韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 6話vol.2

   

チュウォン、シム・ウンギョン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)6話後半です。

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「ユン・イソン先生の夕食に招待されたって?」鏡の前で着替えるユジンを見上げながら、イラクが言った。

イラク「はぁ、オレらが失った点数、お前が総取りだな」
スミン「(うっとり)さすがチャ様だわぁ♥ファンで幸せ♪」

「ソル・ネイルは?」ユジンが振り返る。「どこ行ったんだ?」

スミン「知らない。最近魂抜けたようにぼ~っとしちゃって。気味悪くてたまんないわ」

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庭の焚き火のそばで、ユン教授はワイン片手に上機嫌だった。

ユン教授「音楽祭を開催して良かったと久しぶりに確信したわ」

「ありがとうございます」彼女の前に立っているユジンが頭を下げる。「師匠は体調が悪くて」

ユン教授「(笑)隠さなくていいんですよ。分かってますから」
秘書1「さすがマエストロ推薦だけのことはありますね」
ユン教授「たったの一人だけですよ。他は全部最悪です」
ユジン「…。」
ユン教授「チャ・ユジン君がいなければ、学校に抗議するところだったわ。フランツは一体何を考えているのかしら」
秘書2「ソン学長に一途だって噂がありますけど、そのせいじゃないですか?」
ユン教授「どうかしら。実力は底辺のバイオリニスト、情熱ばかりのティンパニスト、それに譜読みも不確かなピアニストを一体どうして推薦したのか」
ユジン「…。」
ユン教授「特にあのソル・ネイル。ちょっと叱っただけで飛び出すなんて!あんな学生のせいで、他の音大生たちが罵倒されるんですよ」

「…。」ユジンは、震えながら自分の手を握ったネイルの姿を思い出した。
あいつ…。

ユン教授「皆揃って基礎がなってないわ。最悪です」

「最悪なんかじゃありません」ユジンの言葉に、皆がワインを飲む手を止める。

ユジン「実力は底辺ですが、感性で楽しむバイオリニストです。情熱が過ぎますが、誰よりも優れ、誠実なティンパニストです」
一同「…。」
ユジン「やる気がないんじゃなくて、純粋にピアノを楽しむピアニストなんです」
ユン教授「…。」

「すみません。失礼します」ユジンは絶句する彼らを前に、場を後にした。

#ユジンを呼びつけ、焚き火のそばで赤ワインを飲む教授と秘書。
学生の前で学長と巨匠がどうだとかニヤニヤ噂する秘書。
ユジンの堂々としたセリフ以外、どうにも気味悪いシーン(爆)です…。

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ユジンはいつの間にか走り出していた。

#思わず駆け出すユジン先輩♥ 6話冒頭からここまでで、初めて私の感情が動きますた(笑

施設の中を、彼は誰かの姿を探し回る。
ひと通り探しまわり、彼は途方に暮れた。

ユジン「食堂、カフェ… 売店にもいなきゃ、どこ行ったんだ?ソルレバル」

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一人静かに佇むシュトレーゼマンの元へやって来たのは、ユヌだ。

ユヌ「先生、今日もお時間をいただくのは無理ですか?少しでいいんです」
シュトレーゼマン「Oh、これは…。私を追い回す時間があるとは、暇なんですね、イ・ユヌ君」
ユヌ「…。」
シュトレーゼマン「確かに、チェロを弾かないなら時間を持て余すでしょう。やりたいことをなさい。また弾きたくなるまで」

ユヌはどこか泣き出しそうな目でシュトレーゼマンを見つめる。
シュトレーゼマンは穏やかに微笑み、立ち去った。

ユヌ「やりたいことをやっても… それでも弾きたくないんです。どうすればいいんでしょうか、先生…」

そのとき、ユヌの耳に美しいピアノの音が聴こえてくる。「?」

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誰もいない小さなホールで、ネイルはピアノを弾いていた。

音を頼りにやって来たユヌは、開いたままの扉から中を覗き、顔をほころばせる。

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ユヌ(心の声)「速い!まるでリヒテル(※スヴャトスラフ・リヒテル)の演奏を聴いてるみたいだ。こんなに速く弾くことが出来るのか?!いや… この感じはテンポの速さだけじゃない!」

