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マンホール-不思議の国のピル8話あらすじ&日本語訳vol.2

      2017/09/06

ジェジュン(JYJ)、ユイ、チョン・ヘソン、バロ(B1A4)出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』8話レビュー、後半です。

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「チョンエ~!」二人分のアイスを手に駆けて来たクギルは、チョンエの沈んだ表情を覗き込んだ。「どうした?」

クギル「何かあったのか?そんな顔して」
チョンエ「気にしないで。何でもない」
クギル「気にしないでいられるかよ。お前がそんな顔してるのに」
チョンエ「…。」
クギル「どうした?タルスと喧嘩したのか?」
チョンエ「私の前でタルスさんの話はやめて」
クギル「…。」

「とにかく食べな」クギルがアイスを差し出した。「口の中でゆっくり溶かすんだぞ」
下を向いたまま動かないチョンエを、クギルはじっと見つめた。「チョンエ、タルスのどこがそんなにいいんだ?」

チョンエ「…。」
クギル「だってさ、いつもお前を悲しませるし、お前が炊事洗濯全部してやってるのに、ありがとうの一言もなしで。悪いヤツ…。あんなヤツのどこがいいんだよ」
チョンエ「そんなことクギルさんに話せるわけないでしょ。私にだって良心はあるわ」

「食べよう。美味しそう…」手元のアイスを見つめ、チョンエは感情のこもらない声で言った。

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今日も日が暮れた。
珍しくオシャレをして髪をタイトに整え、クギルはぬいぐるみと花束を持ってソワソワしていた。
「チョンエ、タルスを捨てて俺んとこ来いよ」道端で彼女を待ってる間に、ぬいぐるみ相手に練習に抜かりがない。
「俺が幸せにするから。結婚しよう」そう言ってみて、はぁとため息をつく。「付き合ってもないのに何が結婚だよ。マヌケだな」
やり直し。
「チョンエ、俺がいつも笑顔にしてやるよ。辛いことがあってもな」ぬいぐるみに微笑みかける。「それから、一生肉を食わせてやる。俺と付き合わないか?」
おっ!今度はいい感じだ。

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チョンエは冴えない表情で帰り道を歩いていた。「今帰ったらまたウヤムヤになっちゃうわ。チンスクのところにでも泊まって心配させようかな。そうしようっと」
そこへメールが入った。

クギル(メール)「どこ?ちょっと家の前に来てくれよ。話があるんだ」

「何の話かな」首を傾げ、チョンエは歩き出した。
と、向こうから上半身がすっぽり隠れるほど大きなぬいぐるみと花束を抱えた男性が歩いてくるのが見える。

チョンエ「はぁ、いいなぁ。羨ましいわ、誰だか知らないけど」

男性はチョンエとすれ違いざまにドンと彼女の肩にぶつかった。「!」
弾みで落ちたぬいぐるみを、チョンエが拾って差し出す。「落とされましたよ」
男性は花束で顔を隠したまま、ぬいぐるみを押し返した。

チョンエ「落とされましたよ…?」

恥ずかしそうに花束の向こうから顔を覗かせたのは…タルスだ。

タルス「い、今まで好きだって言えないまま、そばにいさせてごめんな」
チョンエ「…。」
タルス「俺、臆病で、すぐ考えすぎてしまうから…。結婚のことはゆっくり考えてみよう。俺も努力する」

タルスはぎこちなく微笑みかける。
周囲をさっと伺うと、ポケットから小さな箱を出し、その場に跪いた。

タルス「これから僕の人生という映画を君で満たしたい」

箱の中から現れた指輪に、チョンエは穏やかに微笑んだ。

タルス「僕と… 共に歩んでくれる?」

タルスがチョンエの指にリングを嵌め、二人並んで歩き出すのを、クギルは後ろでそっと見送った。「…。」

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悩みながら歩き続けたピルは、チンスクのジューストラックへ戻ってきた。
店の片付けをしていた彼女は、ピルに皮肉を漏らす。「クビにはなりたくないのね。戻ってきたってことは」

ピルはひどく疲れた様子で椅子に腰を下ろした。「ごめんな、チンスク」

ピル「お前にはわからないけど、最近”その日暮らし”に精一杯で、ジュースを売るには忙しすぎるんだ」
チンスク「言い訳が多彩ね。罪もない”その日暮らし”まで持ち出すなんて」

