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師任堂(サイムダン)、色の日記19話あらすじ&日本語訳~前編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』19話をセリフの翻訳を交えながら詳しくご紹介していきますね。

注:韓国で放送されているものは、日本版と編集が違います。私の翻訳は韓国版です。

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保身に狂ったミン教授に目の前で金剛山図を燃やされ、ジユンたちはギャラリーの外へと放り出された。

サンヒョン「通りかかった車のドライブレコーダーに映ってるかもしれないから、今すぐネットで目撃者を探さないと」
ヘジョン「そうね。窃盗罪に文化財破損までおっかぶせてやりましょ」

呆然と立ち上がったところへ、ジユンの電話が鳴る。「チョン・ミンソクさんの奥様ですね?」

ジユン(電話)「…はい、そうですが」
相手(電話)「こちら楊平警察署ですが、チョン・ミンソクさんのことで来ていただきたいんです」
ジユン「…警察署ですか?!」

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ギャラリーソンの館長チュ・ミエは、あまりの出来事にカッと目を見開いたまま黙り込んだ。

会長(夫)「やれやれ、倉庫にコソ泥が出入りしているのも知らないで。そいつがくすねた二重帳簿、俺が回収しているところだ」
館長「…。」

#黙って目を見開いてるという館長の反応、とてもリアリティを感じますね。カッとなってまくしたてるよりよっぽど重い。

会長「とにかく、今度また陰でコソコソしてみろ、そのときは娘の母親だろうが何だろうが、身ぐるみ剥いで追い出してやるからな」

「だからって…」館長がポツリと口を開く。「自分たちの詐欺行為を隠すために本物の金剛山図を燃やすなんて」

会長「おい、詐欺だって?事業だろ。偽の金剛山図で融資を受けた500億ウォンは、間違いなくお前が自分の名前でサインしたんじゃないか」
館長「…。」
会長「本物の金剛山図を世に出してどうする?」
館長「…。」
会長「良心に従うつもりだったか?目を覚ませ。本物の金剛山図が出れば、融資を受けた500億はおじゃん、俺もお前も破滅だぞ!」
ミン教授「金剛山図が本物だろうと偽物だろうと、我々が本物に仕立てればいいんです」
会長「本物だろうが偽物だろうが俺の知ったこっちゃない、500億ウォン融資を受けたんなら何が何でも本物だ。今後、この件については全てミン教授に任せておけ。それから、金剛山図の展示も再開しろ。国宝推進を進めさせるから。いいな?」

まくしたてる会長の話には一切反応せず、館長はただじっと前を見据えた。

#この表情を見る限り、館長が今後どう出るか楽しみです♪

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楊平警察署に駆けつけたジユンを待っていたのは、あまりに衝撃的な知らせだった。
刑事がやって来て状況を整理する。「死亡したキム・ソヌさんはお知り合いですか?」

ジユン「はい。夫の会社の後輩です」
刑事「危うく同乗者を見落とすところでした。車の中からチョン・ミンソクさんの財布が見つかったんです」

「これに間違いありませんか?」刑事が密封袋に入れた財布を差し出す。

刑事「助手席とドアの間に挟まっていたのが、ダイバーによる捜索で見つかりました」

財布に入っているカードを恐る恐る取り出してみる。
住民登録証に夫の名前と写真を見て、ジユンは愕然とした「!!!」

ヘジョン「財布だけだったって可能性もあるじゃないですか。車の中にいなかったんだから」
刑事「念のため周辺の防犯カメラをチェックして見たところ、同乗者が確認されました」
皆「!!!」
刑事「照会してみたら、手配中でいらっしゃいますね」
ジユン「…。」
刑事「まぁ、その事件は私の担当ではないので申し上げることはありません。とりあえず捜索については、日も暮れて流れも早いので撤収しました」
ジユン「!」
刑事「あの… 私もご主人の生存を願っていますが、もともと急流で地形も険しいところでして。捜索作業は明日までしかできそうにありません」
サンヒョン「そんなのありませんよ!見つかるまでやってくれないと!」
ヘジョン「(頷き)そうですよ!」
刑事「申し訳ありません。我々も装備や人員に限界がありますので」

