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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 21話 あらすじ&日本語訳

      2018/05/05

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』21話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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灯台の発するグリーンの光と、柵に取り付けられたブルーの照明が美しいグラデーションを作り、足元を照らしている。
ドチャンと別れ、ハラはジュンスと共に防波堤を歩いていた。

ハラ「悪魔に魂を売ったのかと思って… どんなにヤキモキしたか」
ジュンス「サ・ドチャンさんが賄賂を受け取ったとニュースで見たとき、しまったと思った。とうとうクム・テウンの釣り糸に掛かってしまったか…って。状況をひっくり返すため、クム・テウンを騙すためには、仕方なかったんだ」

ジュンスは立ち止まり、ハラに向き直る。「話してやれなくて、すまなかった」
ハラはホッとしたように口を開いた。「ありがとう」

ジュンス「?」
ハラ「変わらないでいてくれて… ありがとう」

ジュンスが柔らかく微笑む。
ふたたび歩き出した次の瞬間…

「!!!」

ジュンスは強烈な胸の苦しみを覚え、呻き声を上げた。「あぁっ!」

ハラ「先輩!先輩、大丈夫?!」

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頭に血がのぼったクム・テウンは、将棋盤をまるごと壁に投げつけた。「盗聴監視装置はどうなってる!」

キム室長「電源が切れていました」
クム代表「キム室長、仕事が杜撰すぎるんじゃないか。詐欺師に好き勝手に出入りされるとは!!!」
キム室長「申し訳ありません」

ひとしきり怒号を上げ、クム代表はソファに身を沈めた。「ペク検事が詐欺師とグルになって俺を弄んだのなら…」

クム代表「今すぐペク・ジュンスに連絡しろ」

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アジトのマンションへ担ぎ込まれたジュンスの元に、医師が駆けつけていた。

医師「交通事故に遭ったとき、心臓の弁膜がひどく石灰化して、狭窄があったんです。それ以降、人口弁膜で代替していたんですが…。当分の間、絶対に無理をさせてはいけません」

「絶対安静を」医師はドチャンとハラを振り返り、念を押す。
全てはあの事故のせいだったのだ。
「クム・テウン…」ハラが決意を新たにした。「必ずや法廷に立たせてやる」

そのとき、近くで携帯の唸る音がした。「?」
ハラがジュンスのジャケットのポケットから携帯を取り出し… ハッと顔をこわばらせる。

ハラ「クム・テウンからよ」

ドチャンが大きく息を吐き出し、電話を取った。「はい、代表。どうなさいましたか」

クム代表(電話)「話があるんです。今すぐ会いましょう」
ドチャン(電話)「今…ですか?」
ハラ「!」
ドチャン「今日は体調が悪くて」
クム代表「そうですか。それならこちらから出向きましょうか」

「…。」ドチャンの視線が、ベッドの上のジュンスへと向かった。

ドチャン(電話)「いいえ。こんなむさ苦しいところへ代表をお招きするわけには。私が出向きます」

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大急ぎでフィールギャラリーへやって来たドチャンは、スーツ姿の仕上げに眼鏡をかけ、ぐるりと肩を回して中へ足を踏み入れた。

「中でお待ちです」キム室長の案内で、クム代表の執務室へ足を踏み入れる。
何とかここを乗り切らなければ。

#ここでドアを開ける前に顎をクイッと回したりするのは、キム室長やクム代表には決してわからない、細かなドチャン印。一瞬だけどこういうのを挟んでくれるのが嬉しいね^^

ペク検事(ドチャン)「遅くなって申し訳ありません。体調が悪くて」

クム代表は作り笑いを浮かべ、立ち上がる。「こちらこそ具合の悪い人を呼びつけてすみません」
「お掛けください」ペク検事にソファを勧めておき、クム代表は歩きながらじっくりと彼の様子を観察する。

#ドチャナ~、ダメダメ!目がウロウロしてるよ~

向かいに腰を下ろすと、クム代表は努めて穏やかに切り出した。「”馬”になるという約束、たやすく信じすぎたようです」

クム代表「王を失ってしまうまで何をなさっていたんです?支援になるどころか、余計に事がこじれたじゃありませんか」
ペク検事「申し訳ありません。私もオ・ハラ検事が殺人まで知っているとは知らず」