「チンスク」ピルは切なげにチンスクを見上げる。「酒でも一杯やろうか」

チンスク「この状況でお酒まで奢らせるつもり?図々しいヤツね」
ピル「だよな。俺もこんな自分がホントにイヤだ」

言い返しもせず、深い溜息をつくピルを、チンスクは黙って見つめた。

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チンスクを前に、ピルはいつになく酒を煽った。「確かにスジンは俺のこと好きだって言ったんだ」
「!」頬杖をついていたチンスクが、わずかに身を乗り出す。

ピル「それなのに、どうして他のヤツに行っちまったんだ?一体理由は何なんだろう」
チンスク「ホントに?スジンがあんたのこと好きだって言ったの?」
ピル「あぁ。軍隊に行く前の日、俺に言ったんだ。”私、あんたのことが好きよ、ピル”って」
チンスク「…。」
ピル「軍隊に行く前、スジンのカメラの中に動画を残したんだ」
チンスク「!」
ピル「だけど、スジンは観たことがないって。俺の告白動画さえ観てれば、上手くいったはずなのに」
チンスク「…。」
ピル「カメラを拾った薬剤師も、削除してないって言うし。それなら一体誰が消したんだ?」

「マジで世にも不思議な出来事だよ」ピルが純粋な目でチンスクを見る。「そうだろ」

チンスク「ねぇ、もう帰ろう。あんた酔ってるよ」
ピル「逆にあのカメラで薬剤師とスジンが…。確かに俺が女でも出来のいいヤツと付き合いたいさ。俺みたいなバイトごときがスジンに何をしてやれるっていうんだ」
チンスク「…。」
ピル「せいぜい親のカメラをくすねて、プレゼントした程度だ」

ぶつぶつと愚痴を言いながらテーブルに突っ伏してしまったピルを、チンスクは黙って見つめた。「…。」

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ミキサーを自習室へ持ち込んだソクテは、まだ修理に没頭していた。
配線を綺麗につなぎ直し、ホコリを丁寧に払い、スイッチを押してみる。
ピーという電子音に続き、モーター音が静かな自習室にブルルルと響いた。「おお!動いた!チンスク、直ったぞ!」

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すっかり酔いつぶれたピルは、ベッドの上で気がついた。「喉が渇いた。ここどこだ?」

#過去編でスジンに起こされたときも思ったけど、ジェジュンは目覚めの演技がすごく上手いよね!

起き上がると、だんだんと周りが見えてくる。「あぁ、チンスクの家か」

ふらふらと奥へ歩いていくと、ボトルから水を注ごうとしてよろめき、彼は床に水をこぼしてしまった。「あぁ!チンスクに見つかったら大騒ぎだぞ」
ティッシュを探し、彼は適当に辺りの引き出しを開けた。
と…
「?」彼の手がハタと止まる。
目に止まったそれを、彼は恐る恐る取り出した。

ピル「軍役中に俺がスジンに送った手紙だ…。何でここに?」

そこへ扉が開き、チンスクが外から戻ってきた。
「目が覚めた?」彼女の声は明るい。「ちょうど起こそうと思ってたのよ」

「なぁ、チンスク」ピルはゆっくりと振り返る。「これ、何だ?」
彼が差し出したものを見た瞬間、チンスクの顔が凍りついた。「!!!」

ピル「俺がスジンに送った手紙が…どうしてここにあるんだ?」

チンスクは何も言えず、慌ててそれをひったくった。「ちょっと… 人の家を漁らないでよ」

ピル「なぁ、どういうことなのか話してみろよ。スジンがお前に預けたのか?」

チンスクは小さく首を横に振った。「ううん」

チンスク「スジンは見てないわ」
ピル「それ… それどういうことだよ?それならお前が間で横取りしたっていうのか?」

「…うん」チンスクはぎこちなく頷いた。
重苦しい溜息とともに、ピルは頭を抱える。「お前、どうかしてるぞ」

チンスク「…。」
ピル「一体どうしてこんなことしたんだ?どうして…どうして手紙を隠したりするんだよ!」
チンスク「そうするしかなかったのよ!」

~~~~ある日~~~~

チンスクがスジンの家に行こうとしていると、ソクテの父親が配達に通りかかった。
スジンに会いに行くところだと聞き、彼はスジン宛ての郵便をチンスクに預けた。
それが、ピルからのものだったのだ。
「…。」チンスクはそのままクルリと背を向け、来た道を戻った。

#変だよねぇ。一度にまとめて出したの?

