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師任堂(サイムダン)、色の日記24話あらすじ&日本語訳~後編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン出演『師任堂(サイムダン)、色の日記』24話、後半に進みます。

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サイムダンが家に帰宅すると、子どもたちは揃って庭で浮かない顔をしていた。

長女メチャン「…お母様」
サイムダン「?
長女「中に入らないでください」
サイムダン「…?」

家の前に、男女の靴が脱いであるのが見える。
ウォンスとクォン氏のじゃれあう声が外まで漏れ聞こえていた。

クォン氏「あの詩は何て書いてあるって?」
ウォンス「知らなくていいよ」
クォン氏「胎教にしたいのよ」

意を決して中へ入ると、大きなお腹でふんぞり返っているクォン氏の前に、大切な金剛山図が広げてある。
サイムダンはそれを丸めると、それ以上いると窒息でもするかのように急いで部屋を出た。

クォン氏「(ウォンスに)あれ、置いて行かせてよ。頭の良い子を産む秘訣なんだから!」

「置いてってくださいな、お義姉さん」クォン氏の甘ったるい声を背中に外へ出てくると、サイムダンは子どもたちのいる縁台へと崩れるように座り込んだ。

サイムダン「!!!」
メチャン「お母様、泣かないで」
ソン「お母様、泣かないでください…」

嘆くサイムダンを見て、子どもたちも皆つられて泣き出した。
そこへやって来たのがコン氏だ。「チギュンとチソンは親戚の家に…」

コン氏「どうしたの?!何があったのよ?」

扉が開き、クォン氏が呆れて舌をチッと鳴らす。「何、皆で泣いてんだか」

ソン「何てことを!」
コン氏「ちょっと!この泥棒女!あんたがサイムダンを泣かせたんだよ!!!」
ソン「お父様は一体何をなさっているのですか!!!」

ウォンスはクォン氏の手を引き、そそくさと家の中へ戻る。

メチャン「お母様、行ってください。行ってしまっていいのです」
サイムダン「…。」
メチャン「金剛山に行きたがっていらっしゃったのでしょう?行って、絵を描くなり何なり、早く行ってください、お母様」
コン氏「そうよ… 行っちゃいなさい。私がここに居座って、あの女叩き潰してやるから、心配しないで行っちゃいなさいよ、ね?」
ソン「お母様、弟たちは僕がしっかり面倒をみますから」
メチャン「えぇ」
サイムダン「そうね、ごめんなさい」

子どもたちが皆で母親にしがみついた。

サイムダン「ごめんなさい、ごめんなさいね…」

#えっと… 何と言っていいのか(´・ω・)

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行方をくらましたキョムが身を置いていたのは、義賊イム・コッチョンの砦だった。
鬱憤の溜まったコッチョンが、彼の隣で雄叫びを上げる。「朝鮮の業晒しめーーー!」

キョム「…。」
コッチョン「兄者、いっそのこと俺たちから攻め込みましょうよ。全国に散らばってる仲間を全部集めますよ。兄者が一体何したっていうんですか!無念じゃないんですか?」

「無能な王と腐った両班の奴ら、すぱっと追っ払っちまおうぜ」コッチョンの声に、下にいる手下たちが答える。「おお!」

キョム「…。」

そこへ、向こうから必死で掛けてくる男が一人。
キョムの従弟フだ。「大変です!」

キョム「?」
従弟「官軍が楊柳紙所へ乗り込んだそうです」

「!!!」今まで身じろぎもせずにいたキョムが、ハッと振り返った。「シン氏婦人は?シン氏婦人は大丈夫なのか?!」

#この態度の豹変っぷりがピュアで胸がキュン!となるよね

従弟「出立なさったそうです。金剛山へ」
キョム「!」
従弟「女一人でどうやって金剛山へ行くっていうんだ…?」

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漢陽を発ったサイムダンは、長い旅路の末にとうとう金剛山へとたどり着いた。

※すぐ着いたように見えますが(笑)、金剛山は現在の北朝鮮領、江原道にあります。Wikipedia

金剛山の中でも一番の絶景を誇る毘盧峯に立ち、彼女は全身でそれを感じた。

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キョムもまた金剛山へ入り、遠い日々に思いを馳せながら岩場を進んだ。
「金剛山だけは何が何でも行きたい」そう顔を輝かせたサイムダンの表情が生き生きと蘇る。
死ぬ前に毘盧峯の風景をその目で見たいと…。
結婚したら一緒に行こう、一人では絶対に行かせないと、キョムは彼女に固く誓った。
金剛山へ行くなら、それは自分と一緒でなければならないのだ。

#キョムの方が遥かに登山が大変そう(笑)

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絶景に囲まれ、サイムダンは一心に筆を動かした。
日が陰り、向こうの山が黄金色に染まった頃、彼女は描き上げた絵を眺め、ようやく息をつく。
ふと後ろを振り返ると、彼女の視線がそこで止まった。

サイムダン「…!」

キョムがそこに立っていた。
思わずその手から筆を落とし、サイムダンは言葉も出ないまま彼を見つめる。
驚きのあまり何も言えない彼女に、キョムは優しく微笑んだ。「大丈夫」

