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空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 14話前編

   

ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、14話の前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。

2ヶ月近く更新できず、読んでくださっていた方には大変申し訳ありません!
ようやく作業を始めたら、今度はマウスがまともに動いてくれず…
前途多難です^^;

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銃を向け、ムヨンはジングクの表情をうかがった。「知ってるみたいだな。俺が誰なのか」

ジングク「あぁ… カン・ソンホ」
ムヨン「面白い。だからあんなに嫌ってたのか。悪魔だの殺人者だのって」

「…。」ジングクは、自分に突きつけられた銃口に視線を落とした。「撃つつもりか?」

ムヨン「…。」
ジングク「撃つなら出よう。ここじゃダメだ」

ジングクが玄関へ引き返そうとした瞬間、ムヨンはそばにあった植木鉢に向けて引き金を引いた。
パン!という破裂音とともに、鉢が砕け散る。

ジングク「… ここじゃダメだと言ったろ」
ムヨン「撃ってみてどうでした?俺はおかげで忘れてたことたくさん思い出したんだけど。おじさんは?」
ジングク「お前のお父さんを殺したかどうか訊いているんなら… そうだ、俺が殺した。お前のお父さん、カン・スングを」
ムヨン「ふーん。カン・スングっていうのか」
ジングク「俺がカン・スングを撃った」

「どうして?」ムヨンが努めて静かに尋ねる。

ジングク「… ミスだったんだ」
ムヨン「そんなことじゃなくて。なぜなんです?」

「…。」黙っているジングクを無理やり振り向かせると、ムヨンはその胸に銃を突きつけた。「言ってください」

ムヨン「ミスをしたんならなぜどうして、どんなミスで父さんを殺したのか」
ジングク「…。」
ムヨン「今日初めて父さんの名前を知った。父さんを殺したあんたから初めて聞いたんだ」
ジングク「…。」
ムヨン「悪魔だの殺人者だの、あれだけ騒ぎ立てたんだ。理由くらいあるはずだろ」
ジングク「…。」

ムヨン「あんたが現れるまで、俺は幸せだった。思い出したんだ。今にも潰れそうな山小屋だったけど、幸せだった。あんたが全部台無しにしたんだ。俺の生活、家、家族、あんたが全部ぶち壊した」
ジングク「…そうだ」
ムヨン「だから、どうして?理由を言えよ」
ジングク「俺を撃ったら、本当に殺人者になってしまう。頼むから俺のせいで殺人者にならないでくれ」

ムヨンは嘲笑を浮かべた。「呆れる」

ムヨン「殺すなってのも俺のためなんだな。心配してる振りして」
ジングク「撃ちたければ撃て。その前に一つだけ約束してくれ」

「ジンガンの…」ジングクの瞳がキラリと潤む。「目に触れないようにしてくれ」

ムヨン「!」

「あんたみたいな人間、一番虫唾が走る」ムヨンは銃口をジングクの額に向けた。
ここまでか… ジングクが覚悟を決めて目を閉じたそのとき、玄関のチャイムが鳴った。

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門の前で首を傾げていたのは、ジングクを訪ねてきたソジョンだった。「いないのかしら?」
ようやく顔を見せたジングクの後ろから、ムヨンが出てきたのを見て、彼女は目を丸くした。「!!!」

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「火薬の匂いよ」家に足を踏み入れたソジョンは、思わず手に持っていた荷物を落とした。「銃だわ。そうでしょ」
後ろを振り返ると、植木鉢に大きな穴が空いている。「!!!」

ソジョン「あの子に振り回されるの、やめなさいよ!一体何事なの!!!」

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家に帰り着いたムヨンにメールが入った。
「とりあえずこれを見て」セランからだ。
送られてきたのは、新聞の切り抜き記事の画像だった。

