韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 24話 あらすじ&日本語訳

      2018/05/07

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』24話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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公園のベンチに佇む息子を見かけ、サ・マチョンは隣に腰を下ろした。
「…。」ドチャンの視線が、つい左の義手へ向かう。

「大事なのは手の数じゃありませんよ」マチョンが微笑む。
「こう見えても、すごく大きい手なんですから」そう言って、マチョンは右手を大きく広げて見せた。

ペク検事(ドチャン)「大きな手?」
マチョン「えぇ。この手一つでヒグマを捕まえることだって出来るし、この手一つで検事さんを守ることだって出来る」

ペク検事はキョトンとして自分を指さす。「僕を?」
「もちろん」マチョンがニッコリ笑うと、ペク検事もつられて明るく笑った。「あはは」

ペク検事「言葉だけでも感謝しますよ」

「見ててくださいな」マチョンはギュッと右手を握ってみせた。

ペク検事「…。」

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公園のベンチで談笑するペク検事に向けてシャッターを切り、イム係長は思わず溜息をつく。「女のオの字もないわ」

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さっそくイム係長は撮りためた写真をハラに差し出した。「ほらね、なんともありませんでしたよ」

イム係長「スーパーで買い物して、ただ近所をぐるっと歩いて。(小声で)付き合ってる女性はいませんから~」
ハラ「(小声)そんなんじゃませんから~」

イム係長と別れ、ハラは残りの写真をめくった。「?」

ハラ(心の声)「ポンおじさん?ひょっとして…!」

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「ポン!!!」サ・マチョンからポン菓子屋を譲り受けた男性が、今日も元気にポン菓子を作っている。
そこへ様子を見に来たのが、サ・マチョンだ。「商売は上手く行ってるかい?」

男性「これはこれは旦那さん!いらっしゃいましたか」

男性は帽子を取り、深く頭を下げた。

男性「場所がいいからか、えらく順調ですよ」
マチョン「(ニコニコ)」
男性「機械も材料も全部タダでくださって、この御恩をどうお返しすればいいのか」
マチャン「幸せに暮せばそれでいいさ」
男性「えぇ、わかりました!」

そこへ通りかかったのがハラの母親だ。「あら、旦那さん」

マチョン「あぁ、どうも」

ポン菓子を売っていた当時とは見違えるような整った身なりに、オードリー女史は驚いた様子だ。

ハラ母「どちらの紳士かと思ったわ」
マチョン「あははは」
ハラ母「どちらか遠くへ?」
マチョン「えぇ。かなり遠くへ行くことになりそうです」

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デスクで業務をしていたペク検事(ドチャン)の携帯が鳴った。
”クム・テウン”の名前を見て、周囲に「シーッ」と合図をする。

ペク検事(電話)「はい」
クム代表「ペク検事、明日契約なのはご存知ですよね」
ペク検事「えぇ」
クム代表「ペク検事もぜひいらしてください」

「!」ペク検事の眉がキュッとあがり、忙しく視線が動く。「私が?」

クム代表「一緒にシャンパンをあけないと。この契約、ペク検事が一番の功労者なんですから」

「…。」「…。」ハラと2人、デスク越しに目を見合わせる。

クム代表「素敵な席は素敵な人とご一緒するものでしょう?」
ペク検事「えぇ、わかりました。明日お目にかかります」

電話を切り、ペク検事は戸惑ったように息をついた。「クム・テウンが招待してきた」

ハラ「ちょうどいいわ」
ペク検事「?」
ハラ「先に入って無線で合図をちょうだい。タイミングをぴったり合わせられるわ」

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「明日の作戦を整理してみましょうか」さっそく2人は取調室で詳しく打ち合わせだ。

ハラ「明日、ウェストンホテルのスイートルーム。クム・テウンが2000億の無記名債券を持ってきたら…」
ドチャン「ビクトールは債権を確認し、契約書を差し出す」
ハラ「クム・テウンが契約書にサインする。そのとき私たちが踏み込めば…」

