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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 25話 あらすじ&日本語訳

      2018/05/14

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』25話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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クム・テウンは素知らぬ顔でオフィスへ戻り、デスクで本をめくっていた。

#この時点で話が受け入れられず、その後30分ずっと入り込めないまま終わってしまいました…。

※クム・テウンが呼んでいる本は『大衆独裁』。ナチズム、ファシズム、スターリン主義、東ドイツとポーランドの現実社会主義、朴正熙支配体制など、独裁体制を研究した国内外の学者たちによる共著。

そこへ息を荒げて乗り込んできたのはドチャンだ。

「どうした?サ・ドチャン」クム・テウンはコーヒーカップを口に運ぶ。「復讐でもしに来たか」

ドチャン「悪魔め…」
クム代表「それで?俺を殺そうって?」

「…。」ドチャンの目に涙が滲む。

クム代表「最初はお前の親父とも馬が合った。野心家の刑事と絢爛たる詐欺師のコラボレーション。次々に人を騙し、欲しいものは全部手に入れた。だが… ある瞬間から俺の将来の邪魔になってな。それで消した」

「!」黙ってクム・テウンを見下ろしているドチャンの目から、ただただ涙が流れ落ちる。

クム代表「どうした?もっと説明したほうがいいか?」
ドチャン「お前は… 永遠に許されはしない」

ニヤリと笑い、本を伏せると、クム・テウンはひょいと義手を取り出した。
まるでゴミでも捨てるかのように、それをドチャンの足元に放り投げる。

クム代表「返してやろう。親父の”偽手”」
ドチャン「!」

「どうした?」クム・テウンは立ち上がり、さらにドチャンを挑発する。「鼓動がそんなに早くてどうする?」

クム代表「お前の親父がいつも言ってたことだ。詐欺師の鼓動はゆっくり打つべしとな」
ドチャン「…。」
クム代表「殺したいだろ?」
ドチャン「…。」
クム代表「怒りで心臓が爆発しそうだろう!!!」

「わああああ!」それ以上は抑えられなかった。
ドチャンはクム・テウンの襟首を掴み、ありったけの声で叫んだ。

クム代表「親父の恨みを晴らしたいか!!!」

掴み合ったその手を思い切り振り払うと、クム・テウンの体がぐらりと揺れ、鉄柵に後頭部が当たった。
ゴツンと堅い音が響く。

ドチャン「!!!」

ごろりとクム・テウンの体が転がったかと思うと、どす黒い血がみるみるうちに床に広がった。

クム代表「サ… サ・ドチャン!」

キム室長が駆けつけたのと同時に、ドチャンはその場を逃げ出したのだ。

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次の瞬間から、ドチャンは追われる身となったのだ。

#時代劇で官軍に追われるシーンみたい… ( -_-)

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『13 怒りは鼓動を高鳴らせる』

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広々とした個室の病室で、クム・テウンは暇を持て余していた。
もちろん怪我などしているわけはない。
ソファにゴロリと横になると、キム室長に指示を出した。「記者に情報を撒け」

クム代表「ビクトールとサ・マチョンは詐欺を企んでいたが、露見し、互いに殺し合った。詐欺師サ・ドチャンはそれを誤解し、昨夜俺を襲撃。殺そうとした後、逃げた。殺人未遂だ」
キム室長「…。」
クム代表「記事を書かせろ」
キム室長「承知しました」

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すぐに衝撃的なニュースが全国を駆け巡った。

TVニュース「昨日午後、港湾の倉庫にて見つかった男性2人の遺体は、詐欺容疑者であると明らかになりました。トルキスタンのガス事業への投資誘致をネタに詐欺行脚をはたらいていた2人は、利権争いの末に互いを殺害したと見られています」

#不可解すぎて何も頭に入ってこない。ビクトールの遺体もすぐそばにあったってことになるよね。

TVニュース「行方をくらましている詐欺団メンバーの一人は、詐欺の発覚後、昨夜フィールギャラリーのクム某氏を奇襲しました。被害者は現在危篤状態とされています。検察が有力な容疑者として追っているサ某氏は、その容貌が酷似しているペク某検事になりすまし、投資者に近づいたものと見て、資格詐称容疑も含めて検挙に力を注いでいます」