「あの…」ジユンが消え入りそうな声で言った。「生存の可能性は…ないんでしょうか」

刑事「車が大破して20m下の急流に落ちたんです。どう見ても我々の判断では…」
ジユン「…。」
刑事「申し訳ありません」

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二人の友人に抱えられるように階段を下りてくると、ジユンはふらふらとその場にへたり込んだ。

どうしてこんなことに…
どんなに辛いことが続いても、夫が戻ってきて皆で暮らす元通りの生活を取り戻すこと、それが心の支えだった。
地面が一瞬にして崩れ去ったような衝撃に、ジユンは声を上げて泣いた。

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「どういうことなの?!」義母は帰ってきたジユンに声を荒げた。「早く言いなさいよ!」

義母「一体どういうことなのよ!」
ジユン「…。」
義母「駄目だわ、私が行ってくる!」
ジユン「お母さん!(腕を掴む)」
義母「離して!」
ジユン「私がいけなかったんです!何がなんでもそばにいるべきだったのに!」

「お母さん…」とうとう心の限界を迎えてしまった息子のウンスが金切り声を上げた。「わぁあああ!」

#この子…これまで健気によく我慢してたよね…ㅠㅠ

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「極端な症状ではありません」ウンスを診察した医師は最初にそう話した。

#きゃぁ~セヤン兄♪信頼できる先生だわ(笑)

医師「しかし、傷が深いのは確かです。今は薬などによる治療よりも心の安静が大切です。お母さんの温かい気配りも」

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その後も義母のヒステリーと息子の心の病はひどくなる一方だ。
ジユンはとうとう決断を下した。

ジユン「父がお義母様もお連れしなさいと。負担に思われないでください」
義母「負担も何も、私が何で行くのよ?」
ジユン「行けない場所じゃないじゃありませんか…」

「いや」義母は頑なに突っぱねた。「私はここにいるわ」

義母「私の心配はしないで、ウンスを連れて行きなさい」
ジユン「誰もいない家にお義母様一人でどうなさるんですか」
義母「…。」
ジユン「そうおっしゃらずに数日だけでも」

「誰もいなかったら…」涙に震える声で、義母はボツりと言った。「もしもミンソクが帰ってきたらどうするの」

ジユン「…。」
義母「母親なり妻なり子どもなり、喜んでやる人が一人もいなかったら困るじゃない」
ジユン「お義母様」
義母「何よ!みんな死んだと思ってるのに、何で私だけ無駄な希望を捨てないのかって?」
ジユン「…。」

「私は母親だから」堪えきれない涙が目に滲む。

義母「赤ん坊の頃から我が子への希望を捨てたことはたったの一度だって無いんだから!そんな母親なのよ!」

ジユン「お義母様、私だって希望を捨てたわけじゃないんです!」
義母「いいえ。あなたは捨てなさい。捨てたって何も言わないわ」
ジユン「お義母様!どうしてそんなことをおっしゃるんですか!」
義母「むしろあなたには良かったのかもしれない」

義母は小さく頷いた。「済まないわね」

義母「私に力があればミンソクはこんなことにならなかった。全部私のせいよ」
ジユン「…。」
義母「平昌に行って、ウンスの心を癒やしてやりなさい。ウンスまで傷つけるわけにはいかないわ」

「早く行きなさい」義母はそう言って目を逸した。

#お義母さんのヒステリックな面は別として、こうやって突っぱねた態度になってしまったり、頑なにここに残るという気持ちはとてもわかります…。こんなふうに尖らないと自分を保てないんでしょうね。

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こうしてジユンは息子のウンスを連れ、平昌の実家に身を寄せることとなった。

