韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 20話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』20話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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6年前。

弟のマンギュを探し、倉庫へ入ったボン監督は、すぐに飛び出してきた。「ああっ!」
「捕まえろ!」逃げる彼を指さしたのは、キム室長だ。

無我夢中で逃げ回り、細い路地に入ると、ボン監督は目についたアパートの物置に飛び込み、鍵をかけた。
すぐ後を追ってきた男3人が、ドンドンと扉を叩く。
こじ開けられるのも時間の問題だ。

どうしよう…。
ボン監督は携帯を取り出した。

鳴ったのは、司法試験の会場を前にした司法学生、ドチャンの携帯だ。「あぁ、兄貴」

ボン監督(電話)「ドチャン、助けてくれ」
ドチャン(電話)「…どうしたんだ?」
ボン監督「大変なことに… マンギュが!」
ドチャン「!」

「!」ドチャンがゴクリと喉を鳴らす。
次の瞬間、彼は迷うことなくタクシーに飛び乗っていた。

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「殴らないから」金属の扉の向こうで、追ってきた男たちがドアを叩く。「開けろって」
絶体絶命… ボン監督が頭を抱えていると、ふいに怒号と殴り合う音が聴こえ、ものの3秒で静かになった。

声「兄貴!俺だよ、ドチャン。開けてくれ」

恐る恐る鍵を開けると、ドチャンが飛び込んできて、肩を抱き寄せる。「兄貴!大丈夫か」
恐怖が体じゅうから溢れ出し、ボン監督はただただ叫び声をあげて彼にしがみついた。

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ボン監督は重い溜息をついた。「今でも6年前のことを思い出すと、ドチャン、お前に申し訳なくて」

ドチャン「…。」
ボン監督「本当に申し訳なくて…。検事になるかもしれなかったのに、俺のせいで」

「兄貴ってば」ドチャンが微笑む。「いつの話だよ」

ボン監督「本当に済まない。面目ないよ」
ドチャン「検事、やってみたけどさ。俺の趣味じゃなかった」

ドチャンは明るくボン監督の肩に手を回す。「お陰で俺たち、もっと楽しく生きてるじゃないか」
彼の優しさに、ボン監督はうんうんと何度も頷いた。

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ソウル中央地検。
『水若善上』と書かれた額が外され、別の額が掛けられる。

#ドジョウかとおもたヨ

「小少沁心」集まった検事たちを前に、新たに就任したチン検事長が口を開いた。

チン検事長「私の座右の銘です。ごく小さく微細なものまで心に刻んで生きようと。これから皆さんの小さな要求まで目を配る、繊細な検事長になるつもりです」

皆が拍手で答えた。
「あの…検事長」ヤン部長が空席になった隣の椅子を見やる。「次長の席は?」

チン検事長「すぐに決める必要はないと長官に申し上げました」

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クム代表はバーのカウンターでロックグラスを揺らしていた。
隣にいるのはペク・ジュンスだ。

クム代表「前検事長はどうなる見通しですか」
ジュンス「…。」
クム代表「なんとしても釈放を。具体的な方法は私にもわかりません。合法的に無罪へ持っていくのです」

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「チン検事長」チョン・ドヨン氏が電話で訴えた。「どうしても必要なのか」

チン検事長(電話)「ペク・ジュンスに任せましたから、ご安心を」

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ソウル中央地検に出頭したチョン・ドヨン氏を待ち構えていた記者が取り囲んだ。

「一言だけお願いします」
「今の心境は?」

チョン・ドヨンは記者を振り返り、立ち止まる。「天にやましいことは一切ありません」

チョン・ドヨン「ひとまずは誠実に取り調べに臨みます」

中央地検ロビーへ入ったチョン・ドヨンに、ズラリと並んだ検事たちが頭を下げる。
「私がご案内します」ヤン部長が声を掛けると、チョン・ドヨンは彼を先に立たせることなく、慣れた足取りで進んだ。

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取り調べに先立ち、ジュンスが向かったのはチン検事長のもとだ。

ジュンス「模造品と知って買ったことさえ確かになれば、文化財密輸入の嫌疑は晴れます」
チン検事長「…。」

#無言なの、気にならない?チン女史って普通何か言いそうなところで、「物言いたげな目つき」だけで終わらせるよね。

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取調室に現れたチョン・ドヨンに、待機していた担当者が立ち上がった。
ペク・ジュンスとコ係長だ。