クム代表が口元に笑みを滲ませ、頷く。「知らなかったと?」
そして、サイドテーブルに手を伸ばし、ビニール袋から小さなチップの破片を取り出した。「これをご存知では?」

ペク検事「!」

ビニール袋の中には粉々に砕け散った『漢』の駒も一緒だった。

クム代表「ペク検事が初めていらっしゃったとき、サ・ドチャンを売ると言って、居場所を教えてくださいましたね。ところが、サ・ドチャンはすでにこんな盗聴装置を取り付けていたんです」
ペク検事「…。」
クム代表「そこで、こんな推理をしてみました。最初からペク検事がサ・ドチャンとグルになって、私の前で芝居を打ったんじゃないかと」
ペク検事「…。」

黙り込むペク検事に向かって、クム代表はゆっくりと身を乗り出す。「万が一そうだとしたら…」

クム代表「はなから契約は成立していないということ」

「将棋の馬は砕いてしまわなければ」そう言って、クム代表はすでに砕けた駒の袋をテーブルに叩きつけた。
じっと黙っていたペク検事がポケットに手を入れると、蓋の開いた携帯電話を取り出す。
そこにはめてあった小さなチップを、彼はつまみ上げた。「私も盗聴されていました」

クム代表「!」
ペク検事「後になって気づき、やられたと思いました。代表が誤解なさるのも無理はありません」

クム代表は半ばあっけにとられたように笑い声を上げる。「我々2人とも手のひらで弄ばれたと?」

ペク検事「ファベルジェ エッグ、検事長宅で見つかった兵馬俑、どちらもサ・ドチャンの仕業なのは明らかです。阻止できず恐縮ですが、サ・ドチャンは必ずや捕まえます」
クム代表「詫びは結構。ミッションを一つ差し上げましょう」
ペク検事「?」
クム代表「チェ・ジョンピル総裁。あの年寄りの呼吸器を外してください」

「!」ペク検事の眉がピクリと動く。「”企画捜査”をやれと?」

クム代表「私も刑事の頃はアイテムを用意して、ずいぶん”標的捜査”をやりました。難しいことじゃありません」

※アイテム=ある人物や事柄にターゲットを決めて捜査方針を企画すること。この場合、最初にチェ・ジョンピル氏というターゲットあるきで捜査を企画しろということですね。

ペク検事「チェ総裁を起訴するには、違法的状況が認められて捜査が可能になるか、刑事告訴が必要です」

#みんな忘れないで!ドチャンだからね♪

クム代表「そんなことはどうでもいい。私の出したミッションをやり遂げるかどうか、とくと拝見しますよ」
ペク検事「…。」

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『11 鳥は対の翼で飛ぶ』

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部屋へ戻ってきた、ドチャンがふぅと息をついた。

ハラ「どうなった?」
ドチャン「とりあえず切り抜けた」

意識のなかったジュンスが、ベッドの中で目を覚ましていた。「クム・テウンを捕まえるには…」

ジュンス「検察庁にペク・ジュンスがいなければなりません」

「…。」2人がじっとジュンスを見る。

ジュンス「クム・テウンに近づいて、やっと南山クラブまで把握できたのに、また僕が消えてしまえば、今まで続けてきた捜査が途絶えてしまいます」
ドチャン&ハラ「…。」
ジュンス「スイッチを…」
ドチャン&ハラ「?」
ジュンス「もう一度お願いできませんか。サ・ドチャンさん」

ジュンスはベッド脇の引き出しに手を伸ばした。
掴んだのは、これまで大切に取っていた”本物の検事証”だ。

#泣いた(´;ω;`)
ペク・ジュンスが本物だという証。これを差し出すのが、どういう意味か…。

彼は本物の検事証を差し出し、まっすぐにドチャンを見た。「今から… あなたが本物のペク・ジュンスです」
「…。」ペク・ジュンスの名前が、ジュンスからドチャンの手に…移った。

