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ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 14話vol.2

   

チュウォン、シム・ウンギョン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)14話後半です。

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一人悶々としているユジンのところへ、ネイルがやって来た。
「何を聞いて来たか分かってるから、浮かれんな」彼女が目の前に座ると、ユジンは一息に言って目を逸らす。

ユジン「言い間違えただけだ!オレがいくらうちのネイ…!!!」
ネイル「…。」
ユジン「そうだ。問題は♡マークだ」

彼は焦って携帯を取り出す。「♡マークを消してやる」

ネイル「先輩、もう大丈夫。留学できますよ」
ユジン「?…えっ?」
ネイル「まさかとは思ったけど、ホントに上手くいくとは♪」
ユジン「???」
ネイル「信じられない♪」
ユジン「何のことだ?」
ネイル「先輩の飛行機恐怖症、治せます」
ユジン「…?」

「先輩あのね、私…」ネイルが懐中時計を出したところへ、イラクとスミンが駆け込んできた。

イラク「お前、来月留学するってホントか?」
ネイル「!」
イラク「来月ならオレたちの公演終わってすぐだろ」
ユジン「…行かないから」
スミン「シュトレーゼマン教授がチャ様を連れて行くって。もう手続きに入ってるって聞いたけど」
ユジン「師匠が一人で決めただけだ」
イラク「そりゃオレらはずっとお前とくっついていたいけどさ」
スミン「チャ様ならウィーンフィルの指揮だって出来るし… 行かなきゃね」

「行かないって言ったろ!」ユジンは声を荒らげた。

イラク「…。」
スミン「…。」

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部屋に帰ってからもネイルは考え込んでいた。

ネイル(心の声)「お医者さんでも上手く催眠に掛けられなかったのに、私が成功するわけないよね」

彼女は懐中時計を箱に入れると、ベッドの下の奥の方へしまいこんだ。

ネイル(心の声)「偶然に決まってる。飛行機恐怖症が治らなかったら、先輩は来月外国に行けないから…」

彼女はハッとする。「行っちゃダメだ。もう会えなくなるかもしれないのに」

ネイル「行くとしても、もっと後。私も留学出来るようになってから」

#もー グズグズ言ってないでさっさとやっちゃいなさいよ イライラする

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イラクとスミンはミニのバイト先でコーヒーをすすっていた。

ミニ「それで、ホントに行くって?」
イラク「さぁ。行くには行くんだろうな」
スミン「行かないわけないよ。チャ様が行って、シウォンが行っちゃったら…」
イラク「?」
スミン「ついていっちゃおうかな♪」
イラク「シウォン?チョン・シウォン?」
スミン「(頷く)」
ミニ「トーゼン行かなきゃ。シウォン先輩のウィーン留学は決まったようなものだって、スミン先輩ずっと言ってたんだし」
イラク「だからって、今すぐの話じゃないだろ」
スミン「もうすぐ行くはずだけど?」
イラク「!」
スミン「公演が終わったら行くって」
イラク「…。」
スミン「一度もソリスト出来ないまま言っちゃうね。意地張るんじゃなかった。シウォンの名前書いてやれば良かったな」
ミニ「今更そんなこと言ったって仕方ないでしょ」
イラク「…。」

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「うん。今度の公演が終わったら、ウィーンに行かなきゃ」イラクの前で、シウォンは頷く。
彼らはイラクの父親の店のテラスでテーブルを挟んでいた。

※シューベルト 白鳥の湖より「セレナーデ」 はぅ…

イラク「ウィーン?わぁ…オレは死んでも行けないところだな」
シウォン「そんなこと言わないでよ。あんたも行け…」

「オレたち」シウォンの言葉を彼は遮った。

イラク「もう会えなくなるな」
シウォン「…。」
イラク「まぁ、オレたちそんな大した仲でもないしさ」
シウォン「…大した仲じゃなかったの?」
イラク「!」
シウォン「私たちが?」
イラク「実際そうじゃないか。別にオレたちペアリングとか着けてるわけでもないし」

「…。」シウォンは唇を噛み締めると、あっという間に彼の前から立ち去った。

イラク「…シウォン!」

追いかけようと立ち上がったイラクを、父親が引き止める。

父「あの娘は何でこうしつこく店に来るんだ?オレは会いたくないのに!」
イラク「…そんなこと言うなよ」
父「男みたいで、オレは気に入らん。コンマスの座を奪いやがって!」
イラク「やめてくれ!」
父「?」
イラク「奪ったわけじゃない。もともとシウォンの場所だったんだ。ソリストだって本当はシウォンがやるべきだったのに…」

