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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 22話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』22話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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湯呑を口につけたら、それが合図だ…
ためらわず振り下ろせ…

懐に手を差し込み、ジリジリとキム室長が迫ってくる。
クム代表がいよいよ湯呑を口につけようとしたとき…
ペク検事(ドチャン)が付け足した。「チェ・ジョンピル総裁と、日本料理屋で」

クム代表「!」

「!」キム室長の視線が、ペク検事からクム代表に移る。

ペク検事「秘密裏に連絡がありまして。一度2人で会いたいと。それで会ったんです」
クム代表「チェ・ジョンピル総裁にお会いになったと?」

ペク検事は微かに笑みを浮かべる。「チェ・ジョンピル総裁、私が代表と繋がってるのを知らないようです」

クム代表が湯呑を置くと共に、キム室長が懐に入れた手をそっと出した。
「そうですか…」クム代表がゆっくりと立ち上がり、ペク検事の背後へ回る。
背もたれにどっしりと両手をつくと、小さく囁いた。「それで、どんな話を?」

#((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

ペク検事「クム・テウン代表を排除してくれと」
クム代表「…。」
ペク検事「自分と手を組み、クム・テウンを排除しようという話でした」
クム代表「それを私に聞かせる理由は?」
ペク検事「私は詐欺師サ・ドチャンを捕まえるまで、代表と袖を連ねるつもりです」

「…。」クム代表の口角がじわりと上がる。
短い沈黙の後、クム代表が笑い声を上げた。「はははっ」

クム代表「ペク検事を”良いところへお連れしようと”思ったんですが、まだ時期早々のようですね」

#((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
普通なら”旨い店へお連れしようと”と取れる発言です。

「それから?」クム代表は元の場所へ戻り、再び表情を引き締めた。「他に話はなかったんですか?」

ペク検事「トルキスタン…」
クム代表「ん?」
ペク検事「天然ガス開発事業に投資するつもりだと」

「あぁ」クム代表は少々呆れた様子だ。「見えも触れもしないガスなんかに、なぜそうこだわるのか」

ペク検事「それを利用してチェ・ジョンピル総裁を誘き出すつもりです」
クム代表「?」
ペク検事「代表が私に宿題をくださいましたよね。チェ・ジョンピルの呼吸器を外せと」

興味を引かれた様子で、クム代表は目を見開いた。

ペク検事「チェ総裁が天然ガスプロジェクトを進めるよう、泳がせておこうと」

ペク検事がゆっくりと身を乗り出す。「万が一それが詐欺なら、ガスのように破裂して消えるでしょうし…」

ペク検事「実現の可能性があるなら、違法リベート、海外資金法違反等で抑えるつもりです」

#おまい賢いなぁ~~~

話に聞き入り、クム代表は感嘆の声を漏らした。「Wao!」

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クールにフィールギャラリーを出てくると、ドチャンは角を曲がったところで座り込まんばかりに大きく息をついた。「わぁ」
生きるか死ぬかの瀬戸際を、危ういところで乗り切ることが出来たのだ。

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店の中はロクな照明もなく、扉は70年代の映画のポスターで埋め尽くされている。
ほのかに照らされたテーブルで、ポン親父が男に酒をついだ。

正面に座っているのは…

ビクトール・ジャンだ。

ビクトール「通産部次官、(?)まで、専門家たちで第2次調査団を作ったようです」
ポン親父「前回じゃ足りなかったようだな。チェ総裁、えらく気になる」
ビクトール「あまりご心配なく。10年もの間、念を入れて王族と親しくなり、賄賂まで握らせて一緒に走ってきたプロジェクトじゃありませんか。現場にはもう連絡を入れてあります。決して勘づかれることはありません」
ポン親父「君の腕前は信じているがな、一瞬でも気を抜いちゃダメだ」
ビクトール「もちろんです。チェ総裁、今、顔を真っ赤にしていますよ。全国に隠し持つ土地、ビル、工場も全部売り払って資金を工面しているようです」
ポン親父「あぁ。そうやって一箇所に集めれば、俺たちも一口で食いつける」

