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マンホール-不思議の国のピル最終話あらすじ&日本語訳vol.1

   

キム・ジェジュン(JYJ)、ユイ、チョン・ヘソン、バロ(B1A4)出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』16話(最終回)のあらすじを、細かいセリフの翻訳を混じえて紹介します。

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「どうした?何かあるの?」後ろを振り返ろうとしたジェヒョンを、スジンは慌てて引き戻した。「ううん、何でもない」
ジェヒョンが振り返ってみたときには、すでにそこにピルの姿はなかった。「?」

ジェヒョン「もう休もう。今日は疲れたろう?」
スジン「うん。ジェヒョンさん、先にシャワーしてきて。私、服を着替えたいの」

立ち上がろうとしたスジンの腕を、ジェヒョンがぎゅっと掴む。「!」

ジェヒョン「僕を風呂場へ行かせて、また逃げるつもり?」
スジン「えっ…」
ジェヒョン「もう僕から逃げるなよ、スジン。逃げたところで、また探し出すだけだ」
スジン「…。」
ジェヒョン「いいね?」

「…うん」スジンが意気消沈して頷くと、ジェヒョンは静かに笑みを浮かべた。
と、そのとき、近くで警報機の音が聞こえる。
「何だ?」ジェヒョンは掴んでいたスジンの腕を離し、部屋を出て行った。

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警報音を発していたのは、門の近くに停めてあったジェヒョンの車だ。
ジェヒョンが玄関を出ていくのを確かめると、ピルはその隙にそっと家の中へ入り、スジンを連れて脱出した。「スジン、行こう!」

警報音を止め、家に戻ろうと振り返ったジェヒョンは、向こうに走っていく人影に目を凝らした。
ピルとスジんだ!
先回りして家の裏でピルたちを待ち受け、手に持った棒で後ろから殴り掛かる。
棒は咄嗟にピルを庇おうとしたスジンに命中し、彼女はその場に倒れ込んだ。「スジン!」「スジン…」

ジェヒョンを殴り倒すと、ピルはスジンに駆け寄った。「スジン、大丈夫か?しっかりしろよ」
ジェヒョンはそばにあった刃物を掴み、ピルの腹めがけて突き刺したのだ!

「ああっ!」呻き声を上げ、腹をおさえるピルを見て、ジェヒョンは初めて我に返る。
ジェヒョンが車で逃げ去り、ピルが地面に沈むと同時に、スジンはハッと目を開けた。「ピル…」

ピルの腹が真っ赤に染まっている。
彼女は手のひらで傷を押さえ、ぐったりしている彼の顔を起こした。「ピル、しっかりして」

ピル「ダメよピル… 目を開けて」

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チェ警査は何度掛けても繋がらない電話を見つめた。「ポン巡査、何で電話に出ないんだ?」

チェ警査「(シン巡査に)所轄は何て?パク・ジェヒョンの位置はわかったのか?」
シン巡査「はい、携帯に電源が入ったので、把握できたそうです。現場近くにいる警察官たちが出動しました」
チェ警査「それは良かった。それにしても、パク・ジェヒョンを追ってるポン巡査の方はどうなったんだろう」

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「どうしよう」傷口を押さえたまま、スジンはひどく狼狽していた。「血が止まらないわ」

#ちょっとスジン、何やってんの、早くーーー!!!

ピル「俺は大丈夫」
スジン「…。」
ピル「パク・ジェヒョンは?」
スジン「逃げたみたい。それより、早く病院に行かなきゃ。携帯はどこ?」

ピルの手が腰のポケットに向かう。

スジン「私がするわ」

スジンがピルのポケットから電話を取り出したところで、電話が掛かってきた。

スジン(電話)「もしもし…」

「もしもし?」電話の向こうでチェ警査が目を丸くした。「ポン巡査の電話じゃ…」

チェ警査(電話)「あ!ひょっとしてカン・スジンさん?」
スジン(電話)「はい!カン・スジンです」
チェ警査「ポン巡査と一緒ですか?パク・ジェヒョンは?」
スジン「ジェヒョンさんが… ピルを刺して逃げたんです」
チェ警査「えぇっ?!」
スジン「ピルの傷が酷くて…」
チェ警査「えぇ、えぇ、わかりました!急いで救急車を向かわせます」