「座って」余裕の口ぶりで彼らを座らせ、チョン・ドヨンは向かいの椅子に斜めに腰を下ろす。

ヤン部長「それでは私はこれで」
チョン・ドヨン「あぁ、お疲れ」

#いちいちイラッとくるわ~。今に見てろよ、ってなるね。

チョン・ドヨン「(ジュンスに)あまり早く終わらせるなよ。外に記者がいるから」

ジュンスは小さく頷き、手元の資料をめくった。

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ハラはイム係長を伴い、誰もいない執務室へ颯爽と戻ってきた。
彼女の足はまっすぐに奥の棚へ向かう。
鍵を開けると、大切にしまってあった書類の包みが目に入った。

ハラ「始めましょうか」

イム係長が大きく頷いた。
包みを抱き、ハラは踵を返す。

#なぜにピンクの風呂敷目線?

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取調室に男性が入ってきた。
「弁護士のパク・ジュノです」彼はジュンスに名刺を差し出す。

着席すると、パク弁護士はさっそくビニール袋入りの証拠品を取り出す。

パク弁護士「2012年2月、依頼人が兵馬俑模造品を1体100万ウォンずつ、計1000万ウォンで買ったという領収書です」

『兵馬俑模造品10体を1体当たり100万ウォン、全1000万ウォンで販売し、1000万ウォンを受領したことを確認します。2012年2月18日。受領者ボン・マンギュ』

パク弁護士「兵馬俑が本物なら数十、数百ウォンでしょう。100万ウォンというのは模造品だという強力な証拠です」

#証拠以前にもっと口を開けてハッキリ喋ってくれー。こんなふにゃふにゃな喋り方、初めて聞いた。

さらに男性が一人入ってくる。
「文化財庁から鑑定結果が届きました」差し出しされた封筒を、ジュンスがすぐさま開いた。

ジュンス「文化財庁から届いた鑑定結果です。読み上げます」

『専門家の鑑定結果、少なくとも10年以内に造られた精密な模造品と鑑定された』

「!!!」チョン・ドヨンが思わず身を乗り出した。
その反応に、ジュンスの鋭い視線が飛ぶ。「…。」

チョン・ドヨン「…も、模造品?」
ジュンス「…。」

動揺を隠すように、チョン・ドヨンは苦笑いを浮かべた。「なんて味気ないんだ」

チョン・ドヨン「あまり早く終わらせるなと言ったろ」
ジュンス「…。」

「行きましょう」弁護士に促され、チョン・ドヨンが立ち上がったそのとき…
扉が開き、ハラが姿を現した。「チョン・ドヨンさん」

チョン・ドヨン「!!!… ”チョン・ドヨンさん”?」

ハラは冷たい目でかつての上司を見つめた。

チョン・ドヨン「オ検事、今何て言った?」

「これからが始まりです」そう言って、ハラは持参した書類の包みをドンとテーブルに置いた。

チョン・ドヨン「?!」
ハラ「さぁ、第2ラウンドを始めましょうか」

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「オ検事、何やってるの?!」検事長室のテレビで見守っていたチン検事長が、すぐさま受話器を取り上げた。
繋がったのは、ヤン部長のいるモニターブースだ。

チン検事長「ヤン部長、今すぐ来て!」

「はい、わかりました」掛かってくるのがわかっていたように、ヤン部長は出口へ向かった。

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詐欺団の面々は、リビングに集まり、じっと我慢の時間だ。
ドチャンが回すハンドスピナーの小さな音が、静まり返った部屋に響く。

インテ「オ検事、上手くやれるかな?」
ドチャン「オ検事は思ったより大物だ」

「…。」ボン監督の頭に、もう一度6年前のあの光景… 弟が血を流して倒れていた、あのおぞましい光景が蘇った。

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口論の末、石でボン・マンギュを殴り殺してしまったチョン・ドヨンは、慌てふためいて電話を取り出した。「ここに… 急いで来てもらいたいんだが」