”クム・テウンさん、あなたを特定経済加重処罰法違反で逮捕します” 無事クム・テウンはお縄にかかる、そういうわけだ。

ハラ「とうとうクム・テウンは逮捕。2000億の無記名債券は確保、国庫へ回収される」
ドチャン「国庫に入るのか?惜しいな」

ドチャンの頭の中では、無記名債券を1枚、袖の中に隠すところまでシミュレーション済みだ。

ハラ「ちょっと!そんなこと夢にも考えないでよね!」
ドチャン「想像くらいイイ思いさせてくれよ」

#ないないない!このシミュレーション映像見たらわかるわ。クム・テウンが無記名債券を出してサインして呆気なくお縄?ないないない!

「ところで」ドチャンが身を乗り出す。「ビクトールまで取り調べるわけじゃないよな?」

ハラ「どうして?」
ドチャン「いやさ、捜査協力までしてくれたんだし、事業をやる上であり得る些細なミスくらい、見逃してやろうってこと」
ハラ「…。」

ハラはイム係長から受け取った写真を思い浮かべた。
自分の知らないところで、ポン親父と会っていた、あの写真…。

ハラ「ひょっとして、他に話すことは?」
ドチャン「話?ないけど」
ハラ「ふーん。今回の作戦が終わったら… 待ってなさいよ」
ドチャン「何を?」
ハラ「訊きたいことがたくさんあるの」

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ペク検事(ドチャン)はホテルのスイートルームに、サ・マチョンとビクトールを訪ねていた。

マチョン「とうとう明日か」
ビクトール「ゴールが見えてきましたね」
ペク検事「オ・ハラ検事と作戦を練ってきました。クム・テウンに疑われないよう、ビクトール社長も逮捕することになります」
ビクトール「(頷く)」
ペク検事「そうすればクム・テウンの報復を阻止できるはずです」
ビクトール「ペク検事、ご苦労さまです」
マチョン「苦労を掛けたな」

#↑ここで初めて息子に対する口調になってますね。

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クム・テウンはそっとアナログ・レコードに針を落とした。
重厚で悲しい調べがスピーカーから流れてくる。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト…。

ペク・ジュンスを装い、初めて会いに来たサ・ドチャンは、「好きな画家は?」と訊かれてそう答えた。
「モーツァルトのレクイエム(鎮魂歌)を聴くと、苦しそうに死んでいく男の肖像が思い描かれる」と…。

※クム・テウンが聴いているものと同じ、ベルリン・フィル・ハーモニー交響楽団の演奏、Swedish Radio合唱団とStockholm Chamber合唱団のコーラスのもの。劇中のレコードジャケットには指揮者名が無く、このジャケット写真自体検索しても見当たらなかったのですが、おそらくリッカルド・ムーティ指揮ではないかと思います。大変美しい演奏です^^

クム・テウン「パーティーを始めようか」

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ハラはデスクで考え込んでいた。「…。」
そこへヤン部長がやってくる。「さぁ、今日かな?クム・テウンの契約は」

イム係長「はい、準備完了です」
ヤン部長「うむ」

「なんだか… 変です。状況が」ハラは浮かない顔だ。

ヤン部長「何が?」
ハラ「(イム係長に)クム・テウン、間違いなく土地やビルを売却しましたよね?」
イム係長「えぇ、私が確かに見ましたので」
ハラ「それなら、その金はみんなどこへ?」
ヤン部長「そりゃ無記名債券に替えて契約することになってるって… 言ってたんじゃ?」
ハラ「(イム係長に)その無記名債券、見ました?」
イム係長「どういうことでしょう?」
ハラ「金を一箇所に集めるのは見たけど、無記名債券に替えるのは見てないわ」
ヤン部長「…。」
ハラ「1日や2日でこっそり出来ることじゃないのに…」
皆「…。」
ハラ「部長、FIU(=金融情報分析院)にお知り合いがいらっしゃるんですよね?」
ヤン部長「あぁ」
ハラ「そこへ行きましょう」
ヤン部長「あぁ、そうだな!」

