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スイッチ-世界を変えろ 15話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』15話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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屈強な男たちに囲まれ、チョ・ソンドゥは小さくなって正座をしていた。

※”チョ社長”って書くのが合わなくなっていたので、ここからソンドゥで行きます^^

「気になるだろ」彼の前でドチャンがポツリと言う。「俺の正体」

ソンドゥ「…。」

ひとしきり爪を噛むと、ドチャンはプッと小さく吐き出し、ソンドゥを見た。
ソンドゥがうんうんと小刻みに頷く。

ドチャン「俺はな… 詐欺師なんだ」
ソンドゥ「あのとき、検察庁までついてって確かめたのに?」
ドチャン「あぁ、お陰で検事詐称までやってる」
ソンドゥ「詐称?」
ドチャン「本物のペク検事は交通事故で怪我したからな。束草で」
ソンドゥ「!」

束草で間違いなくペク・ジュンスを海に落としたと主張するキム室長の言葉が蘇る。
あれは本当だったのか!

ドチャン「つまり俺は詐欺師かつ検事で、検事かつ詐欺師ってわけだ」

組んでいた脚をほどき、ドチャンが身を乗り出す。「考えてみろよ」

ドチャン「俺みたいに優秀な詐欺師が、検事の身分まで手に入れたんだ。両肩に翼がついたってこと」

「わかるか?」そう言われ、ソンドゥはパチパチと瞼をしばたかせる。

ドチャン「せっかくだからデカイ絵を描いてるんだが、クム・テウンっていう…」
ソンドゥ「!」
ドチャン「…フィールギャラリーの代表、そいつを相手にセッティングしてるところだ。3000億程度になるかな」
ソンドゥ「3000億?!」

「…。」ドチャンが思わせぶりに溜息をつき、立ち上がる。「だが…」

ドチャン「目障りなヤツがいるんだよな」

ソンドゥの前で立ち止まると、彼の顔を覗き込んだ。「お前だ」

ソンドゥ「え?俺?」

そばで角棒を持った男が、ドラム缶とセメント袋をトントンと指した。
ちょうどそこへ船の汽笛が聴こえてくる。

男「船が用意できました」
ドチャン「(頷く)」
ソンドゥ「!!!」
ドチャン「あんまり恨むなよ。3000億のプロジェクトなんだから、目障りなものは片付けなきゃな」
ソンドゥ「た、た、た、た、助けてください!」

ドチャンはしまったとばかりに口を押さえる。「あぁ!」

ドチャン「わりぃ。口が軽くてさ、絶対知られちゃいけない秘密を喋っちまった」
ソンドゥ「い、い、い、い、言わないから!絶対!い、言いませんから。ね?」
ドチャン「…。」

~~~~~~~~

ハラからベルトの指紋鑑定が終わったと知らせを受け、ドチャンはチョ・ソンドゥを次のターゲットに設定したのだ。
彼をターゲットにするのは初めてではない。ミーティングは大盛り上がりだ。

ボン監督「今度のターゲットは、遠路はるばる東南アジア巡回公演を終えて戻ってきた、我らがパンパンウォ~!」

彼らはチョ・ソンドゥを尾行し、動向を調べると、居酒屋で飲んだくれているところを見計らい、ドチャンの元へと招いたのだった。

~~~~~~~~

「気をつけて行けよ」ドチャンが立ち上がる。「(周囲に)さぁ、片付けよう」

ソンドゥ「お、お、お、お、俺、力になりますから!」
ドチャン「?」
ソンドゥ「実は… クム・テウンのヤツ、俺を殺そうとしたんです。俺にも復讐のチャンスをください。ここで死んだってクム・テウンに殺されたって同じだ」
ドチャン「…。」
ソンドゥ「本当だ!本当だって。クム・テウンのヤツ、俺がへし折ってやる」
ドチャン「お前が?出来るのか?」
ソンドゥ「えぇ、出来ます!」
ドチャン「…。」
ソンドゥ「そのかわり、成功したら3000億の中から少し回してくださいよ。す、数十億でも」

ドチャンがニヤリとし、階段の上を振り返る。
ビデオカメラを構えていたウンジが、OKサインを出した。

ソンドゥ「!」

全部録画していたのか… 「クム・テウンをへし折ってやる」そう言ってしまったことを思い出し、ソンドゥは愕然と立ち尽くした。
ドチャンが高らかに笑い声を上げる。

#極悪人や(笑)そして似合っている…。

ソンドゥ「…。」
ドチャン「もし余計な真似したら、あの動画をクム・テウンに送るからな」

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クム代表は今夜もオフィスで静かに本を開いていた。
そこへキム室長がやって来る。