チェ警査は電話を切った。

チェ警査「シン巡査、ポン巡査が刺されたらしい。ハヌル湖に急いで救急車をやってくれ、早く!」
シン巡査「はい」

「あぁ、気が狂いそうだ、全く!」チェ警査はすぐ別のところへ電話を掛ける。

チェ警査(電話)「こちらポラ派出所です。パク・ジェヒョンがポン巡査を刺して逃走しているようです。急いでいただけますか」

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近くに配備されているパトカーの中で、警官が電話を受けた。「パク・ジェヒョンが逃走したらしい。急ごう」
ちょうどそこへ、目の前を黒い車が横切る。
「あれ?パク・ジェヒョンの車だ」パトカーがサイレンを鳴らし、急発進した。「追え!」

激しい追跡劇の末に、行き止まりへ追い込まれたジェヒョンは、車を捨てて駆け出したところを取り押さえられた。

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ピルの傷口を押さえたまま、スジンは声を掛け続けた。「少しだけ我慢して」

スジン「もうすぐ救急車が来るから、きっと大丈夫」
ピル「スジン… 怪我はないのか?」

スジンは何度も頷いた。「私は大丈夫」

スジン「ごめんね、ピル。私が電話をしなければ、あんたはここに来ることもなかった。刺されることもなかったのに。全部私のせいよ。ごめん…」
ピル「そんなこと言うなよ。お前が電話しなくたって、お前のこと探し出したはずだ」
スジン「こんなことになるんじゃないかって… だからもう会わないって言ったのに!私のせいであんたが辛い思いをするんじゃないかって…それで会うのはやめようって言ったのに!」
ピル「…。」
スジン「私のせいでまたこんなことになっちゃった…」
ピル「お前を助けられなかったら、一生自分を恨むことになる。俺はそのほうが辛いんだ」
スジン「ピル…」

「…。」ピルの意識がみるみるうちに薄れていく。

スジン「ピル、しっかりして。ピル!」

ピルの視線は、目の前に広がる澄んだ夜空へと向かった。「星が綺麗だ」
スジンが空を見上げ、頷く。「そうね」

ピル「スジン、俺… 時間旅行を始めたばかりのときは、お前さえそばにいればそれでいいと思ってた。でも、よく考えてみたら、一番大事なのはお前が幸せでいることだったんだ」
スジン「ピル…」
ピル「お前が笑えば俺も笑えるし、お前が楽しそうだと俺も楽しい。だから、お前は幸せでいなきゃダメだ。それなら俺も幸せだから。いいな?」
スジン「ちょっと… お別れみたいな言い方しないで!私、もう絶対にあんたのそばを離れないから。あんたが嫌だって言ったって、絶対に離れない。だから死なないで。私のそばにいてちょうだい!ね?」
ピル「スジン… 俺が死んだからって、そばにいなくなったと思うなよ」
スジン「…。」
ピル「お前が覚えてない瞬間も、俺はいつだってそばにいたじゃないか」
スジン「…。」
ピル「何をしていようと、どこにいようと… 俺はこれからもそばにいるから」
スジン「なんでそんなことばかり言うのよ!私、まだあんたに言えてないことがたくさんあるの。まだあんたにしてあげてないことがたくさんあるのよ。このまま見送るなんて出来ないわ。絶対に!」

「…。」辛うじて開いているピルの瞼が、次第に重くなっていく。
血に染まった手を、彼女に伸ばした。「スジン… お前の顔がよく見えないんだ」

ピル「それじゃ困るのに… お前が見えないと…」

「お前が見えないと…」そう繰り返すうちに、その手の力は失われ、やがて… パタリと地面に横たわった。

スジン「ピル…?ピル、目を開けて。目を開けてよ。ピル!」

#言っていい?スジンの手がクロスしてるのが気になって気になって、気持ちが入っていけませんでした。頬をおさえる手がカメラ側にないと映えないから?ユイさんも体勢が悪いせいで顔を近づけられなくて、すごく演技しづらかったと思うけど…。
そして、最後のピルの顔が美しすぎて、ただ悶絶フィニッシュでした。

