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空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 5話後編

   

ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、5話の後半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。

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ジングクは直接ユリの元へ乗り込んだ。
スタジオに入ってきたジングクに、ユリは憮然とした表情を隠しもしない。

ジングク「それはないだろ。聞いてないのか?俺は命の恩人だぞ。病院にも運んでやったし」

「…。」ユリはつまらなそうに鼻で笑う。「何言ってんだか」

ジングク「まぁいい、要件だけ言おう。一つは質問、一つは要請だが、絶対にどちらも拒否はなしだ」

ソファに足を組み、ユリはまっすぐ彼を見上げる。

ジングク「一つ。妹になんであんなことをした?」
ユリ「ムカついたから」

「何だって?」湧き上がる怒りを、ジングクは懸命に抑えた。「何にそんなにムカついたんだ?」

ジングク「俺に?それとも… まさか妹に?」
ユリ「おじさんの妹にムカつきました。これでいいですか?」

そう言って、ユリはうんざりした様子で視線を逸らす。

ジングク「お前… わざと妹を殺そうとしたのか?!」
ユリ「そうみたい」
ジングク「そうみたい?」

ユリがニヤリとしてジングクを覗き込む。「車で轢こうとしたんだってね」

ジングク「… わかった。それなら一体なぜだ?理由を言ってみろ」
ユリ「うーん。言いたくない」

「言いたくないだと?!」ジングクは二人の間を遮っていたテーブルをひっくり返した。
ユリの肩を掴み、強引に立たせる。「人を殺そうとしておいて、言いたくないだと?!」

ユリ「おじさんの妹、孤児でしょ」

「誰がそんなこと!」今度はそのユリをソファに突き飛ばす。「俺って家族がいるのに何が孤児だ?!」

ジングク「どこで聞いた?」
ユリ「二人で話してるの全部聞いたわ」
ジングク「二人?」
ユリ「キム・ムヨンとおじさんの妹」
ジングク「!」
ユリ「二人して私も孤児、俺も孤児って。楽しそうにしちゃってさ」
ジングク「それで… それでやったのか?」
ユリ「…。」
ジングク「妹とキム・ムヨンの仲を誤解して?」
ユリ「どこが誤解なわけ?」
ジングク「誤解だろ!どこで何を聞いたか知らんが、あいつの彼女は別にいる!妹じゃなくて別の人だ!」
ユリ「そんなのどうでもいいわ!キム・ムヨンはおじさんの妹が好きなんだから」
ジングク「…何だって?」
ユリ「キム・ムヨンはね、おじさんの妹が好きなの」

「…。」あまりの衝撃に、ジングクは目をぎゅっと瞑った。「そうか」

ジングク「とにかくだ、それは違う。お前が誤解したんだ」
ユリ「…。」
ジングク「二つ。これだけは約束しろ。要請じゃない、警告だ。二度と… 二度と妹に手を出すな」
ユリ「出来ません」
ジングク「…何だと?」
ユリ「出来ませんよ、約束なんか」

「こいつ!!!!!」ジングクはポケットから手錠を出し、ユリの手首にかける。「お前みたいなのはクサい飯を食わないと目が覚めさめないんだ」
「痛い!」ユリが痛がる手首を掴んだ瞬間、無数の切り傷がジングクの目に飛び込んだ。「!!!」

ユリ「…。」
ジングク「…イム・ユリ、お前を殺人未遂容疑で逮捕する。お前は黙秘権を行使し、弁護士を選任することが出来る。また、今からお前が話すことによっては、法定で不利になる可能性もある」

ユリを連れ、彼はスタジオを出た。

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ウォニョン警察署へ連行したユリを留置室に入れ、ジングクはすぐに踵を返した。
「誰?なんで捕まえたの?」不思議に思ったソジョンが後を追う。
外へ出てきたところで、今度はチョロンが戻ってきた。「課長、大ニュースです!」

チョロン「イム・ユリが…」
ジングク「後にしろ」
チョロン「え?どこ行くんです?」

ジングクは彼に目もくれず車を発進させた。

チョロン「(ソジョンに)何があったんです?」
ソジョン「…ごはん食べましょ」

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「え?!」署内で昼食を摂りながら、チョロンが目を剥いた。「イム・ユリのせいでジンガンさんが死にかけた?!」

