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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ30話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』30話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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病院を出たドチャンとハラは、静かなブリッジを並んで歩いていた。
グリーンとパープルのライティングがとても幻想的だ。

#思いっきりデートやないか

「ありがとう」ハラの口から出たのは、素直な思いだった。

ハラ「ペク先輩、手術しても助からないと思ったんだわ。それで、あんたがペク・ジュンス検事として生きられるようにしようって」
ドチャン「ペク検事が死んで、俺がペク検事として生きる… 人の犠牲の上で生きる…。あぁ、考えただけでも恐ろしいけどな。そんなシナリオに俺が同意すると思うか?」
ハラ「そうね。だから余計に感謝してるわ。ペク先輩のシナリオをアップグレードしてくれて」
ドチャン「手術、うまくいってくれないとな」
ハラ「うまくいくわよ。神様がペク先輩だけにこんな残酷なはずないから」

「だよな」ドチャンは小さく笑った。
ドチャンの横顔を窺い、ハラは立ち止まる。「サ・ドチャン…」

ドチャン「?」
ハラ「ホントにいい人ね」
ドチャン「何だよ、いきなり?不意打ちだな」
ハラ「何?この間は知らんぷりして聞いてたくせに」
ドチャン「あのときはペク・ジュンスの振りしてたから、気楽に聞けたんだ」

「チッ」少し拗ねた顔と、口から出る言葉は裏腹だ。「ペク先輩の代わりをしてくれたのが、あんたで本当に良かった」

ハラ「私一人じゃここまで来られなかったわ」

「…。」ドチャンは彼女をまっすぐ見つめると、おどけたように指をさす。「本心?」
ハラもベロンと舌を出し、先を歩きながら愉しげに笑った。

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翌日。
朝からジュンスの手術が始まった。

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ソウル中央地検への階段を上がってきたコ係長の前に、見知らぬ男性が二人、立ちはだかった。「コ・ギボン係長ですね」

コ係長「はい、どちら様です?」
監察官「大検察庁監察部から参りました」
コ係長「えっ… 監察部?」
監察官「少しご協力を」
コ係長「…はい」

「こちらへ」監察官が先に立って歩き出した。

コ係長「…。」

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コ係長が連れてこられたのは、監察部の取調室だ。

監察官1「コ・ギボンさんはペク・ジュンス検事の担当捜査官です。それなのに、怪しいとか、別人だと感じたこともなかったんですか?」
コ係長「…。」

「誰よりもコ係長がペク検事の正体を疑っていたという証拠があるんです」隣の監察官が資料を差し出す。
確かにそうだ。
ペク検事が束草から復職したばかりのとき、別人ではないかと疑って、茶碗を使って指紋鑑定をしたのだった。

監察官2「指紋鑑定まで依頼していますよね」

「はい、やりました」コ係長の声は緊張でうわずっていた。

コ係長「だけど、99.9%一致していました。この資料にそうあるじゃないですか」
監察官「捜査官が担当検事の正体に疑問を持ったと…?」
コ係長「…。」

動揺するコ係長をからかうように、監察官は顔を覗き込む。「なぜです?どうして疑ったんですか」

コ係長「……… いい人すぎて」

ようやく捻り出した理由に、監察官が思わず鼻で笑う。

コ係長「ペク・ジュンス検事があまりに人間的だったので、疑問を持ったんです。今まで出会った他の検事さんたちと違いすぎて…」

監察官がドンとテーブルを叩き、言葉を遮る。「我々も検事です」

監察官「一体何を言っているんですか!」

「ペク・ジュンス検事は本当にいい人なんです」それでも、コ係長はそう繰り返した。「傷がつかないようにしてください」
「あのですね」黙って微笑んでいたもうひとりの検事が身を乗り出す。「そういうことを訊いているんじゃないんです」

監察官2「サ・ドチャンの検事詐称。知っていたのか、知らなかったのか。はい、いいえで答えてください」
コ係長「…はい」
監察官1「あ!知っていたんですね?」
コ係長「いえいえいえ!」
監察官2「いいえ?」
コ係長「…。」
監察官1「コ・ギボンさんがこの事件に関わっていたなら、厳重な法的責任を負わなければなりません。罷免になるのはおわかりですよね?」