クム代表「チョ・ソンドゥは?ヤツらを見つけたのか?今回は何か一つでも掴んでくるだろう」
キム室長「代表、チョ社長には疑わしい点があります。用心なさったほうがよろしいかと」
クム代表「?」
キム室長「チャイナタウンへ行った時、検察が後ろをつけて来ました。万が一、チョ・ソンドゥが検察に救助要請をしていたのなら…」
クム代表「検察が?確かなのか?」
キム室長「チョ・ソンドゥにご用心ください。いつ裏切るかわかりません」
クム代表「裏切られるわけがない」
キム室長「…はい」
クム代表「裏切られるのは、信じている人間だからな。信じていなければ、裏切られることもない」

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『08 裏切りは魂を食い潰す』

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チョ・ソンドゥが封筒片手にやって来たのは、郊外にある教会だ。
懺悔室へ入ると、小窓を開け、持ってきた封筒を差し込む。
小窓の向こうで、敬虔なボン神父がそれを受け取った。

ソンドゥ「K貯蓄銀行ってのがあって…。クム代表が出納証を書いたら、俺たちが受け取りに行って、あちこち賄賂を届けていたんです」
ボン神父「そうですか…」

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直ちに金の流れが調査され、まとめられた。
スクリーンに映し出された大きな図を、詐欺団みんなで眺める。

ボン監督「チョ・ソンドゥからの情報と、俺たちが調べたことをまとめてみたんだが…」
インテ「K貯蓄銀行がチェ・ジョンピルの個人金庫だ。頭取のケ・チュンシクは名前だけの代表で」

「あそこに裏金が入っては出ていき…」K貯蓄銀行に札束が集まっては、スイス銀行などへ移り、チェ・ジョンピルへ流れていくアニメーションを、ボン監督が指した。「全ての金が流れていく」

ウンジ「わぁ~、あそこにセッティングしたらとんでもないことになるね」

「貯水池はあそこだったか」黙っていたドチャンがニヤリとほくそ笑んだ。

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事務所に戻り、チョ・ソンドゥは舎弟たちと宅配ピザを囲んでいた。「コーラ頼めって言ったろ!」
そこへ扉が開き、ガタイのいい男が1人、入ってくる。

ムンシク「何だ?」
ソンドゥ「どこのヤツだ?」

ガタイのいい男… コ係長はテーブルのピザを指さした。「スーパーシュプリム?」

皆「???」

コ係長はシャツに隠れた名札を掲げた。「検察です」

皆「!」
コ係長「ははっ はははははっ」

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コ係長が執務室へ戻ってくる。

コ係長「妙ですよ。チョ・ソンドゥ、ベルトから指紋が出たのに、自分のじゃないって言い張るんです」

「そうですか」ペク検事(ドチャン)が驚きもせずにピザを頬張る。

ペク検事「違うってんなら違うんでしょ」
ハラ「本人が違うって言うんだから」
コ係長「それならなぜ僕を行かせたんです?」

2人が揃ってピザを指さした。

コ係長「スーパーシュプリム?」
2人「(うんうん)」

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クム代表はある経済誌を見つめていた。
表紙にはビクトール・ジャンが微笑んでいる。

『ロシアで記された高麗人の神話』

そこへキム室長が入ってきた。
連れて来られたのは、K貯蓄銀行の”名ばかりの頭取” ケ・チュンシクだ。

クム代表「チェ総裁と内密に会ったそうだな。何を指示された?」
ケ頭取「そ、それは…」

クム代表に睨まれ、ケ頭取は小さくなる。「裏金を1000億作れと」

クム代表「1000億?」
ケ頭取「…。」

「…。」少し考えて、クム代表はサラリと言った。「作ってやれ」

ケ頭取「!」
キム室長「!」

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真夜中。
真っ暗なオフィスのデスクで、ケ・チュンシク頭取は、震えるでキーボードを叩いた。
SWB銀行の口座から、KS銀行への振込金額を入れ、じっと画面を見つめる。「…。」

