マンホール-不思議の国のピル9話あらすじ&日本語訳vol.2
ジェジュン(JYJ)、ユイ、チョン・ヘソン、バロ(B1A4)出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』9話レビュー、後半です。
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ボンボンホップではチンスクの誕生パーティの準備が進んでいた。
「ピルは何で来ないの?」風船を並べながらチョンエが言う。
タルス「ピルはな、勉強は出来なくても頭のいいヤツだ。いつだって本能で体が一番快適な時と場所を見つけるから」
ちょうどタイミングよくピルが入ってくる。
タルス「ほらな」
チョンエ「ちょっとポン・ピル!準備が終わる頃に現れるなんて」
ピル「(タルスに)兄貴、スジンはまだ来てないのか?」
またしてもタイミングよく扉が開く。
入ってきたのはスジンだ。
ジェヒョンも一緒だった。
「わぁ、凄いですね」飾り付けにジェヒョンが感嘆の声を上げる。
「…。」ジェヒョンを睨みつけるピルに、クギルが囁いた。「おい」
クギル「いくら何でも誕生祝いのご馳走ひっくり返すなよ。半日がかりで準備したんだから」
ピル「兄貴、今日はチンスクが生まれた日だよな」
クギル「あぁ、誕生日だからな」
ピル「だがな、誰かが死ぬ日でもあるぞ」
クギル「な、な、な!」
そこへジェヒョンの電話が鳴り、彼は一旦店の外へ出た。
「あれ?俺も電話が」ピルもわざとらしく電話を出し、後を追って外へ出る。「電話してくるから」
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「いえ、ちょっと約束がありまして。明日お電話しますから」ジェヒョンは外へ出て来たピルに気づき、早々に電話を切った。
ピル「おい。お前さ、俺をこんなに煩わせるなんて、一体どんな悪縁なんだ?」
ジェヒョン「何をおっしゃっているのか…」
ピル「時空を行き来しながらよくよく観察した結果、善良そうに笑っていても、お前は悪魔に近い人間だって、俺にはわかってる」
ジェヒョン「え?」
ピル「スジンから離れろ。酒の席で恥かきたくなかったらな。わかったか?」
ジェヒョン「…。」
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まだ顔を見せないソクテと、主役のチンスクを除く全員が席についていた。
じっとジェヒョンを睨んでいるピルのおかげで、場はピリピリと静まり返っている。
ジェヒョン「僕が居心地を悪くさせているなら、もう失礼します」
皆「い、いや…」
チョンエ「いいお薬を教えてくださいよ」
ジェヒョン「いいえ、お友だち同士で楽しくお過ごしください」
ピル「あぁ、それがいい。えらく居心地が悪かったからな、俺は」
スジン「!」
チョンエ「ちょっと、あんたが帰りな。私はあんたのいるほうがずっとバツが悪いわ」
「気になさらないでください」タルスが作り笑顔でピルの顔を隠す。「こいつもたいして歓迎されるキャラじゃないんで」
それでもジェヒョンは立ち上がった。「いいえ、僕はこれで失礼します」
会釈して出ていってしまったジェヒョンに慌て、クギルたちがピルを睨んだ。「お前!」
ピル「俺がどうした?何も言ってないぞ」
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店を出たジェヒョンの後を、スジンがついて出て来た。「すみません。不快な思いをなさったでしょう?」
ジェヒョン「いいえ。お友だちの皆さん、印象もいいですし、愉快で楽しいいですね」
スジン「ひょっとして、ピルがジェヒョンさんに何か不愉快なことを言ったわけじゃないですよね?」
「いいえ」ジェヒョンは軽く笑った。「彼は何も言ってませんよ」
スジン「(ぶつぶつ)何か言ったみたいなんだけど…あいつ」
ジェヒョン「いや、本当にそんなんじゃないんです。僕、忙しくて帰らないといけないので」
スジン「そんな… 誕生パーティーに一緒に行ってもいいかって言ったのに、突然忙しいから帰らないといけないなんて変だわ」
ジェヒョン「いえ、そうじゃないんです。誤解なさらないでください」
ジェヒョンは少し躊躇ったように俯いた。「正直…」