ソジョン「そう。だからユ課長、あんな感じなの」

「…どうしよう」慌てて立ち上がり、携帯を取り出したチョロンを、ソジョンがすかさず止めた。「座りなさい」

ソジョン「電話してどうするの?”轢かれそうになったんですかぁ?!”って?」
チョロン「…。」
ソジョン「黙ってなさい。不安にさせるだけよ」
チョロン「…。」
ソジョン「ダメよ。やめなさいってば」
チョロン「…はい」

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ジングクが向かったのは、ユリの職場の駐車場だ。
ユリの車の窓ガラスを拳で割り、ブラックボックスを調べる。
「!」メモリーカードが抜き取られていた。

駐車場が映る防犯カメラの映像を調べ、ユリが何かを草むらに投げ捨てたのを確認すると、彼は二つに割れたメモリーカードを探し出した。

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大株主であるチャン・ウサンが、アーツ社を訪れていた。
彼の冷たい視線がムヨンを追う。「…。」
執務室を出てきたチョン代表が、資料の封筒を手渡した。

チョン代表「専務、いらしたついでにウェディングレシピをご確認いただければ」

後ろにいたスタッフが、しきりにチョン代表の服の裾を引っ張る。
その話題はやめろ、と言いたいのだ。

チョン代表「ベスト・オブ・ベストです!キム・ムヨンさんのレシピ、独特ですよ」

「キム・ムヨンさん、どうなんでしょう?必要な人なのかな」思いがけないウサンの言葉に、チョン代表は首を傾げた。「え?」

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「何なんだ?」小さなバルコニーでタバコを吸いながら、チョン代表が言った。
隣りにいるのは、さっき同席していたスタッフだ。

チョン代表「ムヨンさんを指名してウェディングレシピまで任せたのに」
スタッフ「どうも破談になったみたいです」
チョン代表「本当に?」
スタッフ「えぇ。ニュースが出回ってます」
チョン代表「だけど、ムヨンさんと関係ないだろ。なんで突然クビにしろなんて?大株主だからって、よそのスタッフを好き勝手にクビにしろなんて、考えれば考えるほど腹が立つよ」

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スンアは浮かない表情で携帯の画面を見つめていた。
自分の送ったメッセージばかりがズラズラと並んでいる。
ムヨンからは何の反応も返って来なかった。

そこへジンガンがアトリエを訪ねてくる。
「どうしたの?」すっかり片付いたアトリエを見て、ジンガンが言った。「移転するの?引っ越し?」

スンア「ううん、そういうんじゃなくて」
ジンガン「何?」
スンア「私… ここを発とうと思って。ムヨンさんと」
ジンガン「発つ?」

スンアは計画をジンガンに話して聞かせた。

ジンガン「23億?」
スンア「うん」
ジンガン「両親に黙って勝手にやっていいの?!」
スンア「どうせここ、私に譲るつもりで買ってあったんだし」
ジンガン「だからってそんなのダメよ」
スンア「…。」
ジンガン「あいつ… いや、彼は?彼もそうしようって?」
スンア「明日話すつもり。もちろん喜ぶはずよ」
ジンガン「…。」
スンア「彼、私のせいですごく辛い思いしたんだから」

#辛い思いをしたのは目の前の人だよ。

ジンガン「行くんなら… どこに行くつもり?」
スンア「んー、誰も知らないところ」
ジンガン「今どきそんなところないわよ」
スンア「あるわ。ギリシャとかモロッコとか。海辺に家を建てて、ひっそり暮せばいいでしょ」

「それとも」スンアの表情は、完全に夢見る少女だ。「ヘサンとか」

スンア「ムヨンさんの故郷がヘサンなの。彼さえいいなら、私はそこでもいい」
ジンガン「スンア」

ジンガンの心配をよそに、スンアは楽しそうに笑みをこぼす。「ムヨンさんの家族って面白いのよ」

ジンガン「家族?」
スンア「子どもの頃は大家族だったみたい。叔母さんたちと一緒に暮らしてたんだけど、お母さんも叔母さんたちも同じ服しか着ないんだって」
ジンガン「…。」
スンア「ホントよ。一年中、同じ服ばかりなんだって。可笑しいでしょ」
ジンガン「…うん。彼が言ったの?」
スンア「うん」

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家に帰り着いたジングクはぐったりとソファに倒れ込んだ。
回収したメモリーカードを、ティッシュで大切に包み直す。
そこへ、チョロンから電話が入った。

チョロン「イム・ユリ、どうするおつもりなんです?」
ジングク「どうするって拘束しないと」
チョロン「牢屋送りにするには、何かないといけませんけど…何か見つかりましたか?」
ジングク「あぁ」