そこへ乱暴に入ってきたのはクム代表とキム室長だ。

ケ頭取「だ、代表!」
クム代表「1000億用意できたか?」

キム室長が懐からメモを差し出した。

『SWB 478-325976-09810』

クム代表「金をここへ入金しろ」
ケ頭取「総裁に送るのでは…?」
クム代表「言うことを聞かなきゃ、ここで死ぬぞ」

ケ頭取は仕方なく入金先の口座を入力し直し、『OK』をクリックした。
モニター内で処理が完了するのを見届け、キム室長が頷く。

クム代表「夜景が… 実に綺麗だ」

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ケ・チュンシク頭取は、ビルの屋上で身をのけぞらせていた。「代表、助けてください!!!」
必死で柵にしがみついている彼を、襟首を掴んだキム室長がぐいと外へ押し出す。

ケ頭取「金を渡せば助けるって言ったじゃありませんか!!!」
クム代表「いつ助けてやるなんて言った?そんな約束はしていないと思うが」
ケ頭取「代表!お願いだから助けてください!あぁあ!」
クム代表「秘密を知った者は2つに1つだ」
ケ頭取「?」
クム代表「死ぬか… 自殺するか」
ケ頭取「悪人め!!!」

ドンとキム室長に押し飛ばされ、ケ頭取は夜の闇へ落ちていった。

クム代表「防犯カメラは?」
キム室長「保安システムを停止しておきました」

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頭取の部屋へ戻ると、クム代表はデスクのプリンターで遺書をプリントアウトし、そこへ置いた。

『残された家族とお客様にお詫びします。何気なく始めた賭博でしたが、取り返しのつかないことになりました。自分がある瞬間犯罪者になってしまったという事実に直面し、その苦しく窮屈な現在へ…。どんなに後悔しても無駄でしかありません。誰にも言えない賭博の借金は、腫瘍のように大きくなり、処置できなくなりました。私自ら招いたこの災いから逃れられる道は、ただ一つです。無責任な死で、債権者の方々に謝罪することを、重ねてお詫びいたします』

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チョン・ドヨン検事長は、執務室で新聞記事を見つめていた。

『K貯蓄銀行頭取、K氏自殺~遺書を残し屋上から投身』

新聞から顔を上げると、彼の前でチン次長が黙って頷いた。「…。」

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ケ・チュンシク頭取自殺のニュースに、チェ・ジョンピルは愕然とした。「こりゃ本当なのか?!」

秘書「はい… あちこちに緊急速報が出ています」
チェ前総理「何てことだ!!!勝手に死にやがって!!!」

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ソウル中央地検では会議室に検事たちが集まり、ミーティングが行われていた。

チン次長「それから、銀行頭取の自殺事件は…」

ハラとペク検事(ドチャン)が顔を上げる。

チン次長「キル検事、あんたがやって」
キル検事「はい、次長」
チン次長「遺書は出てるし、自殺に違いないから、横領でさっと片付けて。さぁ、次」

#ただただガッカリ。正義より出世を選ぶなら、わざわざこの役作らなくていいのに。

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「変よね」会議を終え、廊下を歩きながらハラが言った。

ドチャン「何が?」
ハラ「自殺なのかどうか調べろっていうんじゃなくて、もう自殺と決めて捜査方針を出したでしょ」

「だよな!」ドチャンが同調する。「しかも横領に結びつけて」

ハラ「何か変よ」

「検察は困ったもんだ」そう言って、ドチャンはエレベーターへと向かう。

ハラ「どこ行くの?」
ドチャン「フィールギャラリー。将棋を指しに」
ハラ「何でまたあそこに?!そのうちバレるわよ!」

「友は近くへ。敵はもっと近くへってな♪」ドチャンはクルリと踵を返した。

ハラ「…もう知らない」

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クム代表の部屋へやって来て、ペク検事(ドチャン)は持参した将棋セットを出した。

クム代表「それは何です?」
ペク検事「将棋の駒ですよ。代表の駒が中国式なので、難しくて」
クム代表「名筆は筆を選びませんよ。ルールが変わるわけでもないのに」

「ははは」ペク検事が軽快に笑う。「悪魔は細部に宿るって言うじゃありませんか」

ペク検事「何が影響するかわかりませんから」

2人は慣れた様子で駒を並べ始めた。

ペク検事「そういえば、代表は主に鴛鴦馬の布陣を使われますね」

※鴛鴦馬の布陣=鴛鴦というのはオシドリのこと。『馬』同志を前後で連携させて防御し、味方の駒を進めさせる布陣。

クム代表「もう私のやり方を把握なさったんですね」
ペク検事「鴛鴦馬の布陣を使う人たちは夫婦仲も良いとか。そういえば、奥様に一度もお会いしたことがありませんね。一度食事でも…」
クム代表「…。」
ペク検事「ひょっとして、あまり夫婦仲が…?」