「…。」もう辛抱の限界だった。「人の話を信じろよ!」コ係長は拳でテーブルを叩き、立ち上がる。

コ係長「うちのペク検事はな、本当に立派な御方なんだ!俺が辞めればいいんだろ。信じられないのか?」

※ここでコ係長が上着を脱ぎ捨てています。これは옷을 벗다(服を脱ぐ)が『辞職』を意味するから。「辞めればいいんだろ」というセリフは、直訳すると「服を脱げばいいんだろ」と言っています^^

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命からがら監察部から生還したコ係長は、廊下にヘナヘナとへたりこんだ。

#へたり込み方が乙女♪

コ係長(独り言)「ペク検事、いや、サ・ドチャンさん… 何としても耐え抜いてください。このコ・ギボンが命をかけてお守りします」

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地検へ戻ってくると、コ係長はペク検事(ドチャン)を密かに取調室へ呼び出した。

ペク検事「コ係長、どうしたんです?」
コ係長「ペク検事。私、ちょっとあるところへ連れて行かれたんです」
ペク検事「え?どこへ?」

「絶対秘密にしていただかないと」コ係長の声はまだ震えていた。

コ係長「秘密保持の念書まで書いて来たんですから。絶対誰にも言わないって。だけど、ペク検事にだけお話ししてるんです」
ペク検事「一体どこへ行ってらしたんです?」
コ係長「大検察庁監察部へ」
ペク検事「!!!」

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ペク検事(ドチャン)が連絡を取ったのは、チェ・ジョンピル氏だ。
「クム・テウンさえ退治できれば、自分はどうなっても構わんのです」チェ・ジョンピル氏はそう言い切った。

チェ前総理「どうせ先はそう長くない。一生牢屋で過ごしたっていいから、クム・テウン、あの悪魔を何としても捕まえていただきたい」
ペク検事「そのためにご連絡したんです。クム・テウンに関することなら、些細なことでも全て聞かせてください」
チェ前総理「キム室長、自白を?」
ペク検事「今はまだ」
チェ前総理「しぶといヤツだ。何の得もないのに」
ペク検事「…。」
チェ前総理「例のK貯蓄銀行の頭取、殺したのは間違いなくキム室長ですよ。クム・テウンの指示でね」
ペク検事「クム・テウンとキム室長は借名電話を何台か使っていますよね?」

「あぁ」チェ前総理がすばやく考えを巡らせる。「その電話、どこで作ったものか知ってますよ」

チェ前総理「永登浦でユン社長がやっている代理店だったか、そこを調べてみるといい」
ペク検事「!」
チェ前総理「クム・テウンとキム室長が使っている電話の番号がわかるはずです」
ペク検事「大いに役立ちそうです!」

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ハラが一人、車を走らせているところへ、電話が鳴った。
ちょうど信号が赤になり、停車したところだ。
「うん」彼女はくつろいだ様子で電話をつなぐ。

#頬をほんのり染めるオレンジのチークが可愛い♪

「メール見たよな」チェ・ジョンピル氏との面談を終えたドチャンからだ。

ドチャン(電話)「キム室長の借名電話を売った店」
ハラ(電話)「うん、今向かってるわ。サ・ドチャン、凄いわね。チェ・ジョンピル総裁まで料理するなんて」
ドチャン「老若男女を問わないのが俺の魅力だなんて、自分の口じゃ言えないけどな~」

「チッ」ハラが思わず笑う。
と、そこへ、向こう側から大きなダンプトラックが向かってくるのが見えた。
「?」なんだかおかしい。そう思ったときには、ダンプはもう目の前だ。

ハラ「きゃあ!」

「オ検事?」短い悲鳴に、ドチャンは立ち止まった。「どうした?」
電話の向こうは静まり返っていて、もう何も聞こえてこない。

ドチャン「もしもし?オ検事?オ・ハラ!」

ドチャンは駆け出した。

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「オ・ハラ!!!」全速力で病院へ駆け込んだドチャンは、手術室へ運び込まれるハラを扉の前で見送った。