テレビの画面に、大きくドチャンの写真が映し出された。

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「本当にサ・ドチャンがやったのか?」驚いたのは何も知らなかったヤン部長だ。

ハラ「現場からサ・ドチャンの指紋が出たそうです」
ヤン部長「参ったな全く…。クム・テウンは?どうなんだ?」
ハラ「昏睡状態だそうで。出血がひどかったようです」

「…。」ヤン部長は完全に頭を抱えた。

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「何て大胆なのかしら!」ハラの母も自宅でニュースを見ていた。

ハラ母「検事になりすますなんて」

「待って」ハラの母はテレビに映ったドチャンの写真に首を傾げる。「本当に似てるわね」
そう言えば…!ハラがペク検事のことを「あの詐欺師」と口を滑らせたことがあった。

ハラ母「ひょっとして、詐欺師って言ったのは本当だったのかしら」

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ハラの執務室でも捜査官たちがテレビを見つめていた。

助手「確かにそっくりですね」
イム係長「まさか検察庁までやって来て私たちを騙したりしてませんよね?」
コ係長「そんなわけがない。”俺は検事だぞ~”なんてクラブでナンパするならまだしも、悪びれもせず自ら検察庁まで来られるわけがありません。他の人は騙せても、コ・ギボンの目は絶対に騙せませんよ」
イム係長「確かに。詐欺師の口からあんなふうにスラスラ専門知識が出てくるわけないわ」

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キル・デロ検事が検事長室へ呼ばれた。

チン検事長「ニュース見たわよね。仁川港湾殺人事件」
キル検事「はい。クム代表が詐欺に遭うところだったと聞きました」

「問題なのは、クム代表を襲って逃げた詐欺師なんだけど」チン検事長は手元にあったドチャンの写真を手に取る。

検事長「この男が検事になりすましてたってことよ」

写真を受け取り、キル検事は怪訝な表情を見せる。「これはペク・ジュンス検事では?」

検事長「今まであなたの見ていたペク・ジュンスも、この男だった可能性があるわ」
キル検事「!」
検事長「ヤン部長とオ検事がどこからどこまで騙されていたのか、ひょっとして共謀ではないのか、詳しく調べなさい」
キル検事「はい、徹底的に調べます」

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「オ検事」ヤン部長が重苦しく口を開いた。「これは戦争だ」

ハラ「!」
ヤン部長「ひとまず我慢だ。じゃないと戦えん。私も君も、いや、少なくとも君は何も知らなかったんだ。いいな?」
ハラ「事がこんなに大きくなったのに、それで通せるかどうか」
ヤン部長「…。」

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ハラを見て、検事たちはあからさまに噂をした。

検事「サ・ドチャンが詐欺師だって、オ検事も知ってたんじゃ?」
検事「まさかぁ。検事が詐欺師と手を組むなんて」
検事「よく平気でいられるな。図々しい」

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取調室へやって来たハラを待っていたのは、キル検事だ。「オ・ハラ、お前、本当に知らなかったのか?」

キル検事「詐欺師と手を組んで一芝居打ったんじゃないのか?」
ハラ「先輩のようなベテランでも、新しい事件に向き合うたび、知らなかったことだらけでしょう?」
キル検事「…。」
ハラ「検事でもない人間が、アドバイスもなしに控訴状をパパっと書いて、麻薬犯を捕まえて…。そんなのあり得ると思いますか?」
キル検事「…。」
ハラ「私が今まで一緒にいたのは、ずっとペク・ジュンス検事でした」

「あぁ。そのとおりだとしよう」キル検事が身を乗り出す。「それなら、本物のペク・ジュンスは今どこに?」

ハラ「…。」

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本物のペク検事が報道陣に囲まれ、ソウル中央地検への階段を上がった。

記者「あなたに成りすます詐欺師がいるのはご存知でしたか」
記者「今の心境について一言いただけますか?」

~~~~~~~~

こうなったからには、ベッドの上でじっとしているわけにはいかない。
”ペク・ジュンス検事”が検察庁にいなければならないのだ。
ジュンスは腕に繋がれた点滴の針を自ら外した。

医師「弁膜の狭窄が深刻なんです。動いちゃダメですよ」
ジュンス「モルヒネでも電気ショックでも構いません。もう一度だけリングの上にあがらせてください」
医師「…。」