「いいえ」黙々と駒を並べていたクム代表が顔を上げる。「随分前に死別しました」

ペク検事「!… どうして?」
クム代表「交通事故でした。義父が国会議員だったんですが、選挙運動を手伝った帰り道で」
ペク検事「あぁ、そんなことが…。すみません、辛い過去を思い出させてしまって」

「いいえ」クム代表は小さく微笑み、駒をつまみ上げた。「始めましょう」

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廊下を歩いてきたハラは、偶然ドアが開いていたキル・デロ検事の部屋をそっと窺った。
そこへ、中から捜査員が出てくる。

ハラ「キル先輩は?」
捜査員「同窓会があるとかで、お帰りになりましたけど」

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「キル検事!」1階のロビー近くでキル検事を呼び止めたのは、記者のオ・ソラだ。「お出かけですか?」

キル検事「同窓会」
ソラ「え?銀行頭取の捜査もしないで?」
キル検事「自殺は明らかなのに、他に何を調べるんだ?」
ソラ「さっき銀行で取材したんだけど、行員たちが言うには賭け事をやるような人じゃないって」
キル検事「オ記者、人は見た目じゃわからないもんだ」
ソラ「判断が早すぎるんじゃ?後で他殺の状況でも出たら、また赤っ恥だわ」
キル検事「自殺だってば。賭けるか?」
ソラ「わっ!キル検事も賭け事が好きなんですね」

「…。」うんざりと溜息をつき、キル検事は背を向けた。

#女傑のことは一旦諦めた!君がずばっと暴いてくれ!

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チェ前総理は重苦しい心境でケ・チュンシク頭取の葬儀場へ出向いた。
先に来ていたクム代表が頭を下げる。
彼の隣にいたのは、キル検事だ。

クム代表「今回、頭取の自殺事件を担当するキル・デロ検事です」
チェ前総理「ご苦労ですね。徹底した捜査をお願いします」

「それでは私はこれで」キル検事がその場を離れる。

チェ前総理「捜査はどうなっている?」
クム代表「昨日防犯映像を引き取って分析中だそうです」
チェ前総理「ふむ」

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祭壇に花を捧げ、チェ前総理とクム代表は並んで遺族に頭を下げた。

クム代表「悲しみは如何ほどかと…」

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少し遅れてもうひとり…
ドチャンが葬儀場に姿を現した。

彼はちょうど廊下を曲がってきたチェ前総理、クム代表と遭遇する。

ペク検事(ドチャン)「クム代表、ここでお会いするとは。故人とお知り合いだったんですね」
クム代表「えぇ。フィールギャラリーの同好会会員でいらっしゃいましたので」
ペク検事「あぁ、会員ですか」
クム代表「ペク検事は?」
ペク検事「私はまぁ、仕事上」

そういって軽く笑い、ペク検事は隣で黙っている人物に視線を移した。
「…。」チェ前総理が咳払いをし、目を伏せる。

ペク検事「チェ・ジョンピル総理?」

「お目にかかれて光栄です!」ペク検事が深く頭を下げる。

チェ前総理「はははっ、どちら様で?」
クム代表「ペク・ジュンス検事です」
チェ前総理「…。」
ペク検事「総裁も会員でいらっしゃるんですね?」

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葬儀場のテーブルで、ペク検事(ドチャン)はチェ前総理、クム代表とともに、ふるまわれた食事を囲んでいた。

ペク検事「少々気にかかることがありまして… お話ししておくべきかと」
2人「?」
ペク検事「ケ・チュンシク氏は賭け事をする人ではなかったそうで」
クム代表「…。」
ペク検事「賭博で1000億以上損をするには、普通は海外に出掛けないといけませ出入国記録も一切ありません」