ムヨン「?」

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【狂信が産んだ惨劇】

エセ終末論にのめり込んだ妻に激憤した犯人。
妻、信徒等3名を殺害ののち、自殺。

去る1日、ヘサン市クムア山石臼台付近の人家で起きた衝撃的な殺人事件の犯人は、カン某氏(郵便配達員・32歳・ソウル)だと明らかになった。
ヘサン警察によると、犯人のカン氏は、エセ終末論にのめり込んで子連れで家出した妻のイ某氏(30歳)の行方を探しており、イ氏が所属する宗教団の潜伏先を突き止めたという。そこを訪ねたカン氏は妻のイ氏に会い、家へ帰るよう説得した。(中略)恨みから妻の首を締めて殺害したのち、警察へ通報しようとしていた別の信徒パク某氏とハン某氏を凶器で相次いで…

~~~~

ムヨン「…殺人者だったのか」

衝撃に震え、ムヨンはテーブルの上の絵に目をやった。
絵の中で、“警察の帽子”をかぶり、微笑んでいる父は、ただの妄想だったのだろうか…。

大事にしていた絵をくしゃくしゃに丸め、彼は家を飛び出した。

「ミスだったんだ」ムヨンの問いかけに、ただミスだったとしか答えず、頑なに口をつぐんだジングクの姿が蘇る。
ジングクが現れるまで幸せだった… それもすべてまやかしの記憶だったのだろうか。

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朝。
いつも運動する公園に、ムヨンの姿はなかった。

ジンガン「?」

キョロキョロしているところへ、ムヨンからメールが入る。「今朝の運動はパス。ごめん」

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彷徨い歩いた末にムヨンがたどり着いたのは、ヤン博士のもとだった。
寒空の下で小さくうずくまっていた彼に、博士は温かい飲み物を差し出す。

「これだったんですか」ソファで身を縮めたまま、ムヨンはつぶやいた。「先生が僕を引き止めなかった本当の理由」

ムヨン「呆れちまう…。警察だと思ってたのに、殺人魔だなんて。しかも自分の奥さんを…」

「飲みなさい」ヤン博士は静かに声を掛けた。「お父さんの問題だ」

ヤン博士「覚えてもいない幼い頃に、君となんの関係もなく起きたことだよ」
ムヨン「最悪の気分です。僕が関わったことじゃないのに、なぜか… 説明がつくでしょう? “だから、今のお前はこんなヤツなんだ”って。殺人者… 僕の父親にはピッタリだ。ある人に言われたんです。人間でもない、悪魔だって」
ヤン博士「…。」
ムヨン「結局、その言葉は正しかったってことだ」
ヤン博士「殺人は遺伝すると?」
ムヨン「…。」
ヤン博士「私はどうだと思う?」
ムヨン「?」
ヤン博士「私も君と同じだ。父が殺人を犯した」
ムヨン「!」
ヤン博士「本の1章に出てくる殺人者の息子、あれは私だ。だから、君を引き止めなかった。あのときは、それが君にあげられる最後のチャンスだと思ったが、今は後悔している。間違っていた」
ムヨン「…。」
ヤン博士「40を過ぎてようやくわかったんだ。父親の事は、父親の問題に過ぎないと」
ムヨン「…。」
ヤン博士「ムヨン、過去が自分を説明してくれるんじゃない。大事なのは今の君なんだ」

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電話を掛けてみても、ムヨンの応答はない。
ジンガンは気になって、彼の家を訪ねてみた。
鍵が開いたままになっている。

ふとテーブルの下を見ると、クシャクシャに丸まった紙が目に入った。
それは、彼が大切にしていた、幼い頃の家族の絵だった。

ジンガン「!」

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帰り道を歩きながら、ムヨンは考え込んだ。
「関係のないことで自分自身を傷つけるんじゃない」席を立った彼に、ヤン博士の掛けた言葉が蘇る。
「傷ついたりしませんよ、僕は」そう笑う彼に、ヤン博士は真摯な目で返した。「誰に対する怒りであれ、結局傷つくのは自分自身だ。君を傷つけ、君を愛する人々を苦しませる」

ムヨン「…。」

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家へ帰ってきたムヨンに、ジンガンは力なく微笑んだ。

ムヨン「しっかり運動した?」
ジンガン「(うなずく)どこ行ってたの?」

「ちょっと先生に会いに」彼女と目を合わせず、ムヨンはそう答えた。「腹減った。ラーメン作るけど、食べるよな?」
キッチンに立った彼の背中を、ジンガンはテーブルでじっと見つめる。「…。」

ジンガン「何かあったんでしょ」
ムヨン「…何もないけど?」
ジンガン「…。」
ムヨン「ホントだって。何もない」
ジンガン「…。」

「何かあったのはお前みたいだ」引き返し、ムヨンは今にも泣き出しそうな彼女の顔を覗き込んだ。「どうした?」

「…。」ジンガンは手元に持っていたクシャクシャの画用紙をそっと広げる。
「!」ムヨンは思わずそれを掴み、再び丸めてゴミ箱へ投げ捨てた。

ジンガン「どうして捨てるの?!」
ムヨン「全部偽物だ。自分で勝手に作り上げたバカみたいな話」
ジンガン「偽物なわけないでしょ!子どもの絵にウソなんかないわ」

「俺の絵は違ったみたいだ」ムヨンはそう言って笑った。

ジンガン「キム・ムヨン」
ムヨン「お前には全部話したい。全部言いたいけど…」

“ご両親、きっと良い方たちなんだろうな” 彼女の言葉が耳に染み付いていた。
それなのに…。

ムヨン「でも、また今度」
ジンガン「…。」
ムヨン「腹減った。とりあえず何か食おう」

ムヨンはインスタントラーメンの袋を手に取り、封を切ろうと力をこめた。
なかなかうまく行かず、無理やり破ろうとした瞬間、乾燥麺が床に音を立てて転がる。「…。」

ムヨン「父さん、人を殺したって」
ジンガン「…え?」
ムヨン「しかも3人」
ジンガン「人を…?」

いたたまれず、ムヨンは彼女に背を向けた。「帰ってくれないかな」

ジンガン「キム・ムヨン」
ムヨン「一人になりたいんだ。頼む」
ジンガン「…私がいるとイヤ?」
ムヨン「今は」

ジンガンはゴミ箱から丸めた絵を拾い上げた。「絵は私が持ってるね」

ムヨン「…。」

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ムヨンの少年時代について調べていたチャン・セランは、93年秋、ヘサン警察にいたイ・ギョンチャルのもとへ秘書を送った。
金を握らせ、あっという間に話を聞き出したのだ。

彼女はさっそくムヨンをバーへ呼び出した。

セラン「顔色が冴えないわね。撃てなかったのかしら」
ムヨン「…。」

セランは小さなUSBメモリを差し出した。「帰って聴いてみて」

セラン「聴けばわかるけど、簡単な話よ。当時、ヘサン警察署強力班にいた5人のうちの1人が、ウォニョン警察署にいるの。イ・ギョンチャル、現在ユ・ジングクの所属する強力班の班長よ」

セランが出した写真を、ムヨンは覗き込んだ。「!」
あの男だ。