看護師「保護者の方は外でお待ちください」

閉まる扉の前で、彼は呆然と壁にうなだれた。「…。」

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手術室の前にはハラの家族とヤン部長が加わっていた。
いまだ処置は終わらず、誰一人口を開く者はいない。「…。」

そこへ姿を見せたのが、捜査に出ていたコ係長とイム係長だ。

コ係長「ダンプの運転手、真っ昼間に飲酒運転していたそうです」
ペク検事(ドチャン)「!」
イム係長「ホームレスがダンプを運転するなんて、おかしいですよね」

「…!」廊下を歩き出したペク検事を、コ係長はため息混じりに追いかけた。
彼の前に立ちはだかり、両腕を広げる。

ペク検事「止めないでください」
コ係長「いけません。今クム・テウンのところへ行っちゃダメです!」
ペク検事「行ってケリをつけますから」
コ係長「ペク検事のお気持ち、十分わかります。でも、これはいけません。今行って何かあったら…」
ペク検事「オ検事に手を出したということは、僕を挑発しているんです。法でお前に何が出来るんだって、からかっているんですよ!」
コ係長「…。」

「止めないでください。僕ももう限界です」行こうとした彼の肩を、コ係長はそれでもしっかりと押し止めた。「お願いです」

コ係長「頼むからやめてください」
ペク検事「…。」

「ペク・ジュンス検事」後ろからヤン部長が静かに声を掛けた。

ヤン部長「オ検事がこうなった上に、お前にまで何かあったら、俺たち誰を信じて捜査すればいい?」
ペク検事「…。」

「そのとおりです」コ係長が繋ぐ。「どうやってクム・テウンを捕まえるんですか!」

ヤン部長「ジュンス、お前の気持ちは十分わかるさ。だが、今ヤツのところへ行ってどうする?殺すか?あぁ、殺しちまえば簡単だ。それじゃ俺とオ検事は?」
ペク検事「…。」
ヤン部長「俺たち、そんな結末を目指してここまでやって来たんじゃないだろ。ヤツと同じになるのは嫌だから、何があっても法で裁こうって!要らぬ苦労をしながらここまできたんじゃないか」
ペク検事「…。」
コ係長「ペク検事、どうかお願いです」

息子を宥めるように、ヤン部長が肩に優しく手を置いた。「ジュンス…」

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クム・テウンの執務室に、ラデツキー行進曲が高らかに鳴り響いた。
独立運動を鎮圧したラデツキー将軍を讃えたこの曲は、まさに今の彼の気分を現しているようだ。

#思わず笑った。ごめん。

クム代表「これで警告にはなったろう」

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大切な仲間、オ検事の負傷をきっかけに、ペク検事たちのチームはより一層団結を強めた。
クム・テウンを逮捕すべく、一人ひとりが決意を新たにしたのだ。

ペク検事「ヒグマに関わって死んだ人たち… その真相を明らかにするには、クム・テウンが指示したという自白が必要です。そのためには、より確かな証拠でキム室長にプレッシャーを与えなければなりません」

彼はコ係長にファイルを差し出した。借名電話業者から押収したキム室長の電話の内訳です」

ペク検事「殺人のあった日、どこで誰と通話したのか調べてください」

「はい」ファイルを受け取り、コ係長が直ちに出動する。

ペク検事「イム係長は殺された人たちの検死結果を分析してください。矛盾や隙があるはずです」
イム係長「承知しました」

#ドチャン、もう黒縁メガネさえ掛けてないことが増えたね。あまり意識して装う必要がなくなった感じ。

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ハラは病室のベッドで目を開けた。
「ハラ!大丈夫?」枕元で見守っていた母親が声を掛ける。
「お姉ちゃん!」妹のソラも一緒だ。

ハラ「お母さん、ソラ…」

「気がついたんですね」ちょうど医師が入ってきた。

医師「意識を失っていたのは事故のショックのためです。左肘の骨に少しヒビが入っていまして。大きな事故にしては軽く済んで幸いでした」
ハラ「ありがとうございます…」

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意識が戻ったと聞き、ドチャンが病室へ駆けつけた。
母親と妹に代わり、彼は自らハラのそばに付き添う。

