韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 3話vol.1

   

シム・ウンギョン、チュウォン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)3話です。

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022

『シュトレーゼマンの指揮するマーラーの交響曲を聴いたとき、体中に電流が走った。
そして、心から知りたいと思ったんだ。
こんな美しいマーラーを指揮する人は、誰なんだろう… どんな方なんだろう』

そのシュトレーゼマンは、彼の目の前で転科申請書を破り捨てたのだ。

ユジン「少なくともこんなくそオヤジなワケないだろーーーがっ!」

「ワタシは」驚いて立ち上がったユジンの前で、シュトレーゼマンは不敵な笑みを浮かべた。

シュトレーゼマン「フランツ・シュトレーゼマンの名のもとに約束します。ワタシがこの学校の指揮科を任された以上、チャ・ユジンは決して指揮科には入れません」

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講堂の前で時間を潰していたAオケのメンバーは、足早に出て行ったユジンを振り返った。

Aオケ学生1「チャ・ユジンは何で出て行ったんだ?」
Aオケ学生2「チャ・ユジン以外にこれといった学生は一人もいなかったけど」
Aオケ学生1「いないって程度かよ。俺たちみたいなエリートを外して誰を呼んだのかと思ったら、学校中の落ちこぼれを集めたんじゃないか」

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ユジンを追いかけたネイルとイラクも除き、残りのメンバーが講堂に残った。

シュトレーゼマン「みなサン、これで主役だけが残りましたね。みなサンはわたしが選んだスペシャルオーケストラ!わたしたちはもう家族です。”オーケストラは一日して鳴らず”!本当の家族になって初めて、真のハーモニーを生み出せマス。今日、この偉大なオーケストラの歴史的第一歩は…」

皆が期待をふくらませた。

シュトレーゼマン「コンパです♡」

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「これはあんまりでは?」学長とともに講堂を出て来たト教授は、思わず不満を口にした。

ト教授「正直なところ、あの中ではチャ・ユジン以外まともな学生はおりません」
学長「世界的なマエストロです。信じましょう。きっとまた別の企画があるはずです」

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「先輩、私がミルヒに頼んで、転科できるようにしますから」ネイルはなんとかユジンを元気づけようと一生懸命だ。

ネイル「私たちホントに仲良しなんですからぁ」
イラク「でもさ、ユジンが転科したら、お前一緒にピアノ弾けないぞ」
ネイル「はっ!先輩、転科反対!絶対反対!」

「しないでぇ」ネイルはユジンの腕にしがみついた。

ユジン「一人でいたいんだ。戻れよ」
イラク「何だ?チャ・ユジンが外されたのにオレが残るわけねーだろ」
ユジン「…。」
イラク「オレたち親友なんだからな」

「離れられるわけない」イラクがユジンに肩を組むと、ネイルが蹴り飛ばした。
「一生を共にするのは私ですよネ」イラクが怯んだ隙に、ネイルは再びユジンにしがみつく。

「おい、ソルレバル!男同士の友情を邪魔するもんじゃねーぞ!」うんざりするユジンの前で二人は喧嘩を始めた。

ユジン「お前らあっち行け!このバカどもがーーっ!」

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ピンポーン

ネイル「先輩、ネイルです。開けてくださーい」

ネイルとイラクは二人揃ってユジンのマンションの前に居座っていた。

イラク「そんなことしたって開かねぇって」

ぼんやり待っているイラクの隣で、ネイルはユジンを呼び続ける。

ネイル「(暗証番号入力)先輩の暗証番号なんだっけ?私の誕生日?!」
イラク「なぁ、ソルレバル、チャ・ユジンが転科したほうがいいのか?しないほうがいいのか?」
ネイル「私、今みたいにピアノ弾きながら仲睦ましく暮らしたいです…ラク君」
イラク「転科したら卒業も延びるんじゃないか?卒業したら留学するに決まってるしさ」

「何デスって!!!」ネイルは突然イラクに詰め寄った。「留学?!」

ネイル「(玄関を叩く)先輩!留学しちゃうの?私と一緒にいてくださーい!」

家の中に響くネイルの声を聴きながら、ユジンはグラスに注いだワインを一気に流し込んだ。

ユジン「!」

まただ。
胴体着陸の悪夢が彼の頭に蘇る。
近くの席の男性の手から、薬の瓶が転がり落ちるのが見えた。
彼はベルトを外し、その薬を拾いに行こうとし、床に倒れてしまったのだ。

