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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 13話前編

      2018/12/17

ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、13話の前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。

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「死にませんでしたよ」刺された腹部を指し、ムヨンはジングクに笑ってみせた。

ジングク「…。」
ムヨン「喜ぶと思ったのに。ひょっとして本当に僕のこと殺すつもりだったんですか?」
ジングク「…。」

茫然としているジングクを見て、ムヨンは少し呆れたように笑った。「らしくないな」

ムヨン「人を殺したら殺人者になるんでしょう?下劣な殺人者。おじさんに似合いませんよ」

ムヨンはもう一度腹をそっと叩いてみせると、笑って背を向けた。

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「代表の”ソン”の字、どんな字ですか?」デスクでおやつを食べながら、ジンガンが唐突にファン代表に尋ねた。

ファン代表「え?」
ジンガン「代表の名前ですよ。ファン・ソナ(ソンア)のソンの字、漢字でどう書くんですか?」

※ファン代表の名前は황선아. ムヨンの本名は강선호. 선の字が共通しています。

ファン代表「善人の善よ。名前どおりでしょ」
ジンガン「わぁ~。素敵!」
ファン代表「おおげさね。ありふれた名前なのに」
ジンガン「そうですか?ありふれてれば尚更いいわ。善いって意味なんだろうから」

「どうしちゃったの?」嬉しそうなジンガンに同僚たちは首を傾げた。

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辞職を申し出たムヨンに、イーグル社の代表は勧告辞職を提案した。
そうすれば失業中も給与が入るからだ。
代表の最大限の気遣いだった。

「辞表は出した?」会社を出たところで、ジンガンからメールが入る。

ムヨン(メール)「出す前にクビになった」

ジンガンが驚いて電話する。「クビになったの?!」

ムヨン(電話)「勧告辞職。どうせ辞めるんだし、無断欠勤したんだから。代表だって配慮してくれたんだ」
ジンガン(電話)「それもそうだね。今日早く終わるし、後で会う?」
ムヨン「何時に終わる?」

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バスに揺られながら、ムヨンはもう一度地図アプリを開いた。
クムア山が中央に表示されている。
ヤン博士はその場所を『クムア山の石臼台』と言った。
人々がその絶壁をそう呼んでいるのだ。

※절구대=石臼台と書きましたが、どう訳すのが正しいのか調べてもわかりません。間違っていたらごめんなさい!

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2人が待ち合わせたのはソウルタワーの展望テラスだ。

ジンガン「写真撮ろうよ」
ムヨン「写真?」
ジンガン「うん、記念写真」

ジンガンが柵の上にスマートフォンをセットし、2人は並んで写真を撮った。

ムヨン「ちゃんと撮れた?」
ジンガン「うん、よく撮れてる!そっちにも送るよ」
ムヨン「で、何の記念写真?」
ジンガン「あんたが無職になった記念」
ムヨン「!」
ジンガン「バカね。“カン・ソンホ”、本当の名前がわかった記念に決まってるでしょ。善いの善(ソン)、高いの鎬(ホ)。超気に入ったわ」
ムヨン「おい、そんな字だって言ってないぞ。誰にもわからないんだから。勝手に決めるなよ」
ジンガン「ううん。“鎬”はともかく、“善”の字はなんとなく合ってる気がするの」
ムヨン「…。」
ジンガン「イヤなの?私はすごく嬉しいけど」
ムヨン「いや、好き嫌いは別にして、まだ自分の名前って気がしなくて、しっくり来ないんだ」
ジンガン「名前ってホント不思議だね。“キム・ムヨン”って呼ぶと、どこか寂しい感じがするけど、“カン・ソンホ”って呼ぶと、優しくて頼もしい!」
ムヨン「そんなに気に入ったのか」

「うん!気に入った!」ジンガンはムヨンの腕にしっかりと抱きついた。「あんたのご両親、すごくいい方たちなんだろうな」

ムヨン「…。」
ジンガン「息子にそういう名前つけたってことは、間違いなくいい方たちよ」
ムヨン「そうかな」
ジンガン「うん。ヤン先生、名前のこと以外は話してくださらなかったの?」

「…。」ムヨンは思わず顔を曇らせた。
君のお父さんは自殺した… ヤン博士の声が蘇る。

ムヨン「特には」

「…。」ムヨンの横顔をじっと見ると、ジンガンは気が逸るのをおさえて微笑んだ。「私、きっと代わりに満足してるんだわ。自分の名前が見つかったみたいで」

ムヨン「お前の名前も探せばいい。一緒に探そう」

ジンガンは首を横に振った。「私はそのうちね」

ムヨン「?」
ジンガン「時が来たらお兄ちゃんが教えてくれるんじゃないかな。お兄ちゃんが話してくれるまで待つわ」

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ジングクは、11月に来たばかりの寺を再び訪れていた。
線香をあげ、静かに仏像を見上げる。