「見つかったんですか!」チョロンの声がパッと明るくなる。

チョロン「課長、あいつマジで気違いらしいですよ。会いに行った参考人たち、みんな言ってます。それと、子どもの頃から精神科に通ってるそうですよ。なんだか有名な本も出てるって」

ジングクは起き上がり、テーブルに本に目をやった。「ヤン・ギョンモの”トラウマと共に”?」

チョロン「あれ?どうしてご存知なんです?」
ジングク「確かなのか?」
チョロン「さっき会った参考人から聞いたんです。チョン・ミヨンが言ってたそうですよ。イム・ユリが本に出てるって」

「そうか」ジングクは本の目次を開いた。

チョロン「あ、そうだ。マジで大ニュースなんですけど、イム・ユリって凄い家の娘だそうですよ。ハジヘ産婦人科ってあるでしょう?カンナムにもあるし、イルサンとかブンダンとか。そこの末娘だそうです。あいつの上に姉が一人、兄が一人いるんですけど、ふたりとも…」

目次を下へとたどって行く。
一番最後でジングクの指が止まった。

【 7. 見えない少女 – 富裕家庭の”みにくいアヒルの子 】

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ジングクは『トラウマと共に』第7章を開いた。

~~~~~~

『スジョンが初めて自殺を図ったのは、9歳になる年の春だった。鎮痛剤を1瓶飲み、書斎に倒れているのを見つけたのは、家事手伝いの女性だ。
カウンセリングを始めて2ヶ月が近づいても、彼女は口を開かなかった。人形遊びをしていて、落とした櫛を拾ってやったり、似合うと思う服を渡してやると、受け取ってはくれるものの、彼女は依然として一人でいるかのように振る舞った』

※スジョンは仮名

ヤン博士「ユリ、今日はどうだった?」

『8度目のカウンセリングで、ようやく私は彼女の声を聞くことが出来た。スジョンが私に初めて言ったのは…』

「先生は…」お人形を触りながら、ユリはポツリと言った。

ヤン博士「?!」
ユリ「先生は… 私が見えるの?」

彼女は顔を上げた。「お母さんには、私が見えないの」

~~~~~~

ジングク「…。」

#なんてショッキングな言葉なんだろう…。”見えない少女”って、目次だけ見たときはわからなかったけど、そういう意味だったんですね。

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翌朝。

「30分早く出て来いって言ったろ。俺まで遅刻だ」トラックの横で文句を言うムヨンを、ジンガンは足早に素通りした。
バスに飛び乗った彼女にニヤリと笑い、ムヨンはトラックで追いかける。

#突っぱねるほど燃えるタイプだね(笑)

並走するムヨンに、ジンガンはメールを送った。

”スンアが何考えてるか、知ってるの?”

しばらくして電話が鳴る。
ムヨンだ。

イヤホンに付属したマイクを口元に寄せると、ジンガンは彼を睨んで言った。「目障りよ」
「…。」ムヨンはイヤホンを外して加速すると、彼女の視界から消えた。

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ユリは朝一番に釈放された。
証拠不十分だとして、ジングクが釈放を指示したのだ。

「証拠はあるって言ってたのに!」チョロンが署の前で激怒しているところへ現れたのは、スクーター泥棒のオ・バルンだ。

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アーツのチョン代表は、ムヨンに別の鋳造所へ移るよう勧めた。

チョン代表「ムヨンさんさえ構わないなら、俺が上手く言っておくから。理由は訊かずに、少しの間だけ…」
ムヨン「…。」

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ジングクは今日も管制センターで防犯カメラの映像を睨んでいた。
いつの間にかそこにいたチョロンが、ポツリと訊く。「イム・ユリ、なぜ釈放したんです?」

ジングク「証拠がないと捕まえておけないだろ」

「はぁ、ハズレだな、ハズレ」映像を眺め、ジングクがボヤく。

チョロン「ハズレだな、ハズレ」
ジングク「!」

「そんなことだろうと思いましたよ」チョロンが隣の椅子に腰を下ろす。「そこで持ってきたものがあるんですけど」

チョロン「何を持ってきたんだ?」

「渡していいものかどうか」チョロンは勿体ぶって話を切り出す。「刑事司法情報システム」

チョロン「ウォニョン洞オフィステル女子大生殺人事件のフォルダを… 開いたんですよ」
ジングク「本当か?!どうやって?」
チョロン「オ・バルンです」

いきさつはこうだ。
いつまでたっても自分のスクーターが見つからず、ジングクを出せと怒鳴り込んできたオ・バルン君に、チョロンは入れ知恵をした。
強力3班でオ・バルンに暴れさせ、「何日も管制センターで調べているが、いくら映像を探しても見つかりそうにない」と説明する。
さらにバルンが暴れたところで、困り果てた班長にこう提案するのだ。「僕がチョン・ミヨンのフォルダを探してみましょうか」