~~~~

ヘサン警察を訪ねたムヨン少年に応対したのが彼だった。

イ・ギョンチャル「父さん?父さんって誰だ?」

ムヨン少年は袖をまくり、火傷の痕を見せた。「お父さんは?」

イ・ギョンチャル「お前、ひょっとして…」
ムヨン少年「…。」
イ・ギョンチャル「父さんの名前は?」
ムヨン少年「…。」
イ・ギョンチャル「帰れ。父さんの名前も知らないで。早く帰れよ。そんな人ここにはいないから」

~~~~

記憶を辿るムヨンを、セランが興味深そうに窺う。「どうしたの?」

ムヨン「知った顔だったから」

「聴いてみます」ムヨンは写真ごとUSBメモリを掴み、席を立った。

セラン「ユ・ジングク、代わりにやってあげましょうか」
ムヨン「!」
セラン「銃。彼に使うつもりなんでしょう?」

「…。」振り返ったムヨンの目は険しかった。

セラン「もし彼女のお兄さんだからって迷ってるのなら、代わりに始末してあげてもいいけど」
ムヨン「あの人に手出しされたら、我慢できそうにないな」

セランは困惑したように笑みを浮かべる。「?」

ムヨン「俺たち似てるんでしょう?なら、あんたもわかるはずだ。自分のゲームに手出しされたら我慢できないって」
セラン「(うなずく)わかるわ。もちろん」

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「正直うんざりだ」家に帰り、さっそく音声を再生すると、イ・ギョンチャルの溜息が聞こえてきた。

イ・ギョンチャル(声)「カン・スング、ヤツはどうせ死刑だったのに。うんざりしすぎて、カン・スングにヤツが殺した妻のイ・ミヨン、ハン・ジョンス、パク・ジョンへ、未だに名前も忘れられないんだから。ユ・ジングクには嫌気が差すよ。あんなこでと自分の人生台無しにするなんて。ミスで殺人者を1人殺しただけなのに。誰がみても正当防衛だった。あのとき、皆で止めたんだ。山の中だし危険だって。しばらくしたら自分たちも到着するから、一緒に踏み込もうって。それなのに、状況がよくなさそうだからって、1人で踏み込んだ。そうしたらどうだ?そのときはもうイ・ミヨン、ハン・ジョンス、パク・ジョンへ、みんな死んでた」

庭で血まみれになっていたイ・ミヨンたちのそばを通り過ぎ、単身踏み込んだ若きユ・ジングクは慎重に家の扉を開けた。

イ・ギョンチャル(声)「そこで出くわしたんだ。凶器を持ったカン・スングに。凶器は何だったと思う?斧ですよ。血がポタポタ滴る斧。上じゃ伏せようとしたが、ユ・ジングクはそれは出来ないってな。そんな中、チームはおじゃんになった。それなのに、殺人犯の子どもがいなくなったからって、何ヶ月も夢中で探し回って。やれやれ…」

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布団で眠れぬ夜に耐えていたジングクは、メールの着信音で目を開けた。
「オモテにいます」ムヨンからだ。

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ここで区切ります。

 - 空から降る一億の星