~~~~~~~~

ピル「なぁ、ユン・ジンスク、お前何言ってんだ?悪戯にも節度ってものがあるだろ。俺がスジンをどう思ってるか知ってるくせに、どうしてこんな悪戯が出来るんだよ!」
チンスク「悪戯じゃない。本気よ」
ピル「…え?」
チンスク「あんたのことが好きでやったの」

「…?」思いもよらない言葉に、ピルは唖然としてチンスクを見た。「あ…」

ピル「チンスク、急にどうしたんだよ?」
チンスク「…。」
ピル「何で冗談を本当みたいに言うんだ?」
チンスク「何であんたは私の本心を冗談だと受け取るの?」
ピル「!」
チンスク「私は本当にあんたのことが好き。高校のときからずっと好きだったの」

「…。」戸惑いで言葉の出ないピルを前に、チンスクの目に涙が滲む。

チンスク「あんたはスジンばかり見てたから気づかなかったよね。私がいつもあんたを見てたってこと」

高校時代の苦々しい思い出がチンスクの胸に蘇る。
密かにピルを想っている彼女を、ピルはスジンへの告白に「一人じゃ行けないから一緒に頼む」と無邪気に付き合わせたのだ。

チンスク「ひたすらスジンのことばかり想ってるあんたを見て、ダメだ、諦めなきゃ…そう思ったけど、次の日あんたの顔を見たら、そんな決心は全部壊れてしまったわ」

チンスクの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。

チンスク「そうやって自分の気持ちを潰しては、また積もり積もって… 10年よ」

そう言って、彼女は訴えるような目でピルをまっすぐに見つめ、固く唇を結んだ。

ピル「俺… 本当に知らなかったんだ。お前がそんなふうに思ってたなんて」
チンスク「いっそのことスジンとあんたが上手くいってくれればいいと思ったわ。そうすればあんたのこと諦めらるだろうから。あんたたちは相変わらず友だちのまんまだったし、あんたの隣が空いてると思ったら、諦められなかったのよ」
ピル「…。」
チンスク「もう私の気持ちを知っちゃったから、今までみたいに友だちじゃいられないね」
ピル「なぁ、チンスク」
チンスク「スジンにはジェヒョンさんがいるじゃない」
ピル「!」
チンスク「だから私にもチャンスをちょうだい」
ピル「…。」
チンスク「すぐに私たちの関係がよくなるとは思わないわ。だけど努力はできるじゃない。ね?」
ピル「…悪いけど、チンスク」
チンスク「!」
ピル「俺、今… お前に何も言ってやれない」

「今度…また話そう」ピルの声はただただ動揺に震えていた。

#このシーン、二人とも演技が素晴らしいです。ピルは思いもよらなかった大事な友だちの気持ちに、純粋に驚き動揺しているのがストレートに伝わってくるし、チンスクは今までひた隠しにして突っ張ってきたのがバレてしまって、来るべき日が来てしまった感じがすごくわかる。

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直ったミキサーを抱え、ソクテはチンスクの家の前までやってきた。
遠ざかっていくピルを見つめ、肩を震わせて泣いているチンスクの背中が見える。
「…。」ソクテはそっと踵を返した。

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スジンが家の前まで帰って来ると、そこにピルが立っていた。
彼女はピルを無視し、家の中へ入ろうとする。「なぁ」

スジン「…。」
ピル「お前、とうとう人を見てもシカトするようになったのか」
スジン「呑んだの?酔ってるんなら帰りなよ」
ピル「お前、いつ俺への気持ちにケリつけたんだ?」
スジン「…。」
ピル「軍役中、俺が手紙の返事を送らなかったからか?」

「…。」スジンは短く考えを巡らせる。「そうね」

スジン「せっかく話が出たんだし、理由を訊かせてもらうわ。あんた、どうして私の手紙にだけ一度も返事を出さなかったの?」
ピル「返事は出した。けど…」

「…。」理由が口に出せず、ピルは俯いた。「配達事故があったらしい。それでお前は手紙を受け取れなかったんだ」
煮え切らない理由に、スジンは呆れたように笑みを浮かべる。「たくさんあった手紙、全部?それを信じろって?」