ジェヒョン「スジンさんのお友だちと仲良くやりたかったんですけど、一度に欲張ったら無理が出るでしょう」
スジン「…。」
ジェヒョン「今日は挨拶しただけで満足です」
スジン「…。」
ジェヒョン「早く中に入って。僕のために気まずくなってはいけませんから」
「とにかく今日はありがとうございました」スジンはペコリと頭を下げた。
ジェヒョン「こちらこそ」
「それでは」にこやかに頭を下げ去っていくジェヒョンの背中を、スジンはしばらく眺めていた。「…。」
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チンスクが登場し、パーティが始まった。
クギル「ちょっと待った!ソクテはケーキ持って来んのか?何で来ないんだ?」
タルス「ケーキカットは食後にまわして、食前のイベントからやろう」
皆でお祝いの歌を歌い、クラッカーが放たれた。「おめでとう!」
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逸る心を抑えながら、ソクテはケーキの箱を大事にぶら下げ、スーツ姿でボンボンホップへの道のりを急いでいた。「チンスク、誕生日おめでとう~。いや、違うな」
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席につき、皆がそれぞれ用意したプレゼントを差し出した。
タルス「家に帰ってから開けろよ」
チンスク「ありがとう!こんなのいつの間に用意したの?」
「あれ?俺のプレゼントは?」ピルがキョロキョロしながら立ち上がる。「確かに買ってきたのに」
見透かしたようにチンスクがスジンと顔を見合わせる。
クギル「おい、用意してないなら座ってろ。ホコリが立つだろ」
タルス「お前は金のない受験生だってチンスクもわかってるんだから、パフォーマンスしてないで対話で折り合いをつけたらどうだ?」
ピル「違うって。間違いなく今日プレゼント買ってきたんだ」
チンスク「ちょっと!座りなって。貰ったことにしてあげるからさ」
皆にお尻を向け、ピルはソファの裏を覗く。
ポケットからはみ出した封筒を、タルスがさっと引き抜いた。「これじゃないのか?」
「軍事郵便?」封筒の表書きに、タルスが目を凝らす。
ピル「!!!」
チンスク「!!!」
「なにこれ」チョンエが奪い取る。
タルス「お前がスジンに送った手紙だな」
チョンエ「自分で送ったものを何で持ち歩いてるの?」
ピル「それは違うんだ。返せよ」
手紙はチョンエからクギルに渡る。「何だ?秘密の手紙か?」
「違うって!何で人の手紙を勝手に見るんだよ!」ピルはようやく手紙を取り戻した。
チンスクがカバンを持って立ち上がったのは、次の瞬間だ。「先に帰る」
ピル「おい、チンスク!違うんだ…」
チンスク「…。」
チンスクは憮然とした表情で出口へ向かった。
と、そのとき、大喜びで入ってきたのがソクテだ。「チンスク!俺、合格したんだ!」
彼を一瞥すらしないまま、チンスクは店を出た。
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店を出たところで、ピルは何とかチンスクをつかまえた。「なぁチンスク!待てよ」
チンスク「そうよ。この手紙、私が持っていったの。罵りたければそうしなさいよ」
ピル「ごめん、チンスク」
チンスク「何であんたが謝るの?手紙を持っていったのは私だけど」
ピル「…。」
チンスク「罵りなさいよ!いっそのこと怒ったらどう?!」
顔を紅潮させたチンスクの目に、涙が滲み出す。
「全部わかってる」ピルは静かに言った。
ピル「お前がどんな気持ちでこれを持っていったのか」
チンスク「!」
ピル「チンスク、お前の気持ちに気づかなくて悪かった。もう少し… 俺がもう少し勘が良ければ」
店の扉をそっと開け、顔を覗かせたスジンの耳に、ピルの声が聴こえてくる。「?」
チンスク「スジンに見せるつもりで持ってきたの?」
ピルは何も言えず、ただチンスクを見た。
チンスク「たとえ私の気持ちを知っていたとしても、あんたはずっと私のこと心を傷つけたはず。相変わらずスジンのことしか見なかっただろうし」
ピル「チンスク…」
チンスク「ピル、私いま恥ずかしくてあんたの顔も見られないし、戻ってスジンの顔も見られないわ。申し訳なくて」
「あんたが何とか収拾つけて」チンスクは歩き出した。