ジングク「…。」

背後の壁には、ここで供養を受けた故人の名前がズラリと並んでいた。

【晉州カン公 スング 霊駕】

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ソウルタワーを下り、ムヨンとジンガンは日の暮れてきた公園を歩いた。

ジンガン「紅葉狩りしようと思ったのに、全部落ちちゃってるね」
ムヨン「そうだな。幽霊でも出そうだ」
ジンガン「でも、ここいいね」

「来てよかった」そう言いながら、ジンガンは嬉しそうに前を歩く。

ムヨン「あぁ、いいな」

後ろを歩きながら、ムヨンはポツリと言った。「父さん、自殺したんだって」

ジンガン「!」
ムヨン「山で死んだらしいんだけど… よくわからないんだ」
ジンガン「…。」
ムヨン「先生は知ってて教えてくれないのか、本当に知らないのか…。とにかく結論が出た。うちの家族は幸せじゃなかったってことだ」

言葉の代わりに、ジンガンはまず彼を抱きしめた。「お父さん… もう亡くなったのね」

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「俺、ヘサンに行こうかと思ってさ」バス停のベンチでムヨンが言った。

ジンガン「?」
ムヨン「父さんのことで。一度そこに行ってみたいんだ」
ジンガン「ヘサンのどこ?」
ムヨン「クムア山に石臼台ってところがあって、絶壁らしい。そこで亡くなったって」

「…。」悲しげな表情を浮かべるジンガンに、ムヨンは小さく微笑んだ。

ジンガン「一緒に行こうか?」

ムヨンは静かに首を横に振る。

ジンガン「そう。しっかり挨拶しておいでね」
ムヨン「うん。でも、何て挨拶すればいいのかな。父さんの名前も知らないのに」
ジンガン「“お父さん” そう言えばいいのよ。“お父さん、ソンホです”」
ムヨン「そうか。それでいいな」

向こうからバスが近づいてくるのが見えた。

ムヨン「先に乗って帰れよ」
ジンガン「うん。こっそりつき合うのってすごく大変。バスも一緒に乗れないなんて」

バスが停まり、ジンガンの前で扉が開く。

ジンガン「…。」
ムヨン「?」

ジンガンを乗せないまま、バスは扉を閉め、走り去った。

ジンガン「どうしてこんなに不安なんだろう」
ムヨン「…。」

#↑バスに乗らなかったジンガンを不思議そうに見てるムヨンが、完全にピュアでハッとする。

ジンガン「挨拶に行くだけなのに、急にどうしてこんなに…」

「不安がることなんかない」今度はムヨンが彼女を抱きしめた。「すぐ帰ってくるから」

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ジングクは布団の中で寝返りを繰り返していた。
キム・ムヨンがカン・ソンホだとわかってからというもの、今まで彼に浴びせた言葉が次々と蘇ってくる。

「お前は人間じゃない」
「警察官は人間がなるものだ。お前みたいな殺人者じゃなくてな」

自分が彼を刺したと知り、妹は「もっと辛い生い立ちの持ち主なんだ」と泣いてすがった。

ジングク「…。」

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ジンガンには心配するなと言ったものの、ムヨン自身もなぜか不安に襲われていた。
すでにヘサン行きの列車に揺られているというのに、あらゆるものが彼に止まれと言っているようだ。
そこへ行けば二度と戻れなくなるかのように。

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田舎の駅で列車を降りると、ムヨンは途中で道を訊きながら目的の山へ向かった。
向こうに屏風のように切り立った絶壁が見える。
思ったより高いところだ。
苦労して山道を上り、ムヨンは崖の上にたどり着いた。