ジングク「それで?」
チョロン「持ってきましたよ。事件当日、半径1km以内にある施設の防犯カメラ、周辺車両のブラックボックス映像まで」

そう言って、チョロンはUSBメモリーを掲げてみせた。

ジングク「(歓喜)オム・チョロン、お前!!!」

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これ以上は待っていられなかった。
スンアはムヨンの勤めるアーツ社を訪れる。
門を入ったところにいたヒジュンは、彼女を見て冷たく背を向けた。

スンア「あの… ヒジュンさん」
ヒジュン「何ですか」
スンア「…?」

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「クビ?!」ヒジュンの言葉に、スンアは驚いて訊き返した。

ヒジュン「えぇ、おたくのせいで」
スンア「!」
ヒジュン「酷くないですか?恋愛は恋愛、仕事は仕事でしょう。腹が立ったからって人の職場を…」
スンア「…。」
ヒジュン「金持ちなら許されるのか?」
スンア「ヒジュンさん、申し訳ないけど、ムヨンさんに電話してもらえませんか」

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ヒジュンから電話をしたことで、スンアはようやくムヨンと連絡をとることができた。
彼女の待つカフェに、ムヨンが姿を現す。
目の前に座ったムヨンは、いつものように穏やかだった。

スンア「何よ。電話にも出ないし」
ムヨン「ごめん」
スンア「具合でも悪いのかと思って心配したじゃない」

「そうだったのか」ムヨンの声には何の感情も窺えない。「心配させてごめん」
「いいの。大丈夫」そんなことを言いに来たんじゃない。スンアは首を横に振った。

スンア「ヒジュンさんから聞いたわ」
ムヨン「平気だよ。別の仕事を探せばいいんだし」
スンア「ううん。仕事は探さなくていいの」
ムヨン「?」
スンア「どうせ辞めなきゃいけなくなるわ」

スンアは彼の手を取った。「言ったでしょ?賢くなるって」

スンア「やっと準備ができたの。ここを発とう、私たち」

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帰りのバスの中でウツラウツラしているところへ、ジンガンの携帯が鳴った。
「スンア?」様子がおかしい。
ジンガンがカフェに駆けつけると、スンアは一人でうなだれていた。
彼女の前には、コーヒーのカップが二つ…。

ジンガン「スンア、どうした?何があったの?」

涙の止まらないスンアに、ジンガンは隣でティッシュを渡し続けた。

スンア「私が悪いの」

~~~~~~

「私たち、お金持ちよ」ムヨンの手を握り、スンアは得意げに微笑んだ。

ムヨン「金持ちだな」
スンア「ムヨンさんはどこへ行きたい?」
ムヨン「どうかな」
スンア「私は温かいところがいいな」

「ギリシャはどう?」スンアが身を乗り出す。
「うーん、ギリシャ?」ムヨンが他人事のように訊き返した。

スンア「私、何も持たずに行くつもり。本当よ。バッグひとつぶらさげて行くわ」

スンアに合わせて微笑んでみせ、ムヨンは立ち上がった。「行こうか」

スンア「うん。どこに?」
ムヨン「家。帰って履歴書用意しないとな」
スンア「え?」
ムヨン「明日から仕事探さないと」
スンア「ムヨンさん」

~~~~~~

「プライドが傷ついたんだわ」スンアは先走った自分の行動を悔やんだ。

スンア「プライドの高い人なのに。そんな人にお金の話なんかしちゃうなんて、バカみたい」
ジンガン「スンア…」
スンア「ウサンさんが憎いわ…!」
ジンガン「スンア、本当に彼と発つつもり?」
スンア「…。」
ジンガン「いくら彼のことが好きだからって、そんなの無理よ」
スンア「なんで?ここじゃ何も出来ないわ。ジンガン姉だってわかってるでしょ。お母さんだって、ウサンさんだって…」
ジンガン「せめてゆっくり。彼がどんな人なのかもう少し見てから」

