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師任堂(サイムダン)、色の日記24話あらすじ&日本語訳~前編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』24話をセリフの翻訳を交えながら詳しくご紹介していきます。

注:韓国で放送されているものは、日本版(完全版)と編集が違います。私の翻訳は韓国版です。

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小屋へ入ってきたフィウム堂は短剣を抜き、サイムダンを縛っている縄を切った。「裏の小道に添っていらしてください」

フィウム堂「その道に添って行けば…」
サイムダン「どうしてこんなことを?」

「…。」フィウム堂は力なくその場に跪いた。「お願いがあるのです」

フィウム堂「夫は死を免れないでしょう。倭寇と内通した謀反の罪に問われるはず。そうなれば、私の子どもたちは…官婢として連れて行かれることになるでしょう」

その目から大粒の涙が流れ落ちる。
「子どもたちを… 可哀想な私の子どもたちを…お願いします」フィウム堂はそう言って頭を下げた。

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次々と襲いかかる倭寇たちをキョムは懸命に払いのけた。
そこへ…
突然周囲に現れた官軍が、キョムに加勢する。

これまで傍観していたミン・チヒョンが自らの刀を抜き、キョムに斬りかかった。
激しい攻防の末、キョムの刀がとうとうチヒョンの腹を貫く。「!!!」

「旦那様!」チヒョンに気を取られた執事もまた、官軍の刀を腹に受けた。「あぁ!」

チヒョンの腹から一気に刀を引き抜くと、キョムの顔を真っ赤な返り血が染めた。
ガックリと膝を落とし、チヒョンはつぶやく「死ぬのか…私は」

キョム「…。」
チヒョン「面白いな。世子は助けようと軍を送り、王は殺せと命じるとは」
キョム「…どういうことだ?」
チヒョン「王がお前の命を欲したのだ。ははは」
キョム「!!!」
チヒョン「サイムダンと共に殺せとな」

「それはどういうことだ?」キョムはチヒョンの襟首を掴む。

キョム「神にも等しい殿下がお前の命をお望みだ。密かにな。ははは」

そこへ、後ろから飛んできた矢がチヒョンの背中に突き刺さる。

キョム「!」

内禁衛将が馬で走り去るのが見えた。

キョム「サイムダンは…サイムダンはどこだ?!」
サイムダン「…。」
キョム「言え。サイムダンはどこにいる?!」

それに答えることなく、チヒョンはそこで息絶えた。

キョム「!!!」

周囲ではまだ官軍と倭寇の戦いが続いていた。

#あれ?今ヤン・セジョンさんいたよね?

その中をすり抜けようとしたキョムに、倒れていた男が声を掛ける。「…旦那様」
チヒョンの家の執事だ。

キョム「シン氏婦人は?シン氏婦人はどこだ?」
執事「シン氏婦人は… 無事です」
キョム「?!」
執事「奥様が助け出したはずです」
キョム「フィウム堂が?」

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小屋を飛び出したサイムダンは、山道を一心に走った。
山を降り、コン氏と合流すると、街の中を突っ切ってフィウム堂の家に駆け込む。「あなたたち!」

チギュンと弟のチソンが仲良く並んで勉強していた。「急いで!今すぐ出発しないと!」

チギュン「どうしたのですか?」

コン氏が大急ぎで荷造りをする。

チギュン「母上は?」

「チギュン」サイムダンはチギュンの手を握る。「道すがら話すわ。早く行きましょう」

彼らが家を抜け出した直後に、官軍がやって来るのが見えた。

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フィウム堂は上衣をすっぽり頭から被り、サイムダンが無事に我が子を連れ出すのを見送った。
走りながら追手を振り返ったサイムダンは、民家の簾の向こうに人影を見つけて立ち止まる。「?」

フィウム堂が涙を流し、彼女に頭を下げた。

#ああもうダメ… 涙ってホントに一瞬でわっとあふれるものですね。
もう会えない我が子をこんなふうに見送るなんて、想像を絶します。

フィウム堂(心の声)「どうか子どもたちを… 可哀想な私の子どもたちを… よろしくお願いします」
サイムダン(心の声)「来世では…必ずや良い友人として再会しましょう」

サイムダンが背を向け、再び走り出す。
フィウム堂は激しく嗚咽を堪えることができなかった。

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「失敗しました」中宗は内禁衛将から報告を受けた。

中宗「ミン・チヒョンは?」
内禁衛将「殺しました」
中宗「余の痕跡は一つも残してはならぬ」
内禁衛将「…。」
中宗「…キョムが来るだろうな」

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サイムダンは楊柳紙所の人たちを集めた。「皆、集まった?」
「はい、お嬢さん」皆がいつものように笑顔で頭を下げる。