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翌朝。

ソウル中央地検への階段を上がるドチャンの表情はどこか固かった。
立ち止まった彼を見て、待ち受けていたハラが口を開く。「どうした?」

ドチャン「!」
ハラ「久しぶりの出勤で感慨深い?」
ドチャン「…。」

近づくと、ハラは品定めするようにドチャンの装いを目でなぞった。「ネクタイ、眼鏡、ヘアスタイル…」

ドチャン「大丈夫だって」

「そうね!」2人は並んで歩き出した。
「やれやれ」ドチャンが空を仰ぐ。「成り行きで検事、仕方なく検事…か」

ハラ「どういうこと?」
ドチャン「最初はオ検事に言われて、成り行きで検事になったろ」
ハラ「それはさ、ダイヤモンドを取り返そうとしたんじゃない」
ドチャン「ところが今度は、ペク検事に言われて仕方なく検事…」

「サ・ドチャン」ハラが立ち止まる。

ハラ「もともと検事になる運命だったのね。成り行きだろうが、仕方なくだろうが」
ドチャン「もともと俺はな、詐欺をやりながら静かに平和に暮らしたいっていう、ちっぽけな夢しかない人間だったんだ」

ハラはふっと笑った。

ハラ「あ、ヤン部長には秘密にしないと」
ドチャン「なんで?もともとチームだったじゃないか」

「部長は…」そこまで言って、ハラは言いよどんだ。

ドチャン「?」
ハラ「今回は言わないでおこう」
ドチャン「…。」

「行きましょ、先輩」ハラが仰々しく道を作る。
「あぁ」声を低くし、ドチャンは表情を引き締めた。

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ロビーを入った途端、新生ペク検事の目に入ったのは、懐かしのキレイなミランさんだ。「あぁ、ミランさん」

ミラン「!」

「おはよう♪」彼は驚いて立ち止まったミランに、極上の微笑みを投げた。

ミラン「はい、ペク検事!」

ペク検事の背中を見送り、ミランは顔を輝かせる。「ペク検事が戻ってきたわぁ!」

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「ご無沙汰です~!」豪快に現れたペク検事(ドチャン)に、捜査員たちが驚いて立ち上がった。

コ係長「ペク検事、昨日お会いしたばかりなのに、ご無沙汰とは…?」
ペク検事「たとえ一晩でも恋しいと思えば、長く感じるものですから」

ハラがギョッとして彼を見る。
「あっ、今日仕事が終わったら…」そう言って、ペク検事は盃をクイッと飲む仕草をしてみせる。
「!」コ係長とイム係長が顔を見合わせた。

コ係長「ここ数日あまり冷たくなさるんで、寂しく思ってたんです。だけど、良かった…。あははははっ!」
ハラ「先輩、口数がまた… 増えたね」
ペク検事「人は常に変わるものだからな」
ハラ「…。」
イム係長「だけどお二人とも… また仲良くなられたみたいだわ。昨日まで目も合わせなかったのに」
ハラ「あ、先輩との間にちょっと誤解があったんですけど、それが解けたんです」
ペク検事「(ニコニコ)」
ハラ「前のようにまた協力し合うこともあるでしょうから、どうぞよろしくお願いしますね」
コ係長「まぁ男女の関係ってのは二転三転するもんじゃありませんか。あははははっ!」
ハラ「!」
イム係長「私も夫と喧嘩するうちに情が移ったんですからぁ」
ペク検事「僕らはそこまでじゃありませんよ、ふふん♪」

「先輩」ハラがたまりかねてストップを掛ける。「仕事しよう、仕事」
眉で返事をし、ペク検事は書類に視線を落とした。「そうしよう」

#あぁ悲しきペクソンベの立場…ㅠㅠ

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会議へ向かうハラたちの背後に現れたのは、キル・デロ検事だ。「オ検事には野望がないんだな」

ハラ「?」
キル検事「検事が検事を叩くなんて。それも神のような検事長を」

「そんなことで出世できるか?」独り言のようにボヤきながらキル検事が遠ざかっていく。「まぁ地方大出身の問題児だからな」

ハラ「…。」

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会議室に集まった検事たちも例外ではない。
皆がハラを見て、あからさまに噂をした。「検事長をやったのはあの女検事だろ?」