スジン(心の声)「ピル、私は諦められないわ。だからあんたも諦めないで」

救急車のサイレンが聴こえてくる。

スジン(心の声)「愛してるわ… ピル」

ピルの手を握りしめたまま、そっとスジンの姿が消えた。

~~~~~~~~

2017年
スジンの結婚式当日。

ウェディングドレスを身に着け、メイクをしてもらいながら、スジンはうつらうつらとまどろんでいた。
2018年からワープしてきた彼女の魂が飛び込んだのは、そのときだ。

スジン「はっ!」

急に呼吸を荒らげるスジンを見て、隣でおめかししていたチョンエが目を丸くした。「何メイクしながら寝てるのよ!」

タルス「楽しみで昨夜眠れなかったんだな」
チョンエ「もう、この子ったら」
スジン「チョンエ、私、今ここで何してた?」
チョンエ「寝ぼけてるの?花嫁メイクをしてもらってたんでしょ」
スジン「花嫁メイク?ひょっとして私、今日結婚するの?」
タルス「あぁ、これが噂に聞くマリッジブルーか?いざ結婚するとなったら、現実が受け入れられなくなった?大丈夫さ」

スジンは立ち上がった。「ピルは?ピルはどこ?」

タルス「さぁな。酔ってどこかでくたばってるだろ」
チョンエ「ねぇ、あんた今日のメイク最高よ。もともと綺麗だけど、今日は特別綺麗」
スジン「私、ピルに会いに行かなきゃ」

ドレスの裾を掴み、スジンは駆け出した。

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結婚式に出かける支度をしながら、ピルの両親は揃って気が重かった。

ピル母「行きたくないわ」
ピル父「それでも行かないわけには。顔だけ出しに行こう」
ピル母「ピルは行かないつもりかしら。昨日は帰っても来ないで。どこにいるって?」
ピル父「ピルこそスジンの結婚式に行きたいわけがない。行かない方がマシだろう。結納のときみたいにぶち壊しにされたら困る」

「ピル!」そこへ飛び込んできたのは、当の花嫁だ。

ピル母「スジン?どうしたの?」
スジン「おばさん、ピルはどこです?」
ピル母「家にいないけど?」

「え?」スジンは2階へ駆け上がる。
ピルの姿はない。

スジン「おばさん、ピルが今どこにいるかご存知ですか?」
ピル父「さぁ、昨日帰って来ていないから」
スジン「…。」
ピル母「どうしてピルを?それもウェディングドレス姿で。何かあったの?」
スジン「それは… 後で説明します」

スジンはまた階段を駆け下りた。

ピル母「式場入りしなきゃいけない子が、どうしてピルを探してるのかしら」
ピル父「私もそれが気になっていたところだよ」

~~~~~~~~

2018年9月28日午後11時40分

ピルは病院のベッドで眠っていた。
一命をとりとめたのだ。

彼の意識がゆっくりとあのトンネルを進んでいく。
「ピル… ピル…」ふいにスジンの呼ぶ声が聴こえた。「ピル、目を開けて。ねぇ、ポン・ピル。ピル、どこにいるの?お願いだから姿を見せて。ピル!」
彼女の声がだんだんと大きくなる。
ピルはベッドの上で目を開けると、呼吸器を外し、チューブを引き剥がし、ベッドから飛び降りた。
「患者さん!」慌てて止めようとする看護師や医師を振り払い、彼は突き動かされたように走る。

#ベッドから起き上がった瞬間、さっきのシーンより泣ける、、、。

ひた走った二人は、1年のときを挟み、マンホールの前に立った。

#スジンはこの場所知らないと思うけど… まぁいいか^^

スジン(2017年)「ピル、あんたも今、私を探してるよね?」
ピル(2018年)「スジン。言ったろ。どこにいようとお前のこと見つけるって。いつでもそばにいるって」

定まらなかった二人の視線が、次第にお互いへと向かう。

スジン「そうね。感じるわ。違う時空にいても、私たちは一緒にいる。同じ場所を見てるって…」
ピル「スジン、俺たちを隔てるものなんて何もない。何としてもお前のところへ行くから。少しだけ待ってろよ。少しだけ…」

二人が時空越しに手を合わせる。
12時。ピルの姿がすぅっと消えた。

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チョンエたちは、マンホールの前に一人立ち尽くしているスジンを発見した。

チョンエ「ちょっと!メイク中にどこ行ってたのよ!」
スジン「私、ピルに会わなきゃいけないの」
タルス「結婚式の日に、新郎を差し置いて何でピルに?」
スジン「ピルも私を探してるはず。一体どこにいるの?!」

キョロキョロと落ち着かないスジンを、チョンエが焦って捕まえる。「しっかりしなよ!こんなときにピルがどこにいようと関係ないでしょ」

チョンエ「遅れるわ。早く行こう」
クギル「タクシー捕まえてくるから」

皆に引っ張られ、スジンは為す術なくその場を離れた。

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どこにも姿の見えないピルは、椅子に縄で縛り付けられていた。
2018年からワープしてきたピルの意識が、ちょうどそこへ飛び込む。「ん?」