~~~~~~~~

「…。」追ってくる記者の群れを片手で制し、ジュンスは固く口を閉ざしたまま、検察庁のエントランスへ足を踏み入れた。

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ジュンスがまず向かったのは、チン検事長のもとだ。

検事長「どこまで知っていたのかしら。ひょっとしてあの男、検察庁へ…」
ジュンス「私は断じて検察を留守にしたことはありません。サ・ドチャンという男、私に似ているからと、外で成りすましていたようですが、殺人の容疑まであるなら、必ずや私の手で捕まえます」

「私の名誉のためにも」ジュンスが鋭い目で検事長を見る。

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「先輩、どうするの?」2人きりの執務室で、ハラはジュンスに尋ねた。

ハラ「本当に逮捕するつもり?」
ジュンス「…。」
ハラ「殺人に詐称まで… 並の量刑にはならないわ」
ジュンス「だから失敗しちゃいけなかったんだ。僕ら2人とも立場が危うくなったろ」
ハラ「先輩、この状況でそんな冷たい言い方しないで」
ジュンス「…。」
ハラ「サ・ドチャンはね、目の前でお父さんが亡くなったの。目の前でクム・テウンがお父さんを殺したのに、本人は何も出来ずにいたのよ」
ジュンス「だから僕が出てきたんだ。サ・ドチャンさんがやったこと、僕が収拾をつける」
ハラ「…。」
ジュンス「今阻止しないと、手に負えなくなる」
ハラ「私もサ・ドチャンがまた何かするんじゃないかって…それが心配だわ。暴走をとめないといけないのに、連絡もつかないし」
ジュンス「…。」
ハラ「サ・ドチャン、このままじゃ本当に危険よ」

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ドチャンの手配書が全国に出回った。

***

【殺人容疑者指名手配】

氏名:サ・ドチャン
生年月日:1989.11.8
年齢:満29歳
職業:無職
身長:181~183cm
体重:72kg
逃走時の着衣:黒の上下

2018年5月4日、仁川の00倉庫にて詐欺を働こうとしたところ、被害者と乱闘騒ぎを起こし、逃走。検察公務員資格詐称および殺人未遂事件の有力な容疑者。ソウル近隣に身を潜めている可能性高。
殺人未遂で終わったものの、検事を詐称した詐欺に長けた危険人物ゆえ、目撃時は個人で捕まえようとせず、最寄りの警察へ通報してください。

***

服や帽子を取り替えつつ、ドチャンは追手の目を逃れていた。
それでもふとした瞬間に思い出すのは、父のことばかりだ。

ドチャン「…。」

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ジュンスとハラはヤン部長のもとに集まっていた。
彼らに入ったのは、”クム・テウンの意識が戻った”という知らせだ。

ヤン部長「死ななくてよかった。本当に」

良かった… ジュンスはじっと目を閉じた。

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ジュンスが向かったのは、まさに”意識を戻した”クム・テウンのもとだ。
彼が病室へ入ると、クム・テウンはパターゴルフに興じていた。

ジュンス「思ったよりお元気そうですね」

「…。」パターを握ってゆっくり振り返ると、クム・テウンはふっと微笑んでみせた。
手に持ったパターで、ジュンスの左肩に触れる。「肩でも剥いでみないとな」

クム代表「目の前にいるのはサ・ドチャンじゃありませんよね」
ジュンス「すでに公開手配中です。サ・ドチャンはこの手で捕まえます」
クム代表「もちろんですとも」
ジュンス「…。」

「まずは」クム代表はパターの先でジュンスを指した。「サ・ドチャンを捕らえてここへ」

クム代表「サ・ドチャン、オ・ハラ、ペク検事。3人グルになって私を翻弄した罪、その重さによって清算して差し上げますよ」
ジュンス「サ・ドチャンを捕まえたら、私もあなたを罪に問いましょう」
クム代表「…。」
ジュンス「必ずやあなたを法廷に立たせます」
クム代表「お好きにどうぞ」
ジュンス「あなたの最期… 悲惨になることでしょう」