ユヌの顔がみるみるうちに輝く。

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ユヌ(心の声)「 『水の戯れ』僕も演奏したい!」

※ラヴェル『水の戯れ』
参考:こちらで楽譜と演奏が聴けます。
ものすごくきれいな曲ですよね。

「?」ネイルが不意に演奏を止める。

ユヌ「…すみません。盗み聞きしようとしたわけじゃないんですけど」
ネイル「…。」

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ネイルのいたホールの前にユジンがやって来た。
「?」扉が開いているのが気になり、ユジンはゆっくりとそこへ近づく。

ネイル「いいんです。私も勝手に入って弾いてたから」

ユジンが見たのは、ピアノのそばで話しているネイルとユヌだ。

ユヌ「けど、どうして評価会で弾かずに一人で?」

「…。」ネイルは少し考えて微笑む。
ユジンはそっとホールの前を離れた。

「?」入り口で人影が動いたのに気付き、ネイルは慌てて駆け出す。

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「先輩!」帰って行くユジンを、ネイルが追いかけた。

ネイル「私、評価会してたんです。一人でやっただけだけど… ちゃんと出来ました。ホントに一生懸命やったんですから」
ユジン「…。」

背を向けたまま何も言わないユジンに、ネイルは不安を募らせた。

ネイル「オラバン、私…」
ユジン「来るな」

近づこうとしたネイルが足を止める。「?」
振り返ったユジンは少し怒っているように見えた。

ユジン「ついて来るな。何でこう気に障るんだ?ずっと人をつけ回して、何でこんなにイライラさせるんだよ!」
ネイル「!」
ユジン「…。」
ネイル「オラバ… 先輩。私、何か悪いことしちゃいましたか?」

「…。」ユジンは半分自分に嫌気が差し、固く目を閉じる。

ネイル「すごく腹が立ってるんですか?私のせいで?」

ユジンはただ黙ってネイルを見る。

ネイル「なんだか分からないけど、ごめんなさい」

ユジンは大きく息をつき、ネイルに手を差し出した。「こっち来い」

ネイル「…。」

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ネイルがなかなか手を伸ばせず、モジモジしていると、ユジンは少し苛立ったように彼女を片手で引き寄せ、肩を抱いた。

ネイル「!」

#ええええーーーーーーっ

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#そして、ネイルに肩を回したときに、ユジン先輩のシャツのボタンがギューッと引っ張られてる↑↑↑のが良い(爆)

ネイル「…。」
ユジン「あんまり喜ぶんじゃないぞ」

ユジンは歩き出した。

ユジン「寒いしな。暗いから、また転んで擦りむくんじゃないかと思っただけだ」
ネイル「…。」
ユジン「お前、初授業で逃げ出したんだってな」
ネイル「…。」

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部屋に戻ったユヌは楽器をめくっていた。
ふと、目の前に置いてあるチェロに視線を向ける。

PDAを手に取ると、空欄になっているリストの5番目を書き入れた。

5.指が許す日まで、チェロを弾く

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ミニが働くカフェに、オーボエ先輩がやって来た。

オーボエ君「大変だろ。こういうの、オッパが手伝ってやらなきゃいけないのに」
ミニ「大丈夫です。仕事ですから」
オーボエ君「辛いことがあったら言えよ。オッパが助けてやるからな」