キョム「…何もかも」
サイムダン「…。」
キョム「すまない。全て私のせいです」

胸をいっぱいにし、サイムダンは首を横に振った。「あなたのせいなものですか」

サイムダン「もっと酷い目に遭われたではありませんか。私のせいで追われる身になられたのですから…」
キョム「その件ならうまく解決できるからどうか心配しないで。少しだけ…少しだけ身を潜めていればいいのです」
サイムダン「本当に大丈夫なのですか」
キョム「(頷き)えぇ。あれほど望んでいた金剛山なのに、どうして暗いことばかり言うのですか」
サイムダン「けれど…」
キョム「3日。3日だけ私と一緒にいてください」
サイムダン「!」
キョム「金剛山で絵を描こうという約束、今からでも果たしたいのです」

何も言えずに見つめるサイムダンに、キョムは柔らかく頷きかけた。

忘れられるはずなどありましょうか
手放せるはずなどありましょうか
私の胸はまだこれほど熱いのです

聴こえますか 私の涙の声が
夢でもいいから どうか姿を見せて

時は行き違えど 私たちは同じところへ向かい
互いに互いを求め合うのです
どうか帰ってきて

待っています いつまでも
あなたなしでは生きられないのですから…

そうして二人は、夢に見た金剛山を前に、並んで筆を持った。
その筆先の紡ぐ美しい曲線が次第に近づき、いつしか一つに繋がる。

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キョムは絵から離れ、脇の小さな東屋でサイムダンに背を向けていた。
彫刻刀を手に、懸命に掘り進めているのは…

※復習。サイムダンが自ら彫った比翼鳥の印を贈った時、「対になるもう片方を彫って、結婚するときに贈ってほしい」とキョムに言ったのでした(´;ω;`)ブワッ

サイムダン「?」

「何をしておいでなのです?」サイムダンが尋ねると、キョムは慌ててそれを隠す。

キョム「え?何でもありません」
サイムダン「何ですか?」
キョム「あぁそれはえぇっと… たった今、虎が通った気がして」

「!」サイムダンが慌てて東屋へ逃げ込み、後ろを振り返る。

キョム「(誤魔化し笑い)見間違いかもしれない。一瞬だったから」

ホッとして、サイムダンは彼の隣に腰を下ろした。

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日が落ちていくにしたがって、空が燃えるように赤く染まっていく。
山の合間から三日月が姿を現した。

「月が昼寝から目覚めたみたい」二人で並んでそれを眺めながら、サイムダンがつぶやく。

キョム「月の昼寝か…。実に面白い表現だ」
サイムダン「一日中眠ってばかりいて、夜になると起きてくる月を、太陽は恨めしく思っているのです。暗い夜、暗闇で一人世界を照らすことがどれほど大変かも知らず。月はいつだって太陽のそばにいるというのに」

しばらく月を眺めていたキョムは、彼女の横顔をふと覗き込んだ。「なぜそんな暗い顔を?」

それには答えず、サイムダンはただ彼を見つめ返す。
悲しげだった彼女の目が、次第に和らぐとともに、その奥に微かに涙が光った。「何でもありません」

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夜。
少し下りた所にある小さな庵で、キョムは遅くまで印を彫り進めていた。
いつの間にかうたた寝をしていた彼は、外に出て、闇を照らしている月を見上げる。

#目に吸い込まれそう。。。

キョム「…。」

戻ろうとした彼は、はたと気づき、サイムダンのいる隣の庵を振り返った。「?」
扉の前に、脱いであるはずの靴が見当たらない。

キョム「おいでですか?」

返事はない。
焦って開いてみた扉の向こうに、彼女の姿はなかった。「サイムダン!」

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山上に一人で戻ったサイムダンは、焚き火のそばで絵を描いていた。
そして…
描き上げた絵を、火に投じる。
絵がゆっくりと昇華していくのを、サイムダンはじっと見守った。

その中に…
安堅の金剛山図に二人で添えた愛の詩を、サイムダンは涙を流して見つめた。「…。」

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「サイムダン!」彼女を探して山道を登ってきたキョムは、焚き火に気づき、驚いて駆け寄った。
絵が燃えている!
慌てて絵を火から払った彼は、そこに金剛山図が燃えかけているのを見つけた。「!」

#これだ; ・゚・(つД`)・゚・

周囲を見渡してみるも、そこに彼女の姿はない。
東屋の屋根の下に、一枚の絵と書簡が残されているのが見えた。

『ずいぶん考えました。
宜城君に差し上げたこの書簡は、悩んだ末に下した結論です。
あなたの手を取り、このまま去ってしまいたいと、そう思っていました。
そうなれば、子どもたちは生涯後ろ指をさされて生きることになるでしょう。
二度と会えない子どもたちを恋しく思いながら、子を捨てた親として生きていく自信はありません。
私は母として生きることを選びます。
後悔はしません。
今世で叶わなかった縁。もしかしたら来世で叶うかしら…。
愛しておりました。胸が痺れるほどに』

彼女の残した絵には、小さな東屋が描き添えてあった。
その屋根の下に、並んでいる人影が二つ…。
夕暮れ時の月を一緒に見上げている、彼らの姿だった。

たった一度きりの愛
たった一つの私の愛
いつもあなたを愛してる
この愛が私の全て

時を超えて 永遠に

私の胸が ただあなただけを 求めるのです

「サイムダン!!!」魂を絞り出したようなキョムの叫び声が、真っ暗な金剛山に悲しく響いた。

+-+-+-+

ここでエンディングです。

もう美しくて、美しくて、美しくて、美しくて…。
美しい二人に見入ってしまって、セリフを書き留めるのを忘れたほどです。
こんな状況でも触れもしないなんてね…。

ウォンスとクォン氏の不可解なシーンがきっかけになっているのが悔やまれます。

 - サイムダン(師任堂)色の日記

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