「想像はご自由に」パターマットへと戻っておいて、出ていこうとしたジュンスに声を掛ける。「あぁ、そうだ」

クム代表「オ検事に警備員でもつけておいたほうがいいですよ」
ジュンス「!」
クム代表「女性が夜道を歩くのは心配なんでね」
ジュンス「オ検事を襲うつもりですか!」

「ふふふ」クム・テウンが不敵に笑う。「心配してあげてるんです」

~~~~~~~~

仁川の倉庫からオフィスへ戻ったクム・テウンが用意したのは、血糊と無線装置だった。
「これをどうなさるんですか」キム室長が尋ねる。

クム代表「詐欺師の好きな手口だ」
キム室長「…。」
クム代表「もうすぐサ・ドチャンが来る。警備員をみな撤収させて、ここへ来るまで放っておけ」
キム室長「罠ということですか」
クム代表「全部刑事時代に馴染みのある方法だ。狼狽した人間は… 特に激怒した人間は、仕掛けりゃ引っ掛かる」

こうして、実際ドチャンがやってくると、もみ合いで上手く倒れて頭をぶつけ、血糊のスイッチを押したのだ。

#えー そんなうまくいくかねー(棒読み

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取調室へやって来たハラは、入るなりジュンスに訊き返した。「クム・テウンが無傷だったって?!」

ハラ「全部芝居だったってこと?」
ジュンス「むしろ良かった。サ・ドチャンさんがやったわけじゃなかったんだから」

ハラ「だからって、何が変わる?サ・ドチャンは殺人未遂で逃走中よ。すでに指名手配も出てる」
ジュンス「…。」

「サ・マチョンを殺したのはクム・テウンよ」ハラが語気を強める。

ハラ「それが真実なの」
ジュンス「…。」
ハラ「クム・テウン、逮捕するわ」

「!」ずっと背を向けていたジュンスが振り返る。「何を証拠に、令状もなしに?!」

ジュンス「僕だって本心じゃ今すぐ捕まえたいさ!でも… 証拠がない」
ハラ「…。」
ジュンス「落ち着いて、法的な証拠を手に入れてから、確実に逮捕するんだ」
ハラ「だからってこのまま放っておけって言うの?!」
ジュンス「…。」

「私には出来ないわ」ハラはそれ以上ジュンスの答えを待つことなく、クルリと背を向けた。

ジュンス「…。」

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ハラはすぐさま捜査員たちを伴い、クム・テウンの病室へ乗り込んだ。「クム・テウンさん、元気そうですね」
「…。」窓辺に立っていたクム・テウンが振り返る。「さっきペク検事がいらしたばかりですが」

ハラ「私はオ・ハラ検事ですから」
クム代表「今後訪ねてくるときは、捜査令状なり逮捕令状なり、令状なしでは来ないでください。オ検事の顔を見ると、腹わたが煮えくり返るんでね」
ハラ「クム・テウンさん、あなたをサ・マチョン殺人容疑で緊急逮捕します」

「緊急逮捕?」クム・テウンがからかうように眉を上げる。

ハラ「あなたは弁護士選任および拘束適否審査を請求することができます。弁明すべきことがあればどうぞ」

腕を組んだままゆっくりハラの前へやって来ると、クム・テウンは薄笑いを浮かべた。「行きましょう」

クム代表「行ってやることは出来ますがね、まともな証拠が出せなければ後悔させますよ」
ハラ「…。」

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頭を包帯でぐるぐるに巻き、車椅子で出頭したクム・テウンを、記者たちが取り囲んだ。

記者「緊急逮捕の理由は何ですか」
記者「何かおっしゃることは?」

痛々しい患者を装うクム・テウンを、ハラは冷たい視線で眺める。「手段は選ばずってわけね」

※법꾸라지=ハラがクム・テウンを見てこぼした言葉。법(法)と미꾸라지(ドジョウ)が合体した造語で、あらゆる手を使って法の網をかいくぐる人を指します。

「クム・テウン氏は被害者じゃありませんか」記者がハラにもマイクを向ける。

記者「被害者を召喚する理由は何です?」

「…。」それには答えず、ハラは記者たちに背を向けた。

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例によってカンカンなのはチン検事長だ。
「被害者をいきなり逮捕してどうするの!」ヤン部長を呼びつけ、声を荒げる。「緊急逮捕は万病治療薬じゃないのよ!」

ヤン部長「サ・マチョンとビクトールの事件に関わっていた可能性が非常に濃いんです。実際に現場にいたんですから。一度捜査すべき事案です」