ハラは上着とバッグを掴んだ。

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詐欺団のアジト。
ボン監督は不器用にノートPCを弄り、ウンジはその横で、そんなボン監督の似顔絵を鋭意制作中だ。
そこへインテが部屋から出てきた。「パンパンウォから連絡が来た」

ボン監督「何て?」

『助けてください、兄貴』
『韓国大学病院201号室』

ボン監督「はぁ、こいつ全く!」

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ボン監督、インテとウンジ、3人は仲良く連れ立ってパンパンウォに言われた病院へやって来た。
「あれだけ金をやったのに、入院費もないのか?」廊下を歩きながら、つい愚痴がこぼれる。

ウンジ「また賭博でスっちゃったんでしょ。賭博は腕を切られてもやめられないっていうし」

「!」ボン監督がふと足を止めた。「…。」

インテ「どうした?」
ボン監督「考えてみたら手ぶらで来ちまったと思ってな。下で何か買ってきてくれ」
ウンジ「そんなぁ。早く言ってよね。何買ってくればいいの?」
ボン監督「アップルマンゴージュース」
インテ「アップルマンゴー?何だそれ?」
ボン監督「ありふれたのを買ってきたって言われたくないからな。なかったら探してでも買ってこいよ。絶対だ」
インテ「…。」
ウンジ「…。」

「早く買って来い」釈然としない2人を残し、ボン監督は一人廊下を歩き出した。

ウンジ「アップルマンゴーなんて」
インテ「…行こうぜ」

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201号室へ辿り着くと、ボン監督は扉を開けて中へ入った。
手前の仕切りカーテンを覗いてみる。「失礼します」
空っぽだ。
辺りを見回した時、一斉に他のカーテンが開き、チンピラたちが顔を出した。

ボン監督「!」

手洗いの扉が開き、ソンドゥが手を挙げた。「Hi、パンパンウォ~♪」

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チンピラたちから逃れ、バルコニーへ出たボン監督は、手すりを乗り越え、意を決して下へ飛び降りた。

#囲まれた所からどうやってここまで逃げたかは不明(笑)

まずは仲間に電話だ。「インテ、罠だ。急いで裏門から車を出せ!」

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クム・テウンとの契約に向かう時間が迫っていた。
ペク検事(ドチャン)はデスクからハラに電話を入れる。「オ検事、何かわかったか?」

ハラはまだFIUにいた。

ハラ(電話)「現金を一つにまとめたはずなのに、それっきり痕跡が見当たらないの」
ペク検事「何時までに確認できる?そろそろクム・テウンに会いに行かないと。もうすぐ契約の時間だ」
ハラ「こっちもフル稼働なんだけど…。とりあえずそっちへ向かって」
ペク検事「わかった。少しでも怪しい点があったら、すぐ連絡してくれ」

#いやいやいや、痕跡が見当たらない時点で「少しでも怪しい点がある」でしょうよ

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ビクトールの滞在するスイートルームにドチャンが到着した。
そこで待っていたのは、ビクトールだけだ。

ペク検事(ドチャン)「クム・テウンはまだ来ていないんですか?」
ビクトール「えぇ、まだ」

そのとき、ビクトールの電話が鳴った。
キム室長からだ。

ビクトール(電話)「え?契約場所を変えようって?…わかりました」

通話はあっさり終わった。

ペク検事「契約場所を変えようって、どういうことです?」
ビクトール「クム代表が仁川で人と会っていて時間がないそうです。そちらへ来てもらいたいと」

#いやいやいや、何で時間厳守しなきゃいけないのか。そもそも2週間の期限を決めたのはビクトールだ。

ペク検事「…。」
ビクトール「大したことじゃありませんよ。金の用意も出来たようですから、行ってみましょう」
ペク検事「…。」
ビクトール「今回の件が終わったら、お父さんと長年の想いを晴らすといいですよ」