検事「そんなにのし上がりたいのか?」
検事「最近のヤツらはヒドイな」
検事「出世に必死だな」

「最近の検察はどうなってるんだ?」ヤン部長の隣の検事が、とうとう直接ハラを振り返る。「検事同一体も知らないのか」
「やめよう」ヤン部長がなだめる。

ハラ「検事同一体とは、検察の分別なき馴れ合いを意味する死語になりました」
検事「?」
ハラ「ご存知なかったんですか」
検事「このっ!」

そこへチン検事長が登場し、騒ぎはそこで中断された。
席につき、チン検事長は厳しい面持ちで口を開く。

チン検事長「遺憾ながら、今回の事件で我々検察への信頼は地に落ちました」

皆の視線が無遠慮にハラへと向かう。

チン検事「皆、本分を忘れず、立ち振舞いに気をつけるように」

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会議を終え、ペク検事(ドチャン)とハラは、そろってヤン部長の部屋に寄った。

ヤン部長「チョン・ドヨン検事長を捜査するために、お前抜きで打った作戦だったんだ。話してやれず、すまなかった」

「理解します」ペク検事がサラリと言う。

ペク検事「私も意図的にクム・テウンに近づきました」
ヤン部長「(うんうん)」
ペク検事「検事に復帰しなければなりませんし、クム・テウンとチョン・ドヨンのコネクションも暴かねばと」

心配そうに見つめていたハラが、ドチャンの完璧な対応に口元を緩ませる。

ペク検事「あらかじめお話できず、申し訳ありませんでした」
ヤン部長「いやいやいや!オ検事にだいたいは聞いたさ」
ハラ「(ニッコリ)」
ヤン部長「とにかく、全てが正常になった!」

「ペク・ジュンス」ヤン部長が感慨深げに身を乗り出す。「ありがとうな」

ヤン部長「さぁ、いざ我々でヒグマを捕まえよう!」
ハラ「はい!」
ペク検事「承知しました」

立ち上がると、ヤン部長はアッと声を上げる。「あとひとつ」

ヤン部長「この間お前の前でサ・ドチャンを褒めたこと、あれは私の失態だ!忘れてくれ、うん」

「サ・ドチャンを…」ペク検事が一歩、大きく詰め寄る。「褒めたと?」
ハラがグッと笑いを噛み殺した。

ペク検事「あのとき考え事をしていて、よく聞いていなかったんですが、どんなことをおっしゃったのか…」
ヤン部長「いやまぁ、彼は人当たりもいいし、シレッと振る舞う姿は可愛げもあるし…」
ペク検事「( 真 剣 )」
ヤン部長「彼がちゃんと試験を受けて検事になっていれば、トップ5に入る実績を上げるんじゃないかって、まぁ」
ペク検事「( 真 剣 )」
ヤン部長「ペク検事、気にするんじゃないぞ」

「いいえ」背を向けようとしたヤン部長に、ペク検事が続ける。「部長のご意見に積極的に同意します」

ハラ「…。」
ペク検事「部長はやはり素晴らしい」

#もうこのシーン何度見てもゲラゲラ笑っちゃって…。よく笑わずに出来るよね^^

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取調室へやって来ると、ハラはまずドチャンの胸をドンと小突いた。「気をつけてよ」

ハラ「調子に乗っちゃって」
ドチャン「何で?部長、人を見る目あるじゃないか。人当たりもいいし~、シレッと振る舞う姿は可愛げもあるし~。ヘヘッ♪」
ハラ「今日、南山クラブで集まる日でしょ?」
ドチャン「あぁ。ペク検事がしっかりセッティングしてくれてるから、俺はうまく繋げるだけだ」
ハラ「ペク先輩から情報は全部聞いてるよね?」

ドチャンはツンツンと自分の頭をつついてみせる。
全部ここに入っているというのだ。

ハラ「クム・テウンと南山クラブ、同じカゴにすっかり詰め込んで、一気に処理しましょ」
ドチャン「OK~!」

2人は力強く拳を合わせた。

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ラウンジの上階に立ち、ドチャンは階下に見える南山クラブの面々を慎重になぞった。
前もってジュンスから貰った情報と、目下に見える人物を照らし合わせる。
よし… ドチャンは緊張した面持ちで階段を下りた。