ユジン(心の声)「飛行機にさえ乗れていれば、今日みたいな目には遭わなかった。留学も出来ない、転科も出来ない… どうやって指揮を勉強すればいいんだ?!」

023

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「誰?」玄関の前ではイラクが電話を受けていた。「シュ?シュトレーゼマン?!」

シュトレーゼマンと聞き、ネイルが電話に向かって大声をあげる。「先輩を転科させてくださーい!」

シュトレーゼマン(電話)「Oh!わたしたちのマスコットもそこにいたんですネ」
イラク「(ネイルを押さえながら)マスコットには僕が言い聞かせますから。もしもし、すみませんけど、僕は今行けない事情が…」

「?!」イラクが突然口をつぐんだ。

シュトレーゼマン「コンサートマスターが抜けてはダメでしょう?」
イラク「!!!」
シュトレーゼマン「ワタシの補助であり代理人。重大な役職ではないでスカ?」

「すまん、チャ・ユジン!!!」イラクは走りだした。

※コンサートマスター(コンマス)=指揮者の向かって左にいる第一バイオリン奏者が普通は務めます。オーケストラをまとめるリーダー。指揮棒では伝わらない細かい指示を、体の動きやボウイング(弓の動き)で出し、指揮を補助します。すごーく重要なポスト。

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sオケメンバーはイラクの実家が営む店に集結していた。
配膳する父親をせっせとイラクが手伝う。

イラク父「先生!うちの息子がコンマスだなんて、こんな日がきっと来るだろうと思っていました!」
シュトレーゼマン「Oh、トーゼンです。人事が…」
イラク父「人事が万事とおっしゃりたいのですね?」
シュトレーゼマン「ユ・イラク君はこの役職にピッタリなので、抜擢したのです」
イラク父「(うんうん)」

「親父、何やってんだよ。皆ハラペコだぞ」イラクは嬉しそうに父親を急かした。

イラク父「今日のコンパは私のおごりです!!!好きなだけ召し上がってください!!!」

全員のグラスにビールが注がれた。

シュトレーゼマン「スペシャルオーケストラ、Sオケに乾杯!」

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ユジンはヴィエラ先生の指揮するオーケストラ映像に見入っていた。

ユジン(心の声)「オレもこんなふうに音楽が表現できるなら、指揮が出来るなら…」

ユジンは総譜を取り出すと、自分で勉強を始める。

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ネイルはまだユジンの部屋の玄関前に座り込んでいた。
手にはいつの前に作ったのか、自分と先パイの人形♪

034

「私、ここで待ってますね、オラバーン♥何か用事があったらいつでも呼んでくださーい
オレのためにそこまでやるのか?超感動だ!
オラバーン♥ネイルゥ
愛のバックハグ~♥」

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ひとしきり勉強を続けたユジンは、ふと思い出したように顔を上げた。

玄関をそーっと開けてみると?
そこには誰もいない様子。
彼はホッとして外へ出た。
すると… ドアに押され、隅っこにいたネイルがゴロンと転がる。

ユジン「…。おい、ソルレバル!」

「オラバーン」床に座り込んだまま、ネイルは両手を伸ばす。「抱きしめてくださーい」
そして、彼の足元で力尽きた。

ユジン「はぁ。気が狂いそうだ」

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見事ユジンの部屋に入れてもらったネイルは、ふかふかの布団にくるまって幸せを噛み締めていた。
「ほら」そこへユジンが持って来たのは、温かいスープだ。

ネイル「わぁ♥」
ユジン「学習能力がないのは分かってるが、たいがいにしろよ。また風邪引くだろ」
ネイル「先輩がすぐ来てくれると思って」
ユジン「食べたら帰れ」

「ここにいちゃダメですか?静かにしてますからー」訴えるネイルを残し、ユジンはテーブルに戻った。

ユジン「静かにしててもダメだ」
ネイル「じゃあ、隅っこで息だけしてますから」
ユジン「息だけしててもダメだ」

そのうち、ネイルの人形劇が始まる。

「ここにいます!夫婦は一心同体なんですから!アナタなしでどこにも行かないわ!
一人でいたいって言ってるじゃないか。どうして言うことを聞かないんだ?
アナタ、そんなこと言わないでください。私たち、最後まで一生懸命やってみましょーよ、ワタシがいるでしょう?」