そこへやって来たのは… ミニと同じエプロン姿のクラリネット先輩だ。「中の準備できたぞ。他に手伝うことは?」

オーボエ「…。」
クラリネット「…。」

二人が揃ってミニの前から消えたところで、音楽祭から帰ったネイルが入って来た。

ネイル「ミニミニ、チェ・ドギョンが社長の息子さんと付き合ってるって、ホント?」
ミニ「うん、ピンときた。嫁みたいだったもん」

「良くやった!」二人は手を叩き合う。
まさかソニョンの息子=ユジンだとは、知る由もなかった。

ミニ「今日終わったら音楽祭のこと聞かせて。有名な人たちがたくさん来たんでしょ?いろいろ習った?」
ネイル「うん^^; ところで、ミニミニ、私オラバンに褒められちゃた♪頭ポンポンしてくれたんだ♪」

そこへ通りかかったのがカフェの社長、ソニョンだ。

ネイル「休暇をくださってありがとうございます。お陰で無事行ってきました」

#もうバイトしてたのか。

ミニの元へ駆けていくネイルを、ソニョンは少し呆気にとられたように目で追った。

ソニョン「子どもみたいねぇ。まぁ、性格が良ければいいわ」

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ユヌはソウルへ向かっていた。

運転手「なぜ急にソウルへ?奥様はそのまま出国なさると思っておいでですが」
ユヌ「やりたいことが出来たんです。面白いことが」

そう言ってユヌは微笑む。
彼はリストの6番目を書き込んでいた。

6.一度も付き合ったことのないような、変わった女の子と恋をする

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ユヌが尋ねたのは、韓音大のソン学長の元だった。
彼は韓音大の学生になることにしたのだ。

学長「天才チェリストのイ・ユヌ君が、なぜ敢えてうちの学生に?」
ユヌ「もしご迷惑なら、聴講生としてでも」
学長「うちは歓迎ですよ。だけど、ジュリアードの学生が韓音大へ来る理由がないのでは?」

「競争に疲れたんです」ユヌは意外な言葉を漏らした。

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学長「?」
ユヌ「一度くらい競争ではなく、音楽を楽しみたいんです」

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学長は深く頷いた。

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今日もシウォンたちAオケの3人組は、イラクの父親の店に食事に来ていた。
レジに身を潜め、イラクはシウォンを見つめながら一喜一憂する。

イラク父「あいつらまた来たのか。やれやれ、お客様を追い返すわけにはいかないし」
イラク「え?誰?」
父「誰って、コンマスの息子を負かした頑固女だそ」
イラク「!」
父「髪さえ長けりゃ女か?女はな、しなやかで柔らかくなくちゃ」
イラク「あのときはオケ同士の対決だったんだから、仕方ないって^^;」

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いつの間にか後ろに立っていたイラクに気づくと、シウォンはキョトンと彼を見上げた。

シウォン「あんた、何でそこにいるの?」
イラク「お、オレはお前に話が…」
シウォン「?いいよ、話しなよ」

イラクはシウォンにさっと耳打ちすると、超スピードで逃げ去った。

シウォン「?」

ジェヨン「何だ?あいつ。変態みたいに」
ソンジェ「だよな。何て言ったんだ?」
シウォン「オレは変態じゃないって…」

ジェヨンとソンジェは笑って食べ始める。

シウォンはなんとなく気になって、イラクの逃げた方を振り返った。「…。」

イラク「はぁ…。綺麗だ♥」

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「ユン・イソン音楽祭から届いた公式抗議書です」ト教授が学長に書類を差し出した。

ト教授「うちの学生たち、しっかり問題を起こしたようですね」
学長「…。」
ト教授「特にソル・ネイルは全てのマスタークラスのレッスンを欠席したそうです。ユ・イラクは実力不足、マ・スミンは講師にバチを飛ばし、それにチャ・ユジンは!」
学長「チャ・ユジンまで?!」
ト教授「…。理事長は全員を処罰なさるようです」

学長は憂鬱な溜息をついた。

#こういうのホントにやめてほしい(マジ)

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理事長の前に教授たちが集まった。
シュトレーゼマンも同席する。