彼に気づき、メンバーの一人が声を掛ける。「あぁ、ペク検事。おいでですか」
「…。」頭の中で身上書がさっとめくられた。ムグン日報主筆、ソン・ジョンヒョク…。

ペク検事(ドチャン)「お変わりありませんか、ソン・ジョンヒョク主筆」

ソン主筆は笑顔で席を勧める。「お座りを」
席についたところで、リーダーのクム・テウンが姿を見せた。

クム代表「皆ご存知でしょうが、チョン・ドヨン前検事長が不名誉な事件で逮捕されました。どうせ私は彼に別段期待していませんでした。キングになるにはおとなしすぎるし、器じゃなかったんです」
メンバー「それでは、代替案はあるのですか?」

クム代表の視線がペク検事に向かった。「ペク検事はどうでしょう」

ペク検事「!」

皆から笑みが漏れた。「近頃ヨーロッパじゃ若い政治家たちが大勢ですから」

クム代表「フランスの大統領、カナダの総理も40代じゃありませんか。10年待てば無理な話でもないでしょう」
ペク検事「…。」

「乾杯しましょう」クム代表がグラスを上げる。「ペク検事の40代に乾杯!」

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会合後にペク検事(ドチャン)が招かれたのは、クム・テウンの同席しない、よりくだけた南山クラブの席だ。
韓屋を利用した茶屋で、皆が茶托を囲んでいた。

メンバー「K貯蓄銀行の持ち株、クム代表に渡したんですか?」
メンバー「手続きの最中ですよ」

「K貯蓄銀行ですか?」ペク検事は初耳のように尋ねた。

メンバー「えぇ。もともとはチェ総裁のものだったんですが、クム代表が手に入れまして。この機会に力を奪ってしまうつもりなんでしょう」
ペク検事「我がクラブもチェ総裁が創られたと聞きました。果たして黙っていらっしゃるでしょうか」
メンバー「ありえませんね。今だって地獄の門だか何だか、それで再起を狙っているようですよ」

#南山クラブのおじさんたち、こんなに出番が増えると思ってなかったんじゃないかな(笑)つい最近まで空気みたいだったのに。

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詐欺団はただちに”地獄の門”について資料を集める。
アジトのスクリーンに映し出されたのは、ビジネス誌に掲載されたビクトール・ジャンの記事だ。

#おお、ちょうど昨日「そういやビクトールはもう帰っちゃったのかな」とか思ってたんだよね(笑)

インテ「ビクトール・ジャン。キジェブ有限会社っていうロシアの会社の代表で、2017年フォーブス誌が選ぶ成長企業100社に選ばれた」

スクリーンの写真が切り替わる。

ウンジ「わぁ、これが地獄の門?」
インテ「韓国じゃまだトルキスタンの天然ガスを輸入していないが、もし輸入ルートが開かれれば投資額は10倍?いや、100倍は保証されるって話だ」

ウンジがパンと手をたたく。「私たちも投資しよう」

ウンジ「(インテに)いくら出せばいいの?」

インテは呆れて口をつぐんだ。
ドチャンがハンドスピナーをピンと弾く。「地獄の門の背後に… 何かある」

ドチャン「ジャックポットか、もしくは腕ききの設計者…」

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チョン・ドヨンに接見したパク弁護士が、クム・テウンのオフィスを訪れた。

クム代表「ちょうど検事長の健康状態を多方面から調べていたところでした」

「早く出ていらっしゃいませんと」クム代表が口調を和らげる。

パク弁護士「依頼人がこんな言葉を伝えてくれと」
クム代表「?」
パク弁護士「救助要請を無視するなら、別の場所へ要請すると。そうなれば、秘密は守れないと」

「なるほど」クム代表は努めて平静を装い、頷いてみせる。

パク弁護士「速やかにご対応を、とのことです」

クム代表は身を乗り出し、微笑んだ。「急いで贈り物をお送りします」

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程なくして、拘置所の浴室で首を吊っているチョン・ドヨンの変わり果てた姿が発見されることとなった。

