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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

ホテル・デル・ルナ3話あらすじ&日本語訳~後編

   

IU(イ・ジウン)、ヨ・ジング主演のtvNドラマ『ホテル・デル・ルナ(ホテル・デルナ/ホテル・デルーナ)』3話後半のあらすじを、セリフの日本語訳もまじえて紹介していきます^^

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朝、デル・ルナを出たチャンソンは、地下鉄に乗り、下宿へ戻った。
いつもと何一つ変わりない、現実の世界がそこにある。

ただ一つ…
ジャケットについていた青い花びらが、彼の指先に触れると砂のように消え去ったのを除いては。「!」

チャンソン「妙なものが現実にまで付いてきてる…!」

夢の中でも月は輝いていた

ヨヌの奏でる弦楽器の美しい調べが、湖の水面を静かに揺らしていた。
マンウォルはチョンミョンと並んで、ぼんやりと水面を眺める。
彼女が一口飲んで差し出した酒瓶を、チョンミョンはじっと見つめた。
印が刻まれていたのだ。

チョンミョン「?」
マンウォル「月。私のだっていう印よ」

チョンミョンは唐突に彼女の手を取ると、隣りにあった龜の水で指先を濡らした。
そうして、足元の平たい石に字を書いてみせる。

チョンミョン「満… 月。こうやって書くんだ」

「いい酒を貰った礼だ」チョンミョンはそう言って、酒を口に運んだ。
石に書かれた文字は、あっという間に乾いて消えていく。
彼らの時間は、その後もゆっくりと流れた。

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自室のベッドの上で、チャンソンはそっと目を開いた。
また夢だ。「…。」

そこへ電話が鳴り始めた。デル・ルナからだ。

チャンソン「夢に出てきて、電話まで…。混乱するなぁ」

応答ボタンを押した途端、マンウォルの声が耳を貫く。「さっさと出なさいよ!」

チャンソン「何ですか」
マンウォル「最初の仕事ができたわよ」
チャンソン「何です?」
マンウォル「白頭山の絵を売るの」

「え?!」チャンソンはベッドから飛び起きた。

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マンウォルの話によると、絵の中に入った『虎』は今しがたあの世へ旅立ったため、絵は空っぽになったという。

チャンソン「こうなるとわかってて絵を手に入れたんですね。売るつもりで。虎のことなんか考えてなかったんだ」
マンウォル「考えてるに決まってるでしょ」

「だからこれ着て来たのに」ドレスのスリットを捲くりあげると、虎柄の大胆なタイツが露わになる。
「!」チャンソンは慌てて目を逸らした。

マンウォル「いい値で売ってらっしゃい。そうしたら記念に(虎柄タイツを指し)これとお揃いでスーツを作ってあげる」
チャンソン「結構です!虎柄のスーツなんて誰が着るんですか」
マンウォル「何でよ~。あんた、糞色好きでしょ。だから私、新車だって高級な糞色を選んだのに」
チャンソン「新車?!」
マンウォル「この絵、今日中に売ってらっしゃい。車を取りに行かなきゃ」
チャンソン「車、買ったんですか?!この間の車も新車だったのに」
マンウォル「そうよ。だから今金欠なの。何が何でも高く売ってきて。2倍よ、2倍!」

本日の霊:女子高生の魂と体

女子高生チョン・スジョンは歩道橋の上でクラスメイトと揉み合っているうち、転落して死亡した。
彼女は揉み合っていた相手、キム・ユナの体を奪い、ユナの魂を追い出した。
今、『キム・ユナ』として生活しているのは、チョン・スジョンの霊だ。

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絵を売りにギャラリーへ向かっていたチャンソンは、体を奪われたユナの魂に助けを求められ、彼女をデル・ルナへ連れ帰った。
「絵を売って来いと言ったのに、頼んでもいないお客を連れて来るとは!」マンウォルは頭を抱える。

マンウォル「客引きかっつーの」
チャンソン「ここで霊魂をヒーリングするって言ってたじゃないですか」
マンウォル「…。」
チャンソン「あの女子高生、問題を抱えているようです。解決法を提示してあげてください」
マンウォル「あの子にそっくりの“体”が生きて暮らしてるのを見たのね?」

ユナの魂に助けを求められたとき、見た目の全く同じ女子高生がそばにいるのを見たのだ。

チャンソン「体を奪われたそうです。それが本当なら探してあげないと」
マンウォル「あんたが連れて来たのは、生きた体から抜け出した生霊よ」」
チャンソン「ということは… 魂のない体がうろついてるってことですか?」
マンウォル「奪われたって言ってたんでしょ?あの子の体、今は別の霊に占領されてるんでしょうよ」

