韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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テバク8話あらすじ&日本語訳vol.2

   

チョン・グァンリョル、チェ・ミンス出演SBSドラマ「テバク(대박)」8話、中盤です。

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延礽君の心は一つも晴れなかった。
「そもそも王子だというのはどこへ行っても役に立たぬことだ」父、粛宗の言葉を彼は反芻した。

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#綺麗だねぇ~♪

「そんな見せ掛けだけの殻を脱ぎ捨てたいなら、お前に刀を握らせてやる」父は言ったのだ。「傳家の寶劍を」

※傳家の寶劍(伝家の宝剣)=代々伝わる尊い宝剣。あるいは、強力な権限。

【待っておれ。じき時が来る】

「延礽君様!」サンギルが駆けて来た。

サンギル「昨夜、義禁府で牢破りがあったそうです」
延礽君「脱獄した罪人は誰だ?」
サンギル「宣傳官ファン・ジンギとのことです」
延礽君「ファン・ジンギ?」

「牢屋の中に密封された書簡が」サンギルが差し出したのは、脱出の際にタムソが柱に残しておいたものだ。

それは延礽君に宛てた書簡のようだった。

【延礽君様、昨夜のことをお聞きになったことでしょう。お目にかかりたいのでお時間をくださいませ】

インジャからのものだった。

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延礽君はすぐにインジャのもとへ向かった。
ぼんやり歩くうち、彼はすれ違う町人とぶつかり、馬を慌てて避け、書生の集団をやり過ごす。

延礽君「…。」

後をつけていたタムソは、ふと通りの一角に人だかりができているのに気づく。「?」
そこには…
処刑されたばかりの子どもが横たわり、小さな妹が脇で泣いていた。

タムソ「!」

タムソが銭を恵んでやったばかりの、あの物乞いの子どもではないか!

町人「どうした?何があったんだ?」
町人「花靴を盗んで見つかったらしいよ」
町人「そうなのかい?あんな幼いのが…」

脇で泣いている妹の靴に、タムソは釘づけになる。
それは、自分が履いていたのとそっくりな、美しい花刺繍の入った靴だったのだ。

タムソ「!!!」

#すごく悲しい成り行きだけど…何で延礽君の後をつけてる道中にポコッと挟むのかね。実際にそういうことはあるとしても、意識があちこち飛んじゃうよねぇ。この物乞いの子を最初に見かけた時も、右参賛に賄賂を届ける道中だったし。

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延礽君はインジャの待つ美しい庭園に一人で到着した。

延礽君「逆賊ファン・ジンギを脱獄させた理由は何だ。あやつをどうする?」
インジャ「延礽君様もあやつの剣を恐れておられるのですか」
延礽君「たかが剣一本を私が恐れると?」
インジャ「剣一本でなければ?」
延礽君「…?」
インジャ「ここへ来られるまでに、ひょっとして変わったことはありませんでしたか?」

インジャの視線につられて自分の脇に目をやった延礽君は、驚いて目を見張った。「!!!」
刀で引き裂いた跡が、いくつも出来ていたのだ。
ぶつかった町人に、馬に乗っていた武官に、挨拶をして通り過ぎていった書生…?!

インジャ「延礽君様への警告です」
延礽君「殺さないのではなく、殺せないのであろう」
インジャ「…。」
延礽君「私がこの世で最も恐れるものを… 実はそなたも同じく恐れているのだ」

延礽君はそっと身を乗り出した。「父上を」

インジャ「否定はしません。王こそ真の怪物。それゆえ私もまた怪物になったのです。王を超えるために」
延礽君「…。」
インジャ「怪物となった私を、阻むことはできますか?延礽君様」
延礽君「待っておれ。それほど長い時間は必要としない」

インジャはニコリと微笑み、小さく頷いた。

インジャ「ならば、のんびり待っていないで、今日私と命懸けで決着をつけるのはいかがでしょう?延礽君様」
延礽君「…。」

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向い合って立った二人の間に、いくつも剣が並んでいる。
どれも表向きには形も大きさも同じ剣だ。

インジャ「”尚方宝剣は七星剣を斬り、七星剣は文官刀を斬り、文官刀は鋭刀を斬り、鋭刀は環刀を斬り、環刀は木刀を斬る”。どうでしょう?本日、私イ・インジャとこの剣で一勝負するというのは」
延礽君「よかろう。ならばここでそなたと私の運命を占おう」

二人はじっとお互いから目を離さず、それぞれ別々の剣を手に取った。

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「真剣を持ちたい?」師匠はテギルに刀を投げて渡した。「持ってみろ」

