韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

夜警日誌あらすじ&日本語訳20話vol.2

   

チョン・イル、チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)出演、「夜警日誌」20話の後半です。
あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、台詞もまじえて詳細に翻訳していきますね。

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宿の鍛冶場に来たムソクに、サンホンは彼に鬼針盤を差し出した。

サンホン「修理は終わりました。鬼神を感知するのに、もう支障はないでしょう」

鬼針盤が手に戻っても、ムソクの表情は晴れなかった。「…。」

サンホン「宮廷のことが心配なのですか」
ムソク「殿下が危機に瀕しておられるのに、そばでお守り出来ないのが、実に辛いのです」
サンホン「副護軍は夜警師です」

「…。」ムソクの視線がサンホンに向かった。

サンホン「宮中にいかなる政治的な闘争が起きたとしても、夜警師にはどうすることも出来ません」
ムソク「しかし!」

そこへ、オンメが走ってきて声を掛ける。

オンメ「宮廷から副護軍を訪ねて来た人が」
ムソク「!」

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宿へ戻ると、男が一人ムソクを待っていた。

男「殿下からの書簡です」

男は一通の書簡を差し出す。
ムソクはすぐに書簡を開いた。

『ムソク…
余は領相の謀反により抑留されている。
領相は余を殺すに違いない。
それなのに、誰も王を護衛しないとは…。
毎日を生きていくのが苦しい。
余の忠臣はお前だけだ。
ムソク、余を守ってくれ』

ムソクが書簡を握りしめて振り返ると、そこにはサンホンがいた。

ムソク「!」
サンホン「行ってはなりません」
ムソク「道を譲ってください」
サンホン「…。」

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脇を通りすぎようとしたムソクの腕を、サンホンが強く掴んだ。

サンホン「夜警師とは、鬼神から王室や民を守る者です」
ムソク「…。」
サンホン「夜警師は政治に関与出来ない… これは夜警師の規律です」

#リンは?急にこんな掟を足されても、辻褄合わないから説得力がないんだよな…

「…。」ムソクは王からの書簡を強く握りしめる。
そして、彼の剣を卓上にそっと置いた。
さらに、鬼針盤も隣に並べる。

サンホン「副護軍…」
ムソク「夜警師である前に、私は殿下の家臣です。臣下として任務を果たします」

ムソクはサンホンに頭を下げ、宿を後にする。

サンホン「…。」

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裏門に姿を見せたリンを、待っていたイ尚宮が手招きした。「待っておいでです。さあ、どうぞ」

こうして、リンは監視の目を逃れ、大妃との面会を果たす。

リン「御祖母媽媽、御身体は大丈夫ですか?」
大妃「老い先短い身、何を心配することがあろうか…。祖母はお前のことが心配だわ」
リン「御祖母媽媽…」
大妃「スリョンと結婚すれば、領相はお前を守ってくれるはず」
リン「…。」
大妃「そうすれば、我が国の王室は保たれるわ」
リン「スリョン嬢の気持ちが本物なのは分かっています。結婚すれば私の命を守ることは出来るでしょう。しかし… パク・スジョンは母上を殺したのです。そんな人間に守られて生き長らえても、生きているとは言えません」

リンの切実な思いに、大妃の顔に悲しみが滲む。

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#前ならここで一喝しているところ。頑固で揺るがない大妃ですが、こうやって見せる小さな変化が、すごく印象に残りますね。

大妃「リン… この祖母が大きな過ちを犯してしまっったわ」

リンは小さく首を横に振る。

リン「私が… 御祖母媽媽をお守りします。我が国と王室を…守ります」

「…。」涙を堪え、大妃は唇を噛みしめた。
そして、自分の手から指輪を外し、リンに差し出す。

大妃「これを大切に持っていなさい。いつか… これがお前を守ってくれるはずよ」

指輪を受け取ったリンの両手を、大妃はしっかり包み込む。
二人はこうして互いを思う気持ちを分かち合った。

そこへ表の尚宮が声を掛ける。「領相大監がいらっしゃいます」

大妃「領相が?!」

「早くここを出なさい」大妃は声を潜め、リンに告げた。

大妃「お前がここにいるのを知れば、領相は何をするか分からないわ」

そのとき、扉のすぐ向こうで領相の声が聞こえる。「大妃媽媽、私です」

リン「!」

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扉を開けて領相が入ってくる。
そこにリンの姿はなく、いつものように大妃が一人、彼を迎えた。

大妃「領相、知らせもなく夜中に何の用ですか?」
領相「考えてご覧になりましたか?どうぞ国璽をお渡しください」
大妃「すでに答えました。国璽は渡せませんから、もうお帰りを」