※セヤン先生の診察シーンの後に出たのもこのバスで、その間に挟まれたシーンはそれまでの経緯ですね。何でこうわかりづらいのか。

「よく来たな…」帰ってきた娘を、父はただ温かく抱きしめた。

#うぅ一気にボロボロ涙が出たよ。ホッとしたわㅠㅠ

~~~~過去編~~~~

異国人を追い払うと、キョムは囚われて動けずにいた町の人たちの縄をほどいた。

男「旦那様!」
女「旦那様、ありがとうございます!」
キョム「倭寇たちが騒ぎを起こしているのはどういうわけなんです?」
男「倭寇たちの横暴で生きていけません。皆殺しにされた村は一つや二つじゃないんです。若い娘たちもどれだけ連れて行かれたか。うちの娘も…!」
キョム「役所に通報なさったのですか?」
女「したってどうにもなりません。倭寇を倒そうなんて思わずに他のところへ引っ越せって…!」
男「先祖代々暮らしてきた故郷を出て、どこで暮らせと言うのか…」

「相変わらずだな、この国は」キョムは思わずつぶやく。

キョム「行く宛はあるんですか?」
女「漢陽へ行こうと思います。楊柳紙所というところへ行けば、私たちみたいな人たちも飢えずに済むと聞いて」
キョム「今、楊柳紙所と?!」
娘「はい。親戚もそこで仕事を貰って字も習ったと聞きました」

「…。」キョムは納得したように頷く。「一緒に行きましょう」

キョム「私がそこまで連れて行きます」

「ありがとうございます!」彼らは大喜びで一斉にひれ伏した。

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ミン・チヒョンとフィウム堂の息子チギュンは、成道学堂へ移り、学問を続けていた。
それでも、他の子供たちと同じ服装は出来ず、一番後ろの席で講義を聞かせてもらっているような状況だ。
昼食も、かつてのヒョンリョンのように皆から離れ、「乞食息子」と馬鹿にされながら、黙々と握り飯をかじった。

生徒「うちの犬だってそんなもの食べないぞ」
生徒「すっかり落ちぶれ者だな」
生徒「何のために学堂に通ってるんだ?どうせ科挙は受けられないのに」
生徒「罪人の子どもには受験資格がないって知らないんだろうな」

+-+-+-+

出入り禁止の縄が貼られた小さなあばら家を見張っている武官が、退屈そうに大きな欠伸をする。
上官がやって来た。「罪人はまだ飯を食べないのか」

武官「はい。今日の朝食もそのまま返しました」
上官「全く… じき死ぬやつが図々しい真似を」
武官「あやつ、さっきから補校殿を呼んでくれと」
上官「私を呼んでくれって?」
武官「はい」

家の入口にじっと座しているのは、ミン・チヒョンだ。
上官… 補校はゆっくり近づいていくと、手のつけられていない簡素な膳をチラリと覗き、チヒョンの隣に腰を下ろした。

補校「凶作で民は粥の一杯も食えずに死んでいくのに、堂上官まで務めた両班がこう駄々をこねるとは」
チヒョン「私が言ったとおり漢陽の本家へ知らせを送ったのか」

「ぷっ」補校が吹き出す。「(武官に)おい、聞いたか?」

補校「こいつ、まだ目が覚めてないんだな。お前の目には俺が下に見えるのか?」

「おのれ!!!」チヒョンの一喝に、補校は思わずビクリと身を固めた。

チヒョン「誰に向かって生意気な口を聞いておるのだ!」
補校「こいつ…墓穴を掘るつもりか!」

逆上した補校はチヒョンの襟首を掴み、庭へ引きずり出す。
部下たちが止めるのも聞かず、彼はチヒョンを何度も何度も殴った。

部下「やめてください!懲戒を受けますよ!」
補校「罪人がひっそり死んでいくのは日常茶飯事だろ!(チヒョンに)罪もない民を虐殺した大罪人が偉そうに!」

立ち上がると、彼は倒れたチヒョンの顔につばを吐きかける。「漢陽から賜薬の令が下るまでくたばるんじゃないぞ」

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フィウム堂と執事が持ち込んだ観音図を、”倭寇”の親玉が覗き込んだ。

お侍もどき「(日本語もどき)高麗時代の仏画にまちがいありません
親玉「うーむ!トッテモイイ!

#まさかあんたらまた出てくるとは…(萎え)

お侍もどき「(流暢な韓国語)将軍様はとても満足なさっています」

将軍様の指示で、お侍もどきが銀貨を差し出す。

お侍もどき「朝鮮は儒学が国の根本であり、士大夫の国であるから、こういった物品はがらくたに過ぎぬでしょう。しかし、我々日本では依然として仏様の御慈悲を信じる国ゆえ、これはまさにお宝です」