「問題は…」ビクトールが手元のグラスに視線を落とす。「ヒグマです」

ポン親父「そうだな」
ビクトール「果たして兄貴の予想通り、クム・テウンは食いついてくるでしょうか」
ポン親父「ヤツのことはよく知ってる。人を上手く騙すヤツほど、疑い深いものだ。俺たちからクム・テウンに近づけば、絶対に釣られなかったろう。チェ・ジョンピルが欲を出したから、目をつけたんだ」
ピクトール「他人の餅は大きく見えますからね」

ひとしきり笑い、ポン親父はビクトールの手を握った。「礼を言うよ」

ポン親父「俺を手伝うために、うまく行ってた事業まで畳んで」
ビクトール「何をおっしゃいますか。ロシアのマフィアに追われ、死ぬところだった私を助けてくれた命の恩人じゃないですか」
ポン親父「…。」
ビクトール「兄貴を助けて死んだって、一つも惜しくありません」

2人は改めてグラスを合わせた。

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チェ・ジョンピルの秘書が数人の同行者と共に海外へ出掛けるのを、空港でキム室長が確認した。

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「トルキスタンの地獄の門?」取調室での2人きりの情報交換で、ハラは初めて資料を見せられた。

ドチャン「プンプン匂ってくる。調べた方がいいと思うんだ」
ハラ「何ヒマなこと言ってんのよ。クム・テウンの犯罪を暴いてる真っ最中でしょーが」

「だからさ」ドチャンが畳み掛ける。「これでクム・テウンを釣ろうってことさ」

ハラ「どうやって?」
ドチャン「聞けよ。チェ・ジョンピルが今、この事業に投資しようとしてる。クム・テウンは疑心暗鬼で様子を見てるだけだ。もし事業展望に確信が持てれば、間で邪魔しようとするに違いない。2人が仲違いしてるのは良く知ってるよな?」
ハラ「認知捜査をして、決定的な瞬間が来たら叩く…?」

※〇〇捜査って言葉がいろいろ出てきますね^^; どれもその都度調べるのですがピンと来ず…。”認知捜査”とは、現行犯や検問など、他の事件の調査中に犯罪を発見することや、マスコミなどにより犯罪を認知して捜査すること、とありました。

「そのとおり」ドチャンは袋からポン菓子をつまみ、口へ放り込んだ。「あ、そうだ」

ドチャン「例のポン菓子屋だけどさ。圧迫と鍛錬の時間がどうのこうのっていう」
ハラ「口達者の?それが何?会って饒舌バトルでもやるつもり?」
ドチャン「やり手の匂いがする。並の人間じゃなさそうだってことだ」

「確かに…」ハラが資料から顔を上げる。「左手が義手だったわ」

ドチャン「義手?」
ハラ「何か事情があるんじゃないかな」

「…。」ドチャンが身を乗り出した。「今晩、会食にしないか?オ検事ん家の店に行ったことないからさ」

ハラ「うちの家?いいけど」

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仕事を終え、ドチャンは一人でハラの母が営むフライドチキンの店へやって来た。
「いらっしゃいませ。何名様です?」入ってきた彼に、ハラの母親が声を掛ける。
「初めまして!」彼は明るく頭を下げた。

ペク検事(ドチャン)「オ・ハラ検事と一緒に働いているペク・ジュンスと申します」

「あぁ、ペク・ジュンス?」そう生返事をして、ハラの母はハッと息を呑む。「あのペク・ジュンス?!」

ペク検事「ふふっ♪ オ検事からお母さんのこと、よく聞いてます。今日うちのチームがこちらで食事をすることになってるんですが」
ハラ母「あぁ、えぇ」

そう答えて、ハラの母は小さく首を傾げた。「ハラに聞いていたのとずいぶん違うわ」

ペク検事「?」
ハラ母「キリリと整ってて、性格も明るいし」

「そうでしょう?」ペク検事は手慣れた様子で受け止める。

ペク検事「ところで、お母さん。ひょっとして誰かに似てるって言われたことありませんか?」
ハラ母「はっ!」
ペク検事「誰だったかな… あっ!映画女優、オードリー・ヘップバーンだ」
ハラ母「あらまぁ♥」
ペク検事「でしょう~!睫毛がソックリだ」
ハラ母「そんなことあまり言われたことないけど… 同じことを言う人が一人いたわ」
ペク検事「オ検事は美人のお母さんに似たんですねっ♪」
ハラ母「あらまぁ~♥ なんて人を見る目があるのかしら、ペク検事」