「オレがなっちまうなんて」イラクは顔を歪めた。

父「お前!お前、ひょっとしてあの娘が好きなのか?!」

「…。」イラクはぎゅっと口をつぐみ、大きく頷いた。

父「そんな!!!お前っ!!!…あの娘のどこがそんなにいいんだ?お前の母親みたいな娘」
イラク「オヤジ…」
父「…。」
イラク「オヤジ、オレ一度だけ親不孝してもいいか?」

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R☆Sオケは、無言でオーケストラの演奏映像に見入っていた。
表情は冴えない。

開いたままの扉から覗いたユヌは、そんな彼らの様子をじっと眺めた。

ミニ「セヒョン大、ホントに上手い」
スミン「噂には聞いてたけど、ここまでとはね。私たち、大学オーケストラフェスで恥かくんじゃないかな」

ミニは映像を止めた。「ところで、この映像誰が持って来たんですか?」

ソンジェ「一番最初に来たのはオレだけど、そのときにはもうあったから、指揮者が用意したのかと思ったんだ」

「誰?」「誰なの?」皆が顔を見合わせる。

ミニ「先輩、変です。これって、あのときと一緒じゃ?」
スミン「Aオケと公演したとき!そうよ、あのときも練習室でAオケの演奏を聴いたんだった」
ジェヨン&ソンジェ「…。」
ミニ「不吉だな。また悪いことが起きたりしませんよね?」

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イラクもまた浮かない表情で学内を歩いてきた。
立ち止まり、上着をめくってみる。
彼の左手はギブスで固められていた。

イラク「…。」

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悲壮な姿で現れたイラクに、皆は驚愕した。

ミニ「先輩!」
スミン「怪我したの?どうして?!」
シウォン「!」
イラク「大したことじゃないって。家の前で… こけちまって」

「…。」ユジンが向こう側で目を閉じた。

ミニ「本当に?大丈夫なんですか?」
スミン「そしたら… 演奏は?」
イラク「軽いケガだから、治ったら演奏に支障はないって」

シウォンがホッと胸を撫で下ろす。

イラク「けど、新しいソリストを選ばなきゃいけないみたいだな」

皆が顔を見合わせる。

イラク「チョン・シウォンにしよう」
シウォン「!」
イラク「曲を変えるわけには行かないだろ」

ジェヨンとソンジェがうんうんと頷く。

ユジン「一日だけ考えよう」

イラクは力なく頷いた。

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一部始終を静かに見守っていたユヌは、部屋を出たユジンに続いた。「あんな状況じゃ繕いようがない」

ユジン「…。楽しいか?」
ユヌ「オレなら一から始める。後々のためにもその方がいい」
ユジン「…。」

ユジンは何も言わず、ユヌに背を向けた。

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イラクは学内の庭で一人ぼんやりしていた。
そこへ現れたのはシウォンだ。

イラク「シウォン…」
シウォン「気をつけなさいよね。その手は一体どうしたのよ?」
イラク「大丈夫だって。忙しくないのか?留学準備に公演まであるのに」
シウォン「今留学がどーのなんて問題じゃないでしょ」

彼女はイラクの左腕を覗きこんだ。「見せて」

イラク「大丈夫だって」

「見せてってば」シウォンは彼の左手の指を掴む。

イラク「ホントに大丈夫だからさ。痛いとかそんなんじゃないんだから」

彼女はポケットから何かを出し、さっと彼の指に嵌めた。

イラク「?」

彼の左手の薬指に、指輪がキラリと光る。

イラク「!」

彼が驚いてシウォンを見上げると、彼女は自分の左手の指輪を誇らしげに見せた。

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シウォン「これで私たち大した仲になった?」

「…。」何も言えず、彼はもう一度自分の左手を見つめる。

シウォン「大した仲として言わせてもらうけどさ、浮気したらタダじゃすまないからね。チラ見したって許さないから」
イラク「(頷く)うん」
シウォン「さっと行って、さっと帰って来るから」

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#イラクの将来が思いやられる…

二人はかつてそうしたように、互いの拳をコツンと合わせた。
今度は愛の指輪も共に。

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「夕食は自分で食べろ」イラクの家に向かいながら、ユジンはネイルに電話を入れる。