チヒョンの執事「改めてもっと良い品を持ってきます」

「…。」将軍が目配せをする。

お侍もどき「この間話した件はどうなったのです?」
執事「…。」
フィウム堂「…。」
お侍もどき「朝鮮の美しい女たちを連れて来れば、金を弾んでやろうと言いましたが」
フィウム堂「女は物ではありません」

フィウム堂の言葉に、将軍があからさまに顔をしかめた。

フィウム堂「…。」

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自宅の入り口近くで、サイムダンはじっと通りの向こうを窺っていた。「…。」
「チゲが冷めますよ」庭の縁台でメチャンが呼ぶ。「早く召し上がってください」

サイムダン「ヒャン、旦那様は毎日こんなにお帰りが遅いの?」
ヒャン「お仕事が多いみたいで…ずっと残業だそうです」

子どもたちが気まずそうに母親を見上げる。

サイムダン「あなたたちは先に食べなさい。ヒャン、旦那様のお食事を別に用意しておきましょう」

サイムダンとヒャンが台所へ去ると、長男のソンがため息をつく。「一体何をしていらっしゃるんだろうな」

長男「浮気でもなさってるんじゃ?」

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クォン氏宅の寝床で、ウォンスは思い切りノビをして起き上がった。
乱れた服を整えながら、クォン氏がふふふと笑う。

ウォンス「大変だ。帰らないと」
クォン氏「チッ。帰りなさいよ。二度と来ないでね」
ウォンス「また拗ねてるのか」
クォン氏「知るもんですか。ふんっ」
ウォンス「帰ったらまたすぐ来るのに」
クォン氏「いつまでこんな二重生活しなきゃいけないのよ。行ったり来たり、体が足りないわ」
ウォンス「そうだなぁ」
クォン氏「そろそろお腹も大きくなってくるのに、いつまでも酔っ払いの相手を…」
ウォンス「…。」
クォン氏「させてていいの?いけないの?」

「いけないな」ウォンスはうなだれる。

クォン氏「だからあなたがさっさと決断しないと。私が話しに行こうか?」
ウォンス「駄目だよ!私が話す。少しだけ待ってなさい。私が話すから」
クォン氏「本当ね?」
ウォンス「…もちろん」
クォン氏「ふふっ」

「約束」クォン氏の出した小指に、ウォンスは小指を絡めた。

クォン氏「ハンコよ~!」

クォン氏に好きなように甘えさせたまま、ウォンスは憂鬱そうにため息をつく。「参ったな…」

クォン氏「覚えてる?私、あなたの胸毛に惚れたのよん」
ウォンス「…。」

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すっかり夜が更けて自宅へ戻ってきたウォンスは、入り口で待っているサイムダンの姿に狼狽えた。「!」

ウォンス「(咳払い)」
サイムダン「あ、旦那様。随分遅かったのですね」
ウォンス「明日帰ると行ってたんじゃ?」
サイムダン「藤の木の数が早く揃ったので、帰って来ました。夕食は…」
ウォンス「あぁ、食べた」
サイムダン「?」

ウォンスは逃げるように家に駆け込んだ。

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「明日帰るって言ってた人がなぜ急に?」部屋着に着替え、ウォンスは首を傾げた。「まさか…?」

ウォンス「あぁ知らん!バレたらバレたで仕方ないさ」

「旦那様」サイムダンが小さな膳を持ってくる。

サイムダン「今日はお疲れになったでしょう。お茶でもどうぞ」
ウォンス「いや、私は大丈夫。夫人は先に部屋へ戻っておやすみなさい。私はやらねばならない勉強があって」

わざとらしく咳払いをし、机の上の本を開くと、ウォンスは声に出して読み始めた。

ウォンス「(明の言葉で)”これを返品します” ”他の物がいいです”

サイムダンはそれ以上何も言わず、そっと部屋を出た。「…。」
夫の脱いだ服を片付けようとしてふと見ると… そこにくっきりと残っていたのは口紅の跡だ。

サイムダン「!!!」

#萎えるわぁ…。シャツに残った口紅の跡で浮気を知るとか、そんなベタな描写やめてほしいわぁ…。

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比翼堂の”夫婦相談所”では、大勢の観覧人を前に、コン氏が熱弁を奮っていた。「私が両班の体面も捨ててこんな場所へ出てくるなんて、よっぽどのことよ!」

コン氏「これ以上我慢ならないわ!」