#おんなじことやってる…。正直またかという感じ。

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コ係長が執務室へ飛び込んできた。「大変なことに!」

コ係長「チョン・ドヨン検事長が自殺したそうです」

「!!!」ハラとペク検事(ドチャン)が同時に立ち上がり、顔を見合わせた。「…。」

テレビにも衝撃のニュースが踊った。『チョン・ドヨン前検事長、拘置所で遺体となって発見… 自殺と推定』

オ記者(テレビ)「漢江拘置所に収容されていたチョン・ドヨン前ソウル中央地検検事長が、拘置所のシャワー室で死亡しているのが発見されました。他殺の状況がないことから、自殺とみられています。チョン・ドヨン前検事長は6年前に発生した密輸業者殺人事件が発覚し、殺人および死体遺棄の裁判にひどく悩み、自殺したとみられます」

「な、何てことだ!」ニュースを目にし、チェ・ジョンピルは体を震わせた。
ポン親父もまた、新聞記事を静かに見つめる。

「出世したって仕方ないよな」
「欲張った末に無様に死んじまった」

若者が2人、特に興味もなさげに話しながら通り過ぎた。

ポン親父「…。」

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デスクで新聞記事を眺めるクム・テウンの顔には、何の感情も窺えない。
新聞を下ろすと、彼はキム室長に軽く声を掛けた。「ご苦労だった」

クム代表「残念だが仕方がない。使えない馬は捨てなければ」

「銀行の方はどうなってる」早々に話を切り替える。

キム室長「チェ総裁ラインは全て退け、経営陣を入れ替えました。後は就任なさるだけです」
クム代表「ふむ。サ・ドチャンは?まだ行方が知れないのか」
キム室長「アジトを移したようで…。人員を増やします」

「ソンドゥは?」クム代表の声が心なしか力を失った。

キム室長「…。」
クム代表「探すんだ。ヤツらと繋がっていたなら、何か役に立つかもしれん」
キム室長「承知しました」

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ハラたちは現在までの状況をボードにまとめる。

ハラ「今日はチョン・ドヨン検事長まで。外交荷物麻薬事件の捜査開始から今まで、ヒグマと関わって被害に遭った人たちです。共通点は自殺。正確に言うなら、動機不明の自殺を装った他殺。ヒグマのシグネチャーです」
コ係長「法の知識があるようですね。初動捜査から方向を乱す戦法ですよ」
イム係長「人を欺く手口が大胆だわ」
ハラ「今後も犠牲者が出ないとは限りません」
コ係長「連続殺人魔レベルだな」
ヤン部長「精神異常者がハンドルを握ろうとしたら、殴ってでも引きずり出さなければ。それがさらなる犠牲を防ぐ道だ」
ハラ「はい」

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チョ・ソンドゥは転落の道を駆け足で辿っていた。
夜道でか弱い女性を襲ってはバッグを奪い、それを売って賭博の金を工面する。
人相は荒れ、そばにいたムンシクの姿ももうない。

【追記】ムンシク、賭場で後ろにいました!よく見ていなくてすみません。コメントで教えていただき、ありがとうございます^^

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クム・テウンがK貯蓄銀行の前に降り立つと、ズラリと整列した職員が彼を迎えた。
「理事長を歓迎します」掛け声と共に、皆が一斉に頭を下げる。
女性行員が花束を渡すと共に、拍手が沸き起こった。

用意された理事長室のデスクに、『理事長 クム・テウン』のネームプレートが置かれた。
デスク前に並ぶ幹部たちに、クム・テウンが方針を述べる。「私は週に1、2度来て、頭取から報告だけ受けるつもりです」

クム・テウン「皆さんが今までなさってきた通りに実務を進めていただければ」

皆が退室するとクム・テウンは理事長の椅子に腰を下ろしてみる。
そして… ニヤリとほくそ笑んだ。

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怒り心頭なのはチェ・ジョンピルだ。

チェ前総理「クム・テウンのヤツ、俺の銀行を奪ったって?!」

女性秘書は彼の前でじっと俯いたままだ。

チェ前総理「俺の銀行が…!クム・テウンのヤツを殺して地獄へ送ってやれ!!!」

頭に血がのぼって、ついよろめいた彼は、いくらか冷静さを取り戻した。

チェ前総理「ペク・ジュンス検事へ秘密裏に連絡しろ。会いたいとな。明日の昼に会おうと言うんだ」
女性秘書「承知しました」
チェ前総理「ふぅ… 何てことだ!」

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暗くなった住宅地を並んで歩いてくるのは、仕事を終えたドチャンとハラだ。
後ろからバイクが迫ってくるのに気づき、ドチャンは咄嗟にハラの体を歩道側に引き寄せる。「!」
彼らのすぐ背後で、バイクは道を曲がった。