ピル「チンスク!おい!」
茫然と立ち尽くすピルの背後で、スジンがゆっくりと店の前の段を下りてきた。「…。」
いつの間にかそこにいたスジンに驚き、ピルは通りの向こうへ消えていくチンスクの背中を思わず振り返る。
「あのさ…」言いかけて、ピルは困って俯いた。「何からどう説明すればいいのか…わからないよ」
スジン「…。」
ピルは握りしめていた手紙を、スジンの手に握らせる。「お前のだ」
ピル「ちょっと遅くなったけど」
「そうだったのね」そう言って、スジンはチンスクの去っていった方をそっと見つめた。「だけど…」
スジン「今さら何の意味があるの?」
ピル「…。」
スジン「この手紙が何だって言うのよ」
ピル「手紙のせいじゃないか。お前が手紙を受け取れなくて、俺たち疎遠になったんだから」
スジン「…。」
ピル「だから、その誤解を解きたかったんだ」
スジン「ピル、あんたはわかってないよ。私たちの間には最初から誤解なんかなかった」
ピル「それ… どういうことだよ?」
スジン「ピル、チンスクはずっと前からあんたのことが大好きだったわ」
ピル「…。」
「私、あんたにチンスクのことだけは傷つけてほしくないの」大きな目いっぱいに涙をため、スジンは声を震わせた。
黙り込むピルの前でかすかに微笑み、スジンもまた彼の横をすり抜けた。
ピル「なぁ、スジン!」
スジン「…。」
ピル「お前、ひょっとしてチンスクのために俺のこと諦めたのか?」
スジン「愛より友情のほうが苦しいときもあるわ」
ピル「!」
「もうやめよう…ピル」消え入りそうな声でそう言うと、彼女は澄んだ目で彼を見た。
ピル「…。」
遠ざかっていくスジンを、ピルは引き止めるどころか、振り返ることすら出来なかった。
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チンスクは家の前のベンチに死んだように座っていた。
彼女の様子を見に来たのは、ソクテだ。「チンスク…」
チンスクは決まりが悪そうに顔をあげる。「何で来たの?」
チンスク「皆ともっと遊んでればいいのに」
ソクテ「主人公のいない誕生日会に意味なんてないだろ。みんな帰ったよ」
チンスク「悪かったわ。雰囲気台無しにしちゃって」
「俺、お前が恨めしいよ」ソクテの声には、静かながらも怒りがこもっていた。
チンスク「?」
ソクテ「俺、公務員合格の知らせを受けてすぐ、父さんに電話もせずに、お前のところへ駆けつけたんだ」
「!」自分のことで精一杯だったチンスクは、そこでようやくソクテを傷つけていたことに気づいた。
ソクテ「お前に真っ先に知らせて、お前に真っ先に祝って欲しかった」
チンスク「ごめん…。私、頭が一杯で」
ソクテ「…。」
チンスクはぎこちなく微笑みかけた。「合格おめでとう」
そういって、また力なく下を向く。
#このさぁ、照明の加減でチンスクの顔の上半分が陰になってるのが、絶妙だよね。
ソクテ「俺が合格しようがしまいが、お前は構いやしないよな。合格したのがピルなら、こうはならないだろ」
チンスク「…ソクテ、あんた急にどうしたの?」
ソクテ「俺が何で公務員になろうとしたかわかるか?未来の旦那は公務員がいいって、お前言ったよな。それで俺、公務員を目指してたんだ」
チンスク「…。」
ソクテ「短髪の男がカッコイイってお前が言うから、次の日すぐ頭を丸めて、背の高い男が好きだってお前が言うから、足が痛くてたまらないのにインソールを3枚も入れて」
チンスク「…。」
ソクテ「俺の世界はお前中心に回ってるのに、何でお前は俺のこと見てくれないんだ?何で!」
#ソクテや…それで相手を責めちゃいけないんだよ…。
チンスク「ソクテ、私の好きなのが誰なのか、あんた知ってるじゃない。あんたまでやめてよ…」
ソクテ「お前がピルを諦められないように、俺だってお前のことが諦められないんだ。他の人はともかく、お前は俺の気持ちをわかってくれないと」
チンスク「…。」
ソクテ「お前に見せたいものがある」
「ついて来いよ」ソクテはチンスクの腕を掴んだ。
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チンスクを家の前で待たせておき、ソクテは家から紙袋を持って出て来た。
「見てみろよ」袋から出してみせたのは、封筒の束だ。
チンスク「これ、何?」