「この顔を見てよ」正面に座る夫らしき男性の顔を指し、観覧人たちに訴える。

コン氏「酒浸りで赤くなっちゃって」

「さぁ」半ばうんざりした様子で仕切るのは、退溪イ・ファン。
後にイ・イ(サイムダンの次男)と並んで名を残した儒学者だ。

イ・ファン「互いに言いたいことをおっしゃったなら一旦落ち着いて。私の話をお聞きください」
コン氏「…。」
夫「…。」
イ・ファン「本当に別れるつもりがないのなら、お二人が互いに努力なさらねば」

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比翼堂の面々は、お気楽にお茶の真っ最中だ。

男「退溪先生の夫婦診療、実に反応がいいですよ」
全員「ははははは」
男「毎回満席で入れないほどで」
男「威厳のある学者だと思っていましたが、いやはや、夫婦相談の才能があったとは想像もつきませんでした」
全員「ははははは」
キョムの従弟フ「ならばもう一月延長することにしましょうい」
全員「ははははは」
男「あぁ、キム・ジェの士君子の授業もなかなか人気がありますよ」
全員「ほぉ~」
男「特に!女性たちに~」
全員「ははははは」

「やれやれ」モンリョンが口を開いた。「キム・ジェの綺麗なお顔のせいに決まってますよ」

モンリョン「皆、見る目がありますからねぇ」
フ「キム・ジェの授業も延長!」
全員「ははははは」

「あぁ、ところで」一人が思い出したように口を開く。「シン氏夫人に講義依頼をしていた件はどうなったのです?」

フ「期待しないほうが良さそうです」
全員「?」
フ「外部に顔を見せず、ひたすら楊柳紙所の仕事と絵を描くことだけに没頭してるそうですよ」
モンリョン「それにしても、比翼節が目前なのに、此度もいらっしゃらないのですか?宜城君様は」
フ「…さぁ」

モンリョンがたまらず立ち上がった。「宜城君様本人のいない生誕祭なんて!」

モンリョン「お会いしとうございます!2年ですよ、2年。一体いつお戻りになるのですか!」

フとて、キョムを想う気持ちは一歩も引けを取らない。
彼も卓をドンと叩き、立ち上がった。「全くですよ!」

フ「前に眞臘国(=現カンボジア)から送って来た手紙!あの手紙が最後で…」
モンリョン「あんな遠いところで…!」

#この片思い二人組面白い^^

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サイムダンは楊柳地所の一室でひたすら絵を描いていた。
その間にもふと筆がとまり、不安が心をよぎる。「…。」

「サイムダン!」賑やかに入ってきたコン氏の声に、サイムダンはハッと我に返った。

コン氏「絵を描いてるの?」
サイムダン「えぇ」
コン氏「お茶にしたら?」

持ってきたお茶の膳を台に置いて、コン氏はサイムダンの絵を覗いた。「あらまぁ!」

コン氏「すごく綺麗だわぁ!蝶がヒラヒラ飛び回っているみたいね。子どもたちの昼食、山菜のピビンパに肉餃子はどう?」
サイムダン「いいわね。けど、ずっと家を空けていていいの?」
コン氏「構いやしないわよ。婚家と旦那が変わらないなら、私が変わるしか。嫁と子どもの大切さに気づかないとね」
サイムダン「テリョンは?ここが気に入ったって?」
コン氏「はっはっは!うちのテリョンが授業で居眠りしないなんて初めてよ!ここの授業すごく面白いんですって。難しいことをわかりやすく話してくれるって、耳にすんなり入ってくるってね」

コン氏の話にサイムダンは微笑んだ。

コン氏「中部学堂はあんなに行くのを嫌がってたのに、朝、目が覚めるなり早く楊柳学堂に行こうってね」
サイムダン「良かったわ」
コン氏「えぇ。科挙だの何だの、もうどうでもいいわ。大臣になったって仕方ないもの。本人が幸せじゃないとね。何なら一緒に飯屋でもやろうと思って。婚家の人たちは仰天するだろうけど、テリョンは私に似て”食の神童”だもの。天性よ!はっはっは!」

「それもいいわね」サイムダンが振り返って笑う。

コン氏「えぇ!(改めて絵を眺め)はぁ、本当に上手だわ。色が綺麗!(指をさし)ここに蜂を一匹描いてくれない?」
サイムダン「(ニッコリ)そうしようかしら」
コン氏「私のために。うふふっ」

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ここで区切ります。

 - サイムダン(師任堂)色の日記

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