ドチャン「…。」
ハラ「…。」

罰が悪そうに、ドチャンは無言で前へ向き直る。

ハラ「ボディーガードの真似ごと?」

「はぁ」ドチャンは深く溜息をつく。「忙しいったら」

ドチャン「詐欺師に検事に、ボディーガードまで」
ハラ「誰が送ってくれって言った?心配しないで帰りなよ」

「俺はな」ドチャンが強調する。「ペク検事に頼まれて、仕方なくやってるんだからなっ!」
「チッ」少し嬉しそうに笑い、ハラは自宅のインターホンを押した。「じゃあね」
ひょいと手を上げ、ドチャンは彼女を見送る。

くるりと背を向け、ドチャンがしばらく歩いたところで…
ハラが門の中からこっそり顔を覗かせる。「…。」
「?」気配を感じたドチャンが、サッと振り替えった瞬間、
彼女は急いで頭を引っ込めた。「!」

愉しげに笑うと、ドチャンは足取りも軽く、再び歩き出した。

+-+-+-+

翌日。昼。

呼ばれた日本料理屋の個室の扉を開けると、先に来て待っていたチェ・ジョンピルが身を起こした。「これは!」

チェ前総理「ペク検事、よくいらっしゃった」
ペク検事(ドチャン)「…。」

その歓迎ぶりに少々困惑気味のペク検事を前に、チェ前総理は豪快な笑い声を上げる。「はははははっ」

※復習。以前ペク検事はケ頭取の葬儀の席でチェ・ジョンピル氏に会っていますが、そのときも中身はドチャンでしたね。

チェ前総理「(向かいの席を指し)さぁ、こちらへ」
ペク検事「ご無沙汰しております、総裁」

豪華な料理を前に、チェ前総理は意外な話を切り出した。「ペク検事に告白したいことが」

ペク検事「?」
チェ前総理「K貯蓄銀行から消えた1000億、私が工面するよう指示したものです」

「!」ペク検事が目をパチパチとしばたたせる。

チェ前総理「ところが、頭取が自殺して… 金は消えました」
ペク検事「私は検察で働く人間です。総裁のお話は法的処罰の根拠になるかもしれません。それなのに、私にこんな話をされる理由は…」
チェ前総理「私から心の内を洗いざらい見せないと、信じてもらえないでしょう」
ペク検事「…。」
チェ前総理「その金、クム・テウンのヤツが持っていきました」
ペク検事「!」
チェ前総理「愚かな娘婿の口に、1000億を注いでやることになってしまったんですよ」
ペク検事「…。」
チェ前総理「これまで長い間ペク検事を見てきましたがね、頭脳明晰で有能な検事だと信じておるんですよ。この事件、ぜひとも起訴していただきたい」
ペク検事「失礼ですが、なぜ1000億用意したのか、伺ってもよろしいでしょうか」

「あぁ、契約金ですよ」チェ前総理は躊躇うことなく即答する。

チェ前総理「トルキスタンのガス開発、天然ガス独占事業のね」
ペク検事「!」
チェ前総理「ガスが出さえすれば、数十兆の収益が実現するはずですよ。ペク検事には一生遊んで暮らせるだけ差し上げましょう」
ペク検事「…。」

「やれやれ」話を終え、チェ前総理はいささかホッとしたように笑みをこぼす。
彼はテーブルの料理に視線を落とした。「スズキの季節になると、そこの丘にヨモギが生えるんです」

チェ前総理「幼い頃、父がスズキを釣って来て、母はヨモギを取ってきて、スズキとヨモギで作ったチゲがどんなに美味しかったか…ははははっ」
ペク検事「…。」
チェ前総理「さぁ、召し上がって。美味しいですよ」