屏風の後ろに身を隠したリンは、影からそっと顔を覗かせる。
チラリと見える領相の周囲には黒い気が渦巻いていた。「!」

領相「それでは、これで失礼しましょう」

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「これは…」トハは地下室の卓上に置いてある剣と鬼針盤に目を留めた。

トハ「副護軍の物じゃないですか」

「…。」サンホンは黙ってムソクの武器を見つめる。

トハ「どうして置いて行かれたんですか?」
サンホン「副護軍は… 夜警師を辞めた」
トハ「…え?どういうことですか?」
サンホン「夜警師の責務と、臣下としての道理。二つのうち忠誠を選んだのだ」
トハ「!」

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宮廷からの帰り道、リンは急いで走ってくるトハに出会った。「トハ?!」

リン「こんな時間にどこへ行くのだ?」
トハ「副護軍が宮廷に行かれたそうです!」
リン「何だって?!」

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領相はこの夜更けにも一人で執務室にいた。

領相「?」

扉の向こうに、ゆっくりと近づいてくる人影が見える。
領相は脇に置いた剣をそっと掴み、神経を研ぎ澄ませた。

扉が静かに開くと、ムソクが顔を見せる。
「…。」領相は黙って剣から手を戻した。

ムソク「なぜ挙兵なさったのですか。殿下に歯向かうなら、いくら叔父上でも許しはしないと警告したはず」
領相「お前のような王に従うだけの人間に、国を思う真の忠誠心が理解できるわけがなかろうな」
ムソク「それは忠誠心ではなく、叔父上の野心に過ぎません」
領相「何と?!私が摂政を行うのは、殿下の意志だ」
ムソク「殿下の意志なのかどうか、私と一緒に行って確かめましょう」
領相「一体どうすると言うのだ?」
ムソク「叔父上のおっしゃる通りなら、私の命を差し出します。ですが、もし殿下を追い詰められたのであれば、叔父上には命を差し出していただきます」
領相「…。」

「参りましょう」ムソクは横を向き、出口への道を開ける。
不敵な笑みを浮かべ、領相はゆっくりと立ち上がった。

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領相とムソクは並んで王のもとへと向かっていた。
正殿の前の渡り廊下を進んでいたその時…

突然周囲の建物の屋根に潜んでいた弓兵隊が姿をあらわす。
同時に、近くにいた兵士たちも一斉に刀を抜いた。
彼らはあっという間にムソクを取り囲む。

ムソクもまた、怯むことなく刀を抜き、兵士たちを牽制した。
そして、その刀を領相の前で止める。

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ムソク「殿下のいらっしゃる場所です。兵士たちを下がらせてください。そうでなければ、私が全員斬ります」
領相「叔父である私まで斬ると言うのか」
ムソク「我が剣には一瞬の躊躇もありません」
領相「やはりお前を生かしておくわけにはいかぬな」
ムソク「…。」
領相「今すぐ刀を下ろせ!殿下の御命だ!」
ムソク「御命を偽るのは大逆罪だとご存じないのですか!」
領相「私が嘘をついていると?王の忠臣であるかのように振る舞い、陰では月光大君と徒党を組んで左道を事とし、逆賊を庇った副護軍カン・ムソクを捕らえよ!…それが殿下の御命だ!!!」
ムソク「殿下に伺うまでは誰の言うことも信じません」

「ムソク!」そのとき、ムソクの背後で彼を呼ぶ声が聞こえた。

ムソク「!」

彼の後ろに現れたのはキサン君だ。

キサン君「ムソク、刀を収めよ」
ムソク「殿下!」
キサン君「御命だ!今すぐ剣を捨てよ」
ムソク「殿下!なぜ!!!」

「お前を差し出せば、余の命を救うと領相が言ったのだ」キサン君はムソクから目を逸らす。

ムソク「…。」

ムソクは何も言わず、ゆっくりと領相に向き直る。

キサン君「最後の忠誠心を見せるのだ。命を掛けて余を救うのだ」
ムソク「…。」

ムソクの目は急速に力を失った。
皮肉に満ちた笑みを浮かべると、領相は悠々とムソクの前を通り過ぎ、王の元へ向かう。

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ムソクの前で、王は領相の背後に隠れているかのように映った。
領相の肩越しに、二人の悲しい視線がぶつかる。