疲れた体をおしてベッド脇に居座る彼に、ハラは小さく笑みを浮かべた。「私は大丈夫だから、捜査に戻って」

ドチャン「…。」
ハラ「これくらいじゃビビらないって、クム・テウンに見せてやってよ」

ドチャンがふっと笑う。「人が聞いたら本物の検事だと思うだろうな」

ハラ「今は… 誰よりも検事らしいわ」
ドチャン「…。」

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翌朝。
廊下を歩いてきたキル・デロ検事は、誰かに呼び止められた。「キル・デロ検事」

キル検事「?」

近づいてきたのは… コ係長を取り調べた、あの監察官2名だ。

キル検事「どちら様です?」
監察官1「監察部から参りました」

「不正請託なんて受けていませんよ!」キル検事は途端に動揺した。「同窓生だから一緒に行っただけで」

監察官2「いや、そうじゃなくて」
キル検事「あ、それじゃあ電話一本入れたあの件ですか?内輪同士でやめましょうよ」
監察官1「ペク・ジュンス検事詐称事件のことで来たんです」

「…。」キル検事は思わず大きく息をついた。「何だ、僕はてっきり…」

キル検事「それなら積極的に協力しないと」
監察官2「ご同行を」

キル検事はウキウキと後に続いた。

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監察部にて、キル検事への審問が始まった。

監察官1「以前、ペク・ジュンス検事が偽物ではないかと疑ったそうですね」
キル検事「まぁそうですね。あのときは間違いだとわかって、赤っ恥をかきましたけど。火傷の痕があったせいで…」
監察官2「不審な点があったから問題提起したんでしょう?そのときじゃなくて、他に不審に思ったことは?」

「さぁ」キル検事は記憶をたどった。

そう。
ペク検事が束草から戻ってきたばかりの頃、ハラと話しているのを偶然聞いたことがある。
「法大出身でしょ。国家試験の勉強してたんでしょ?」ハラが検事のはずの彼にそう言ったのだ。

#もー 今さら思い出さなくてもいいって。要らんことしかしないんだから。

業界用語を知らず、会話がチグハグになっているのを聞いたこともある。
「!」キル検事は身を乗り出した。

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ドチャンは今日もハラの枕元にいた。

#こんな旦那がずっとそばで看病してたら、動悸がして治るもんも治らんわ。

食事が届けばさっとテーブルを出し、ベッド脇のハンドルを回して上半身を起こしてやる。
「水」と言われればすかさずコップに水をつぎ、彼女が水を飲むのを見てニッコリと微笑む。
彼女がご飯を口に運ぶのを、彼は楽しそうに眺めた。「具合悪くても食欲はあるんだな」

ハラ「ちゃんと食べてクム・テウンを捕まえないと。(箸でおかずを挟み)あ、腕に力が入らない」

微笑ましい彼女の食事風景を眺めるうち、彼は急に眠気に襲われ、大きな欠伸をした。

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その後、元気いっぱいで病室を訪ねてきたのは、イム係長とコ係長のコンビだ。「オ検事~!」「ははははは!」
「頼まれた書類を持ってきましたよ」イム係長がファイルを差し出す。

ハラ「ありがとうございます」
コ係長「口寂しかったら、前におっしゃってたククス、どこのだっけ?あぁ、テジンククス!あれでも買ってきましょうか」
ハラ「えぇ]
コ係長「お金ください」
ハラ「!」
コ係長「冗談~♪」

「わはははは!」イム係長が隣で豪快に笑う。

コ係長「この間よりずいぶん顔色が良くなりましたね」
ハラ「えぇ、だいぶ良くなりました」

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夜には再びドチャンが病室へやって来て、一緒に捜査資料をめくる。
メガネのレンズを拭こうとして、左肘に痛みが走ったハラは、それを何の迷いもなくドチャンに差し出した。「これ、拭いて」
ドチャンはケースからメガネ拭きを出しながら、溜息をつく。「オ検事」