「あはははっ」ペク検事は明るく笑った。

#↑このときの笑い方、素で笑ってるみたい^^

そこへハラたちが揃って入ってくる。

ヤン部長「あぁペク検事、先に来てたんだな」
ペク検事「はい、先に来て点数を稼いでました」
ヤン部長「え?」

「点数って何?」訝しげなハラの隣で、母親が愉しげに笑う。

ペク検事「(澄まし顔)」
ヤン部長「早くご挨拶すべきだったんですが…」
ハラ母「こちらこそご挨拶できずに。さぁ、お掛けください」
ヤン部長「今日の支払いは私ですので」

皆が席に向かうと、ハラの母は娘に囁いた。「ちょっと!」

母「ペク・ジュンス、あんたの話と違うわ!すごくイイじゃない。気に入ったわ」
ハラ「何がイイのよ!」

#人がいいからかな~、ヤン部長はペク検事が本物じゃないって気づいてもよさそうだけどね。ジュンスは絶対点数稼ぐとか言わないよ^^;

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食事を終え、ハラはドチャンを連れて商店街を歩いてきた。
「この通りの端にあるの」ハラが向こうを指さした。
一番端まで歩いてくると、建物をもたず、地面に雑然と物を置いて商売をしている一角があった。
帽子を被った男が、しゃがみこんで作業しているのが見える。

ハラ「いらっしゃったわ」

「待ってて」ハラを制し、ドチャンは慎重に男に近づく。

ドチャン(心の声)「まさか…」

「あの… すみません」ドチャンが声を掛けると、男が振り返った。「何です?」
それは…
見たこともない男だ。

ドチャン「…。」
ハラ「?」
男「ポン菓子買ってくれるのかい?」

男が両手でポンポンとズボンを払う。
義手ではないようだ。
ドチャンは落胆したように目を伏せた。

ハラ「違う方ですね。もともとここにいらっしゃった方は?」
男「俺から権利金を受け取って出てったよ。ここは地運がいいからって言ってな」
ドチャン「…。」
男「水脈が流れてるから、商売が上手くいくって。ははっ」
ハラ「おじさん、騙されましたね」
男「ポン菓子買っていけよ、無駄話してないで」

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ジュンスの病状を看護しているのはウンジだ。
血圧を測ってもらいながら、ジュンスが言った。「サ・ドチャンさん、何事もありませんか?」

#おっ♪ 新鮮な組み合わせ

ウンジ「ペク検事、ご自分の心配してくださいよ。こんな血圧でよくやってましたね」
ジュンス「…。」
ウンジ「ホント辛抱強いんだから」

「こんなに深刻だと思わなかったわ」心配するウンジを、ジュンスが見つめた。「ウンジさん」

ウンジ「…そんなふうに見つめないでください。ドキッとするじゃないですか」

「ドチャンさんとおんなじ顔しちゃって…」そう言って、拗ねたようにうつむく。
「ウンジさん」もう一度呼ばれ、彼女は恥ずかしそうに視線を上げた。

ジュンス「僕の体のこと、当分オ検事には黙っていてください」

「はぁ」ウンジは思わず溜息をついた。「そういう秘密、困るんだけど」

ジュンス「お願いです」

そのとき、ウンジの携帯がうなり始めた。
画面に出ているのは、『女狐X』

ウンジ(電話)「オ検事?あぁ、今…」

ジュンスが真剣な眼差しで彼女を見つめ、首を横に振る。

ウンジ(電話)「お元気ですよ。よく食べて、よく寝て」
ジュンス「…。」

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ドチャンはじっと考えを巡らせていた。

#前後の場面でこの切り替わり。唸るね…。

スクリーンに映し出されているのは、ビクトール・ジャンの写真だ。
チームが集合し、執務室でミーティングの最中だった。

ヤン部長「ビクトールの出入国記録は?」
イム係長「はい、2018年3月、遂行員たちと入国、ウェストンホテルのスイートルームに現在まで滞在しています」
コ係長「わぁ、そこって一晩で数百万ウォンするんじゃ?金持ちは凄いな」
ペク検事(ドチャン)「誰が見てもまさに本物だ…」
コ係長「本物ですよ。こんな事業家が詐欺を働くわけがない」