ムソク「…。」

キサン君は到底ムソクの目を見ていられず、再び視線を逸らした。

ムソク「殿下…!」

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頑なに目を逸らす王に、ムソクの目は絶望の色に変わった。

ムソク「…。」

彼は手に持った武器を地面に放り出す。
領相が目で合図をすると、手下がムソクに斬りかかった。

ムソク「!」

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「大君媽媽!!!」リンとトハを見つけたソン内官は、ひどく慌てていた。「どうしよう!どうすればいいの?!」

トハ「どうなさったのですか?」
リン「何事だ?」
ソン内官「副護軍が兵士たちに囲まれています!」
二人「!」
ソン内官「パク・スジョンの罠に嵌ったようです!!!」

リンは駈け出した。

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ソン内官を知らせに向かわせ、どうすることも出来ずに見ている左相(霊)の前で、ムソクは何の抵抗もしないまま次々と兵士たちに斬られた。

ムソク「!!!」

視線はまっすぐに王へと向かったまま、彼はガックリと地面に膝を落とす。
王を見つめる彼の目に、怒りはない。
どこまでも純粋で、ただただ悲しげであった。

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彼は目に涙を浮かべ、いつもそうするように小さく頭を下げる。

キサン君「…。」

そのままスッと力が抜けたように地面へ倒れ… ムソクは目を閉じた。

「…。」怒りに燃えた目で領相の背中を睨みつけると、キサン君はその場を後にする。
領相の手下がそっとムソクに近づき、脈を確かめた。

手下「息絶えています」
領相「罪人の死体を回収せよ」

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ようやく駆けつけたリンたちは門を入ったところで兵士たちに止められた。

リン「退け!」

兵士たちが道を開けると、彼らの前に領相の手下が立ちはだかる。

手下「時すでに遅しです」
リン「何と!」
手下「死体を引き取られるのなら、止めはしません」
リン「!!!」

ふと視線を回したリンは、驚愕して目を見開いた。
そこにいたのは…
蓆に包まれたムソクだった。

「そんな…!」リンはムソクの元へひざまずくと、動かない彼の体を揺り動かした。

リン「ムソク!目を覚ましてくれ!駄目だ!!!!!」

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悲痛なリンの叫び声が響く。

そのとき、彼らの後ろで見ていた左相(霊)が小さな声で呟いた。

左相(霊)「まだ息が残っています」

「何?」リンとトハがゆっくりと彼を振り返る。「何と言ったのだ?」

左相(霊)「魂は抜け出していません。体の中に残っていますから、まだ助かる可能性はあります」

リン「!」

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リンたちが引き取ったムソクの体は、宿の地下室へと運ばれた。
サンホンが彼の状態を確かめる。

リン「助かりますか?」
サンホン「致命傷を負っています。生き返る希望はありません」
リン「駄目です!助けなければ!このまま死なせるわけにはいきません!」
サンホン「全ては副護軍の意志に掛かっています」

「君が死ぬなんて私が許すものか!」リンは動かないムソクに懸命に訴える。

リン「絶対に… 絶対に生きなければ駄目だ」

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外へ出てきたリンはサンホンを振り返った。「領相に鬼気が取り憑いていました」

サンホン「鬼気ですか?」
リン「領相を取り巻いているのを見たのです。その鬼気が甥である副護軍まで殺すよう仕向けたのでしょう」
サンホン「それが事実なら、パク・スジョンの鬼気は怨霊に取り憑かれたり、呪術に掛かったものではありません」
リン「?」
サンホン「人間の内面にある根本的な欲望に因るものですから、四寅剣では退治出来ません」
トハ「それなら、方法はないということですか?」

「…。」サンホンは考えを巡らせた。

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誰もいない大殿で、パク・スジョンはゆっくりと玉座に腰を下ろした。
そこからの眺めに、彼は思わず笑みをこぼす。
愉快でたまらない。
彼は声を上げて笑い出した。

「パク・スジョンめ!!!」そこへ現れた守護霊の左相は、憎き敵に叫び声を上げた。

左相(霊)「今すぐ降りよ!!!そこは万民を治める厳かな席だ。お前のように欲に目の眩んだ人間が座ってはならぬ!!!」

領相は突然刀を抜くと、前に突き出した。

領相「誰が何と言おうと、誰が邪魔しようと、この玉座は私の物だ!!!」

静かな大殿に、領相の狂気じみた笑い声が響き渡った。

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領相が執務室へ戻ってくると、待っていたサダムが立ち上がった。