#お気楽すぎるだけでなく、考え込んでいるドチャンを急かすビクトール

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ドチャンは仕方なく、クム・テウンの指定した場所へ車を走らせた。
道中、ハラに電話を入れる。「クム・テウンが契約場所を変えた」

ハラ(電話)「どこに?」
ドチャン「仁川方面だ。メールで送る」
ハラ「何で変えたのかな」
ドチャン「とりあえずそっちへ行くから、妙なことがあったら連絡してくれ」
ハラ「うん」

電話を切ると、PCに向かっていたFIUの職員が振り返った。「ちょっとこれを見てください」

ハラ「何です?」
FIU「あちこちに散らばっていた金が一箇所に集まっています。リヒテンシュタイン… タックスヘイブン(租税回避地)として世界一有名な場所です」
ヤン部長「口座の名義は誰です?」

PCモニターに情報が映し出される。

FIU「WCON COMPANYですね」
ハラ「その会社、代表はひょっとしてクム・テウンですか?」
FIU「SIMON JOです」
ハラ「SIMON JO?(ヤン部長に)ご存知ですか?」
ヤン部長「初めて聞く名前だが」
ハラ「SIMON JO、誰かしら…」

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命からがら逃げ出したボン監督は、無事インテたちの車に拾われた。

インテ「チョ・ソンドゥのヤツ、人の誠意を利用しやがって!」

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ペク検事(ドチャン)とビクトールが指定された大きな廃倉庫の扉をくぐると、そこにキム室長が待ち受けていた、

#ないないない!こんな怪しい倉庫に呼ばれた時点で、ない!何で入っちゃうの?

キム室長はいつものスーツ姿ではなく、『動きやすい服装』だ。

キム室長「代表から特別に指示がありました。しばらく携帯電話を預けてください」
ビクトール「契約したいと言っておいて、何と失礼な」
キム室長「セキュリティを重視なさる方ですから。ご理解をお願いします」

「…。」「…。」ペク検事とビクトールは無言で顔を見合わせ、言われたとおり携帯電話を差し出した。

#ないないないないな(以下略

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荒れた廃倉庫の真ん中に重厚なテーブルと椅子が用意されている。
そこで待っていたクム・テウンが彼らを見て微笑んだ。

クム・テウン「申し訳ありません。大きな契約なので準備することが多くて。お掛けください」

2人は向かいの椅子に腰を下ろした。

クム・テウン「この契約が成立するまで、ペク検事にずいぶんお骨折りをいただきました」
ペク検事「…。」

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FIUでの議論はまだ続いていた。

#契約成立した瞬間にハラたちが踏み込むことになっていたはず。この時点で契約会場近くに誰も待機していない模様なので、作戦自体成り立っていない。

ヤン部長「金が全部そっちへ流れ込んでるってことは…」
FIU「地下経済市場の流れまで全て見ましたが、2000億、無記名債券に替えた人はいないというのが結論です」
ハラ「債券を作った人が居ない?!」
ヤン部長「ってことは、一体クム・テウンは何をもって契約を?」

「…。」ハラが愕然とする。「罠だわ」

ヤン部長「!」
イム係長「!」

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「債券は持って来られましたか」ビクトールが手続きの開始を切り出した。

クム代表「もちろんです。契約書の準備は出来ていますよね?」

「もちろん」ビクトールがテーブルの上のアタッシュケースを開き、書面を差し出す。
その間も、クム・テウンは隣で黙っているペク検事から目を離すことはない。
ペク検事の堅い表情を、どこか楽しんでいるようにさえ見える。