検事長「48時間以内に起訴できなければ、検察の恥さらしになるのよ!責任取れるわけ?」
ヤン部長「ひとまず… オ検事を信じてやってください。最善を尽くします」
検事長「…。」

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海辺のテラスで、ドチャンはタブレットでTVニュースを眺めていた。

ニュース「トルキスタンのガズ事業で被害者となったフィールギャラリー代表クム某氏が、今日検察に召喚されました。幸い命に別状はなかったものの、重篤な状態の被害者を緊急逮捕した背景に、関心が集まっています」

クム・テウンが… 生きている?
ドチャンはゆっくりと考えをめぐらせた。
そして、自分たち得意の手法で騙されたことに気づいたのだ。

ドチャン(心の声)「クム・テウン、俺を相手にセッティングしたのか。死んだと見せかけて?… ありがたいな、生きていてくれて」

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「あぁ良かった」ニュース映像を見たボン監督が、テレビに向かって手を合わせた。「クム・テウンは死んでなかった!」

ウンジ「そうよ。興奮したからって、ドチャンさんが人を殺すわけないわ」
インテ「一目瞭然だ。被害者を装ってるだけだよ」
ボン監督「ドチャンが殺人犯になったかと思って、どんなに驚いたか」
インテ「兄貴、これってクム・テウンのセッティングだったんじゃ?」
ボン監督「ああ、ヤツは並じゃない。小賢くて卑劣だ」
インテ「…。」
ボン監督「ドチャンはあいつに2度もやられたってことじゃないか!」

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取調室で、クム・テウンの捜査が始まっていた。
ハラが差し出したのは1枚の書類だ。「現場で押収した契約書、クム・テウンさんの名前がここに」
クム・テウンの名前が印字されている。

クム代表「…。」

「その時刻、付近で撮影したクム・テウンさん所有の車両です」倉庫付近で撮影された車両の写真が添えてある。

ハラ「それでも無関係だと?」

話すのも苦しい様子で、クム・テウンは手を横に振る。

ハラ「クム・テウンさん」
クム代表「じき法務チームが来ます。その方々と話してください」

そのとおり、程なくして弁護士団がぞろぞろと現れ、盾のようにクム・テウンを取り囲んだ。
「ご覧の通り… 証言する力がありません」消え入りそうな声で、クム・テウンが弁護士団に言う。「怪我が酷くて」

弁護士「重症患者を連れてきて、無理やり取り調べとは。許されることじゃありませんよ」

別の弁護士が封筒を差し出す。「ビクトール・ジャンとサ・マチョンが身分を偽装して出入国していた証拠です」

弁護士「詐欺に失敗し、現場で詐欺師同士言い争った末に、互いを殺したんです」
弁護士「契約書の氏名欄にクム・テウンさんの署名がありません。クム・テウンさんは契約が詐欺だと気づき、現場を出たんです」

「いいえ」ハラがクム・テウンを見据えたまま口を開く。「あなたは最初から契約するつもりなんてなかった」

ハラ「あなたの資金の流れ、FIUで綿密に監視していました。詐欺師を欺くため、実際に不動産、ビル、証券を処分しましたね。しかし、それを無記名債券に替えてはいない」
クム・テウン「…。」
ハラ「集めた金、リヒテンシュタインにある秘密口座に全部移しましたね。名義はSIMON JO」

「…。」クム・テウンが鋭い目で彼女を睨む。

ハラ「契約するつもりもないのにあそこへ行ったのは、別の目的があったから。… 詐欺師たちを始末することよ」

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モニターブースで状況を見守っていたキル検事が、途中で検事室へやって来た。「オ検事が行き過ぎた取り調べを」
「いいえ」後を追ってきたヤン部長が反論する。「間違いなく関連があるんです」

検事長「証拠があるわけ?詐欺師同士、2人とも死んだじゃない」
ヤン部長「…。」
検事長「控訴権なしで締めくくって、クム・テウンさんを帰しなさい」
キル検事「はい」
ヤン部長「検事長、もう一度…」
検事長「黙って出ていきなさい」

#48時間以内に…とか言っておいて、取り調べが始まったらさっさと打ち切らせるわけですか( -_-)

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キル検事は得意げに取調室に登場した。「クム・テウンさん、お帰りになって結構です」