理事長「いらっしゃいましたか、シュトレーゼマン教授。どちらに投票するか決めるのに、随分時間が掛かりますね」
教授たち「…。」
シュトレーゼマン「それなら、今決めましょうか?私がAオケにするでしょうか?Sオケでしょうか?」
理事長「さぁ」
シュトレーゼマン「この場はチャ・ユジンと落ちこぼれたちのための集まりですから、まずはそれを解決しましょう」
理事長「学生たちのことを”落ちこぼれ”ですって?」
シュトレーゼマン「みんなそう呼んでるじゃないですか」

アン教授がニッコリ微笑んだ。

理事長「…。」
学長「(シュトレーゼマンに)教授、ここはユン・イソン音楽祭の推薦生たちの処罰を話し合う場です」
ト教授「その学生たちを推薦なさったご本人は、どういうお考えですか?」
シュトレーゼマン「Oh、本当ですか」
学長「…。」
シュトレーゼマン「もちろん問題を起こしたのなら罰を受けるべきですが、学校のスターまで処罰対象なんですネ」
理事長「…。」
シュトレーゼマン「こんなことなら断ればよかった」
学長「何のことですか?」
シュトレーゼマン「インタビューです!」

#こういうのホントにやめてほしい(リピート)
それに、違反を犯したわけでもなし、処罰って何?

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「オラバーン」部屋の2階で着替えるユジンの元へ、ネイルが飲み物を持って上がってきた。

ネイル「これからオラバンの健康は私が守りますヨ。なぜかって、大事な人だから~」

ネイルが差し出した飲み物を、ユジンはまんざらでもなさそうに飲み干した。

ネイル「飲む姿までステキ♥」

ユジンは空になったグラスをトレイに戻す。「うるさいぞ」

ユジン「人の家に無断侵入するな。もう帰れよ」
ネイル「はぁい♪ 朝ごはん食べてからね」
ユジン「!」
ネイル「ゆっくり下りてきてくださぁい♪」

ユジンはネクタイを締めながら溜息をついた。

ユジン「あのジジイ、何でスーツ着て来いって言ったんだか」

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大学のロビーを通りがかったところへ、一人の女性が駆け寄ってくる。「チャ・ユジンさん!」
彼女は、ユン・イソン音楽祭に参加していた「月刊クラシック」の記者だった。

パン記者「インタビューの準備は出来ていますから、移動しましょう」
ネイル「うちの先輩を?」
ユジン「チャ・ドンウの息子だからってインタビューに答える義務はありません」
パン記者「チャ・ドンウさんとは関係ないんですが。マエストロシュトレーゼマンから何も聞いていませんか?」
ユジン「?」
パン記者「代理人としてチャ・ユジンさんへのインタビューを許可なさったんです」
ユジン「教授が?」
ネイル「ミルヒが?」
パン記者「あの方の弟子なんでしょう?」
ユジン「…。」

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「きっといい興行になるはずですよ」シュトレーゼマンは強調した。

シュトレーゼマン「シュトレーゼマンの弟子で、あのルックスなら」
理事長「教授、教育の場でそんな言葉を使わないでください。チャ・ドンウの息子だからというインタビュー依頼を断ってきたチャ・ユジンが学校のために一肌脱いでくれるなら、処罰は考えてもいいでしょう」
シュトレーゼマン「さすが商売人。物分かりがイイ」
理事長「マエストロ!!!失礼なことを!!!」
シュトレーゼマン「これ以上、音楽で商売をしようなどと考えないことです。これ以上ふざけたことをすれば、あなたの大事な名誉、私がぶち壊しますよ」

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「フランツ!待って!」学長がシュトレーゼマンを追いかけた。