「何を?」スンアが苛立ちを募らせる。

スンア「彼の何を見ろっていうの?」
ジンガン「当然のことよ。本当にあんたと合う人なのか… 出会ってまだ2ヶ月にもならないのよ。お互いに合うのかどうか見極めないと」

「わかった」スンアはバッグを手に取った。

スンア「言いたいことはわかるけど… 私を心配して言ってくれてるのもわかるけど… ジンガン姉は彼のことわかってない。わかってないから言えるのよ」

ジンガンを残し、スンアは席を立った。

#見てられん。ピュアすぎて、ピュアすぎるゆえに甘すぎて。周りの親切も、自分の望む親切じゃないと受け取れない。

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翌日。
バス停のベンチに座っているジンガンを見て、ムヨンは思わず微笑んだ。「何だよ」

ムヨン「無視したくせに。朝っぱらから俺のこと待ってたのか」

「そうよ」ジンガンは冷たい表情で立ち上がり、先に立って歩き出した。

ムヨン「何だよ?」

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近くの児童公園に入ったところで、ジンガンは振り返った。「スンアのこと、どうするつもり?」

ムヨン「何を?」
ジンガン「本当にスンアのこと愛してるわけ?」

「いや」ムヨンはいとも簡単に首を横に振る。

ジンガン「… え?」
ムヨン「あれだけ電話を無視しても気がつかないみたいだったから、昨日ちゃんと言ってやったんだけど」
ジンガン「何て?」
ムヨン「そこがスンアの魅力ではあるけど… だって、全部捨ててここを発つなんて、あんまりじゃないか」
ジンガン「…。」
ムヨン「それで言ったんだ。この世に愛なんてない。だから俺もお前のこと愛してなんかない」
ジンガン「この世に愛なんてないって言う人間が、どうしてスンアみたいな子の気持ちを刺激したのよ?」
ムヨン「ひょっとしたらと思ったんだ。教会に行くのと似てるだろ。神はいないとわかっっていながら、綺麗な教会を見れば、ひょっとしてと思って入る。けど、やっぱり神はいないんだ」
ジンガン「つまり… 好き勝手に入って、好き勝手に出てもいいってことね。どうせあんたの気持ち次第だから」

「そうだな」ムヨンがうなずく。
悪びれる様子は一つもなかった。

ジンガン「残される人がどんな気持ちだろうと、自分には関係ないってことね。その人の問題だから」
ムヨン「うん、だいたいそう」

「あんた一度でも…」ジンガンの声はどこまでも静かだ。「人を本気で好きになったことある?」
「うん」ムヨンは少し照れたようにうなずく。「お前」

ジンガン「あんたにとって… 人の心は何でもないのね」

「…。」ムヨンの目に俄に力がこもる。
彼女に近づくと、その瞳を覗き込んだ。「何だよ?その目」

ジンガン「憐れだわ」
ムヨン「!」

ジンガンは彼を残し、そのまま来た道を引き返した。

ムヨン「おい!」

#なぜこの画像を載せたかというと、遠くでピンぼけになってるムヨンの立ち姿が、えらい可愛いからです(笑)

角を曲がったところで彼女の足が止まる。

ジンガン「…。」

どこまでも気持ちが重く感じられた。

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署で顔を合わせると、ジングクとチョロンは地図を広げた。

ジングク「ここがヒューイット・ヴィラ。ここが唯一傘の映っていた場所だ」

「見ろよ」傘が映っていた場所と、ミヨンの殺されたヒューイット・ヴィラの道程をペンでたどる。

※中央少し上の赤丸がヒューイット・ヴィラ。
左下の青丸が傘の人物が映っていた場所。

ジングク「かなり遠回りだが、防犯カメラを完璧に避けるルートがある」
チョロン「ホントですね」

「ここが一番大事なポイントだ」ジングクはヒューイット・ヴィラ前の道に黒い点を打った。

ジングク「ヒューイット・ヴィラの裏口に面した最初の道路。幸いその時刻、かなりの車がここを通ってる」

ジングクはその裏道を通った車のブラックボックス映像を、片っ端から調べたのだ。
延々とハズレが続いた末に…

「!!!」

彼はとうとう見つけたのだ。
通り過ぎる車を振り返る、傘の男。
それは…

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ここでエンディングです。

ラスト、壁にぼんやりボールを投げているムヨンのショットがありましたが、両手使ってますね。
両利きなのをあらわしているのか、両利きの訓練をしているのか、特に意味はないのか(笑)、そこは不明ですが、一応チェックです^^

 - 空から降る一億の星

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