「うむ」チェ前総理が頷く。「同感だ」

チェ前総理「あいつはそんなヤツじゃない」

「…。」ペク検事の視線が、そっぽを向いているクム代表へと向かう。

ペク検事「事件を正しく理解するには、誰が得をするかを考えろといいますよね」
チェ前総理「はははっ。鋭いですな、ペク検事」

「遺書まで見つかったじゃありませんか」クム代表が指摘する。

ペク検事「遺書なんていくらでも捏造できますよ」
チェ前総理「ペク検事、一度改めてお会いしましょう。この人だと思ったら、とことん熱を上げる病気でしてな、はははっ」
ペク検事「さすが総理、人を見る目がおありです」

#さすが。あっという間に気に入られてる^^

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「クム・テウンのヤツ、しらばっくれおって!」帰りの車の中で、チェ前総理は激昂した。

チェ前総理「明日、南山クラブを招集しろ」

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「準備はできたか」クム・テウンもまた帰りの車でキム室長に尋ねる。

キム室長「はい、1人を除き、全てこちらへ」
クム代表「日程を早めなければ。老いぼれが目ざとくてな」

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「あぁ」いつもの屋上で、ドチャンは気持ちよく伸びをした。
「何か掴めた?」ハラが尋ねる。

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2018.4.23 | 地図を大きくする ©  NAVER Corp.

#この辺りですね。いい眺め♪

ドチャン「あぁ、テストしてみたけど、ちゃんと釣れたぞ。クム・テウンは焦らせたし、チェ・ジョンピルは引っ掛かった。さぁ、俺の役目は終わったから、今度はオ検事の番かな?」

ハラがにわかに携帯を出し、自撮りの写真を元にアバターを作った。
出来上がった力作を使い、メッセージを送ったのは、キル検事のもとだ。

キル検事「なんだこりゃ?」

ニコニコと手を振っているアバターに、メッセージが添えてある。

ハラ(メッセージ)「キル・デロ先輩、屋上でちょっと会えませんか?」
キル検事「あいつ、朝から変なもんでも食ったか?」

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作戦はこうだ。
ハラがキル検事を屋上に呼び出し、引き留めている間に、ドチャンが彼の部屋へ向かう。

ペク検事(ドチャン)「何で後輩にこんなことさせるんだか…」
捜査員「キル検事、ついさっき出られましたけど?」
ペク検事「でしょう~?報告書の文法をチェックしてほしいなんて、そんなのってあります?」
捜査員「私がやりましょうか?」
ペク検事「いえいえいえ、いいんです。僕、国語で満点だったんですから」

彼はキル検事のデスクの資料を手早くめくり始めた。

表紙をめくると、そこにはデスクの上に置かれた遺書の写真。
『遺書から死亡者ケ・チュンシクの指紋は発見されず』とある。

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屋上に呼び出したキル検事を引き止めるのに、ハラは四苦八苦していた。

キル検事「オ・ハラ、このメールお前が送ったのか?先輩相手にかわい子ぶりやがって。何でここに呼び出した?」
ハラ「銀行頭取の投身自殺、ちゃんと調べてるんですか?」
キル検事「干渉するつもりか?」
ハラ「捜査内容、公表してくださいよ。気になるから」
キル検事「うるさい。この事件は俺がやるから。後輩のくせに偉そうにすんな」

戻ろうとしたキル検事を慌てて呼び止める。「先輩!」

キル検事「今度は何だ?」
ハラ「…埃と黄砂、どっちが悪いと思います?」
キル検事「埃が出るほど叩かれたいか?怒るぞ」
ハラ「先輩、ホントに検事なんですか?」
キル検事「何言ってんだ?」
ハラ「司法試験パスして首から検事証をぶら下げたら、それで本当の検事なんですか?!」
キル検事「…。」
ハラ「上から言われたからって、事実関係も調べずに自殺に持っていくなんて、本当の検事のやることですか!検事なら検事らしくしないと!」
キル検事「お前、悪いもんでも食ったか?おい、オ・ハラ、全く…」

「?」そこへ、向こうの階段の下から、ドチャンが顔を覗かせた。
彼が指で「OK」と合図するのを見た瞬間、ハラはペコリと頭を下げる。

ハラ「(キル検事に)謝ります!言い過ぎました」

#(゚∀゚)ゲラゲラ

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ドチャンとハラがやってきたのは、人目につかない取調室だ。