ピル「何だ?何で縛られてるんだ?(キョロキョロ)ここはチンスクの家だな」

そこへチンスクが入ってきた。「目が覚めた?」
白いブラウスに黒いパンツ姿で、チンスクはショルダーバッグを手に取る。

ピル「おい!何だよこれ!」
チンスク「何って。あんたね、バカなこと考えずにここでじっとしてなさいよ」
ピル「なぁ、チンスク。俺たち… また結婚したのか?」
チンスク「頭おかしいの?何で私があんたと結婚すんのよ?」
ピル「それじゃこの状況は一体何だよ?何で縛られてるんだ?!」
チンスク「あんたがスジンの結婚式をぶち壊しにしないようにでしょ!」
ピル「えっ… 今日スジンの結婚式か?ひょっとして、薬剤師野郎と?」
チンスク「あんた、まだ酔ってるの?それとも現実否定?」
ピル「それじゃ、スジンは今どこにいるんだ?」
チンスク「どこって、式場にいるでしょうよ」
ピル「…。」
チンスク「あんた、スジンの結婚式が終わるまでここでじっとしてなさいよね。わかった?」

ピルは愕然とした。
スジンは今回マンホールを通ってないのか?
どうやら俺一人みたいだな…。

そこへスーツ姿のソクテがやってくる。
「あっ!なぁ、ソクテ!ソクテ!」助けてもらおうと、ピルは懸命に呼びかけた。

ソクテ「(ピルの背中の縄を覗き)ちゃんとくくったのか?」
チンスク「うん、ぎゅっとくくったよ」
ピル「おい!お前ら、ひどすぎないか?人を縛るなんて」
ソクテ「やりたくてやったと思うか?お前が突拍子もないことをするからだろ。今日はスジンにとって特別な日なんだから、妨害しようなんて思わないで、じっとしてろよ。それがスジンのためなんだ」
ピル「…そうは言ってもスジンの結婚式なんだ。俺だって行かなきゃ」
ソクテ「…。」
ピル「俺、マジで何もしないから!頼むから解いてくれよ」

ソクテは困ったように溜息をついた。「チンスク、ピルの言うとおりかもしれない。結婚式には行くべきじゃないか?」

チンスク「ダメ!結納の日も大騒ぎしたんだから。ダメよ、絶対にダメ!」
ピル「俺だってあの日のことは深く反省してるんだ。俺、式場で何もしないから。遠くから眺めるだけにするよ」
ソクテ「…。」
ピル「スジンの人生で一番大事な日なんだから、祝ってやりたくて言ってるんだ」
チンスク「…。」
ソクテ「(チンスクに)どうする?」
チンスク「ダメ!結納の日にやらかしてるんだから。ソクテ、気弱になっちゃダメよ」

「行こう」二人は無情にも縛ったままピルを残し、出掛けていった。

ピル「お前ら!早く解けって!おい!」

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結婚式の控室は不安に包まれていた。
突然飛び出した花嫁が、まだ戻ってこないのだ。

スジン母「どこ行ったのかしら。もう始まる時間なのに」
スジン父「じき帰ってくるさ。もう少し待とう」

そこへチョンエたちに連れられ、スジンが姿を見せる。
奥にいるジェヒョンが目に入るなり、スジンは目を見開いたまま硬直した。「!」

ジェヒョン「スジン、どこ行ってたんだ?心配したじゃないか」
スジン「…。」
ジェヒョン「どうした?具合でも悪い?」

「緊張してるのね」スジンの母が間に入って和ませる。

スジン母「スジン、大丈夫よ。リラックスして」

そのとき、式がもうすぐ始まると知らせが入った。
先に呼ばれた新郎のジェヒョンが、スジンの手を握る。「緊張しないで。後でね」

スジン「…。」

いよいよ時間が差し迫っていた。

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縄の中でもがいていたピルは、何とか椅子ごとふるい落とし、縄を抜ける。「やった!」
ソファの上のジャケットを掴み、ピルは夢中で駆け出した。「行かなきゃ!」

#ピルがピルらしく家の近所を走ってる姿、ちょっと久しぶりかも^^

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「それでは新郎パク・ジェヒョン君と新婦カン・スジンさんの結婚式を始めます」司会者が宣言する。
「新郎入場」スポットライトに照らされ、ジェヒョンが花道を進んだ。

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ピル、どうして姿が見えないの…?