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病院から逃げ出したボン監督たちは、目立たない駐車場に車を停めていた。
ボン監督が2階から飛び降りた際に怪我した腕を、ウンジに手当てしてもらう。

インテ「ドチャン兄、電話に出ない」
ボン監督「!」
ウンジ「今日クム・テウンに会うって言ってたよね」
インテ「…。」
ボン監督「ひょっとして… クム・テウンが俺たちまとめて片付けようとしてるんじゃ?!」
インテ「!」
ウンジ「!」

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契約書を差し出されたクム・テウンは後ろのキム室長を振り返った。「シャンパンは準備出来てるな?」
「はい」キム室長がテーブルに用意されたシャンペンを覆っていたナプキンを剥がす。

ビクトール「いや、契約が成立する前にシャンパンを開けるんですか?」

#24話最大かつ最悪の能天気発言

クム・テウンが立ち上がる。
「成立していない?我々がこうして一堂に会したじゃないですか」そう言って、2人の前にシャンパングラスを差し出した。
ひょいと栓を抜き、3人分のグラスにシャンパンを順に注ぐ。
ペク検事のグラスにシャンパンを注ぐ間… 2人の視線が冷ややかにぶつかった。「…。」「…。」

クム・テウンは自分のグラスを掲げると、テーブルに置かれた2つのグラスにカチンと合わせ… ペク検事を見下ろした。

「実に… 素晴らしいスイッチだった」

ペク検事「!」
クム・テウン「サ、ド、チャン」

#こんなときにゴメン。クム・テウンがスイッチという言葉を使うのは違和感あるよね

「!」時間が止まったかのように見上げるペク検事に、クム・テウンがニヤリとほくそ笑む。
シャンペンを一気に流し込むと、グラスを思い切りテーブルに叩きつけた。

それが 合図 だ。
隠れていた男たちが一斉に幕の中から姿をあらわす。
あっという間にペク検事たちは囲まれてしまった。

クム・テウン「俺を引っ掛けるつもりだったか。はははっ!」
ペク検事「…。」
クム・テウン「実に素晴らしかった。少しの間、ほんの少しの間でもこのクム・テウンを騙したんだから。はははっ!」

ペク検事がようやく口を開く。「何のことでしょう。悪ふざけが過ぎますね」
「悪ふざけ?」クム・テウンがニヤニヤと訊き返す。「悪ふざけねぇ」

クム・テウン「ちゃっかりジャージャー麺を奢らせたチビが、検事になって現れたせいで、どれだけ被害をこうむったと思う?」
ペク検事「…。」
クム・テウン「麻薬事業もダメになった、念入りに温めてきた政権獲得までダメになった。ビクトールを利用したのも全部お前の計画だろう。俺の全財産、ごっそり搾り取ろうって計画だ」
ペク検事「…。」
クム・テウン「サ・ドチャン、20年も経つのに、そんなに父親の仇が討ちたかったか」
ペク検事「…。」
クム・テウン「20年前、お前も一緒に消しておくべきだった」
ペク検事「何の…ことだか。私はサ・ドチャンを売ろうと…」

「そうさ!」クム・テウンが遮る。「サ・ドチャンを売ると言った男、あれは本物のペク・ジュンスだった」

クム・テウン「賄賂のせいで検事の職までフイにしそうだったから、訪ねてきたんだろう。まさに… サ・ドチャン、お前の計画で送り込んだんだ」

「な?」クム・テウンがペク検事の顔を覗き込む。
じっとクム・テウンを睨みつけたまま… ペク検事は眼鏡を外した。「私は大韓民国検事ペク・ジュンスです。失礼が過ぎますね」

クム・テウン「もうやめろ!サ・ドチャン!」
ペク検事「…。」
クム・テウン「お前とペク・ジュンスがグルだって俺が知らないとでも思ったか!!!」
ペク検事「!」
クム・テウン「まずはその首を取って… ペク検事も許しはしないからな!!!」
ペク検事「…。」
クム・テウン「どうした?それなら肩の火傷、もう一度見せられるか?」
ペク検事「…!」