ドチャン「何となく、必要以上にこき使われてる感じがするんだけどさ」

#ブルーのシャツ、新鮮~♪

「自分でやる」ハラが伸ばした手から、ドチャンはさっとメガネを取り上げる。
拗ねたようにハラをひと睨みしながらも、丁寧にメガネを磨いてやると、顔を突き出すハラに苦笑いしながら、それを嵌めてやった。

ハラ「サンキュ~」

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クム・テウンの執務室にソンドゥが来ていた。

ソンドゥ「車の代金、輸出入銀行を通して2000億全て入金されました」
クム代表「我が子たちがとうとう戻ってきたか!」

「はい」ソンドゥが爽やかな笑みを浮かべる。

ソンドゥ「骨董品は税金が減免されますので、税金はそれほど掛かりませんが、すぐに申告しますか?」
クム代表「全部小切手にしろ」
ソンドゥ「小切手に?足がつきますが」
クム代表「カンソンランドでギャンブルして来い」
ソンドゥ「代表、もうギャンブルはやめたんです」
クム代表「カンソンランドにソン理事という人がいる。連絡を入れておくから、会ってくるんだ」
ソンドゥ「信じていただけないんですか?本当にギャンブルはやめたんです」

そう訴えるソンドゥに、クム・テウンはまっすぐ近づく。「合法的な賭博を教えてやると言ったろ」

クム代表「言われたとおりにやれ」
ソンドゥ「…。」

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久しぶりに登庁したハラを、ペク検事(ドチャン)が廊下で待ち受けていた。「オ・ハラのご帰還だ」

ペク検事「闘志がみなぎってるな」
ハラ「私の肘にヒビ入れたヤツ、へし折ってやらないと」

ニッコリ笑い、二人は揃って歩き出した。
「皆さんっ」ペク検事が部屋の扉を開き、ハラを招き入れる。
「オ検事!」皆が拍手で彼女を迎えた。

ハラ「ありがとうございます!」
イム係長「もう少しお休みになればいいのに」
ハラ「休んでるヒマありませんよ。あの… 釜山には行って来られました?」
イム係長「えぇ。すごいマンションでしたよ。目の前に海がパァ~っと!20億ですって」
ハラ「…。」
イム係長「でも、そのマンション、所有者はキム室長のお母さんじゃありません。引っ越して一週間後、登記簿に差し押さえが」
ハラ「差し押さえ?」
イム係長「えぇ。名義人として5名が連なっています。全てフィールギャラリーの職員の名前ですね」
ハラ「マンションを与える振りをして、いつでも奪い返せるようにしたってことですね」
イム係長「一種の小細工です」
ハラ「卑怯なヤツ…」
イム係長「悪党の方がマジメだっていいますけど、確かにマメですよねぇ。寝る暇もないでしょうに」

そこへコ係長が飛び込んでくる。「キム室長の…」
ハラの姿に気づき、彼は顔をパッと輝かせて握手を求めると、そのヒマも惜しい様子でペク検事へと身を翻した。「キム室長の借名電話、通話記録が届きました」

「!」ペク検事が立ち上がる。

コ係長「こちらをご覧ください。頭取が亡くなった時、キム・ヒョヌクはまさにその付近にいたようです。K貯蓄銀行の近くから発信した記録があります」

「キム室長を呼んでください」ハラがすかさず告げた。

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人目につかない駐車場でソンドゥが待っていると、1台の車が入ってきた。
「フィールギャラリーから参りました」握手を求めるソンドゥに、車を降りた男性が応える。「ご連絡をいただいた理事のソンです」

「品物はこちらに」ソンドゥの後ろでムンシクがアタッシュケースを開く。
中に小切手がギッシリ詰まっていた。

ソン理事「私についていらしてください」

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クム・テウンは車の中で電話を受けた。「ソン理事」

クム代表(電話)「終わりましたか?思ったより早かったですね。ギャンブルでこんなに早く2000億も負けるとは。えぇ、そちらへ向かいますよ」

クム・テウンの車の後ろには、大きなトラックが1台ついている。
それらが発進するのを見て、ボン監督たち3人の車がこっそり後を追った。

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クム・テウンの車とトラックは、大きな倉庫の前で停まった。
待ち受けていたソン理事が倉庫を開け、中へ招き入れる。