テーブルについていた腕を離し、ペク検事が皆に向き直った。「それで余計に疑わしいと思ったんです」

「?」ヤン部長とハラが同時に腕を組む。

ペク検事「詐欺には全部で5段階あります。餌を与える、信頼を得る、欲を掻き立てる、脱線させる、そして、後始末して消える。現在、この5段階コースを正確に展開中です」
コ係長「そうなると、餌は何です?」
ペク検事「天然ガス独占供給」
イム係長「信頼獲得は?」
ペク検事「ロシアで成功した事業家が、韓国の高級ホテルのスイートルームで上層階級と会っていると…」
ハラ「欲を掻き立てるのは… ガスが実際に開発されれば、数十兆単位の利益が見込めると」
ヤン部長「脱線となると…」
ペク検事「トルキスタン王族との違法リベート、外国為替管理法違反。そうやって道を踏み外さなければ利益が手に入らない構造」
コ係長「お客が来てピザを3枚も注文したのに、一切れしか食べずに帰る、そんな気分」

「ビンゴ!」ペク検事が指をさした。

#ホントかよ^^;;;

ペク検事「故にこのプロジェクトは詐欺だと見ています」
ヤン部長「だが… 証拠がないだろう。”封切り前の映画”だ」
ハラ「部長のおっしゃる通りです。詐欺は完了するまで捕まえられない」
ヤン部長「…。」

じっと腕を組み、ペク検事はスクリーンの前を歩いた。「ひょっとして…」

ペク検事「ビクトールは二重国籍者では?」

「お待ちください」イム係長が資料をめくる。「あぁ、そのとおりです!

イム係長「どうしてわかったんです?ロシアとトルキスタンの二重国籍ですが」
皆「!」
ペク検事「ロシアの旅券で空港から韓国へ入った時、盛大に入国したに違いありません。豪華なパーティーを開いて、注目を集めるんです。もし詐欺を仕掛けるつもりで来たのなら、トルキスタンの旅券でその前に来ているはずです。事前情報を取得するために。そうすればターゲットの目を誤魔化せますから」
ヤン部長「…。」(←ついていけてない目
ハラ「イム係長、ビクトールのトルキスタン旅券での出入国記録を調べてください」

そう言って、ハラはこっそりドチャンに親指を立ててみせた。バッチリ!

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ポン菓子を売らなくなったポン親父… サ・マチョンは、行きつけの料理屋で酒をすすっていた。