知らせを受け、やって来たのはクム・テウンだ。
倒れた男から流れ出した大量の血が、立ち並ぶ兵馬俑の足元まで達していた。

チョン・ドヨン「そんなつもりはなかったんだ。こいつが脅すから… 助けてくれ。死ぬまで恩は忘れないから」

表情一つ変えず、血を流す男を見つめていたクム・テウンが、ようやく口を開いた。「もちろんです」

クム・テウン「困った時に助けてこそ、長い付き合いになるんですから」

そう言って、クム・テウンは後ろにいるキム室長に目配せをする。

キム室長「車に乗せて横転させ、交通事故で処理します」

手下たちがうつ伏せになった死体を運ぼうと、ゴロンと転がした瞬間、「マンギュ!」外で声がする。
ボン監督が倉庫へ入ったのは、そんなときだった。

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「何の真似だ!」ジュンスたちと交代し、席についたハラを、チョン・ドヨンは厳しく追及した。
「チョン・ドヨンさん」ハラは微塵も怖気づくことなく、さっそく本題に入る。

ハラ「これからあなたは6年前のボン・マンギュさん殺人事件の被疑者です」

「…さ、殺人?」チョン・ドヨンが目を丸くする。

#この人、わかりやすいのだけが取り柄だな…^^;

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「殺人?!」思わず立ち上がったチン検事長を、傍らでヤン部長が引き止める。

ヤン部長「少しだけ… もう少しだけ見守っていただければ」
チン検事長「…。」

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ハラが最初に取り上げたのは、ボン・マンギュが残した領収書だ。

ハラ「この領収書、6年前ボン・マンギュさんから受け取ったものですね?」

続いて、手際よく書類の束を差し出す。

ハラ「領収書の発行者ボン・マンギュ、2012年2月18日午前11時交通事故で死亡」

そして、別の書類を隣に並べた。「当時の採取された血液を分析した科捜研の資料です」

チョン・ドヨン「!」
ハラ「それに、チョン・ドヨンさんの自宅地下から押収した兵馬俑から出た血液分析結果も一緒にあります」

あのときの血が…!チョン・ドヨンは書類を掴み、慌ててめくった。

ハラ「DNA分析、2件の血液は…」
チョン・ドヨン「!」
ハラ「…99.99%一致しています」
チョン・ドヨン「!!!!!」

愕然とするチョン・ドヨンを、ハラが静かに見据える。「ご説明を」
「あああ!!!」頭を抱えるチョン・ドヨンを前に、イム係長がひそかに笑いを噛み殺した。

#惚れたぜ!かっこええ~♥ よくぞハン・イェリさんをキャスティングしたよね!

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「緊急速報です!」テレビカメラの前にオ記者が立つ。

オ記者「今日午前、関税法違反で召喚されたチョン・ドヨン前検事長が、6年前、密輸業者ボン・マンギュ氏を殺害したことを自白しました」

「よし!!!」インテとウンジが飛び上がり、固く手を握り合う。

ドチャン「オ・ハラ、ナイス~!」

ボン監督が大きく息をつき、頷いた。

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オ女史のフライドチキンショップにも、速報を伝えるオ記者の姿が、テレビに映し出されていた。「うちの娘なんですよ!」

オ記者「チョン前検事長は兵馬俑模造品を密輸する過程で、ボン氏との価格交渉が決裂して殺害したとのことで、殺害後、交通事故を偽装、完全犯罪を計画したことが明らかになりました」

自宅の居間で、チェ・ジョンピル氏も笑い声をあげる。「裏切り者が… いいザマだ!」

オ記者「検察はこれに戸惑いを露わにしながらも、一方では徹底して余罪の有無を捜査する予定だと表明しました」

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ニュース映像を目にし、クム代表は鎮痛な面持ちで目を閉じた。「…。」
そこへ入ってきたのはキム室長だ。「チョン・ドヨン検事長が緊急逮捕されました」