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マンウォルはチャンソンと共にキム・ユナの家の前までやってきた。
「この家の娘なの?」立派な門構えを見上げ、マンウォルが言う。

チャンソン「えぇ。一人娘だそうです」
マンウォル「ふーん。たった一人のお嬢さんが体を奪われたんなら、早く取り返してあげないとね」
チャンソン「推測ながら確信を持って訊きますが… 両親から金を巻き上げるつもりですか」
マンウォル「(ニヤリ)この家はただの金持ちじゃないわよ」

「あれ、私の愛する糞色の新車よ」彼女が指した先に、茶色い車が停まっている。

#うん、確かにあまり見ない色だね(笑)

マンウォル「私がやっとのことで予約した車なのに、もう乗り回してるってことは… お金が有り余ってるんだわ」
チャンソン「中へ入って、どうしてこんなことが起きたのか調べないと」
マンウォル「ペンダントのせいよ」
チャンソン「?」
マンウォル「体を奪った友だちの物だって。持ち物にくっついて来た霊の怨念が、体まで奪ったのよ」
チャンソン「友だちなのに、どうしてそんなことを?」
マンウォル「気にしちゃ駄目。体を取り返すんでしょ。それだけやればいいの」

そこへ、向こうから歩いてきた『キム・ユナ』が、二人の姿を見て逃げ出した。
追いかけたチャンソンは、歩道橋から飛び降りようとしているユナを捕まえる。

彼が捕まえたのは生身の人間。
つまり、デル・ルナへ連れて行った生霊ではなく、キム・ユナの体。魂は死んだチョン・スジョンの霊だ。

スジョン「この子を殺してやる!」
チャンソン「君の体じゃないだろ。友だちにそんなことしちゃ駄目だ」
スジョン「友だちじゃありません」
チャンソン「?」
スジョン「私、この子に殺されたんです」
チャンソン「!」

日頃から「貧乏人」とキム・ユナに苛められていたスジョンは、その日も首にぶら下げていたペンダントを無理やり奪われた。
生活保護を受けている分際で、ペンダントをつけているのが気に入らなかったのだ。
「返して!」ペンダントを取り返そうとして揉み合っているうちに、歩道橋の上から突き落とされたのだった。

スジョン「落ちた後の記憶はありません。気がついたら、この子の体に入り込んで、自分のペンダントを握りしめてました」
チャンソン「…。」
スジョン「キム・ユナの体を取り返しに来たんですか?あの子が私を殺したのに」

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そのペンダントはキム・ユナの部屋にあった。
「それです」自室の中でマンウォルに教えるのは、体を失ったユナの魂の方だ。

ユナ(魂)「これで私の体を取り戻してくださいよ」
マンウォル「ここにいる怨念はそう簡単に消えやしないわ」
ユナ(魂)「うちの両親に話せばいいわ。何でもしてくれますから」

「そうね」マンウォルは冷たく微笑んだ。「あなたを生み出した人たちだから」

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さっそくマンウォルは、ユナの両親を相手に切り出した。「ユナが人を殺したんです」

両親「…?」
マンウォル「ユナのクラスメイトが歩道橋で自殺したのはご存知かしら」
両親「…。」

「実は違うんですって」マンウォルが声を潜める。

マンウォル「こちらの娘さんが殺したんですよ」
両親「!」

「このペンダントが証拠だそうです」マンウォルはペンダントを掲げて見せた。

父親「何が望みなんです?」
マンウォル「代価を受け取りに来ました」

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「この子を殺すのは間違ってると思いますか?」訴えるスジョンを、チャンソンは説得した。「方法を考えよう!」

スジョン「方法って?」

「私はどうしたって生き返れないのに」彼女の目から涙が溢れる。

スジョン「私だって生きていたかった!寄生虫だとか言われたって、一生懸命生きようとしてたんです!」
チャンソン「…。」
スジョン「あの子が体を取り戻して、何もなかったように笑ってるなんて許せない」