ピル「あのさ… それは…」
スジン「今さら言い訳なんてしなくていいよ。もう過ぎたことだし、全部忘れたから」
ピル「なぁ、そんな簡単に言うなよ。なんでそんなに早く忘れられるんだ?何年も前のことだって、俺には昨日のことみたいにハッキリしてる」

#そりゃそうだろうよ

ピル「お前と過ごした時間、一分一秒全部覚えてるくらい、俺には鮮やかなのに」
スジン「…。」
ピル「俺の告白動画を観られなかったからって、俺の気持ちを知らないわけじゃないよな。知ってるだろ、お前のことが好きだって。知らないはずがないさ。あれだけ態度に出してたんだから」

「…。」スジンが黙ったまま唇を噛み締めた。

ピル「28年間、たった一日だって欠かしたことはない。飯は抜かしたって、お前を好きな気持ちは欠かしたことないんだ」
スジン「…。」
ピル「夜通し寝ないことはあっても、お前のことを想わないことなんてなかったし、28年勉強はサボっても、自分の気持ちは一度だってサボったことないんだ」
スジン「…。」
ピル「スジン、お前が好きだ。俺はお前が好きなんだ、このバカ!」
スジン「ポン・ピル、あんたが私のこと好きでも嫌いでも関係ないわ。もう私の気持ちは変わったんだから」
ピル「…。」

#ああああやっと言えたのにぁああばかばかばか

スジン「あんたにとっては切実な28年だったかもしれないけど、私には今現在の方が大事。だから… もうやめにしようよ」
ピル「…。」

背を向けたスジンを、ピルはそれ以上引き止めることも出来ず、立ち尽くした。「…。」

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ひどく疲れて部屋へ入ると、スジンは机の前の椅子に力なく腰を下ろした。
昼間、ジェヒョンに貰った薬指の指輪を見つめ、思い巡らせる。「…。」

目の前の引き出しを開け、彼女はそこにポツンと入っていたデジタルカメラを手に取った。

スジン「ピル…。酷いこと言ってごめん。だけど、あんたが近づいてくればくるほど… 私、すごく辛いの」

彼女は小さく頷いた。「私たち辛いわ…」

スジン「お願いだから… やめにしようよ」

引き出しの中から、一枚の写真を取り出す。
ひとしきりその写真を見つめると…

彼女は右側に写っている自分を手のひらで隠してみた。

スジン「…。」

#憎い描写。これだけで全部わかるね。『ピル昏睡状態編』では、ピルの命を助ける方が勝ったんだよね…。

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夜が更けていく。
ピルは悩んでいた。

ピル「マンホールを使わずに、ここに残ってスジンの気持ちを取り戻すか…?いや、ダメだ。そのままこの時空に閉じ込められたら、永遠にマンホールに入れなくなる」

しばらく歩いて、彼はチンスクの家の前まで戻ってきた。

ピル「!」

門の前に座り込み、チンスクは声を上げて泣いていた。

ピル「…。」

どうすればいいんだろう…。
何一つしてやれず、何一つ言葉を掛けてやれず、彼は泣きじゃくる彼女をただ見つめた。

ピル(心の声)「どうすればチンスクを… もう一度友だちとして見られるんだろう」

*-*-*-*エピローグ*-*-*-*

部屋の中は暗く、デスクの上の小さな灯りだけがともっている。
PCから聴こえてくるのは、ピルの声だ。

画面いっぱいに映し出されているのは、あの日、行方不明になった『ピルの告白動画』
氷のように冷たい表情で画面のピルを睨んでいるのは… ジェヒョンだった。

「お前のことが好きだ。いや… 愛してる」

ジェヒョンはモニターを机から叩き落とした。「こいつ… やたらと癪に障るな」

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ここでエンディングです。

もう… 泣いてるチンスクを見てるしかないピルの視線がもう…
切なくてたまりませんです。
彼にとってチンスクが本当に大事な友だちで、苦しんでいる彼女に心を痛めているのがよくわかりますよね。

ところで…

いくら以前のタイムスリップがリセットされて状況が変わってしまうとは言え、その人の人格までは変わらないでしょう。
前回の『ピル昏睡状態編』のジェヒョンさんとは今回全然違っていたけど、今回の恐ろしい一面はきっともともと彼が持っている性質。
他に女性もいることだし、彼は今後まだまだやらかすかもね((((;゚Д゚))))ガクブル

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