クム・テウンの合図で、キム室長が動く。
ジャケットを脱がそうとした瞬間…

とうとうそこは乱闘となった。
ドチャンが手当たり次第に周りのものを掴み、チンピラたちを振り払う。
その”悪あがき”ぶりを、クム・テウンが愉しげに見物した。

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ハラはドチャンの居場所へ向かって、まだ車を走らせていた。
当然ながら、彼が電話に出ることはない。
彼女はハンドルを握りながら、それでも何度も電話を掛けた。「お願いだから出て」

ハラ「行かせるんじゃなかったわ!罠だったのよ!クム・テウンのヤツ…」

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逃げ回るうち、チンピラの振り下ろした棒がドチャンの肩に命中した。「ああっ!」
彼は床に転がり、うめき声を上げる。

クム・テウン「あの世の父親の元へ送ってやる。向こうで涙の再会でもすればいいさ」
ドチャン「!」
クム・テウン「その光景が見られなくて残念だ。ははははは」

そのときだ。

倉庫のシャッターが突如上がり始める。「?!」
パワーショベルが入ってきたかと思うと、その大きなアームを巧みに操り、チンピラたちを払いのけ始めた。

クム・テウン「何だ?」

「?」ドチャンは運転席に目を凝らす。「… 父さん!」
クム・テウンもまた、運転席の男に目を見張った。「サ・マチョン?!あの男がどうして!」

ある程度チンピラたちを退けると、マチョンはぐるりとハンドルを切った。
床に座り込んでいるドチャンへアームを向けると、親子の目が合う。「…。」
何も言わず力強く頷くと、彼はドチャンの上からアーム先のバケットをすっぽり被せ、それを切り離したのだ。

ドチャン「!」
マチョン「どうだ?父さんの手はデカいだろ?はははっ」

運転席から降りたマチョンは、もう戦力をもたない。
あっという間に袋たたきにされ、その場にうずくまった。

バケットに閉じ込められたドチャンに聞こえるのは、ただただ人が殴られる鈍い音だ。

ドチャン「わぁあああ!!!」

マチョンがクム・テウンの前に引きずり出される。

クム・テウン「俺は幽霊でも見ているのか」

マチョンは怒りに満ちた目でクム・テウンを睨み上げた。

クム・テウン「20年隠れて生きてきたのに、なぜ今さら?」
マチョン「…。」

「!」はたと気づいたように、クム・テウンはマチョンの前にかがみ込む。「地獄の門… この詐欺劇はお前の計画だったのか?」

マチョン「ふふふっ…。あぁ、お前を倒すために用意した贈り物だ」

「わはははは」2人は顔を見合わせ、思い切り笑った。

マチョン「地獄の門、悪魔にはうってつけだろ?」

大笑いの末、クム・テウンは手を叩いて喝采する。
立ち上がると、チンピラたちに目配せをし、背を向けた。
再び、マチョンをチンピラたちが取り囲む。

ドチャン「(バケットの中)ダメだ!触るな!やめろーーーっ!うわぁーーーーっ!」

ひととおり痛めつけると、チンピラたちがマチョンの腕を掴み、クム・テウンへ向き直らせる。

クム・テウン「なるほど完璧に見えるわけだ。長い間ずいぶん準備したとみえる」
マチョン「…。」

「だが、残念だったな」クム・テウンはゆっくりと首元のネクタイを外す。「引っ掛けたのは俺の方だ!!!」
そのネクタイで、マチョンの首を力の限り締め上げた。

「兄貴ーーーっ!!!」取り押さえられたまま、動けないビクトールの叫び声が響く。

マチョン「息子に手を出したら… 墓の中からでも蘇ってやる。この悪魔め!!!」

クム・テウンが一層力を込めた。「!」
「兄貴!!!」ビクトールの叫び声を最後に、その場は静かになった。

ドチャン「!!!」

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警察の車がサイレンを鳴らし、現場に到着した。
カン刑事が一番に飛び出し、倉庫へ駆け込む。