「離してください」強く握った彼女の手首を離してやろうとして… チャンソンはやはり思いとどまった。「少しだけ待ってくれ」

チャンソン「僕がペンダントを取り返してくるから」
スジョン「!」
チャンソン「君がこの体で生きればいい。わかったね?」

チャンソンはマンウォルに詰め寄った。「ペンダントの在り処は?」

マンウォル「…。」
チャンソン「まだ返しちゃ駄目だ!あの子が無念すぎるじゃないか!!!」
マンウォル「ペンダントは返したわ。もう両親の手に渡った」

ペンダントが無くなれば、ユナがスジョンを殺した証はなくなる。
彼はガックリと肩を落とした。

誰もが代価を払っている

少しだけ時をさかのぼり…。

マンウォルがユナの両親にこう説明した。
代価を払う方法は二つ。
一つは、このペンダントを以て娘の罪を明らかにし、死んだ子の霊魂に謝罪すること。
もう一つは、マンウォルに口止めをし、このペンダントを無き物にすることだ。

両親の選んだ方法は後者だった。
マンウォルに金を払い、ペンダントを譲り受けたのだ。
「そちらが選択なさったんですよ」マンウォルは微笑んだ。「実に高い代償を払っていただくことになりますわ」

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「これで全部元通りになるんですよね」家を出てくると、ユナ(生霊)が清々した様子で言った。

マンウォル「もちろん。あのペンダントさえなければ、あんたがあの子を殺したことは誰にもわからないわ」
ユナ(生霊)「そうですよね」

「ふふん」マンウォルが笑い、ユナの髪を指先で弄る。「あんたに取り憑いた怨念、すごく強力だって言ったわよね」

マンウォル「あのペンダントを燃やせば、あんたが許しを請うチャンスも永遠に消えるわ」
ユナ(生霊)「…別にいいですよ」

屈託ないユナに合わせて、マンウォルも笑う。「そんなことないわ」

ユナ(生霊)「?」
マンウォル「そうすればあんたは永遠に戻れない」
ユナ(生霊)「え?」
マンウォル「あなたの魂は本当に… 死ぬの。誰も知らないうちにね」
ユナ(生霊)「!!!」

#よくわからない原理ですが…まぁいいか(笑)

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ユナの両親がペンダントを焼き払おうとしていた。
死んだ子は死んだ子。
彼らは懸命にそう割り切ろうとする。
ただ、マンウォルが最後に言ったことが、心に引っかかっていた。

「お二人のなさった選択は、お嬢さんの魂を殺すことだと、知っておいてください」

ユナの生霊が慌てて戻ってきたときには、ペンダントはすでに火に投じられいた。
必死に止める愛する娘の声が彼らに届くことはない。

火の中で黒くなっていくペンダントと共に、ユナの魂は煤となり… 散り散りに消えた。

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こうしてチョン・スジョンの魂は、キム・ユナの体を使い、キム・ユナとして生きることとなった。
まんまと手にした金の延べ板を前に、マンウォルは大満足だ。

マンウォル「中身は娘じゃないとは知らずに、これからもせっせと世話を焼くんでしょうね」
チャンソン「あの女子高生、毎日自分の顔を見て苦しむでしょう。不憫です」
マンウォル「誰もが自分のやったことに代価を払うのよ」

チャンソンはマンウォルの背中をじっと見つめた。
マンウォル自身も麻姑婆からの罰に縛られているのだと、バーテンダーのソンビから聞かされていたのだ。「あなたもひょっとして何か代価を払っているところなんですか」

「!」金の延べ棒を撫でていたマンウォルの指が、ピクリと止まる。

マンウォル「?」
チャンソン「罰を受けていると聞いたので」
マンウォル「そのとおりよ。傲慢で愚か者だってさ。認めたくないけど」
チャンソン「…あぁ」
マンウォル「何?!」
チャンソン「?」
マンウォル「今の“あぁ”って何よ?バカにしてるの?」
チャンソン「そうじゃなくて」
マンウォル「…?」
チャンソン「ときどき… ほんのたまに… あなたも不憫に見えるので」

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デル・ルナへ戻ったチャンソンは、マンウォルのための酒を保管している倉庫へ来ていた。
そこにあった木箱を見て、チャンソンはハッとする。
夢の中で見たものと同じ印が、蓋に刻まれていたのだ。

「社長のものだっていう印なんです」ヒョンジュンが説明する。
「月。私のだっていう印よ」夢の中の彼女の言葉が重なった。

チャンソン「…。」

この長い時間… あなたはどうしてこんなふうに過ごしているんです?