ハラ「キル先輩!」
キル検事「検事長の指示だ。証拠もなしに何してる?!」

弁護士に車椅子を押され、クム・テウンが出口へ向かう。

ハラ「クム・テウンさん」
クム代表「…。」
ハラ「いつかもう一度ここへ呼びます」

ハラを見上げ… クム・テウンは冷たい嘲笑を浮かべた。「お好きにどうぞ」

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病室まで車椅子を押してくると、キム室長が言った。「何事もなく出てこられて幸いです」
立ち上がり、クム・テウンはひざ掛けを思い切り床に投げつける。「幸い?!」

クム代表「検察庁まで連れて行かれたのに… 幸いだと?!」
キム室長「…。」
クム代表「オ検事、放ってはおけん」
キム室長「どうしましょう」
クム代表「まずはサ・ドチャンを捕まえねば。そうすれば詐欺を共謀したのが明るみに出て、ペク・ジュンスもオ・ハラも検事の職を失う。そのとき、オ・ハラの周辺をしっかり見張れ。間違いなくサ・ドチャンが姿を見せるはずだ。そのとき捕まえろ」

※ん?ここ、ほぼ直訳ですけど、変ですね。ハラを倒すためにまずはドチャンを捕まえて…って言ってるのに、最後にはドチャンを捕まえるための話になってますね?あれかな、結果ドチャンを捕まえるのは無理ってことかな。

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一連の事件に、オ・ソラ記者は姉への不安を募らせていた。「お姉ちゃんも関わってるわけじゃないよね?」

ハラ「…また今度話そう」
ソラ「前にペク検事が医師に変装してたこと、捜査の一環だったって言ったでしょ?ひょっとしてあの医師、詐欺師だったの?」

「…。」今回ばかりはソラにも説明はしてやれない。ハラは答える代わりに妹の腕をトンと撫で、背を向けた。

ソラ「…。」

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ハラがやって来たのは商店街の小さな居酒屋だ。
そこで待っていたのは、以前彼女も会ったことのある探偵…カン刑事だった。

「世間は狭いっていうのは、こういうことなんですね」彼は静かに言う。

探偵「ペク・ジュンス検事に似たサ・ドチャンを連れてこいと言われたとき、ここまで事が大きくなるとは…」
ハラ「ポンおじさん… いえ、サ・マチョンさんは、いつからサ・ドチャンの消息を知っていらしたんでしょうか」
探偵「私はマチョンさんと以前からの知り合いだったので、ドチャンさんが検察庁へ行くことになったときにお話ししました。ドチャンさんが弘大で麻薬犯を捕まえようとして危険な目に遭った時も、助けたのはマチョンさんと私です」
ハラ「ああ、そうだったんですね。ずっと気になっていたんです」
探偵「縁ってのは実に不思議なものです」

ハラが彼のグラスに酒をつぎ足す。

ハラ「サ・マチョンさんは、息子だと知っていながら、どうしてサ・ドチャンの前に姿を現せなかったんです?」
探偵「… 合わせる顔がないと。息子に合わせる顔がない、そうおっしゃっていました」
ハラ「…。」
探偵「例の兵馬俑事件、あれはクム・テウンを捕まえるためにマチョンさんが仕掛けたんです」
ハラ「!」
探偵「チョン・ドヨン検事長が全部台無しにしてしまいましたが…。そのせいでドチャンさんは司法試験を諦めたんです」
ハラ「サ・ドチャン、司法試験を目指していたんですか?!」
探偵「ご存じなかったんですか?それさえなければ、ドチャンさんは今頃検事になっていたはずです」
ハラ「…。」
探偵「マチョンさんはそのことでずいぶんご自身を責めていらっしゃいました。息子の人生を台無しにしてしまったと。クム・テウンに復讐を果たさないと、息子の前には出られないって」
ハラ「… 私がサ・ドチャンの分までやり遂げますから。クム・テウン、必ずや打ちのめします」

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帰宅しても、ハラの頭の中にはドチャンの悲しい人生がズンと染みついたまま、離れようとしなかった。
検事を目指していたことを一言も口にせず、辛い境遇を語ることもなく、彼は今日まで彼女と一緒に走ってきたのだ。

#こんなときにクラランスのボディークリームをぶちゅぶちゅ言わせなくても…。

依然として、彼とは連絡が取れなかった。

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ここでエンディングです。

 - スイッチ-世界を変えろ