控室で一人、スジンはじっと待っていた。

スジン(心の声)「時間旅行に来られなかったの?もしかして、私一人で来ちゃったのかな」

そこへ父親が入ってくる。
新婦入場に備えるためだ。
「スジン」今にも泣き出しそうな娘に、父は優しく微笑みかけた。「震えるよな?」

スジン父「大丈夫さ。たった一人の娘を送り出すと思ったら、悶々とするよ」
スジン「ねぇ、お父さん…」

「わかるさ」父は大きく頷いた。「大丈夫」

新婦も入場するようにと、係が告げに来る。

スジン「!」

「行こう」父に手を引かれ、スジンは仕方なく立ち上がった。

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「頼もしい新郎でしょう?」司会のソクテの言葉に、客席が皆笑顔になる。

ソクテ(MC)「それではいよいよ美しい新婦をお迎えすることにしましょう」

「新婦入場」ソクテが入り口を指差すと、父に付き添われたスジンが姿を見せた。
会場の拍手が最高潮に達する。

ジェヒョンの前まで来ると、彼はスジンの父に深々と頭を下げ、代わりに彼女の手を引いた。

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ピルが結婚式場のロビーへ入ってきた。

『Wedding Day 木曜日午後1時 2F Aurelia
パク・ジェヒョン君 カン・スジンさん』

2Fだ!
ピルは目の前の階段を一気に駆け上がった。

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新郎新婦の前に主禮として立ったのは、スジンの高校時代の恩師、ゲシュタポだ。

主禮「新郎パク・ジェヒョン君は新婦カン・スジンさんを妻とし、どんなときも互いを愛し尊重し、夫としての道理を真摯に果たし、幸せな家庭を築くことを誓いますか?」
ジェヒョン「はい、誓います」
主禮「よろしい。では新婦カン・スジン嬢に訊きましょう。カン・スジンさんは新郎パク・ジェヒョン君を夫とし、どんなときも互いを愛し尊重し、妻としての道理を真摯に果たし、幸せな家庭を築くことを誓いますか?」
スジン「…。」

沈黙が場内を包む。
「?」列席者が互いに顔を見合わせた。

主禮「カン・スジンさん?」

スジンがハッと我に返ったよに顔をあげる。

主禮「”はい”って言わないと、”はい”って」
スジン「…。」

列席者たちがざわめき始めた。

そのときだ!

一番うしろの入場口に、誰かが駆け込んできたシルエットが差し込む。
「スジン!」会場に響き渡ったその声に、スジンが振り返った。「!!!」

ピルが… 待ち焦がれたピルが、そこに立っていた。

主禮「し、し、新婦カン・スジンさんにもう一度訊きます!カン・スジンさんは新郎パク・ジェヒョン君を夫としますか?」

まっすぐにピルを見つめたまま、スジンは一言、力強く答えた。「いいえ」

スジン「私、この人とは結婚できません」

会場中から仰天の声が上がる。

ジェヒョン「スジン、どうしたんだよ?」
スジン「パク・ジェヒョン、二度と私の前にあらわれないで」

「いいわね?」大きく目を見開くと、彼女はジェヒョンの脛を蹴り飛ばし、ブーケをその場に放り出すと、ピルの元へ走った。

ピル「スジン!」
スジン「ピル!」
ピル「お前、マンホールを通って来たんだよな?」

「うん」スジンが大きく頷く。
ピルがホッとして微笑んだ。

スジン「何で今頃来たのよ。ずっと待ってたのに!」
ピル「遅くなってごめん」

スジンが手を差し出す。
ピルは彼女の顔を覗き見た。

スジン「行こう」

二人は手に手を取り合い、花道を駆け出す。
「おい!」列席者が一斉に立ち上がった。

#この瞬間のピルのお母さんの顔がもう最高!最終回で一箇所だけ挙げるとしたら、ここ(笑)

脱走する二人を、後ろの方でそっと見送った女性が、チラリと新郎を見やる。
「…。」パク・ヨンジュだった。

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ここで区切ります。

ドラマに出てくる中で、パク・ジェヒョンが初めて通り魔暴行を働いたのは、10話、現代編。
2017年9月7日だと思います。

このときはピルの過去へのタイムスリップの影響を受けて歪んでしまった現在で、ピルとチンスクが結婚直前、スジンが留学を1週間後に控えていたときでした。

ですから、この通り魔暴行も歪んで出来上がった現在の一部かもしれませんが、もし元々の現実にもあった出来事であれば、すでに結婚式の日に、彼は事件を起こしていたのかもしれません。

結婚式の日付をざっと探したんですが、見つからず…。
前回の2018年、イギリス旅行へ出かける9月19日頃が結婚記念日だと言ってますね。

そして、調べ物をしていたところで、1話の最後にエピローグがあるのに今頃気づきました(笑)

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