社長室に飾られた写真を眺めているうち、チャンソンは一番左の絵の前で足を止めた。
墨で描かれた木の絵だ。
「この木かな」庭園に大きな木がある… そう言われて、ずっと気になっていたのだ。

マンウォルの待っている人は…

夜。
チャンソンはその庭園に足を踏み入れた。
色とりどりの花壇を抜け、古びたアーチをくぐると、そこに絵とそっくりの木が現れる。

#いつも手前に落ちてる青いやつ↑が気になります

チャンソン(心の声)「葉が一つもないな」

そこへマンウォルがやってきた。「ここで何してるの?」

チャンソン「庭を見せてくれないから、来てみたんです」
マンウォル「ここはお客が来ないから、見せる必要もなかったの」
チャンソン「この木ですか?父が触ったせいで、僕がここに売られたっていうのは」

「そうよ」木の足元のテーブルで、マンウォルが持ってきたシャンペンの栓を抜く。「あんたもその代価を払っているところよ」

チャンソン「僕じゃなくてもよかったんじゃないですか?僕、3位だったんでしょう?」

ここへ来る前、ヒョンジュンがうっかり口を滑らせたのだ。

マンウォル「?」
チャンソン「てっきり僕じゃないと駄目なんだとばかり。気に入ったなんて言うから、一大決心したのに」
マンウォル「…。」
チャンソン「1位と2位の代打だったんだな…」

「…。」マンウォルは少し考えて、彼に向き直った。「そうよ。1位と2位がいたわ」

#いや、1位と2位を見た私が思うに、チャンソンが一番支配人に適任だと思われます^^

チャンソン「3位なのは確かですか?4位とか5位だったじゃ?」
マンウォル「誰が3位だなんて言ったの?」
チャンソン「本当に他にも?」
マンウォル「あんたは… 0位よ」
チャンソン「!」
マンウォル「0位なの」

「あんたじゃなきゃ駄目なのは間違いないわ」マンウォルは再びシャンペンに視線を戻す。「すごく気に入ったから」

チャンソン「…。」
マンウォル「あんたも1杯やる?白頭山の絵を売るご褒美よ」
チャンソン「虎は絵の中に入って、見たかったものを見られたんでしょうか」
マンウォル「見たから悔いなく逝ったんでしょうよ」
チャンソン「…。」
マンウォル「決して戻れない時間を、夢のように見られたんだから、あの虎も運が良かったのよ」
チャンソン「あなたも決して戻れない時間の中に、恋しいものがあるんでしょう」

「…。」マンウォルがゆっくり顔を上げて、彼を見た。

チャンソン「僕、それを見た気がするんです」
マンウォル「?」
チャンソン「あなたが夢に出てきたって言いましたよね」
マンウォル「夢?」
チャンソン「笑ってました。大きな木の下で」

「!!!」マンウォルが大きな目を見開いた。

チャンソン「家を建ててやると言われて、今みたいに憎まれ口を叩いてはいたけど、笑っていたんです」
マンウォル「…!」
チャンソン「酒を飲んでいた荒野には月が浮かんでいて… 楽器の音に満たされてました。あなたの笑い声と共に」
マンウォル「!!!」
チャンソン「幸せそうでした。今みたいに一人ぼっちではなく、そばに誰かがいたから」

チャンソン「“満月”という文字を教えてくれた人。長い時間の中で一番恋しいのは… その人ですか?」

「!!!」マンウォルは大きく見開いた目をパチパチとさせ、手に持っていたグラスをテーブルに戻した。「あんた…」

マンウォル「本当に彼を… 見たのね」
チャンソン「この長い長い時間…、あなたはここでその人を待っていたんでしょう?」
マンウォル「…。」


マンウォル「どうしてあんたが… そんなものを見たの?」
チャンソン「さぁ。どうして見たんでしょう。何か代価を払わなきゃいけなくなりそうで、怖いです」
マンウォル「…。」
チャンソン「チャン・マンウォルさん」

改めて名を呼ばれ、マンウォルは緊張を高ぶらせる。

チャンソン「あなたに出会ってから僕はずいぶん… すごくたくさんあなたのことを考えました」
マンウォル「…。」
チャンソン「僕の夜、僕の夢は… あなたにすっかり奪われているんです」
マンウォル「!」

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ここで3話は終わりです。

単純にここだけ聞けば、ありがちな告白に聞こえる言葉。
でも、人の気持ちに寄り添おうとするチャンソンの真摯な人柄や、気が遠くなるほど長い時間を孤独に過ごしてきたマンウォルの胸の内を思うと、その言葉はまた違って聞こえてきます。

これまで二人のことが丁寧に描かれているからこそですね。

ちなみに、最後のチャンソンのセリフ、
당신이 내 밤과 꿈을 다 잡아먹고 있다는 겁니다.
直訳すると「あなたが僕の夜と夢を、すべて捕って食っているということです」と言ってます^^

 - ホテル・デル・ルナ