#便利な密会の場所だねぇ~

ハラ「他殺が疑われる点は?」

ドチャンが首を横に振る。「遺書に指紋一つなかったって」
「…!」ハラがハッと顔を上げる。「指紋がなかった?」

ドチャン「(頷く)」
ハラ「現場の写真、見たんでしょ。遺書はどこにあったの?プリンターの上?デスクの上にあった?」
ドチャン「デスクの上に」
ハラ「指紋はなかったのよね…?死のうとした人が遺書を書き、プリンターから抜き取ってデスクに置いたのに、その遺書に自分の指紋がなかった?」
ドチャン「!… オ検事、ホントに検事だったんだな」

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チョ・ソンドゥが得意げにクム代表に差し出したのは、『怪しい神父』の写真だ。「この詐欺師め」
汝矣島聖堂の神父だと突き止めたと言い、写真を手に入れたのだ。

チョ・ソンドゥ「やっと見つけましたよ!名前はボン・マノ、別名ボン監督で通ってるそうです」

クム代表がボン監督の写真を見つめる。「お前が見つけたって?」
ソンドゥがニッコリ笑い、ひょこっと首をすくめる。

~~~~~~~~

裏側はこうだ。
「これをクム・テウンに持っていけ」写真を差し出したのはドチャンだった。

ソンドゥ「ホント?持ってっていいのか?」
ドチャン「お前が有能に見えりゃ、使い続けるだろ」

~~~~~~~~

「いつの間に見つけたんですか」納得いかないのはキム室長だ。

キム室長「一緒に行動している間、尻尾一つ掴めなかったじゃないですか」
チョ・ソンドゥ「キム室長、俺が上手くやったからって嫉妬してんのか?思ったよりケチくさいな」
キム室長「!」

「この詐欺師とペク・ジュンスの関係は?」クム代表が更に先を問う。

チョ・ソンドゥ「…そこまではまだ」
クム代表「2人がグルだって証拠を持って来い。今捕まえたところで、否認されれば何も掴めない」

「はい!」ソンドゥが元気な声を上げる。「僕を信じてください」

+-+-+-+

自宅の居間でグラスを手に、チェ・ジョンピルはほろ酔いだ。「ははは、あの頃は良かったなぁ」

チェ前総理「南山から来たと言えば、財閥も政治家もブルブル震えたもんだ」

向かいに座る男性が、無言で頷いた。

チェ前総理「我が南山クラブで動かせる人間は数千人になる。韓国を動かせる”裏の政府”じゃないか?」

「…。」再び頷く男性は、どこか沈んだ様子だ。

チェ前総理「この世の中はな、変えようとして変わるもんじゃない。裏からこっそり動かさなきゃならんのだ」

「総裁」男性が口を開いた。「クム・テウン… あいつを信じてはなりません」
「わかっとる」チェ前総理は大きく頷く。「気をつけんとな」

チェ前総理「明日南山クラブを招集して、クム・テウンのヤツは切り捨てるつもりだ」
男性「賢明なお考えです」

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翌日。
南山クラブの会合へやって来たチェ・ジョンピルは、1人、ラウンジへの階段を下りた。
「出迎えもなしか」ボヤきながら現れた彼に、すでに着席しているメンバーはなぜか反応を見せない。

チェ前総理「…?」

そのときだ。
上から新たに聞こえてきた足音に、メンバーが一斉に立ち上がる。
姿を現したのは…

クム・テウン!

チェ前総理「!!!」

階段を下りてくると、クム・テウンは立ち尽くすチェ・ジョンピルに目もくれず、前を通り過ぎた。

+-+-+-+

ここでエンディングです。

爺ちゃん、哀れ…。

ケ・チュンシク氏を呼んで「1000億作れと言ったら作れ!」と頭ごなしに怒鳴りつけた時に、「この人もうダメだな」と思いましたが、いざこうなると哀れで見ていられません。

 - スイッチ~君と世界を変える

Comment

  1. ko より:

    有りがたくて涙~感謝です!

  2. RICO より:

    お疲れ様です。

    そうそう、検察の屋上、このあたりですよね。
    63ビルの隣りの双子ビル、金湖リチェンシアアパートの屋上ではないかと思います。

    ハラがアバターを作っているのを覗き込むドチャンの後ろに映りこんでいるのが金ピかの63ビルでは?

  3. くりこ より:

    ユジナーさんの解説が面白いです✨

  4. ゆっこ より:

    次の更新を心待ちにしています♪

  5. かわげん より:

    はじめまして!!
    一話から一気に読ませて頂きました
    翻訳だけでなくドラマ全体をより分かりやすく言葉のないシーンまで
    解説つきでとても面白いです
    更新楽しみに待ってます

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