倉庫前の様子は、設置されていた防犯カメラを通じ、インテたちの見守るモニターへ届けられていた。
作業員たちが次々に荷物をトラックに積み込んでいる。

ウンジ「わぁ、あれ全部現金?」
インテ「2000億ってやっぱ多いな」

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召喚されたキム室長の審問がさっそく始まっていた。
今回はハラの隣にペク検事も並ぶ。

ハラ「K貯蓄銀行頭取の死亡時刻、キム・ヒョヌクさんがその付近にいたという証拠です」

「借名電話を使っていますね」ハラが入手した通話記録を差し出す。
蛍光ペンでラインの引かれた行を、キム室長の視線がすばやく行き来した。

ペク検事「あなたを見たという目撃証言も入手しました。もう黙秘権では防ぎきれないと思いますが」

ハラが別のファイルを上に重ねる。「クム・テウンがあなたに買ってくれたマンション、とっくにクム・テウンの手に渡っています」

キム室長「!」
ハラ「お母さんはただ住んでいらっしゃるだけ」
ペク検事「マンションを買ってやる振りをして、お母さんを人質にするという、実に緻密な作戦です」
ハラ「こんな人のために沈黙する価値はあるでしょうか」

「…。」じっと下を向いたまま、キム室長は唇を噛みしめる。

ハラ「あらゆる汚い後始末を引き受けて、あなたが得たものが何だったのか、しっかり見てください」
キム室長「…。」
ハラ「クム・テウンは未だにあなたを利用して、しゃあしゃあとしているのに、一人で全部被るつもりですか」
ペク検事「クム・テウンは今後も第2、第3のキム室長を途切れることなく生み出すでしょう」
キム室長「…。」
ペク検事「息子のようだ… そう言って」
キム室長「!」

キム室長の心に怒りが込み上げるのを、二人はじっと見守る。
両手をぎゅっと握りしめ、キム室長は顔を上げた。「決定的な証拠を持っています」

二人「?」
キム室長「その在り処をお話ししましょう。そのかわり、条件があります。母を安全なところへ移してください。それが確認できたらお話しします」
ハラ「ご心配なく。安全に保護いたします」
キム室長「…。」

そのとき、ペク検事の電話が鳴った。
「お客様~!」インテからだ。「こちら江原道です。品物が出発しました」

「品物が出発したそうだ」ペク検事とハラが顔を見合わせた。

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ペク検事とハラは揃ってヤン部長の部屋へ向かった。

ペク検事「クム・テウンが2000億をカジノで洗浄し、車に積んだそうです」
ハラ「早く現場をおさえないと」

「OK!」ヤン部長が机の上の書類を差し出す。「令状はここにあるから、今すぐ行って来い」

二人「!」
ヤン部長「じゃないと、どこへ隠すかわからないだろ」
二人「…。」
ヤン部長「何してる?急げ!」

二人はすぐさま駆け出した。

+-+-+-+

ペク検事の件を調べている監察官二人の元へ、上司がやって来た。「どうだ?何か掴めたか?」

監察官「状況上は疑わしいんですが、ペク検事とオ検事が共謀したという決定的な証拠がありません」

そこへ上司の電話が鳴る。「はい、ファン・ジェマンです」

ファン部長「まだ証拠が出ていないんですが。…はい、わかりました」

電話を切ったファン部長は即座に言った。「証拠は要らん。とりあえずペク・ジュンスとオ・ハラを捕まえるんだ。締め上げれば吐くだろう」

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こうして同時に出動したペク検事・オ検事チームと、彼らを捕らえにやって来た監察部チームは、ソウル地検の1階ロビーで出くわすこととなった。

オ検事「何です?」
監察官1「大検察庁監察部から参りました」
監察官2「ペク・ジュンス検事、オ・ハラ検事、サ・ドチャンの公務員詐称を共謀した容疑です」
二人「!」
監察官2「監察部へご同行ください」