ユジン(電話)「オレはお前のメシ屋か?!電話で注文なんて冗談じゃない」

「?」イラクの家の前までやってくると、彼は驚いて立ち止まった。2階からバイオリンの音が聴こえてきたのだ。

ユジン「…。」

+-+-+-+

撮影当日になっても、R☆Sオケは飽きもせずに盛大に啀み合っていた。
彼らの中央で、ロミオとジュリエットが困って顔を見合わせる。

イラク「…。」
シウォン「…。」

放送局のスタッフが入ってくると、真っ二つに分かれていた彼らは、何事もなかったように笑顔で集まり、チームワークをアピールした。

ディレクター「実に和気あいあいとしてますねぇ!この番組の方向性は皆さんよくご存知のことと思います。大学オケの友情とクラシック!皆さんご協力お願いしますよ」

「じゃ、カメラを回収して」ディレクターの声に、スタッフが彼らの後ろに回る。

一同「カメラ???」

スタッフが暗幕をめくると、その後ろにいつの間にかセッティングしてあったカメラが現れる。

ディレクター「観察カメラですよ。撮影前の皆さんのリアルな様子を入れたくて、学校の許可を得て仕掛けておいたんですが、何も聞いてなかったんですか?」

一斉に彼らの顔が引きつった。

イラク「いつ仕掛けたんですか?」
ディレクター「昨夜です」
一同「(絶望)」
ディレクター「本当に聞いてないんですか?」

「昨夜…?」イラクは記憶をたぐり寄せる。

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ユジンが学長に呼ばれた。

学長「放送局が番組を取り消すって。どうなってるの?本当に知らなかったの?放送を断られるくらいメンバー同士で喧嘩するなんて!」
ユジン「申し訳ありません」
学長「放送局はあなたに前もって知らせたって」
ユジン「はい。聞きました」
学長「それなのにどうして?一体どうなってるのよ!」
ユジン「…。」

+-+-+-+

ネイルは全く気の乗らない様子で、ぼんやりとピアノを鳴らした。
ト教授が廊下でネイルの背中を見つめていると、そこへユヌがやってくる。

ユヌ「レッスンなさらないんですか?」

「…。」ト教授は中のネイルをチラリと見やる。「ネイルの意欲がないんだ」

ト教授「一度のコンクールであの調子じゃいけないんだが」
ユヌ「それだけ全て注ぎ込んだからですよ。もう少しだけ待ってやってください」

ト教授が立ち去ると、ユヌはレッスン室に入った。
彼が鍵盤をポンと鳴らすと、ネイルがハッとして顔を上げる。

ネイル「…。」
ユヌ「一緒に弾く?」

二人は並んでピアノを鳴らし始めた。

※The Celebrated Chop Waltz 日本では「トトトの歌」なんて呼ばれている曲ですね。すごく懐かしい^^

キリの良いところまで弾くと、ユヌはそこで手を止めた。

ネイル「?」
ユヌ「つまんないだろ」
ネイル「…。」
ユヌ「楽しくない時は弾いちゃダメだ。辛い時はとことん苦しんだほうが早く立ち直れる」
ネイル「先輩。私、自分がこんなに悪い子だと思いませんでした。私ってホント自分勝手。ユジン先輩はあんなに辛いのに…」

「はぁ」ネイルの言葉を、ユヌは溜息で遮った。「聞きたくないな。チャ・ユジンの話は」
「…ごめんなさい」ネイルは律儀に頭を下げる。

ユヌ「いいんだ。話してみて。チャ・ユジンがどうしたの?」

「あの…」ネイルは言い出せずに下を向く。

ユヌ「?」

そこへネイルの携帯が鳴り出した。

ネイル「もしもし、うん、ミニミニ。何?」

「!!!」ネイルは思わず立ち上がった。

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ユジンが学長室を出て来たところへ、イラクが酷く慌ててやって来た。「大変だ!」

ユジン「?」

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ミニたちはPCを囲んでいた。
R☆Sオケが内部分裂のために解散の危機だと、記事が上がっていたのだ。

ユヌがユジンよりも先にやって来た。

ミニ「どうしよう。私たちのせいでユジン先輩が退学にでもなったら…」

#何でそーなるんだか

スミン「まさか!チャ・ドンウの息子で、シュトレーゼマンの弟子なのに、退学にするはずないでしょ」
ユヌ「誰かが仕組んだような気がしないか?」
皆「?」
ユヌ「考えてみたら、最近気になる事が多かった」

ミニとスミンが頷く。

ユヌ「まずは、誰が持って来たか分からないセヒョン大の映像」
ミニ「そうです。前にもあったのと同じ!」
ジェヨン「オレじゃないぞ」
ミニ「誰も言ってませんよ」
ユヌ「二つ目は観察カメラ。チャ・ユジンがそれを忘れてたって言うのが最大の不幸だ。そして記事が出て、理事会召集…。それで得する人物は誰だ?」
ミニ「セヒョン大じゃないですか?代わりにテレビに出て、ルーサーとの契約も進めるって」
ユヌ「それなら、とりあえずセヒョン大の動きから辿らなきゃな。スクリーンとプロジェクターをそんなに遠くから持って来られるわけないし」
スミン「じゃあどこから?」
ユヌ「調べてみるよ」