クム代表「検事は一体誰だ?」
キム室長「オ・ハラ検事だそうです」

「オ・ハラ?!」クム代表が立ち上がる。「オ・ハラ、サ・ドチャン… ヤツら最初から計画していたんだ!」

キム室長「間違いありません。いくら神出鬼没の詐欺師だとしても、常に我々が出し抜かれるのは到底理解できません」

「…。」クム代表がゆっくりと考えを巡らせる。
大胆にもペク検事を装って会いに来た詐欺師サ・ドチャンを、彼は慎重に思い出した。

そうだ。
中国将棋は慣れないからと、あるとき韓国式の将棋盤を持ち込んだことがあった。
それがずっとテーブルの上に置かれたままだ。

将棋盤の前に腰を下ろすと、クム代表は『漢』の駒を拾い上げる。
サ・ドチャン側でトップに立っていた駒だ。

「将棋の妙味は王へ向かって一歩ずつ詰め寄ることです」

クム代表はその駒を、壁めがけて投げつけた。
駒が割れ、中から小さなチップが現れる。

クム代表「!!!」

あまりの怒りに、クム代表はチップを力任せにガリガリとかじり、粉々に砕けた欠片をプッと吹き飛ばした。
「悪魔は細部に潜むと言うじゃないですか。何が影響するかわかりませんよ」サ・ドチャンの言葉に、鮮やかに蘇る。

キム室長「…。(ドン引き)」

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「偽物だったなんて」手錠をはめられ、捜査員に両脇を固められたチョン・ドヨンは、廊下を歩きながらうわ言のように言った。