テギルは刀を抜き、師匠へとまっしぐらに斬りかかる。

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延礽君もまた、刀を抜いて斬りかかった。

延礽君(心の声)「尚方宝剣だ!」

延礽君の剣をひらりと交わし、インジャは手に持った剣を腹に命中させる。
ポンと鈍い音が響いた。

延礽君「!!!」

剣が当たったにも関わらず、どこも斬れていない。

インジャ(心の声)「木刀か」

再び斬りかかった延礽君は、自分の攻撃を阻むインジャの刀を確かめた。
木刀だ。

延礽君「…。」
インジャ「…。」

092

一番弱い木刀で、インジャは延礽君の刀を押し戻す。
じりじりと押された延礽君は、ついには膝をついてしまった。

インジャ「刀より、刀を握る者の資質が重要なのです」

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同じく、木刀を持った師匠に圧倒され、テギルは無防備にひっくり返っていた。

チェゴン「これがお前と俺の距離だ。そんな実力じゃ獣を仕留めるどころか、あやつの足元で切り刻まれるぞ」

テギルは愕然と天を仰いだ。「イ・インジャ…」

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「延礽君様に、まだ帝王の剣は重いようですね」延礽君を木刀一本で押さえつけ、インジャが言う。
さっと力を抜くと、インジャは刀を無造作に放り投げた。

インジャ「延礽君様をお送りしなさい」
延礽君「待て」

「待て!」延礽君の叫びにも足を止めることなく、インジャはその場を立ち去った。

インジャと入れ替わりに近づいてきたのは、タムソだ。

延礽君「何だ?」
タムソ「たかがこんなことで自尊心を傷つけられ、悔しがっておられるのですか」
延礽君「何が言いたい?」

「お見えにならないのですか」タムソの目には涙が滲んでいた。

タムソ「延礽君様の目には、民の血の膿、血の涙が見えないのですか!!!」
延礽君「!」
タムソ「靴一足盗んで命を落とした女の子の無念さ… 延礽君様には見えないのですか」

「…。」延礽君は力なくその場に剣を落とし、黙ってそこを後にした。

#そこで急に延礽君を責めてもね…。

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「気が急いておるな」インジャが静かにタムソをたしなめた。

タムソ「…。」
インジャ「確かに、もどかしいはずだ。一歩も進んでいない気がするだろう。お前の父イスもそうだった」
タムソ「!」
インジャ「だがタムソ、復讐が先にあるのではなく、大業の中にお前の復讐があるのだ」
タムソ「ですが…」
インジャ「そうだな。味見をするくらいはいいだろう」
タムソ「!」
インジャ「延礽君を動かすのだ」

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靴を盗んで命を落とした女の子の遺体を、延礽君はじっと見つめていた。「…。」

延礽君「しっかり葬ってやってくれ」

後ろにいた武官が頭を下げる。「…はい」
そばで泣きじゃくっている妹の前で、延礽君は恐る恐る腰をかがめる。「済まない」

延礽君「君が大人になるときには、もう少し良い世の中になっているはずだ。だから… 私を許してくれ。何も出来ない私を」

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街角の料理屋で悶々と酒を飲んでいる延礽君の元へ、ふらりと現れたのはタムソだ。

延礽君「何の用だ?また小言だろ」
タムソ「遅くはありましたが、良いことをなさいました」

タムソは酒の瓶を手に取り、器に注いでやる。

延礽君「何だ?私が哀れに見えるか?」
タムソ「…。」

延礽君は器の酒を一気に飲み干す。「時間を無駄にしないで、望みを言え」

タムソ「どうしてそうひねくれていらっしゃるのです?」
延礽君「何だって?」
タムソ「私は悪口を言ったわけではないんです」
延礽君「見え透いてる、私をどう思っているのか」
タムソ「私の目を見てください」
延礽君「?」
タムソ「本当に私の心が見えるのですか」
延礽君「…。」

延礽君はトンと器を置き、彼女をまっすぐに見る。
二人の視線が静かに絡み合った。

093

#おいおい、何だ、今度はどうした

タムソ「望みがあるとしたら… 聞き入れてくださいますか?」

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延礽君は宮廷の門の前に立って誰かを待っていた。
そこに現れたのは、綺麗な娘姿のタムソだ。