「ところで…」ユヌの目が鋭くなる。「狙われたのは… オーケストラなのか?チャ・ユジンなのか?」

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ユヌがやったのは事務局だ。
「ここにサインして」そう言って、職員は彼に物品貸与届のファイルをを差し出した。

職員「最近オーケストラでよくプロジェクターを使うのね」
ユヌ「?」
職員「プロジェクターのあるレッスン室を使えばいいのに」

「うちのメンバーが借りたんですね」ユヌはそう言いながら、さり気なくファイルを開く。

「!」彼の視線はファイルのある一点で止まった。

#何急にサスペンスになってんの?

一番下に「プロジェクター」の文字がある。ずっと横へ辿って行くと…?

ユヌ「!」

※右の方に借りた人物の学科名が書いてあるけど、「ピアノ科」の文字が一瞬見えたような。

ユヌ「本当にこの人が借りに来たんですか?」
職員「そうよ」

+-+-+-+

「こんな赤っ恥は初めてよ!!!」集まった理事たちに、ユジンは集団で責められていた。

#一介の学生を捕まえて何をやってるんだか さっぱり理解できん。ただただ不愉快

口答えをすることもなく、ただ責められるユジンを、イラクたちは何も出来ずに見つめる。

ずっと離れていたところで、ネイルもまたユジンの様子を見ていた。
そこへ現れたのはト教授だ。

ネイル「…こんにちは」
ト教授「チャ・ユジンがあんな扱いを受ける日が来るとは。教授並みの扱いを受けてたやつがな」
ネイル「先輩、留学さえすればあんな辛い思いをすることもありませんよね」
ト教授「少なくとも、あんな目には遭わないだろう」
ネイル「そうですよね」

「留学したら伸び伸びと飛び上がるだろうなぁ」ネイルは空を見上げた。

ネイル「飛行機にさえ乗れば」

+-+-+-+

ユヌは学長の元へやって来た。

学長「あぁ、ユヌ。久しぶりね」
ユヌ「えぇ、学長。僕、R☆Sオケに入ったんですけど」
学長「聞いたわ。おめでとう。私、行かなきゃならないの。また会いましょう」

「ごめんね」歩き出そうとした学長を、ユヌが引き止める。「ひょっとして…」

ユヌ「学長も許可なさったことなんですか?」
学長「?」
ユヌ「チャ・ユジンです。今、チャ・ユジンがやってること」
学長「…。」

~~~~~

「放送局は前もってあなたに知らせたそうだけど」憤慨する学長に、ユジンは頷いた。

ユジン「はい。聞きました」
学長「それなのにどうして?問題がありそうな学生には先に言っておくようにって、そこまで言われたんでしょう?」
ユジン「…。」
学長「まさか忘れたの?」
ユジン「いいえ。わざわざ言う必要はないと思って、黙っていました」
学長「ユジン!」
ユジン「メンバーたちに見せたかったんです。今、自分たちがどんな姿なのか」
学長「…。」

~~~~

+-+-+-+

ユジンがイラクのところへやって来た。
彼はイラクの左手のギブスをチラリと見ると、小さく笑い、隣に腰を下ろした。

ユジン「それ、もう解けよ」
イラク「?」
ユジン「公演が出来るかどうかも分からないんだから」
イラク「…知ってたのか?」

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イラクは苦笑いし、俯いた。

ユジン「お前の家に行ったら、2階からバイオリンの音が聴こえてきた」
イラク「…。」
ユジン「シウォンにソリストを譲ろうとしたんだろ」
イラク「…あぁ。ソリストとしてはシウォンの方がいいからさ」
ユジン「…。」
イラク「留学する前にソリストをプレゼントしたい気持ちもあったけど、本当に… オケにはシウォンの方がいいんだ」
ユジン「…ユ・イラク」
イラク「?」
ユジン「オレにとって、お前以上のソリストはいない」
イラク「!」

言葉を失うイラクを残し、ユジンは歩き出した。
「…。」イラクは急いで上着を羽織り、元気にユジンを追いかける。

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重苦しい雰囲気の中、ユジンはR☆Sオケのメンバーの前に立った。