+-+-+-+

ヤン部長は電話を受け、驚いて立ち上がった。「何だって?誰が?監察部?!」

「ファン部長のヤツ!」ヤン部長は上着を掴んだ。

#ヤン部長に連絡したの誰だろうね~。ミランさんかな。

+-+-+-+

「令状を執行しに行くところなのがわかりませんか?!」ハラが声を荒げる。

ハラ「捜査より監察の方が大事なんですか!」
監察官1「状況がわかっていないようですね。詐欺師と共謀したとわかれば、あなたの捜査は端から無効だ」
ハラ「!」

「ファン部長!」後ろから進み出たのは、ヤン部長だ。「お前、何やってるんだ!」

ファン部長「公務執行中だ。見えんのか!」
ヤン部長「おい、今大事なのは何だ?!彼らが令状持って出掛けるのが見えないのか?」
ファン部長「ひょっとしてお前もグルなのか?」
ヤン部長「こいつ!いいだろう、全部俺が責任を持つから、ひとまず彼らを行かせろ」
ファン部長「…。」

「おい、聞こえないのか」ヤン部長がいつになく強く監察官たちに詰め寄る。「俺が全部責任取ると言ってるんだ」
そうして、ペク検事たちを振り返った。「何してる?早く行かんか。急げ!」

丁重に頭を下げ、彼らは先を急いだ。

ファン部長「お前、責任取れよ」
ヤン部長「OK!俺が辞めればいいことだろ」

#そう言えば、ペク・ジュンスの研修生時代、教育係だったウ・ジェシク部長は4話に登場したっきりだね。彼も監察部所属だけど、良さそうなキャラだったのになぁ。

+-+-+-+

クム・テウンの車とトラックが、ギャラリーの前に到着した。
待ち受けていた作業員たちがトラックの荷台に駆け寄る。

クム代表「気をつけて運んでください」

荷台に詰まっている木箱を、作業員たちが一つずつ運び始めた。
その様子が、またしてもインテたちのモニターへ届いている。

ウンジ「ドチャンさんは?」
インテ「出発したって」
ウンジ「良かった。隠される前に押さえなきゃ」
ボン監督「クム・テウンのヤツ、今度こそ!」

+-+-+-+

程なくして、フィールギャラリー前にサイレンの音が聞こえてきた。
「?」クム・テウンの前で停まった車から下りてきたのは、捜査員たちを引き連れたペク検事とオ検事だった。「ありゃまた何だ?」

ハラ「クム・テウン代表、(荷物を見て)あれをどちらから?」
クム代表「今度は何です?」
ハラ「札束見学しに、令状を持ってきました」

隣でペク検事が懐から令状を出す。
「?」令状をチラリと覗き込み、クム代表は薄笑いを浮かべた。「何を言ってるんです?」

捜査員たちが荷台から木箱を運び出す。
ペク検事がそのうちの一つを前に身をかがめ、蓋に手をかけた。
皆が固唾をのんで見守る中、蓋を開けてみると…

中にあったのは、白菜ではないか!
その隣の箱も、その隣も…。
荷台の奥の木箱まで、全部開けてみても、現れたのは白菜だった。

ハラ「一体どうやって…」
クム代表「江原道へ行ったついでに、高冷地の白菜を買いましてね」
ペク検事「!」
クム代表「何です?白菜を押収しに?」

「クム・テウン、一体どうやったの…?」愕然と顔を見合わせる二人を前に、クム・テウンは嘲笑を浮かべた。

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ここでエンディングです。

正直、詐称の件で監察部が動いたのも、クム・テウンが白菜を仕込んで出し抜いたのも、「この土壇場になって、今更それやる?」という印象です。

ただ、監察部の件については、コ係長がこれほど”ペク検事”を庇おうとするのに、絆&秘密の共有が出来たこのタイミングじゃなきゃいけないし、クム・テウンは資金転がしで別件逮捕なんかじゃなく、殺人事件でストレートに逮捕すべき。
だから、結局これでよかった、という結論になります(笑)

ただし、どうしたって気に食わないのは、監察部が動いたのがクム・テウン主導だったこと。
ファン部長、おまいも手先だな!(#゚Д゚)ゴルァ!!

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