シュトレーゼマン「Oh、ミナ。またワタシのせいで…」
学長「いいえ。誰かが私の代わりに言ってくれたらと… そう思っていた言葉だったんです」
シュトレーゼマン「…。」
学長「だけどフランツ、もう決めなきゃならないんです。これ以上引き伸ばしたら、どちらのオーケストラもなくなるかもしれない」
シュトレーゼマン「…。」
学長「Sオケなのか、Aオケなのか… 私にはおっしゃってください」
シュトレーゼマン「ミナ、それはワタシたちが選択することではありません」
学長「フランツ!」
シュトレーゼマン「時間がかかっても、あの子たちが自分で選択出来るようにしてやらないといけないんです」
学長「…。」

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静かな駐車場で、理事長は車の窓を開けた。「ト教授」

理事長「やはりあの人を排除しなければいけないわ」
ト教授「シュトレーゼマン教授ですか」
理事長「学園祭までは我慢しなければ。学園祭を台無しには出来ないもの。その後、追い出してくださいな。いえ、追い出して!」

黙りこむト教授の目の前で、車の窓が閉まる。

#何なのこれ

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「えぇ?!協奏曲?!」ユジンはカメラの前で驚いてグラスを置いた。

インタビューが行われているのは、イラクの父親の店のテラス席だ。

ユジン「僕がピアノ協奏曲を弾くって?」

「ピアノですか?私は賛成!」ネイルが勝手にやって来て隣に座る。「先輩、ピアノすごく上手なんです♪」

ユジン「教授が本当にそう言ったんですか?いつ演るって?」
記者「秋の学園祭のときだって」
ユジン「どんな曲をやると言ってました?」
記者「グリークのピアノ協奏曲ですよ」(←えっ?!
ユジン「指揮は?」
記者「マエストロ… シュトレーゼマンと一緒にやるんじゃなかったんですか?」
ユジン「教授自ら指揮を?」

「ミルヒと一緒に?」ネイルが顔を輝かせる。

記者「… 違ったのかしら?行き違いがあったみたい」
ユジン「いえ、やります!マエストロシュトレーゼマンの指揮です!見逃せない機会ですよ」
記者「ひょっとしてガールフレンドは…」

そう言いかけて、記者は隣でアピールしているネイルをチラリと見る。
そのとき、不意に誰かが現れた。「インタビューやるって聞いたけど、ホントだったのね」
トギョンだ!

トギョンは当然のようにユジンの隣に座った。

トギョン「ソル・ネイル、相変わらずしっかり世話焼いてるのね」
記者「どちら様?」
ネイル「ミス韓音で、先輩の元彼女です。今の彼女はワタシです!」
記者「あぁ、ミス韓音ね。どうりで^^」

「2ショットを撮って」記者は後ろのカメラマンに指示した。

記者「本当に元彼女なんですか?」

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「あの… 少し退いてもらえません?」記者は真ん中で邪魔をしているネイルに淡々と告げる。

ネイル「え?私がどうして!」

「私が退かないと」トギョンは余裕の微笑みを浮かべた。

トギョン「私たち、ただの男と女ですから^^(ユジンに)ここにいるって聞いて、挨拶しに来ただけなの。インタビュー、しっかりね」

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珍しく、シュトレーゼマンとユジンは二人きりで音楽の話をしていた。

シュトレーゼマン「若さと主観的なテンポを大事にするといいでしょう。作曲家の意図、演奏スタイル、何よりもオーケストラがついていけるテンポを把握することが何よりも重要です」

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シュトレーゼマンの話にユジンは熱心に聴き入る。

シュトレーゼマン「健康管理も大事ですよ。酔うと脈が早くなって、テンポが乱れますから」
ユジン「(皮肉を混じえ)えぇ、酒には気をつけます」
シュトレーゼマン「ヴィエラみたいに退屈に生きていれば、音楽もお固くなります」
ユジン「ヴィエラ先生は経験を重ねて音楽に深みが出たと評価されていますが」
シュトレーゼマン「年をとって脈拍が遅くなったから、音楽も遅くなったんでしょ」
ユジン「…。」
シュトレーゼマン「ふん、私は例外ですヨ。老いたんじゃなくて成熟したんですからネ」