チョン・ドヨン「あれは偽物だったのか?」
パク弁護士「殺人の容疑者になったのに、そんなことおっしゃってる場合ですか」

廊下の先の施錠柵を越え、更に奥の独房に入ると、扉に鍵が掛けられる。

チョン・ドヨン「あれが偽物だった…?誰かに騙されたってことか?」

「中国に伝説があります」頭に浮かんだのは、クム・テウンの言葉だ。

~~~~~~~~

6年前。

小さな兵馬俑の人形を見せ、クム・テウンが言った。「兵馬俑を持つ人間は王になると」

クム・テウン「本物をお渡しできますよ」

それから程なくして、チョン・ドヨンはボン・マンギュを訪ねた。

マンギュ「どちらさん?」
チョン・ドヨン「フィールギャラリーのクム・テウン代表を知ってるだろう?」

「クム・テウン代表?」マンギュは手元の食事に視線を戻した。「それが何か?どちらさんなんです?」
チョン・ドヨンは検事証を差し出した。「仁川地検から来た」
「!」立ち上がろうとしたマンギュを、チョン・ドヨンが引き止める。「全部わかった上で来たんだ」

チョン・ドヨン「来週、中国からイイものが入るんだって?兵馬俑」
マンギュ「…。」
チョン・ドヨン「なぁ、俺と直取引しよう」
マンギュ「直取引?」
チョン・ドヨン「フィールギャラリーのクム・テウンを通さずに取引すれば、お前はもっと手数料が取れるし、受け取る俺も安く買える」

半ば呆れたようにマンギュが笑う。

チョン・ドヨン「嫌か?嫌なら、来週中国から品が届く頃に、関税庁からガサ入れがあるだろうが」
マンギュ「!」
チョン・ドヨン「クム・テウンに渡さないで、来週ここで俺が直接買うってことに。いいな?」

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「クム・テウンに騙されたんだ…」チョン・ドヨンは独房で目を赤くした。

チョン・ドヨン「あいつ、俺を騙したのか?本物だって言ったじゃないか…!」

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漢江にかかる大きな橋のたもとで、ポン親父は探偵と並んで酒をすすっていた。

探偵「チョン・ドヨン検事長、殺人罪で緊急逮捕されたそうです。ご存知ですよね?」
ポン親父「カン刑事」
探偵「はい」
ポン親父「その兵馬俑、6年前に仕組んだのは俺だ」
探偵「え?」
ポン親父「俺が中国で精巧に偽造した。ボン・マンギュを使って、クム・テウンに近づかせた。本物の兵馬俑をコッソリ運び込めるとな。クム・テウンはすでに密輸取引を繰り返していたから、予想通りすぐに飛びついてきた」
探偵「あぁ…」
ポン親父「上層階級にその偽物が売れれば、それを口実にクム・テウンを縛り上げるつもりだったんだ」

「ところが、チョン・ドヨンが間でぶち壊しにしたんですね」探偵がポン親父のコップに酒を注ぎ足した。

ポン親父「あぁ。ヤツが検事の立場を利用して欲張ったせいで、作戦は失敗した」
探偵「結局は罰が下ったじゃないですか」

「何を言ってる?」ポン親父の目が鋭くなる。「クム・テウンはピンピンしてるじゃないか」

ポン親父「ヤツの罪状を残らず暴き、世に晒し出さなきゃならん。俺の命のある限りな」

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地平線の向こうに、今にも陽が沈みゆこうとしていた。

「マンギュ…」無惨に死んでいった弟を思い、ボン監督の目に涙が溢れる。「兄貴の出来が悪くて… 6年も経っちまった」

ボン監督「お前ももう恨みは忘れて、安らかに目を閉じろ…」

俯いて涙を流すボン監督に、後ろで見守っていたドチャンが近づいて肩を抱くと、そっと覗き込む。「…。」
ドチャンに応えるように、ボン監督が涙を堪えて頷いた。

ウンジ「…。」
インテ「…。」

派手に生きる詐欺団も、みな心の中に何かを抱えている。
今日、その一つが… 区切りを迎えた。

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チョ・ソンドゥは凝りもせず、賭場へでかけてきた。
明らかに違法の賭場だ。

勝ちを確信し、手元のチップを全て賭けたソンドゥは、次の瞬間、それを残らず失うことになってしまった。
ソンドゥは焦って後ろにいるムンシクをつつく。「金貸してくれ」

ムンシク「自分が持ってるわけないでしょう」
ソンドゥ「あのとき車で握らせてやったのがあるだろーが!早く早く!」
ムンシク「もうやめてくださいよ!」
ソンドゥ「早く~!」

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決済書類にサインを記し、ヤン部長はパタンとファイルを閉じた。「オ検事、もう一人前の検事だな」

ハラ「全部部長のお陰です」

まっすぐにハラを見上げると、部長は力強く言った。「ありがとうな、オ検事」

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暗い倉庫の中はガランと静かだ。
その真ん中にドチャンが待っていると、扉が開き、外の明かりが差し込んだ。

ドチャン「!」

現れたのは、ペク・ジュンスだった。
「…。」厳しい表情のまま、ジュンスは彼に近づく。
そして、口を開いた。「ご苦労様でした」

ジュンス「全てサ・ドチャンさんのお陰です」

ドチャンがニヤリと笑みを浮かべる。「全てペク検事のとてつもないセッティングのお陰ですよ」

ジュンス「…。」
ドチャン「ペク検事が俺に怒ったとき、マジで怖かったんですから。演技も得意ですね」

ジュンスがふっと笑みを浮かべ、俯いた。

ドチャン「待てよ。演技じゃなかったのかな?」

答える代わりに、ジュンスがニヤリとする。

ドチャン「最初、ペク検事があんな果敢な提案をしたとき、正直驚きました。果たしてそんなことが可能なのか…」

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それはドチャンが敵の罠に落ち、収賄容疑が掛かってしまった日のことだ。
いつもジュンスが過ごしているドチャンの部屋で、2人は向き合っていた。

ドチャン「もうお聞きでしょうが、検事証を置いて帰ってきました。明日から出勤できないかもしれません」
ジュンス「…。」
ドチャン「成り行きで検事までやることになったけど、ペク検事の立場まで台無しにしてしまって… 面目ありません」
ジュンス「だから警告したんです。間違った方法は…」
ドチャン「僕が元通りにします。誰の作品なのか、だいたい察しはつきますから」

「…クム・テウン」ジュンスの口から出た名前に、ドチャンは驚きの色を浮かべる。「?」

ジュンス「クム・テウンの他にいません。この罠は…」
ドチャン「…。」
ジュンス「まずは検事の職を取り上げ、僕らの首を締め上げるつもりなんでしょう」
ドチャン「部屋に閉じこもってて、何もご存じないとばかり…。思ったよりよくご存知なんですね」
ジュンス「時間がありません。検事を解任されれば、僕らに出来ることはなくなります」

「…。」ドチャンが考えを巡らせる。「僕がクム・テウンに会って…」
「僕が会います」ジュンスが遮るように言った。

ジュンス「…クム・テウンに」
ドチャン「!」

そこでジュンスは、ドチャンの目の前で車椅子から立ち上がった見せたのだ。

ジュンス「僕がクム・テウンに会いに行って、サ・ドチャンさんを売りましょう」
ドチャン「!」
ジュンス「クム・テウンを騙す方法は、それしかありません」

~~~~~~~~

それがペク・ジュンスとサ・ドチャン、彼らだけで交わされた、真の作戦だったのだ。

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ドチャンが待つ人気のないカフェ(図書館かな?)に、現れたのはハラだ。