ヒャンに持たせた風呂敷包みを、サイムダンは彼らの前に差し出した。「あなたたちに渡す物があるの」
風呂敷の中の箱を開くと、そこには書状がいくつも収められていた。

大将「これは何ですか?」
サイムダン「皆の故郷に、それぞれの名前で田畑を買っておいたわ」

# ・゚・(つД`)・゚・ ウワァァァン

皆「えぇっ?」

皆が自分の名前の権利書を見つけ、歓声をあげる。

サイムダン「利益は等しく分けると最初に約束したでしょう?あなた方のお陰でいい暮らしが出来るようになったから、その約束を果たすわ」
大将「…。」
男性「故郷に田畑まで…一体どうしたんです?」
女性「私たちこそ死んだも同然だったものをお嬢さんのお陰で助かったんですよ」

「えぇ」皆が声を合わせる。

女性「だけどお嬢さん、まるで永遠のお別れみたいに、いきなりどうしたんです?」
サイムダン「そろそろ… 時が来たようだわ」
皆「え?」

サイムダンが優しく微笑む。「皆、ご苦労でしたね」

皆「お嬢さん!」
サイムダン「どこへ行っても元気に暮らして頂戴」
男性「私らどこへも行きませんよ」
女性「お嬢さん…?」

サイムダンはそれ以上何も言わず、くるりと背を向け、彼らの前を立ち去った。

皆「お嬢さん!お嬢さん!」

「大将!」皆が大将に詰め寄る。「大将は知ってるんだろ?どうしてなんだ?どうなってるんだ」
大将はサイムダンを追うことも、彼らに答えることも出来ず、呆然と立ち尽くした。

#・゚・(つД`)・゚・ ウワァァァン
私、大将のこんな不器用な感じが本当に好きなんですけどー

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楊柳紙所を出てくると、サイムダンは胸が一杯になり、振り返った。「…。」

長く厳しい道程だった。
生活のために楮の木で紙を造ることを思い立ち、流民生活をしていた彼らを説得し、夢中でここまでやって来たのだ。
たびたび妨害や迫害に遭いながら、サイムダンは彼らを守り抜き、彼らもそれに懸命に応えた。

サイムダン(心の声)「これまでご苦労様…。どうか皆、幸せに…」

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夜の大殿に衛兵の声が響く。「宜城君がおいでです」
頬に浴びた返り血もそのままに、キョムは長い廊下を進む。

突き当たりを曲がると、彼は内禁衛将の前でその足を止めた。「退いてください」

内禁衛将「…。」

「下がれ」後ろで中宗が告げる。
内禁衛将は脇へ退いた。

中宗「下がれと言っておろう!」

内禁衛将や尚膳が立ち去り、そこには中宗とキョムだけが残された。

中宗「殺しに来たのか?死にに来たのか?」
キョム「ここへ来たからには、生きて帰るつもりではないでしょう」

「ははは」中宗は笑い声をこぼし、静かに視線を逸した。

キョム「なぜですか」
中宗「…。」
キョム「サイムダンと私に… なぜあんなことを?」
中宗「わからないのか」
キョム「殿下は私のことをたった一人の弟であり友人であると、そうおっしゃいました。宮中には話のできる相手がどこにもいないともおっしゃいました。キョム、お前が恋しくてたまらないと… そばには私しかいないと、そうおっしゃったのです!」

「あぁ」中宗は静かに頷く。「そんなときが我々にもあった」

キョム「それなのになぜ?なぜ!!!」
中宗「…。」

「なぜあんなことをしたのですか」キョムは悲痛に顔を歪めた。

中宗「逆鱗に触れたのだ」
キョム「王座を狙ったわけでも、兵を挙げて反乱を企てたわけでもありません。なぜ龍(=王)がか弱い女性の命を欲するのですか!」
中宗「警告したはずだ。政治に欲を出すなと」
キョム「?!」
中宗「全てはお前の生半可な理想が招いたことだ」
キョム「生半可な理想?」
中宗「…。」
キョム「なぜ耳を塞がれるのですか。殿下の耳には両班たちの忠言や、民の憂う声が聴こえないのですか!」
中宗「悪賢い功臣たちの中で、屈辱と恐怖に耐えに耐えて王座を守ってきたのだ!40年ひたすら!!!なぜだと思う?」
キョム「…。」
中宗「廃主燕山君のように、臣下に引きずり降ろされ死ぬこともあると、この目でしかと見たからだ」
キョム「廃主…廃主…!一体いつまで廃主の陰に隠れていらっしゃるのですか!!!」