ソクテ「高校のときから、スジンがピルに送ってた手紙だ」
チンスク「!…何であんたが持ってるの?」
ソクテ「人はときどき幼稚になる。お前もそうだったみたいにさ。あのときは、ただピルが憎らしかったんだ。見下されてるようで」
チンスク「…。」
ソクテ「それでスジンがピルに送った手紙を持ち出したんだ」
「…。」チンスクは封筒の束とソクテを見比べる。「これを私に見せた理由は?」
ソクテ「見ればわかるだろうけど、ピルだけが一方的にスジンのこと好きなんじゃない。スジンだってピルのことが好きなんだ」
チンスク「…。」
ソクテ「お前、スジンの一番の親友じゃないか。スジンのためにもピルを諦めたらどうなんだ?」
「ねぇ」顔を上げた彼女の目は、赤くなっていた。「自分で自分の気持ちが思うようにならないのに、どうしろって言うの?」
チンスク「元に戻せるなら、私だってそうしたいわ。人を好きになることで、こうやっておおぜいの人に迷惑を掛けるとは思わなかったけど、諦められないものをどうしろって言うのよ?どうしようもないのに!」
手紙の束をソクテの胸に押し戻し、チンスクは背を向けた。
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部屋へ戻ったスジンは、灯りもつけないまま、酷く疲れた様子で座り込んだ。
手に持った封筒を、じっと見つめる。「…。」
『スジン、元気か?すごく会いたいよ。
俺は毎日作業に訓練に… だいぶ痩せて顔も真っ黒に日焼けした。
軍隊に行けばマトモな人間になるって言うけど、いざ来てみたら、ここは人を潰しちまうところだ。
あれもするな、これもするな…。
当たり前に思ってたことを、全部禁止されるから、ウズウズしてたまらないよ。
その中でも一番恋しいのは、温かい母さんの飯でもなく、夜中に作るラーメンでもない。
お前だ』
『ポン・ピルへ。
忙しくて大変だろうね。
軍隊って目が回るほど忙しいって聞いたからわかってはいるけど、
返事がないと無性に心配だわ。
それで、今週末にでも面会に行こうかと思って。
手紙を受け取ったら、電話してね』
~~~~ピル兵役中のある週末~~~~
手紙を出した週末、スジンは朝から精魂込めてご馳走を用意した。
スジン母「子どもを育てたところで役に立たないって言うけど、お父さんお母さんの誕生日には作ってくれたこともないのに、(ご馳走を眺め)はぁ、大層な真心ですこと」
スジン「だって、ピルは軍人でしょ。どんなにお腹空かせてるか」
母「でも、ピルはあんたの手紙に返事も寄越さないんでしょ?面会に来るって知ってるの?」
スジン「返事をしないんじゃなくて、忙しくて出来ないのよ。この間電話で話したとき、もうすぐ面会に行くって言っておいたから」
スジンはお弁当の袋を下げ、ピルのいる軍営を訪れた。
#緊張してトコトコ歩いてるのが可愛くてたまらない。
受付で面会申請用紙を受け取り、隣の面会室へ向かう。
申請用紙を書き進めるうち、スジンの手がふと止まった。
『関係』を書く欄だ。
”女ともだち(ガールフレンド)”と書いてみて、やり過ぎたかと思い直し、”女”を消した。
しばらく待っていると、先程受け付けてくれた軍人がやって来た。
軍人「ポン・ピルは面会人が来て、外出しているそうです」
スジン「外出?いつ戻るんですか?」
軍人「それはわかりません。業務への復帰は晩の8時です」
スジン「8時ですか?!」
スジンは意気消沈して施設を出て来た。「誰が面会に来たんだろう。無駄足だったな」
ふと土手の下に目をやった彼女は、ハッとして立ち止まる。「…あっ」
野外用のテーブルに、ピルの姿を見つけたのだ。
楽しそうにサムギョプサルを囲んでいる相手は…チンスクだった。
「…。」二人の様子があまりに仲睦まじく、スジンは茫然とそこに立ち尽くした。
#スジンからピルへの手紙はちゃんと本人に渡ってて、ピルはスジンが来るのを知ってるはず。どうしてこんな事態になるんだろうね。「来たらスジンも合流させればいい」と単純に考えてたにしても…ちょっと疑問。
~~~~~~~~
今でも胸に染み付いているあの週末の光景を、スジンは思い浮かべた。
ピル…。
私たち、もう手遅れだわ。
+-+-+-+
夜が更けていく。
ピルの足はマンホールへ向かった。
スジンはもう俺を諦めることを選んだ…。
これ以上俺に何が出来るっていうんだ?