025

ネイルに背を向けたまま、ユジンはそっと微笑んだ。

「キミの言うとおりだ。オレは最後まであきらめないぞ。
愛してる!そうやって二人はキスしようとします…」

「!!!」ユジンが思わず振り返った。

「アナタ~♥」あやういところで、ユジンは男の子人形を取り上げる。

ユジン「そして二人は別居を始めました!」
ネイル「ダメーーーっ」

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Sオケの結成コンパはカラオケボックスに場所を移し、カオスと化していた。

泥酔したスミンはトイレの個室から出てくると、ようやく洗面台の前に辿り着く。
そこでへたり込んでしまったところへ、誰かがハンカチを差し出し、口元を拭いた。
シュトレーゼマンだ。

スミン「あ、臭いがついちゃいます、教授。私、吐こうとしてたんですぅ」
シュトレーゼマン「Oh、汚くなんかありまセン。スミンはワタシの団員なんですカラ」
スミン「マ、マエストロ!!!」

「愛してますぅ~」スミンは感激し、シュトレーゼマンに抱きつく。
「僕も愛してます~」続いて個室から出て来た団員たちが、次々とシュトレーゼマンに抱きついた。

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ダイニングで勉強を続けるユジンの背後から、いびきが聴こえてくる。
「?」ユジンは立ち上がると、ソファで眠っているネイルに布団を掛けてやった。

ユジン「寝てれば可愛いな」

寝顔を眺めてふっと微笑み…
彼は突然真顔になった。「寝てる時だけだ!」

ユジン「寝てりゃ何だって可愛いぞ。カエルでもな」

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気持ちのいい朝。

ネイルはソファから転がり落ち、目が覚めた。

ネイル「どこだっけ?あぁ、先輩の家だ」

「先パーイ、お腹すきましたー。ご飯ください」ほとんど無意識にそう言うと、ネイルは人形に付箋が貼り付けてあるのに気づいた

『起きたら、直ちに帰ること
何も触らないこと』

ネイル「そうしますよ、そうしますよぉ~ 何も触りませんよぉ~ ふふふ♪」

ネイルは大喜びでユジンのベッドにダイブする。「はぁ♥先輩の匂い」

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一人の小さな女の子が、大きなコントラバスを抱えて歩いてくる。
それは彼女の姿が隠れるほど大きく、まるで足の生えたコントラバスが歩いているようだ。

反対側からルンルンで走ってきたネイルは、なぜかそこに落ちていたバナナの皮にすってんころりん。
彼女の手から舞い上がったハンバーガーを誰かがキャッチした。

声「大丈夫?」

起き上がったネイルが見たのは、キャッチしたハンバーガーを見て唾を飲み込んでいるコントラバス女子、ミニだ。

026

ネイル「食べる?^^;」
ミニ「いいの?」

ネイルが頷いた瞬間、ミニはハンバーガーに夢中で食らいついた。
結局、ネイルは地面に落としたもう一つのハンバーガーまで彼女にあげることに…。

「遅れちゃう」ミニはコントラバスを抱え、走りだした。

ネイル「はぁ、どれだけお腹空いてたんだろう」

その瞬間、どこからか矢が飛んできて、ネイルの額に命中した。「!!!」

027

ネイル「誰デスかーーーーっ!」

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「何日か変だと思ってたけど、今日は絶対わざとなんですぅ」ネイルはおでこに矢が貼り付いたまま、イラクに訴えた。

イラク「関心ひこうと必死だな。そんなことしたってユジンは振り向かないぞ。いいかげんにしろ」
ネイル「ホントなんです、ラク君!誰かが先輩と私に嫉妬してるんですヨ!」
イラク「(真似して)間違いありませんヨ!」
ネイル「信じてくださーい」

その瞬間、二人の頭上から水が降り注ぐ。「!!!」

ネイル「…。」
イラク「…ホントだな。マジだ」

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ユジンはシュトレーゼマンの元へ押しかけた。
彼が持ち込んだ段ボール箱には楽譜がどっさり入っている。「これまで勉強した総譜です」
「ご覧になってから決定してください」ユジンはもう一度転科申請書を差し出す。

シュトレーゼマンは封筒を手に取ると、その場で破り捨てた。
負けじとユジンはたくさんの転科申請書を懐から出す。

ユジン「いくらでもあります。気が変わったら処理してください」

シュトレーゼマンはそれでもまとめて投げ捨てた。

ユジン「…。」

「この人と知り合いでスカ?」ユジンの家で、シュトレーゼマンがヴィエラ先生の写真に反応したことを、ユジンは思い出した。
「2番めに嫌いな人間の弟子だったのか」シュトレーゼマンはそう言って、冷たい目で彼を見たのだ。