サダム「お呼びでしたか、大監」

「…。」領相は黙ってサダムを指さす。

領相「鬼神の見える者だけが王になれると、前にそう言ったな」
サダム「王室で受け継がれる秘伝書に、そう書いてあるそうです」

領相は人差し指を下ろすと、持っていた剣を机の上に置いた。

領相「鬼神が見えるようにしてくれぬか」
サダム「…。微力ながら、大監が大志を遂げる力になれるならば、誠意を尽くしましょう」

答えに満足し、領相は笑みを浮かべる。
サダムを見据えたまま、彼は再び豪快に笑った。

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サンホンはリンに赤い包みを差し出した。
紐を解いてみると、中には数本の針が収納されている。

トハ「銀鍼では?」
サンホン「この銀鍼を気血に刺すのです。パク・スジョンの欲望自体をなくすことは出来ませんが、少なくとも鬼気は抑えられるでしょう」
リン「…。」
トハ「鍼を刺すにはパク・スジョンに近づかなければなりません。護衛兵たちが囲んでいて近づく方法がないのです」

「私に考えがある」リンが静かに口を開いた。

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翌日。

サダムが祠堂へ姿を見せると、スリョンが彼を待っていた。
「房主がなぜ私を訪ねていらしたのです?」サダムは柔らかい笑みを浮かべる。

スリョン「提調が内密に父に協力しておられることは知っています。ですが、私は父とは考えが違います」
サダム「月光大君のことをおっしゃりたいのですか」
スリョン「私は大君を守りたいのです!提調のお力を貸してください」
サダム「取引には代償が付き物だと、房主は誰よりもよくご存知ですね?」

「…。」スリョンは迷わず頷いた。

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梅蘭房へ戻ってきたスリョンは、リンが来ているのに気づき、顔をほころばせた。

茶を淹れると、スリョンは期待して口を開く。「大君、ひょっとして…」

スリョン「大国へ行こうと勧めた私の提案を、お受けになるのですか?」
リン「スリョン嬢に頼みが会って来たのです」
スリョン「何なりとおっしゃってください。大君の頼みなら、私に出来ないことなどありません」
リン「領相大監と二人きりで会えるよう、手を貸してほしい」
スリョン「それはなりません!危険です」
リン「我が国の王室、そして領相をも救うためなのです」
スリョン「!」

「スリョン嬢」スリョンを見つめるリンの目は切実だ。

リン「力を貸してください」
スリョン「…。」

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宿の地下室で、サンホンは一人ムソクを見つめていた。

サンホン「力を出すのです。絶対に生きねばなりません」

そのとき… 上を向いていたムソクの首がガクリと垂れた。「副護軍?」

サンホン「副護軍!副護軍!」

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鬼神が見えるようにしてほしいという領相の頼みを受け、サダムは祠堂で祈祷をおこなっていた。
祭壇の前に領相を座らせ、彼はその後ろで手をかざす。

サダム「この秘術が終われば、領相は鬼神の見える心眼を得られることでしょう」

黒い気が一層激しく領相の周りを渦巻く。

そこへ、ホジョが入ってくると、サダムにそっと耳打ちをした。「梅蘭房主が急用だそうです」
「…。」サダムが術を施す手を下ろすと、同時に黒い気が消える。

サダム「領相、少し出て来ます。お待ちください」
領相「分かった」
サダム「もし問題が起きたら、あの護符を取ってください」

サダムはそう言って、柱に貼り付けてある護符を指さした。
「あぁ」領相はおぼろげな意識で答える。
術の途中で、領相は祠堂に一人残された。

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サダムが外へ出てくるのを、物陰でリンは窺っていた。

サダム「?」

ふと気配を感じ、サダムは足を止める。
木の陰で、何者かが動いた。

サダム「…。」

サダムはそれ以上追及せず、先を進んだ。

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朦朧としたまま座っていた領相は、突然扉が開いたのに気付き、振り返った。

領相「!」

そこに立っていたのはリンだ。
驚く暇も与えず、リンは手にした銀鍼を2本、領相へと投じた。
銀鍼は領相の両胸に命中する。
その瞬間、真っ黒な気が両胸から噴き出した。「あああ!!!」

領相「月光!お前がなぜ!!!」

領相は脇に置いてあった剣を抜き、立ち上がった。
剣を振り上げたその手首を、すかさずトハの鬼捕縄が捕らえる。

リン「トハ、なぜ来たのだ?」
トハ「大君が心配で!」

「早く鍼を!」トハが縄を引っ張ると、領相の手から剣が落ちた。
リンはその手を掴み、もう1本鍼を打つ。袖に開いた穴から勢い良く黒い気が噴き出す。
抵抗して振りかぶった腕を掴み、もう1本。