「こやつめ!!!」中宗はカッとなって脇の刀を抜き、キョムめがけて振り下ろした。

中宗「!!!」

騒ぎを聞きつけて、内禁衛将が駆けつける。
刃先を受け止めたキョムの手から、真っ赤な血が滴り落ちていた。

中宗「全てはお前のせいだ」
キョム「…。」
中宗「余は我が国朝鮮の起源と王の尊厳を守ろうとしただけだ」

素手で刃先を握ったまま、キョムはゆっくりと立ち上がる。
もう片方の手で鞘を掴むと、ひと思いに刃先を王の喉元へと突きつけた。「!!!」

キョム「お黙りを。それがそんなに重要ですか。罪もない民の命を奪うほどに!!!」
中宗「お前に龍の心がわかるまい。必要ならばそうすべきだ」
キョム「!!!」

怒りに震え、キョムは刀を奪って振りかざした。「あああ!!!」
割って入った内禁衛将の刀に制され、キョムは危ういところで動きを止める。
「やめてください!!!」後ろで叫んだのは… 駆けつけた世子だった。

世子「父上、どうか宜城君をお許しくださいませ。(キョムに)どうかやめてください!!!」

世子は目に涙を溜め、跪いてそう訴えた。

#ずっとそうだけど、世子はピュアすぎて見ていられないね…。

キョムの目から大粒の涙がこぼれる。
ゆっくりと腕を下ろすと、血まみれのその手が力なく刀を落とす。
硬直したまま動けない中宗に背を向け、彼はふらふらとそこを後にした。

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朝。
魂を抜き取られたように放心したままでいる中宗を前に、三宰相は怒り心頭だ。「一体何をしているのですか!」

領議政「謀反の大罪人の所在さえ把握できていないとは!」
右議政「全くです!もともと身寄りのない放浪者であったため所在把握が難しいようですな」
左議政「そんなことが言い訳になりますか!」
右議政「その通り!こればかりは始末をつけねば!!!」

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街に貼り出された手配書に、人々は驚きの声を上げた。「”罪人イ・ギョムを捕らえた者に銀貨2万両”?!」

民「どうなってるんだ?」
民「宜城君が罪人だって?!」

義禁府が比翼堂にも押し寄せる。「比翼堂は閉鎖された。皆、お引き取りを!」
居座れば皆逆賊とみなすと言われ、比翼堂の面々もそれ以上抵抗できず、追い出されることとなった。

時を同じくして楊柳紙所も有無を言わさず閉鎖された。「紙所の財産と共に全ての権限は国に移った!」

#なんで紙所も?(゚д゚)

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楊柳紙所へやって来たサイムダンが見たのは、人の姿がまばらですっかり荒らされた集落だ。

ヒャン「天も無慈悲だわ。一日でこんなになるなんて!」

「お嬢さん」残っていた大将が声を掛けた。「皆、無事に発ちました」

サイムダン「…お疲れ様」
大将「あの… 宜城君様が今、謀反の罪で手配されているそうです」
サイムダン「!」
ヒャン「謀反の罪?どういうことですか?」
大将「お嬢さんも当分の間、身を潜めていらしたほうが」

サイムダンはたまらずに駆け出した。

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比翼堂へ駆けつけたサイムダンは、門の前で呆然としている比翼堂の人々と出会った。
比翼堂の門は固く閉ざされ、『禁』の貼り紙と立入禁止の縄が張り巡らされている。

皆「シン氏婦人!」
サイムダン「一体どうなっているのですか」
モンリョン「皆、比翼堂から追い出されました」
男性「楊柳紙所まで閉鎖になったと聞きました。一体どうなっているのでしょう!」
サイムダン「宜城君は?」
モンリョン「私たちもそれがわからず、もどかしいばかりです。一体どこでどんな目に遭っておられるやら…!」

「あぁ旦那様!」「宜城君様!」キョムを思い、皆が涙にくれる。

サイムダン「…。」

+-+-+-+

紙所を出た元流民たちは、ぞろぞろと山道を歩いていた。

女性「私たち、お嬢さんを置いて発ってしまっていいのかしら?」
女性「そうだよ…。お嬢さんに背中を押されて行くには違いなけど、ちっとも足が進まないよ」

「うるさい!」男性が叫ぶと、その場に駄々をこねる子どものように座り込んだ。「名残惜しけりゃ戻ればいいんだ」
「私も行けそうにない」「私もわからないわ!」女性たちが荷物を置き、座り込む。

別の男性「それにしても、すぐ来ると言っておいて大将は何で追いかけて来ないんだ?」
別の女性「何かあるに違いないわ」

行くに行けず、戻るに戻れず、彼らは途方に暮れた。

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ここで区切ります。
フィウム堂でドッと溢れた涙が、中宗で波のようにさぁ~~~っと引いていくのを、全身で感じました。
少しは理解できるかなと思ったけど、余計わかりません。
役者さんがあれだけ熱演しているのに、申し訳ない。。。

 - サイムダン(師任堂)色の日記

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