あぁ、どうすればいい…?
何をどうすればスジンの気持ちを取り戻せるんだよ!
マンホールの上で街灯が点滅し、俄に風が吹き抜けた。
+-+-+-+
「おばあちゃん」家に帰り着いたチンスクは、祖母に電話を掛けた。
チンスク(電話)「ごめん、起こしちゃったよね」
祖母(電話)「ううん、私のカワイ子ちゃん、誕生日は楽しく過ごしたの?」
チンスク「もちろんよ。スジンがわかめスープ作ってくれたし、みんながパーティもしてくれたわ」
祖母「あらまぁ!スジンは本当に有り難いわ。友だちと遊んでいて、今帰ってきたの?」
チンスク「うん。おばあちゃん、私、この家を引き払っておばあちゃんと一緒に暮らそうかな」
「…ううん」チンスクの声が震える。「何にもないよ。ただこの町に飽き飽きしちゃって」
チンスク「うん、決まったら知らせるね」
「おやすみ」電話を切ってふと顔をあげると、調理台の隅にある見慣れない袋が目に止まった。「?」
中に入っていたのは可愛らしい髪飾りとカードだ。
『チンスク、誕生日おめでとう -ピルより』
チンスクの留守中に手紙を探しに来たとき、ピルが置き忘れたのだった。
チンスク「…。」
*-*-*-*エピローグ*-*-*-*
まんまるの月に向かって、スジンとチンスクはビールの缶をカチンと合わせた。「乾杯!」
「チンスク、今週末、予定ある?」月を見上げたまま、スジンが言う。
スジン「私と出掛けない?」
チンスク「週末?あぁ、ちょっと行かなきゃいけないところがあって」
スジン「どこ?」
チンスク「約束」
スジン「そうか。それじゃ、私一人で行って来なきゃね」
「一人で行かせてごめん」チンスクがスジンの肩を抱く。
チンスク「で、どこ行くの?」
スジン「…。」
チンスク「男に会いに?」
スジン「違うもん!」
「ちょっと気晴らししてくるわ」スジンは少しぎこちなく唇を噛み締めた。
スジン「私がどこに行ったかは、帰ってから教えてあげる」
チンスク「チッ(笑)ねぇ、どこ行くの?」
スジン「帰ってから教えたげるから!ふふふ♪」
チンスク「どこ行くのよ?!」
スジン「帰ってから!はははっ♪」
#このシーンのスジン、本当に可愛い。照れくさそうに前を向いたままなのが可愛い!そして…とても切ない。
+-+-+-+-+
ここでエンディングです。
ソクテの公務員試験合格も然り、これまで守られていたタイムスリップのルールが今回から急に崩れてしまいました。
初回週で『何でもありで楽しくなりそう』とは書いたけど、もともと定めたタイムスリップのルールは守った上で、その範囲内でいろんな”過去→現在”の因果関係を見せてほしいものです。
過去が勝手に都合よく変わっていたり、リセットされるはずがされていなかったりすると、他のちゃんとしてる部分まで疑わしくなります。
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