タムソは宮廷内を見物させてほしいと頼んだのだった。

延礽君の案内で歩くうち、二人は美しい裏庭に辿り着いた。

延礽君「ここには来たことがあるはずだ。もう戻ろう」

タムソは延礽君の言葉をよそに、別の方向へ足を向ける。

延礽君「そっちは駄目だ」
タムソ「…。」
延礽君「わかっているであろう。そっちは母上の住処だ」
タムソ「それならご挨拶をいたします」

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延礽君はタムソを連れ、母淑嬪の元を訪れた。

淑嬪「前に会った。実に美しいこと…。宮廷には何故?」
タムソ「延礽君様が宮廷見物をさせてくださると」

淑嬪の視線が延礽君に移る。

延礽君「成り行きでそうなりました」

淑嬪はチラリと二人を見比べ、余裕を見せた。「女同士で話がありますから、延礽君は外に出ていらっしゃい」

延礽君「ですが」
淑嬪「さぁ」

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二人きりになると、淑嬪は鋭い視線でタムソを見つめ、茶を一口すすった。「理由は何?」

淑嬪「延礽君のそばにくっついている理由。私に会いに来た理由だ」
タムソ「ご存知でしょう。世子邸下の策士をなさっている…」
淑嬪「まさか!」
タムソ「はい、私の師匠です」
淑嬪「お前!よくもここに」
タムソ「淑嬪様の過去についても知っております」
淑嬪「!」
タムソ「隠している息子。その父ペク・マングムまで、全てです」

淑嬪はふっと鼻で笑う。「何が望みだ?」

タムソ「殿下に謁見させてください」
淑嬪「殿下?理由は何だ」
タムソ「淑嬪様。私の父の名前はキム・イスです」
淑嬪「!…キム将軍の娘だったのか」
タムソ「はい。一時は殿下にお仕えし、殿下のせいで死んだ、まさにその御方が私の父なのです」
淑嬪「!」

淑嬪の目が暗く沈んだ。
我が子を守るため、20年前に彼女はキム・イスに赤ん坊をすり替えさせた。
それが粛宗の知るところとなり、結局は彼を死に追いやってしまったのだ。

#原因を作ったのは100%淑嬪で、実際にイスを殺したのはインジャだからね。インジャを殺せと粛宗が脅したからだけど。

淑嬪「あの御方には返すべき借りがある」
タムソ「…。」
淑嬪「だが、キム将軍が殿下のせいで死んだとは、何を根拠にそんな憶測を口にするのだ?!お前の目で見たとでもいうのか」
タムソ「昔のことで根拠はありませんが…」
淑嬪「根拠もなしに何故そう考える?お前の師匠がそう言ったのか?殿下がお前の父を殺したと」
タムソ「…。」
淑嬪「獣の手で育てられたからといって、皆が獣になるわけではない」
タムソ「!」
淑嬪「私でさえ容易く見破れるその眼差しで、殿下をどうにか出来ると思っているのか」
タムソ「…。」
淑嬪「殿下にお目にかかったことがあるのか?一度でも、たったの一度でも会ったことがあるのか?」
タムソ「…。」
淑嬪「はっきり言おう。息もできなくなるはずだ」

095

淑嬪は外にいる延礽君を呼んだ。
延礽君が入ってくると、淑嬪は元の柔らかい眼差しに戻る。「殿下は今、延齢君と共にいるはずです」

※延齢君=粛宗の側室、䄙嬪朴氏の子。粛宗の一番下の息子であり、大変可愛がられたようです。

淑嬪「遠くからでも殿下のお姿が見たいと言うから、延礽君が案内してあげなさい」
延礽君「承知いたしました」

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二人はしばらく黙ったまま宮中を歩いた。
タムソの思いつめた様子が気にかかり、延礽君はそっと彼女を窺う。

「…。」タムソは淑嬪の言葉をずっと反芻していた。
ずっと粛宗が父の仇だと師匠から聞かされて生きて来た。
当たり前のように信じていたけれど… それが事実ではないとしたら?

池を超えた辺りで、延礽君は足を止める。「何をそう悩んでいる?」
「あそこだ」延礽君は池の向こうに視線を移した。

タムソ「?」

気持ちの良さそうな東屋で、にこやかに笑っている男性の姿が見える。
風格のある佇まいに、一目でそれが王だとわかった。

タムソ「!」

【あなたなのですか?父を殺したのは…】

「父上にお会いするか?」延礽君の言葉に、タムソはハッとして振り返った。「!」
タムソはそれにはすぐ答えず、インジャの指示を反芻する。宮廷内の地理を覚え、王の顔だけ確認しろ、インジャはそう言ったのだ。
それ以外、いかなる早まった行動もしてはならぬと、タムソは念を押されていた。

タムソ「いいえ、今日はこのまま…」
延礽君「なぜだ。せっかくお膳立てしたんだから、挨拶しないとな」

「父上!」延礽君はタムソの心中をよそに粛宗を呼んだ。

タムソ「延礽君様!」

#だって、淑嬪に”殿下に謁見させてくれ”って言ってたやんねぇ

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ちょっと流れの途中ですが、ここで区切りますね。

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