ムヨン「…。」

駅前で買ってきた焼酎を撒き、父を弔う。
段々になった岩に腰を下ろし、ムヨンはメール画面に文章を打ち始めた。

『拝礼しようかと思ったけど、照れくさくてやめた。実は父さんって呼ぶこともできなかったんだ』

今日ここへ来る前に思ったことを、ジンガンへのメールにしたため続けていたのだ。
彼女に話しかけているつもりで… それでも送信ボタンは押さないままだ。

『悲しくはない。このまま眠れば、いい夢が見られそうだ』

ムヨンはゴロンと寝転がり、目を閉じた。
すると…

ぜんまいじかけのロボットのおもちゃが、床の上を歩いてくるのが見える。
男の子が楽しそうに笑った。
向かい側で誰かがロボットを掴む。

ムヨン「!」

今見えたのは誰だろう。
ムヨンは起き上がり、場面を慎重に辿る。

ロボットを掴み、ぜんまいを巻いているのは…

父さん…?!
優しそうな父が笑っているのが見える。

ムヨンは立ち上がり、足早に歩き出した。
古い案内板が目に入ると、足が自然と右へ向かう。
すぐに道が二股に分かれていた。
…右だ。

ロボットのおもちゃを手に、幼い自分が駆けていくのが見える。
振り返ると、ソンホ少年が誰かを呼んだ。「ユナ!」

ムヨン「!」

後ろから、ユンと呼ばれた小さな子どもが駆けてきた。
兄からロボットのおもちゃを受け取り、2人は仲良く連れ立って走り出す。

ムヨン「…ユナ?」

2人の子どもが駆けていった方へ、ムヨンは迷わず向かった。
そこに見えたのは…天使の像だ。


夢の中で見上げた空にも、同じ天使の像があった!
大切に持っていた絵の中にも、天使が描かれている。

『家に帰ってきた気がする』

視線を下ろすと、天使の像が鎮座していたのは… 一軒のあばら家の屋根の上だった。
そう。
ここが… 家だ。

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玄関の扉は鍵が掛かっておらず、引いてみるとあっさり開いた。
ムヨンは慎重に中へ足を踏み入れた。

中は荒れ放題だ。
ステンドグラスのように青く装飾された窓を開け、後ろを振り返ろうとすると、何か硬いものを踏んだ。「?」
ロボットのおもちゃだ!
夢の中で見たものと、全く同じだ。
唯一違っていたのは、すっかりホコリを被り。片腕が取れてしまっていたことだった。

『本当に… 帰ってきたんだ』

家の中央へ進んでみると、ストーブが倒れており、そばにヤカンが転がっている。
さらに奥へ向かうと、冷蔵庫の横にある小さな机の上にラジオが置いてあった。

急にキーンと耳鳴りがしたかと思うと、ムヨンの頭の中をまた夢… 古い記憶がめぐり始めた。
ヤカンのお湯が沸騰する音と共に、銃口が見える。
次の瞬間、銃口がバンと火を吹いた。

ムヨン「!!!」

と、ヤカンの向こうにいた父が、バタリと倒れた。
「お父さん!」ソンホ少年が叫ぶと同時に、手から滑り落ちたロボットのおもちゃの片腕で外れる。
はずみでストーブの上のヤカンがグラリと揺れて…

思わずかがみ込んだムヨンは、そっと顔を上げた。
正面の壁に鏡が掛けてある。
そこに写っていたのは…

そうだ!
あの日、ソンホ少年が鏡越しに見たのは、銃を構えているある男の顔だった。

ムヨン「!!!」

#この一連のシーン、とてもいい!現実にその場所を訪れたことで、記憶が堰を切ったように蘇るのが、うまく表現されてますよね。ムヨンの表情もいいです!

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ヤン博士がジングクに電話したのは、その日のことだ。
「銃ですか?」電話越しに聞こえた言葉に、ジングクは思わず訊き返した。

ヤン博士(電話)「えぇ。この間ムヨンが言ったことがどうしても気になって。ひょっとして、ムヨンの父親の死に、銃が関係しているんですか?」
ジングク「…。」

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結局一度もジンガンに連絡しないまま、ムヨンはウォニョンの自宅へ帰り着いた。
ちょうどジンガンからメールが入る。「無事帰って来た?」

メール画面を開くと、道中、思うままにしるした文章が、送信されないまま長く連なっていた。

ムヨン「…。」

長い文章を一気に全部消し、彼女とソウルタワーで撮った“記念写真”を眺める。
ムヨンはそのまま携帯をソファへ放り出すと、財布に入れてあった写真を半分に引き裂き、幼いジンガンの部分だけを財布に戻した。

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ジングクが屋台で一人酒を飲んでいるところへ、ソジョンが彼を探して現れた。
「本当にあの子だったなんて」ソジョンの溜息を聞きながら、ジングクが静かに酒を注ぎ足す。

ソジョン「私でさえこんなに落ち込むのに。ユ課長は… 大丈夫?」
ジングク「ジンガンが言ってた。俺みたいな人のせいで傷ついてきたって」
ソジョン「…。」
ジングク「我が子を守るためなら、よその子が傷つこうが構わない。そんな人たちのせいで傷ついたんだと」
ソジョン「なんでこんなことになっちゃったのかしら…」
ジングク「怖かったんだ。キム・ムヨンはまるでブレーキのない車なのに、ジンガンは降りるつもりもない。無理やりにでも停めないと、どこまで走っていくやら。だから、ジンガンの言ったとおり、我が子を守るために、よその子を傷つけた。だが… その子がソンホだったとは」
ソジョン「どうするつもりなの?」

「あの子が言ったんだ」そう言って、ジングクは「いや」と笑った。「俺の方が先に言ったんだった」

ジングク「この世にタダはないって」

ムヨンがスンアから貰った20億の小切手を見せたときのことだ。
この世にタダはない、運良く過ぎることなんてないんだと、ジングクが彼に警告したのだ。
ムヨンもまた「タダは嫌いだ」と答えた。「目には目を、歯に歯を」と。

ジングク「そのとおりだ。この世にタダなんてものはない。あの子が望むなら、目には目、歯には歯… それもいいさ」
ソジョン「ユ課長…」

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ここで区切ります。

 - 空から降る一億の星