#なんか…切なくなるね。クム・テウンが悪人すぎて、もう普通のじいちゃんにしか見えない。

+-+-+-+

店を出てくると、チェ前総理はもう一度ペク検事を振り返り、握手を交わした。
その様子を道の向かいでそっと見ていたのは… キム室長だ。

#キム室長って絶対何体かいるよね。ひょこっと首を傾げる姿がターミネーターみたいだし。

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「チェ総裁が誰に会っていたって?」クム代表が思わず訊き返す。

キム室長「ペク・ジュンス検事です。昼食の時間、日本料理屋にて二人きりで会っていました」
クム代表「ふむ」
キム室長「ペク検事… チェ総裁と何か企んでいるのでは?」
クム代表「ちょうど良かった。この機会にペク・ジュンス検事をテストすればいい」

「仕事が終わったら来るように言え。話があると」クム代表が告げた。「決して悟られないようにな」

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クム代表がキム室長を連れてやって来たのは、地下の動力室だ。
雑然と道具が散らかった小さなテーブルから、クム代表は何気なく金槌を手に取った。
「…。」思い直して手放すと、足元のハンマーを拾い上げる。
「…。」いや、これも違う。

クム代表「キム室長、地獄ってのは何だろうな」
キム室長「考えたこともありません」

#アホやなー、そこはボケんと。普通に答えてどーすんねん(関西人)

クム代表「地獄ってのはな、愛する人のいない世界、信じられる人のいない世界、そういうのが地獄じゃないか?」

#自分のことかな…。

クム代表が手に取ったのは、伸縮式のパイプだ。
思いっきりテーブルを殴ってみて、威力を確かめる。

キム室長「………。」

殴るだけでは不十分だ、鉄筋の柱に思い切り突き立ててみる。
縦方向の耐性も申し分ない。

十分納得すると、クム室長はそれをキム室長に差し出す。「俺が湯呑を持って口につけたら、それが合図だ」

クム代表「躊躇わずに振り下ろせ」
キム室長「承知しました」
クム代表「…。」
キム室長「ペク検事、そろそろ来る頃です」
クム代表「戻ろう」

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「忙しくてたまんねぇ」いよいようんざりした様子で、ドチャンはフィールギャラリーの前へやって来た。「好き勝手に呼びつけやがって」

#↑このボヤき、チョン・ドヨン検事長が呼びつけられたときと全く同じセリフで、思わずヒヤリとしました。

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湯呑にクム代表自ら茶を注ぎ、一つをペク検事(ドチャン)に差し出す。

ペク検事「ありがとうございます」

「ペク検事は何がお好みで?」クム代表は努めて何気なく話題を振った。「一度旨いものをご馳走したいんですが」

ペク検事「主に検察庁内の食堂で済ませます」
クム代表「では今日の昼食も?」

「…。」ペク検事がすっと視線を逸らす。

クム代表「一度食べに行きたいものですね。今日の昼食メニューは何でした?」

「ヨモギ汁です」ペク検事が言う。
「!」思わずピクリと顔を引きつらせ、クム代表は気を取り直して笑顔を見せた。
クム代表の手が、湯呑の縁を掴む。

ペク検事「旬だからでしょうか、ヨモギの香りが良く、美味しかったですよ」
クム代表「…。」
ペク検事「天然スズキの刺し身を食べて、ご飯と一緒にヨモギ汁をいただきました」
クム代表「庁内食堂で… スズキの刺し身を召し上がったと?」
ペク検事「…。」

「…。」クム代表の目線が、入り口に控えるキム室長へゆっくりと移動する。
キム室長が頷き、懐に手を入れた。
クム代表は湯呑を持ち上げ、口に近づける。

ペク検事「…。」

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エンディングです。

ここで終わるかーーーー!
そのまま放送が続くから耐えられますけど、そうじゃなかったらたまりませんね。

ただ、『どうなっちゃうの?でお預けになったときは、次の回早々に解決するの法則』に期待して、次へ進みましょう~。

それにしても… ドチャンは今回で一生分の度胸を使い果たしてるよね^^;;;

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