力の持ち主だと、社長からしきりに薦められたんですよ」

「辞めることはありません」チャンソンは迷わず笑顔でそう答える。

ファン支配人「チャン社長が言うには、もうすぐ辞めることになるだろうと」
チャンソン「…。」

「ク・チャンソンが最後に見送るお客がいるの」マンウォルはファン支配人にそう言った。
その客を見送れば、きっとホテルを去ることになるだろうと。

その意味を察し、チャンソンの視線が揺れる。「そうでしたか」

ファン支配人「ホテルに新しい規則でも出来たのかしら?チャンソン君が見送る最後のお客様、誰なんです?」

「とても好きな人… です」チャンソンはそう声を震わせた。
ファン支配人はそれ以上訊かず、頷く。「辛いでしょうね」

チャンソン「…そうでしょうね。わかっているから耐えられると言い聞かせるには… 辛すぎると思います」

+-+-+-+

ファン支配人と別れ、チャンソンは昼間の町の中を歩いていた。
何気なく空を見上げてみる。
明るい空に、白い雲がいくつも浮かんでいた。

電話が鳴った。
マンウォルだ。「寝てた?」

チャンソン(電話)「起きてます。月を見てました」
マンウォル(電話)「月?昼間に月なんてないわよ」

「そうですね」チャンソンの声は沈んでいた。

チャンソン「見えないのに見たくなったら(会えないのに会いたくなったら)… 辛いでしょうね」
マンウォル「…どこ?」
チャンソン「家に帰る途中です」
マンウォル「待ってて。会いに行ってあげる」

電話を切った途端、また電話が鳴り出した。
ユナからだ。

ユナ(電話)「あの車、見つけたんです」

+-+-+-+

ユナから連絡を受け、チャンソンはある建物の駐車場へ駆けつけた。
グレーの車の前で、ユナが待っている。

ユナ「私が描いたモンタージュと、車の持ち主がそっくりだったんです」
チャンソン「…。」
ユナ「ひょっとして…犯人でしょうか」

モンタージュ画を受け取り、チャンソンはハッと目を見張った。「!」
これは…

ユナ「どうしたんですか?」
チャンソン「知り合いとすごく似てるんだ」

あいつだ。

チャンソン「あとは僕が調べるから、君は家に帰るんだ」

+-+-+-+

マンウォルはサンチェスの家に来ていた。
庭から家の中を覗いてみるが、誰の気配もない。
チャンソンはまだ帰っていないのだろうか。

マンウォル「待ってろって言ったのに、待たせるなんて」

そう不平を言いながら、彼女はどこか楽しげだ。

+-+-+-+

建物に足を踏み入れてみると、そこは広いバーのようだ。
その名もUNDERGROUND。
人の姿は見当たらない。

チャンソン「誰もいませんか?」

テーブルの上に飲みかけのワインとつまみが置いてあった。

チャンソン「!」

カウンターに視線を移すと、フォトフレームがいくつも並んでいる。
そこに収められていた写真に、彼は緊張と募らせた。「!」
紛れもなくソル・ジウォンだ。

ふと横を見ると、血を流した女性の霊が立っていた。「!!!」

+-+-+-+

不穏な気を感じ、マンウォルがはっと振り返る。「!」
そこにいたのは死を司る麻姑神だ。

マンウォル「待ち人は現れず、歓迎しない麻姑神のおでましとはね」
死の麻姑神「何を言う?お前が一番待ち焦がれている神は、私ではないか」
マンウォル「…。」
死の麻姑神「お前は転生も治癒も因縁も拒み、ただひたすら消滅を望んでいたではないか」
マンウォル「それで?今から消滅させてくれるって?」
死の麻姑神「花が咲いたそうだな」
マンウォル「…。」
死の麻姑神「お前にもとうとう“失うもの”が出来たか」

マンウォルは冷たくあざ笑う。「あんな花ごとき、私が散るのを恐れるとでも?」

死の麻姑神「花を咲かせた者」
マンウォル「?」
死の麻姑神「そやつを失うというのはどうだ?」
マンウォル「!!!」

+-+-+-+

背後に気配を感じ、チャンソンはビクリと振り返った。「!!!」
ソル・ジウォンがふっと笑う。「やぁ、ク・チャンソン」

+-+-+-+

「傲慢で愚かなるマンウォル!」死の麻姑神が語気を強める。

死の麻姑神「花が散るのは怖くない、そう言ったな。だが、それは違う。恐れを抱いたとき、花は散るのだ」

+-+-+-+

デルーナの庭園で、月齢樹の青い花が1つ2つとその花びらを落とし始めた。

+-+-+-+

ここでエンディングです。
今回も良かったです~。
前半ヘラヘラして見てたら、後半突然悲しみ路線にシフトチェンジして、最後は恐怖へ持っていく。
ついていくのに精一杯でした。
こういう流れの作り方、上手いなぁと思います。
それにしても、ベロニカやっと出てきたのに…。

 - ホテルデルーナ 〜月明かりの恋人〜