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シュトレーゼマンとヴィエラの悪縁はこうだ。

玩具屋でシュトレーゼマンが予約した商品を、他の人に売ってしまったと店員が言う。
彼が予約していたのはロイヤルベビー誕生記念の限定版。
ずっと楽しみに待っていたものだったのだ。
「すごく有名な客がサインまでして頼むので、つい売ってしまった」という店員の言葉に、「私も有名だ!」とシュトレーゼマンは声を荒らげた。
他のものを買うのでなければ帰ってくれと店員が言った時、シュトレーゼマンはある物に気づいた。
店の中に貼ってある、ヴィエラの公演ポスターだ。「ヴィエラだったのか!」

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028

ユジン「たかがそんなことで…」
シュトレーゼマン「たかが?ワタシは何ヶ月も待っていたのに。まぁそれは許せます。しかし、オマエはワタシが一番嫌いな人にも似ています」
ユジン「…。」
シュトレーゼマン「お帰りを」
ユジン「許可してくださるまで帰りません」
シュトレーゼマン「それではチャンスをあげましょう。頑張ってみてくだサイ」
ユジン「!」
シュトレーゼマン「Sオーケストラの団員たちの名前を知っていますか?」
ユジン「…。」
シュトレーゼマン「ちょうどランチの時間ですね。おなかのすいた団員たちにランチを配ってください」
ユジン「?」
シュトレーゼマン「一人も残さずに、絶対にオマエの準備したランチを食べさせるのです。12時、Mission1. 1時間あげましょう」

ユジンはバッグを掴み、駈け出した。

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ユジンは昼食の入った箱を抱え、学内を走り回っていた。

その様子を、ネイルとイラクが不思議そうに窺う。

029

ネイル「私どころか先輩までいじめられてますー!」
イラク「考えすぎだって。それにしても、何であんなにたくさん?」
ネイル「ですねー。食べたいなぁ♪」

そのとき、ユジンがふいに振り返る。「ユ・イラク!」

ユジン「なぁ、ユ・イラク!」
イラク「誤解すんなよ。オレたちお前を尾けてたわけじゃないぞ」
ユジン「え?」
ネイル「先輩を見てたわけじゃなくて、通りがかっただけであります!」

「じゃ、行きましょー」二人はコソコソと逃げ出す。

ユジン「ちょ、ちょっと待て!」
二人「?」

ユジンは一枚のリストをイラクに手渡す。

ユジン「お前、Sオケメンバーの居場所、分かるか?」
イラク「トーゼンだろ。ここはオレの庭だ」

030

一人は昼食を抱え、一人はリストを確かめ、一人は大声で呼びかけ。
彼らは学内を走り回った。

イラク「昼飯の時間に、皆どこ行ったんだ?!」
ユジン「…食堂だ!」

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午後1時を過ぎた。
シュトレーゼマンがパチンと懐中時計を閉じた瞬間、ユジンが駆け込んでくる。
「全員に昼食を渡してきました」ユジンは息を切らし、リストを差し出す。

シュトレーゼマン「ふうむ。時間内に皆に渡したんですネ。(リストを眺め)バイオリン、ビオラ、ホルン…楽器別なら効率的です」

ユジンはホッとして笑みをこぼす。
その瞬間、シュトレーゼマンはテーブルをドンと叩いた。「!」

シュトレーゼマン「一人抜けていますネ」
ユジン「え?」
シュトレーゼマン「我々のマスコット、ソル・ネイル嬢♥」
ユジン「…。」

入り口でそっと様子を窺っていたネイルが、シュトレーゼマンに詰め寄った。

ネイル「転科させてください!どうして先輩のこといじめるんですか!」
シュトレーゼマン「Oh, ベイビちゃん、誤解です。ワタシをいじめたのはアイツですよ」
ネイル「先輩が何したって言うんですかーー!」
ユジン「(ネイルを止め)やめろ!」

「また来ます」ユジンは頭を下げると、シュトレーゼマンの前を立ち去った。

ユジン「ミルヒとは絶交デス!もう友達じゃありません!」
ミルヒ「Oh,ベイビちゃん、誤解です!」

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「ミルヒ大嫌い!」「誤解ですヨ!」出て行くネイルを追いかけ、シュトレーゼマンが外へ出て来たところへ、ト教授が姿を見せる。