#この待ち姿、超~カッコよくない?!♥

「お疲れ、サ・ドチャン」隣に腰を下ろすと、ハラは彼に久しぶりの言葉をかける。

ハラ「とてつもないスイッチだったわ」
ドチャン「…。」
ハラ「ファベルジェの広告に騙されて、兵馬俑を持ち出し…。6年間隠れていた真実が露わになったわ」

「ありがとな」ドチャンが言う。

ハラ「?」
ドチャン「オ検事のお陰でボン監督の遺恨も晴れた」
ハラ「…。」

ドチャンがコトリとマグカップを置いた。

ハラ「残りはクム・テウンだけよ」
ドチャン「ヒグマか…」

「…。」ハラが不意に顔を曇らせる。「いや、もう一人いる」

ハラ「ペク先輩」
ドチャン「…?」
ハラ「あんたを捕まえるって息巻いてるわ。気をつけないと。ペク先輩、一度決めたら絶対諦めない人よ」

「チッ」ドチャンが気のなさそうに笑う。「ペク検事ごとき怖がってどーすんだよ」

ドチャン「来るなら来いってんだ」
ハラ「…。」

そのときだ。

ドチャン「あっ」

「?」ハラがドチャンの視線の先を追う。
「!」そこに立っていたのは… ペク・ジュンスだった。

厳しい眼差しで近づいてくるジュンスに、ハラは思わず立ち上がる。「ペク先輩…」

#もう、ソンベったら意地悪

ジュンス「オ検事、危険を承知でこんなことを?どう収拾つけるつもりだったんだ?」

#裏で動いておいて、無謀な後輩ハラにはちゃんとお説教。
上手く行ったことは置いといて、ここでちゃんとお説教してこそ我らがペク・ジュンスだ♥

ハラ「…どうしてここが?」

ハラを睨むジュンスの目が、一層強くなる。

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「やはり何か変だ」クム・テウンはデスクでじっと考え込んでいた。

クム代表「ペク・ジュンス、サ・ドチャン… グルになって俺を騙したんじゃ?」

シミのように頭に浮かんだ一点の疑惑は、またたく間に広がり、確信となった。

クム代表「ヤツら…!」

立ち上がり、クム代表は笑い声を上げた。

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緊迫したジュンスとハラの隣で、ドチャンが頭の後ろに手を組んだ。「ヘヘッ」

ハラ「?!」
ドチャン「俺が呼んだんだ。ペク検事」

「?!」驚いたハラの視線が、今度はジュンスへ向かう。
厳しくハラを睨みつけていたその目は、ふいに力を失い、きゅっと結ばれた口角に、じわりと優しい笑みがにじむ。

ハラ「!」

ハラは唖然として、2人を順に見比べた。

ハラ「この詐欺団ったら!」

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ここでエンディングです。

面白かった!
3人がとても爽快に描かれていて、面白かったのですが…
派手なセッティングの影には、逆に荒さの気になるところが多く、それが何とも残念です。

例えば、ジュンスとドチャンがグルになって騙したことに、クム代表が気づくところ。
何のきっかけもヒントもなく、ただ”勝手に気づいた”だけ。
まぁ実際、そうやって察することもあるとは思いますが、ストーリーの中でそこを”察した”で済ましていいのかどうか^^;

その割には、兵馬俑の模造品はポン親父が仕掛けたとか、よくわからない裏事情が挿入されていて、少し混乱しますね。
まだわかりませんが、普通に「偽物掴まされた」だけで良かったんじゃないかと。

今後、3人が力を合わせ、クム代表と直接対決することになるのでしょうか。
お互いどんな知恵を絞り、どんな手に出るのか、そこがとても楽しみです^^

そして…

Twitterで先にコメントしたのですが、2018年4月28日に当ブログが10周年を迎えました。
10年という節目を、この『スイッチ~世界を変えろ』翻訳中に迎えられたことを、とてもうれしく思います。
気づいたのは10日前で…(笑)

10年前、当時見ていた『太王四神記』の書き起こしで始めたこのブログ。
『花より男子』の韓国放送時に聞き取り翻訳を始めたところ、ビビり上がるほどのアクセスがあり、サーバーを止められて、慌てて引っ越しし…。
そこで今のスタイルが出来上がりました。

これからどういう形で続いていくのかわかりませんが、とにかく楽しく長くやっていければと思います。
いつも読んでくださる皆様に心から感謝します。

yujina

 - スイッチ-世界を変えろ