「ここです!すみません!!!」ドチャンの声に気づき、直ちにフォークリフトでバケットが取り除かれた。

#全員でドチャンの救出に掛かったんじゃないだろうな

カン刑事「ペク検事、大丈夫ですか?」

カン刑事を振り払い、ドチャンは周囲を探す。
マチョンは隅っこのビニールシートの上に寝転されていた。「父さん!父さん!」

ドチャン「父さん、しっかりしろよ。しっかりしろって!」

息子の懸命の叫びに、マチョンはうっすら目を開ける。「ドチャン…」
マチョンが差し伸べた右手を、ドチャンは固く握りしめた。「死ぬ前に息子の名を呼べた…」

ドチャン「何言ってんだ、誰が死ぬんだよ?起きろって!」
マチョン「お前に会えて本当に嬉しかったが、積もる話もできずに行くのは惜しいな…」

「!」ドチャンの目から涙が流れ落ちる。
「俺は罪深いから地獄へ行くだろう」マチョンは血だらけの顔で、それでも笑みを浮かべる。「俺たち、同じ場所で会うのはよそうな」

ドチャン「どこへも行くな。今はダメだ!ダメだって!!!
マチョン「ふふふっ、こいつめ。相変わらず鼓動が早いな。詐欺師はな、鼓動がゆっくりじゃなきゃダメだ」

ようやくハラの車が現場に到着した。
倉庫へ飛び込んだ彼女は、ドチャンたちの姿に立ち尽くした。「!!!」

#ハラの車が到着したときの、「もうすっかり事が終わった感」ったら…ㅠㅠ

「…。」ただ穏やかに微笑んでみせる父に、ドチャンはもう溢れる涙を留めることができなかった。
「ドチャン」父が囁く。

マチョン「お前は俺のようには生きるな。この人生は… たった一度だ」
ドチャン「…。」
マチョン「この世で一番デカい詐欺は… 一人の人の心を完璧に手に入れることだ。どうかお前はそうやって平凡に… 仲良く暮らしてくれ」
ドチャン「わかった。わかったから!死ぬな、死ぬなよ!!!」
マチョン「息子よ… すまない」
ドチャン「!!!」
マチョン「罪深い俺のせいで、お前まで…」

しっかり握られていた手が、息子の頬へ伸びる。
愛おしげにそっと頬をなぞると… マチョンはガックリと首を垂れた。

ドチャン「父さん… 父さん?… 父さん!!!!!」

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ここでエンディングです。

さんざんここでツッコんでやろうと思っていましたが、最後のシーンを訳したら、あまりそんな気分ではなくなっていました。
(本文中でじゅうぶんツッコんでるだろ!という声もあるとは思いますが:笑)

ツッコむも何も、はなからおかしいです。
一言でいうなら、「らしくない」。全てが「らしくない」です。

3人でノコノコとパンパンウォに会いに行くボン監督たち。(←結果的に複数で行ったことは正解でしたが)
主導権をクム・テウンに奪われて言われるがままのビクトール。
何の用意もなしに体一つでクム・テウンの懐に飛び込むドチャン。
疑わしいのに作戦を止められなかった刑事6班チーム。
長年かけて準備してきた作戦を、こんな形で終えてしまったマチョン。

はぁ…。

ただ一つ、クム・テウンはこれで殺人または殺人未遂の罪状が付いたはず。
これまでのようにフィールギャラリーに腰を据えることは出来ないだろうし、状況は大きく様がわりすると思います。
素晴らしいキャラクターたちが、彼ららしく描かれるよう、期待します。

パンパンウォよ、お前のことはもう知らん。

 - スイッチ-世界を変えろ