探偵「ビクトール社長がこっそり船で入国したことまで、サ・ドチャンさんが突き止めたようです」

#さすがにおかしいよね。チームの誰かが漏らしてるってことになる。それに、ペク検事の中身がドチャンだってことも、普通にバレてる。

マチョン「ふふふ、やはり凡人じゃないな」

「そのうち俺を捕まえにくるんじゃないか?」サ・マチョンは感慨深げに微笑んだ。

~~~~~~~~

ドチャンの子どもの頃の姿が、いきいきと蘇る。

子ドチャン「お父さん、僕、大きくなったら検事になるよ」
マチョン「検事?お前は詐欺の素質があるんだぞ」

「嫌だよ!」ドチャンが訴える。「僕、検事になるんだ!」

ドチャン「そのときお父さんが詐欺をやってたら、僕が逮捕するぞ!」
マチョン「おっ?俺は腕利きなんだ。お前なんかに捕まるもんか」

「捕まえてみろ」からかう父を、ドチャンが追いかけたのだった。

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ビクトールの滞在するスイートルームへスタッフがやって来た。
「ルームサービスです」現れたのは、スタッフに化けたボン監督とウンジだ。

ボン監督は不器用な振りをしてコーヒーをビクトールの上にこぼし、ウンジがティッシュを取るふりをして、デスク上のPCにUSBメモリを指す。
例によって、超高速ダウンローダーが、PC内のデータをインテの元へ届けた。

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ビクトールから頂戴したデータを、詐欺団たちは皆で検討する。

インテ「ビクトールが撮った写真だ。見てくれ」

モニターに映し出されたのは、会合場所から出てくるチェ・ジョンピルやクム・テウンの姿を隠し撮りしたものだった。

ボン監督「やはりチェ・ジョンピルとクム・テウンがターゲットだったか」
ドチャン「写真の日付は?」

「待って」インテがファイル情報を開く。
2018年2月24日とあった。

インテ「入国10日前だ」
ウンジ「韓国に来ていないのに、どうやって撮ったのかな」

ドチャンがニヤリとする。「二重国籍者なんだ。ロシアの旅券で入る前に、トルキスタンの旅券で入ってた」

インテ「答えが出たな。予めコッソリ来て写真や情報を取得。一度出国して、今度は注目を浴びて騒がしく帰って来たんだ」
ウンジ「これ、詐欺ね」
ボン監督「詐欺だな」

「詐欺には詐欺だ」ドチャンが言う。「セッティングしてみるか」

ウンジ「やった~!セッティングね!どうやるの?」

モニターを見つめ、ドチャンはハンドスピナーを弾いた。

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さっそくセッティング開始だ。

ペク検事(ドチャン)はクム・テウンとキム室長を従え、トルキスタン領事館を訪れた。
検事の職権を利用して、クム・テウンをトルキスタン領事に引き合わせるのだ。
信頼させるのが目的だった。

トルキスタン領事「我々は1年かけて共同プロジェクトを共に計画してきました。今後一緒にやりましょう」

広告代理店の職員に扮したウンジは記者を呼び出し、トルキスタン王の第3甥に化けたボン監督と共に、プロジェクトの情報を流す。
念を入れ、インテがもっともらしく通訳についた。

記者「それで、ネタって言うのは?」
インテ「(封筒を出し)詳しい内容はここにあります。よろしくお願いします」

さっぱり興味のないようすで、記者は資料を眺めた。
『トルキスタン資源開発公社 国家広報事業 韓国-トルキスタン 経済協力広報資料』
そこへボン王子に促され、インテがそっと長封筒を記者へ差し出す。「少ないですが、同僚の方々と食事でも」
「あははは」笑い声をあげ、記者は封筒を懐に入れた。「デカく載せてやるよ。俺を信じてりゃいい」

ボン王子「Good!」

さっそくこのプロジェクトが各媒体に大きく報じられた。

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『トルキスタン天然ガス輸入は実現するか~実現すれば10兆の収益予想~』

チェ前総理「こんな記事が出るとは!噂が広がったら予定が狂っちまうぞ。こうしちゃおられん。急がなければ」

ドチャンの思惑どおり、記事をチェ・ジョンピルは他人に奪われるんじゃないかと焦りを見せた。
一方、クム・テウンは…

クム代表「収益は10兆?」

記事を見て、儲けの大きさにムクムクと欲を膨らませていた。
他人の餅は大きく見える、そういうことだ。

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海外へでかけていたチェ・ジョンピルの秘書たちが帰国した。
「2次調査団が帰国しました」空港で確認したキム室長がクム代表に報告する。

クム代表「向こうの反応は?」
キム室長「ユン秘書に同行した専門家に会ってみましたが、事業展望はかなり明るいようです」

「あの年寄り、本当に大当たりを引くんじゃないか?」クム代表がつぶやく。