領相「ふあぁ!!!」

リンが領相の両腕を強く掴み、動きを封じた。

トハ「あとは脳天に一本打つだけです!」
領相「月光大君め!!!!!」
リン「大監、邪悪な者に煽られた欲望はお捨てください!」

ありったけの力でリンを払いのけ、領相は奥の柱へ向かうと、護符を手に取った。
すると…

領相「!!!」

湧き起こった白い霧が彼を包む。

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「???」

次の瞬間、リンとトハ、そしてパク・スジョンはどこやも知れぬ森の中へ飛ばされていた。

領相「???どうなっているのだ?」

リンとトハには分かる。ここは結界の中だ。
「早く鍼を!」トハがリンに呼び掛ける。

領相「!」

迫ってくるリンにジリジリと後退りすると、領相は一目散に逃げ出した。
後を追うものの、領相はあっという間に霧の中へ消えてしまう。

トハ「鬼気です」

二人は周囲に神経を研ぎ澄ませる。
リンは背中の四寅斬邪剣を抜いた。

霧の中から一斉に飛び出してきたのは、夜警師の霊たちだ。
容赦なく襲い掛かる彼らに、リンとトハは応戦した。

#四寅斬邪剣で斬られても、彼らは消えずに普通に倒れてるけど、それは何か意味があるのかな
っていうか、だいたいこの夜警師の霊たちは何がしたいの?ただの霊集団として使われてるだけだよね

トハ「ここは私が何とかします!領議政を探してください!」
リン「…頼んだぞ、トハ」

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リンは駈け出した。

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しばらく走ってきたリンは、途中で足を止めた。

リン「?」

そこへ、誰かが不意に姿をあらわす。
サダムだ!

リン「!」

サダムはリンと目が合うと、からかうように首を傾げてみせる。(←サダムのこういうところが好き

リン「領相をどこへ隠した?」
サダム「隠したとは心外ですね」
リン「?」

次の瞬間、リンの後ろにもう一人サダムが現れた。

サダム「私の居所に侵入したのは…」

そう言って、サダムは結界を作っている護符を目の前で燃やす。

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護符が燃え尽きると同時に、サダムの分身は消え去った。

リン「!」

と同時に、さらに新たなサダムが現れた。「…大君ですよ」

「それなら」リンは四寅剣を握り直す。「お前から斬ってやろう」
リンは周囲を取り囲むサダムに剣を振り下ろした。幻影だったサダムが黒い霧となって消え去る。

リン「?!」

なんということか…。
顔を上げたその瞬間、リンは宮中で兵士たちに取り囲まれていたのだ。

兵士たちの中で、サダムが微笑む。
向こうからは、縄で縛られたトハがホジョに連れられ姿を見せた。

リン「!!!」
トハ「!!!」

「お好きなようにどうぞ」捨て台詞を残し、サダムは彼らをそのままにして立ち去った。

トハ「大君!」
リン「…。」
トハ「大君、駄目です!駄目です!!!」

リンは悔しさに震えながら、四寅剣を地面に投げ捨てた。

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二人は縄で別々に縛られ、昭格署の前へ連れて来られた。
サダムはそこで二人を待ち受ける。

リン「トハをどこへ連れて行くつもりだ!」
サダム「マゴの巫女は私が保護します。大君はご自身の命を心配なさったほうが宜しいかと」

そのとき…

「何の真似ですか!!!」現れたのはスリョンだ。
彼女の登場に、リンを縄で縛っていた領相の手下は、思わず手を放した。
スリョンはサダムを睨みつける。「私との約束を破るおつもりですか!」

サダム「…。」
スリョン「トハを差し出す代わりに、大君を救うと約束したではないですか!!!」
トハ「!!!」

リンは言葉もなく、スリョンを見つめた。

スリョン「今すぐ大君を解放なさい」

サダムはわざと困ったように眉間に皺を寄せる。「こうなったのは私の意志ではありませんよ」

スリョン「何ですって?」

「私の意志だ」そこへさらに誰かが現れる。
領相だ。

スリョン「!!!」

領相は昭格署の中から姿をあらわすと、彼らの前にゆっくりと進み出た。

スリョン「お父様!」
領相「引き下がれ。これは私の意志だ。拒む者は娘であろうと斬首を免れぬぞ!」
スリョン「!!!」

あまりの衝撃に、場が静まり返る。

領相「主上の狂気症状に呻く民を救い、新しい王室を開く!!!」
リン「…。」
領相「我パク・スジョンが!!!我が国に新たな天を切り開くのだ!!!!!」

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領相が右手を突き上げ、雄叫びを上げる。
詰め寄ろうとしたリンを、兵士が制した。

リン「私がそうはさせぬ!」
領相「…。」
リン「私が阻止してみせる!!!」

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+-+-+-+

ここでエンディングです。

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