「えぇ、えぇ」ユジンは宥めるように頷く。

シュトレーゼマン「指揮者が指揮台に上がるのは、まさか団員たちを見下ろすためだと思っていないでしょうね」
ユジン「団員たちがよく見えるようにするためです」
シュトレーゼマン「それが分かっているなら、キミはまず謙遜から覚えなさい」

二人は揃ってプッと噴き出した。

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ユジンがデスクの上を片付けている後ろで、シュトレーゼマンはのんびりソファで寛ぐ。

シュトレーゼマン「キミなら…」
ユジン「?」
シュトレーゼマン「どちらのオーケストラを選びますか?」
ユジン「え?」
シュトレーゼマン「伝統と努力を備えたAですか?それとも、自由な感性を持ったSですか?」
ユジン「…。」

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考えるユジンを、シュトレーゼマンは愉しげに眺める。「一度考えてご覧なさいヨ」

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「もうすぐ試験なのに、覚えること多すぎる!」シュトレーゼマンの教授室の前で、ネイルはテキストをめくりながらユジンが出てくるのを待っていた。

そこへユジンが考え事をしながら出てくる。

ユジン「…。」
ネイル「先輩!勉強教えてください!」
ユジン「…。」
ネイル「試験があるんだけど、このままじゃ留年しちゃいそう。どうしよう~単位落としたら困るのにぃ」

ネイルの声も耳に入らないまま、ユジンは考えに耽っていた。

ユジン(心の声)「どっちのオケが正しいんだろう。いや、音楽に正しい道なんてあるんだろうか…?クラシックは間違いのない演奏をしたときが一番美しく、完璧な音楽性を誇るのは確かだ。徹底的に計算された完璧な音を、約束通りに作り出す。オレの解析もそうだ。けど…大衆と疎通できない音楽に、果たして価値があるんだろうか。自由なスタイルを拒む伝統クラシックだって、生まれた時は流行に乗って生まれたんじゃないか」

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「だから、晩ご飯食べてから私と一緒に…」そう言いかけて、ネイルはじっと黙っているユジンの横顔に口をつぐんだ。

ネイル「先輩?先輩?!」
ユジン「黙って待ってろ。考えてるところなんだ」
ネイル「…。最近考え事ばかりで、私と遊んでもくれないんデスね」
ユジン「…。」
ネイル「じゃ、今日は何を食べたいですか?」

「黙ってろって」ユジンはネイルを乱暴に押しのけ、ぼんやりと歩き出した。「…。」

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ネイル「3つ数える間に来てくれたら許しマス!1」
ユジン「…。」
ネイル「2!」
ユジン「…。」
ネイル「2.5!」
ユジン「…。」
ネイル「2.55!」
ユジン「…。」

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「もう3になっちゃう」ネイルは困ってユジンを見上げた。

「相変わらずですね、二人とも」不意に誰かの声が聞こえた。

ネイル「?」

そこでネイルを見下ろしていたのは、ユヌだ。
彼はうずくまっているネイルに、手を差し出した。

ネイル「…。」

ユジンの見ている前で、ネイルは困った末に、ユヌの差し出した手を…

…取った。

ユジン「…。」
ユヌ「(ユジンに)そちらは僕の顔を見たくはないだろうし、(ネイル)こちらは… 僕に会いたくなかった?」
ネイル「?!」

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ユジンは思わずムキになり、ネイルの腕を引っ張ると、自分の胸元へ引き寄せた。

ネイル「!」
ユヌ「…。」

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ここでエンディングです。

ふーーーーん。
最後のシーンはまたサッパリ演出意図の分からん… どういう気持ちで見ればいいんでしょうね。

ちょっとどうするつもりなのか… しばらく黙ってます。

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