クム代表「ビクトールに連絡してみろ。一度会ってみなければ」
キム室長「承知しました」

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さっそくクム代表がビクトールの滞在するホテルへやってきた。
ロビーでお茶を飲んでいたウンジとインテが、階段を上がっていくクム代表を見つけ、すぐさま連絡を入れる。

「現れたか?」知らせを受けたのは、アジトにいるボン監督だ。「わかった。このまま見張ってくれ」
ドチャンはのんびりマッサージチェアの上だ。

ボン監督「ドチャン、クム・テウンがビクトールに会いに現れたってさ」
ドチャン「ふふふっ♪ 疑り深いナマズがゆっくり餌に近づいて来たな」

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「リベート率を引き上げましょう」クム・テウンは懸命にビクトールを口説いていた。

ビクトール「申し訳ありません。私は信用第一の事業家なんです」
クム代表「事業家は利潤第一じゃありませんか。ビクトール社長への手数料、10倍差し上げますよ」

「ははは」ビクトールは乾いた笑い声を上げる。「お帰りください」

クム代表「!」
ビクトール「私は事業家です。詐欺師じゃない」

「…。」クム代表の口元がピクリと引きつった。

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ビクトールに追い返されたクム代表がカフェで会ったのは、キル・デロ検事だ。

キル検事「こっそり捜査情報を見たんですが、オ・ハラ検事、代表の背後を探っているようです」

#そんなこと調べ出せる能力があるようには微塵も見えない、圧倒的お呼びでない感。

クム代表「…。」
キル検事「検事長の自殺も、他殺の線で」
クム代表「…。」

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仕事を終え、ハラは自宅への道を今夜は一人で歩いていた。
そこへ、道端で待ち構えていた車がサッとライトを照らす。

ハラ「?!」

車の隣でのんびり菓子を食べていた男は… クム・テウンだった。

ハラ「クム・テウン…!」

むしゃむしゃと菓子を噛みながら、クム・テウンは無言で彼女に近づく。
「!」ハラは思わず後ずさりした。

クム代表「オ検事。今帰りですか?無理し過ぎでは?」

「もし倒れたりしたら…」クム代表は彼女の自宅の方向を指差す。「家族のことも考えないと」

#あれだね、チョン・ウンインさんの顔を想像するだけで、作家さんはスラスラと恐ろしいセリフが思い浮かぶんだろうね^^;こんな言葉にも裏の意味があるように感じる。

ハラ「どうしてここに…!」
クム代表「あぁ、近くに知り合いがいて、道すがら”偶然”出会ったんですよ。この近くにお住まいで?」

ハラは怒りに震え、嘲笑を浮かべた。「脅すなんて…」

ハラ「韓国検察をバカにしてるんですか」
クム代表「(ニヤニヤ)」
ハラ「捜査されてると知って、焦っていらっしゃるんですね」

強気なハラに、クム代表が思わず笑い声を上げる。

クム代表「私はペク・ジュンス検事と大仕事に着手することにしました。オ検事も広く大きく見ていただければ、違う世界が見えるはずですよ」
ハラ「違う世界を見る余裕は、私にはありません」

「ふふふ」再び笑い、クム代表は道を譲った。「どうぞ」

ハラ「…。」

クム代表が車に乗り込み、走り去るのを待ち、ハラはようやく大きく息をついた。
恐怖が体の中から溢れてくる。

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翌朝。
出勤してきたドチャンが、ハラに気づいて声を掛けた。「あ、オ検事!」

ドチャン「昨日、なんで一人で帰ったんだよ?何もなかったか?」
ハラ「あるわけないでしょ。心配しないで」

「自分のことは自分で守るから」そう啖呵を切って、ハラは彼とすれ違った。

ドチャン「はぁ、ボディーガードも大変だ。了解~」

ドチャンが角を曲がっていくと、ハラはそっと振り返った。
昨夜のことは… 言えない。
ただでさえ負担の多い彼に、これ以上余計な心配をさせるわけにはいかなかった。

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夜。
ドチャンはスーツ姿のままどこかへ車を走らせていた。
「今日に限って、なんでこう鼓動が弾むんだろうな」ハンドルを握りながら、期待に口角が上がる。

ドチャン「大物に会いに行くからか」

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執務室でクム代表は”地獄の門”の写真をめくっていた。
そこへ慌てた様子で入ってきたのはキム室長だ。「チョ社長が来ました」

「!」クム代表は思わずガバっと立ち上がる。「ソンドゥが?」