ユジン「どんな決定が下るかは分からない。どこまで覚悟すべきかも」
一同「…。」
ユジン「お前たちに訊きたい。本当に一緒にやって行きたいのか」

シーンと静まり返ったまま、誰も口を開かない。

ユジン「結論はお前たちが出せ」

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「どうなったんですか?」ネイルが訪ねた。

ユジン「さぁ。理事長の決定に従うだろうな。簡単には済まないだろう」
ネイル「懲戒を受けるとしたら、どれくらいになるんですか?」
ユジン「見当もつかない」

「あ、催眠治療のことなんですけど」ネイルが恐る恐る切り出す。

ユジン「急に何だよ?」
ネイル「お医者さんでも上手くいかないんですよね?」
ユジン「自意識が強いか、信頼が足りないか、そんなところらしい」
ネイル「信頼?」
ユジン「相手が受け止めてくれると信じて倒れられるくらいなら、催眠にも掛かりやすいらしいけど、医師を信用してないんだろうな」
ネイル「それなら、相手をすごく信じてたら、催眠に掛かるってことですか?」
ユジン「そうみたいだ。相手によるんだろう」

「…。」ネイルは真っ直ぐにユジンを見つめ、嬉しそうに微笑んだ。「先輩、私の事めちゃくちゃ信じてるんデスね♥」

ユジン「(微笑)信じてないぞ」

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自信を得たネイルは、いよいよ決心がついた。
彼女はもう一度ユジンを催眠に誘い込む。

「深く、もっと深く…」揺れる振り子がまるでスイッチかのように、ユジンは素直に催眠状態に落ちた。

ネイル「飛行機事故のときに戻りますね。先輩は今、韓国からベルリンに向かう飛行機の中にいます。何が起きましたか?」
ユジン「おじいさんが… ヴィエラ先生のファンのおじいさんが座ってた…」

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飛行機の中でユジンが眺めているパンフレットを、一人のおじいさんが覗いた。「君もベルリンフィルを観に行くのかい?」
ユジンはニッコリと微笑む。「はい。ヴィエラ先生は僕の師匠なんです」

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おじいさん「おぉ、すごい師匠をお持ちだねぇ。セバスチャン・ヴィエラ、本当に立派な指揮者だ」

「おじいさんはヴィエラ先生の公演ならどこへでも追いかけて行くのよ」一緒に旅行をする夫人が言う。

夫人「体も良くない人が」
おじいさん「観るたびに良かったって、また行こうと言うのは誰だい?」

そうやって夫婦は幸せそうに笑う。

その直後、悪天候で飛行機は急に揺れ始めた。
「あっ!」驚いたおじいさんが、ユジンのすぐ後ろの席で左胸を押さえる。
心臓に持病を抱えていたのだ。
ユジンの隣に座っていたソニョンが急いでユジンにシートベルトをつける。
おじいさんは薬を出そうと、バッグに手を伸ばした。

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「先輩は今… 何をしていますか?」ネイルは慎重に問いかけた。

ユジン「薬の瓶… 薬の瓶を取ろうとしたのに… 」

彼の目から不意に涙がこぼれ落ちる。

~~~~

激しい揺れの中で、バッグから出した薬の瓶がおじいさんの手から滑り落ちた。
それはコロコロと前へ転がっていく。
拾おうとして、ユジンはシートベルトを外し、立ち上がった。

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ユジン「… 拾えなかったんだ。掴んだのに…」

拾い上げようとした瞬間、幼い彼は揺れのために倒れ、気を失ってしまったのだ。

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悲しそうに涙を流すユジンの前で、ネイルは穏やかに微笑んだ。

「大丈夫ですよ」そう言うと、彼女の目にも涙が滲む。

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ネイル「先輩はおじいさんを助けるために、出来るだけのことをしたんです」
ユジン「どうしようもなかったんだ…」
ネイル「そうです。先輩のせいじゃないですよ」
ユジン「…。」
ネイル「もう… 自分を責めなくても、怖がらなくてもいいんです」

ずっと封じ込めていた悲しみが溢れ、ユジンの目からとめどなく涙が流れる。

ネイル「もう少しして、アラームが鳴ったら、目を開けてください。目を開けたら、もう先輩は… 先輩はもう飛行機に乗れます」
ユジン「…。」
ネイル「飛行機に乗って、どこへでも… どこへでも行けるんです」

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ここでエンディングです。

最後の数分でボロ泣きしたお陰で、それまでのどうしようもないグズグズっぷりが全部吹き飛びました。
はぁ… 脱力

原作から外れたら、そのたびにお約束みたいにメチャクチャになる。
本気で全10話ぐらいに編集し直したほうがいいと思うよ。

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