ト教授「どうなさったのです?」
シュトレーゼマン「?」
ト教授「チャ・ユジンがさっき出て行きましたが、あいつが何か失礼を?」
シュトレーゼマン「まぁそんなところですネ」

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「ユジナ!」足早に歩いて行くユジンを、イラクは追いかけた。

イラク「お前は努力する天才だろ?」

そこへ駆けてきたネイルを、イラクがすかさず阻止する。

ネイル「何するんですか、ラク君!」
イラク「こういうときはな、一人にしてやるのが”内助”ってやつだ。オレを見ろ、親友なのに我慢してるだろ」
ネイル「…。」
イラク「だろ?(落ち着け落ち着け、の身振り)」
ネイル「…。ダメです!こんなときこそ癒やしが必要なんです!」
イラク「(ヤバイ)」
ネイル「はー、先輩はお昼ごはんも食べてないのに、どうしよう!」

止めるイラクを振り払い、ネイルは駈け出した。

イラク「おい!転科は諦めろって言えよ!転科させるつもりもなしに、一杯食わせようとしたに決まってるだろ!」

そこへト教授がやって来た。「何のことだ?」

イラク「わっ!」
ト教授「転科を口実にチャ・ユジンに一杯食わせるって?」
イラク「どうして分かったんですか?」
ト教授「そんな大声で怒鳴ってりゃ誰でも分かる」
イラク「!」
ト教授「早く言わんか!」

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イラクから話を聞き出すと、ト教授はすぐに学長の元へ向かった。

学長「シュトレーゼマンが?」
ト教授「えぇ。転科を口実に、子どもでもしない悪戯をしているようです」
学長「…巨匠がなさることですから」
ト教授「いくら巨匠でも、私はこれ以上黙ってはいられません」
学長「意外ですね。退学まで口になさるほど、チャ・ユジンを嫌っていたのでは?」
ト教授「えぇ。今でも嫌いですよ。あの実力でコンクールにも出ない、学校の都合も考えずに好き勝手!もちろん嫌いです。それでもこれは別問題でしょう。学ぼうとする学生の気持ちをからかうのは、教授のすべきことではありません」」
学長「!」

「まさか… 学長はお許しに?」ト教授がニヤリと笑った。

学長「…。私たちから招聘した方です。もう少し辛抱して…」
ト教授「(笑)”私たち”ではないでしょう?学長がお招きした方ですよ」
学長「…。」
ト教授「今後も学長を信頼していられるか… もうしばらく見守っていることにしましょう」

031

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ベンチで考えに耽るユジンのもとへ、ネイルがやって来る。

ネイル「私、ミルヒと絶交しました。もう一緒に遊びませんから」

そう言ってユジンを振り返ると、彼はなぜか彼女の背中を覗きこんでいる。

ネイル「すごく傷ついたでしょ?」

ユジンはネイルの背中に貼り付けてあった、一枚の紙を剥がした。

ユジン「ひょっとして、最近誰かにいじめられてるのか?」

「神さまですヨ」ネイルは空を見上げる。

ユジン「…。」
ネイル「神さまが罰をくださったんです。私なんか、いくら罰をもらっても足りません。私がSオケのマスコットガールだってこと忘れてて…」

032

ユジンは落書きを見つめ、それをまたネイルの背中に戻した。「そうだな」

ユジン「オレも忘れてた。脳が事実を拒むってやつか…」
ネイル「先輩、こんなときこそ食べなきゃ!私、お弁当作って来たんです」

ネイルはカバンの中からお弁当箱を取り出した。「ソルレイムの愛のお弁当!!!」
と、張り切って開けた弁当箱には、たっぷりの小石で埋まっていたのだ。

ネイル「!!!」
ユジン「ふざけてんのか?…誰だか知らないが、お前の行動パターン全部把握されてるな」

ネイル「殺しマス!」
ユジン「え?」
ネイル「大胆にも私のお弁当に手を出すとは!しかも、私が自ら作った先輩との愛のお弁当に?!」

「ねぇ、ラク君」ユジンはその場でイラクに電話した。「今すぐ会いましょ。復讐の時ですヨ!」

ネイルは全速力で駈け出した。

ユジン「(笑)食べ物が絡んだら怖いものなしだな」

033

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ここで一旦区切ります。

ラク君がいい感じだわー

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