入ってきたソンドゥは… 着倒れの服装に髪はグシャグシャに乱れ、ヒクヒクと子どものようにしゃくり上げた。

ソンドゥ「もう一度…もう一度だけチャンスをください」
クム代表「(唖然)」
ソンドゥ「すみませんでした…!」

大きく溜息をつき、クム代表は頭を悩ませる。

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ビクトールのスイートルームに客人が訪れていた。
トレンチコートに品のいいハットを被った客人は、上座のソファにゆったりと腰を下ろしている。

ビクトール「ヒグマを捕らえるのも時間の問題です。計画通り進めて、完璧に締めくくりますよ」

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ドチャンが歩いてきたのは、ホテルの上層階とみられる廊下だ。
ある扉の前で立ち止まると、彼はさっと襟を正し、扉を叩いた。

「?」中でビクトールが振り返る。
出るようにと、客人が左手で合図をした。

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扉を開けると、ビクトールはそこに立っていた若い男に首を傾げた。「どちら様です?」

ペク検事(ドチャン)「ソウル中央地検から来ました」

鋭い口調で告げ、ペク検事が中へ入る。
彼は慎重に室内の様子を窺った。

ビクトールの他に人の姿もない。
しかし、テーブルの上にはティーカップが2つ、まだ湯気が上がっていた。

ペク検事は検事証を掲げる。「ソウル中央地検刑事6部、ペク・ジュンスです」

ペク検事「ビクトール・ジャン、あなたを緊急逮捕します」
ビクトール「緊急逮捕?バカバカしい。罪状は何です?」
ペク検事「軽犯罪法第1条16項に関する違反です」
ビクトール「軽犯罪?」
ペク検事「道端にゴミを捨てましたね」

「ハッ」ビクトールが思わず笑い声を上げる。「罰金を払えば済むものを、検事さん自らいらしたんですか?」
ペク検事がひょいと眼鏡のフレームを上げた。「やめましょうよ」

ペク検事「イカサマなさったじゃないですか」
ビクトール「一体何を言ってるんだか…」

※밑장빼기=”イカサマ”と訳したところです。正確には、カードゲームの際、一番上の札を取ると見せかけて、こっそり下の札を取ること。英語ではBottom deal.

ペク検事が懐から書類を取り出した。
出入国証明書だ。

ペク検事「あなたはこの日、ロシアの遂行団たちと共にこれみよがしに入国なさいました。このホテルで経済人とのパーティーも。出来る限り注目を浴びるよう、かなり努力なさったようですね」
ビクトール「…。」
ペク検事「ところがその10日前、別の旅券でウラジオストックからクルーズ船に乗り、入国なさっています」

「なぜでしょうね」ペク検事の眉毛が上がる。

ビクトール「…。」
ペク検事「私が知りたいのは、あなたの正体ではありません。あなたはRoperに過ぎないんじゃないかと…」

※Roper=ターゲットに接近し、罠を仕掛ける役割を担う人物。

ペク検事「あなたはこの詐欺劇を計画した張本人じゃないということ。罠を仕掛けただけです」

#知ってるけど… ドチャンはなんでわかるんだろ。今までそんな材料は出てないはず。

ビクトールが困ったように溜息をつく。
ペク検事の視線が、テーブルの上のティーカップへ向かった。「私の知りたいのは、この詐欺劇の隠れた企画者」

そのときだ。

向こうのガラス扉に人影が動いた。

ペク検事「!」

扉が開き、コートにハット姿の男が姿を現す。
男の顔をみて、ペク検事… ドチャンは目を見開いた。「!!!」
彼の頭に浮かんだのは、目を細めて笑いかけてくれた、幼い頃の父の笑顔だ。

ペク検事「!!!!!」

彼の前に立つと、男は帽子を取り、威厳のある笑みを見せた。「お会いできて光栄ですよ、ペク・ジュンス検事」

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ここでエンディングです。

ビクトールさんよ… できればあなたは韓国語セリフにも字幕をつけてもらってくださいm(_ _ )m
それに比べて、メインのキャストたちに聞き取りのストレスが一切ないのは本当にありがたいです。

今回おさえておきたいのは、サ・マチョンはドチャンがどこまでビクトールのことを調べ上げたか、ちゃんと知っているということ。
本文中にも書いたように、情報入手の手段は甚だ疑問ですが、ドチャンが自分のところまで辿り着くのも承知の上だったんだろうと、そこが大事なポイントだと思っています。

そして…

皆様、ブログ10周年へのコメントを多数いただきまして、ありがとうございます!
それぞれにドラマ視聴歴、ファン歴、韓国語学習の歴史があり、そのうちの数年をご一緒出来ていることをとても嬉しく思います。
コメントに大きな力をいただき、とにかくスイッチの翻訳に全力を注ぎます。
お一人ずつお礼を申し上げるべきところ、それが出来ずにいることをどうかお許しくださいませ。

 - スイッチ-世界を変えろ