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師任堂(サイムダン)、色の日記5話あらすじ&日本語訳~前編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』5話をセリフの訳を交えながらご紹介します。

放送冒頭の”これまでのお話”をこちらでも訳してスタートしますね~^^

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~~~~これまでのお話~~~~

不当に解雇された大学講師ソ・ジユンは、ミン教授に立ち向かうため、金剛山図の秘密がこめられた古書の解読を始めた。

本の中には若い頃のサイムダンとイ・ギョムの愛の話が盛り込まれていた。
二人は結婚を約束しており、金剛山図に比翼鳥の印と詩を残している。

ジユンはイ・ギョムの描いた美人画に比翼鳥の印を発見し、真実に一歩近づいた。

一方、中宗はシン・ミョンファへ己卯士禍に関連する危険な詩を授ける。

イ・ギョムを恋い慕うソクスンは、サイムダンから預かったイ・ギョムへの書簡を隠した。
サイムダンは運平寺で両班が流民を虐殺するという衝撃的な姿を目撃する。

中宗は詩が流出している事実を知り、シン・ミョンファの殺害を命じた。
サイムダンはイ・ギョムを守るため、イ・ウォンスと婚礼を挙げる…。

~~~~過去編~~~~

父の祭祀に集まった娘たちを前に、母イ氏が財産分配に関する文書を広げた。
その中には次女サイムダンの姿もある。

母「財産を貰い受ける子孫として、孫のヒョンリュンには瓦屋一棟。墓の管理をする孫ウノンには、この家と、私の実家に代々仕える奴婢3人を」

娘たちはそれぞれ一部ずつ目録を受け取った。

妹1「(棚を指し)お母様、この磁器は私にくださいませんか?」
妹2「私はお母様の漆器箱をいただきたいです」
妹3「漆器箱は私にくださるって、随分前に約束なさいましたよね?お母様、覚えておいででしょう?」
妹2「お母様!いつそんな約束をなさったのですか?」
妹1「磁器は私にくださいね」

「あんたたち、静かになさい!」一番上の姉が妹たちをたしなめる。

姉「姉さんを差し置いて!(母に)長女である私にまず選ばせてください」
母「私は知らないわ。お前たち同士髪を掴み合って喧嘩するなり、まだ死んでもいない母の持ち物を根こそぎ盗んでいくなり、好きになさい」

母の視線は、一人じっと俯いているサイムダンに向かった。「サイムダン、お前は何が欲しい?」

サイムダン「私はいいのです」
母「…。」
サイムダン「ただ… お父様がお読みになっていた書籍はいただいてもいいでしょうか」

「…。」母は悲しげにサイムダンを見つめ、深い溜息をついた。

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「酒を持って来い」キョムは空になった酒器を転がした。
「酒…」虚ろなキョムの元へ、誰かがやって来て覗き込む。「宜城君大監」

キョム「あぁ、内禁衛将、よく来た。どうぞ座って。一杯やってくれ」
内禁衛将「明日は婚礼の日なのです!殿下があれほど待ち望んでおられた婚礼ではないですか」

※内禁衛=王室の護衛をする部署。内禁衛将と呼ばれているのは、かつて中宗の静養に同行していた従者ですね。

キョム「…。」
内禁衛将「ひとり寂しがっておられる殿下のことをお考えください」

キョムは乾いた笑い声を立てる。「生きるのはもともと寂しいものですよ」

キョム「私も、内禁衛将も、殿下も…」
内禁衛将「…。」

キョムはけだるい体を横たえ、ぼんやりと溜息をつく。
”何もかも終わった”あの日から、彼の時間は止まったままだった。

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北坪村。

お転婆とやんちゃ揃いのサイムダンの子どもたちが、帰宅した母の前に整列した。

長男ソン「お母様、お帰りなさい」
サイムダン「…石投げをしたわね?」
長男ソン「いいえ」
サイムダン「手のひらと服の裾が泥だらけだわ」
長男ソン「…。」
サイムダン「ヒョンリュンはどこ?」

「お母様!」もうひとり、男の子が本を手に駆けてくる。
イ・イ。後に有名な儒学者となる次男だ。

次男イ「孔子は”天命を知らねば君子にはなれぬ”と言っていますが、これが引っ掛かるのです」
サイムダン「…。」
次男イ「孔子様だって50歳でようやく天命を知ったと言うのだから、僕も50歳になるまで待たなければならないのですか?」
サイムダン「ヒョンリュン、お母さんは何をしておくように言ったかしら」
次男イ「詩を一首詠んでおくようにおっしゃいましたが、三首も詠みました」
サイムダン「それから?」

「…ウの面倒を見るようにとおっしゃいました」そう言って、次男イは、いたずらして粉だらけの弟を振り返った。

サイムダン「ソンとメチャンは課題を済ませたの?」
次男イ「僕は済ませました!」
サイムダン「ソンは?」
長男ソン「…。」
サイムダン「メチャン?」
長女メチャン「…はい」
次男イ「僕は全部やりました!三編も書きました!今ご覧に…」

「!」サイムダンが次男を睨む。

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言いつけを守らない罰として、子どもたちは重しを持たされて並んで座っていた。

サイムダン「官職に就く者が怠慢になるのは業績を成した後であり、病気がひどくなるのは必ず好転した後であり、災いは怠惰で慎みのないところから生まれるというわ」

「何故だと思う?」粉だらけの末っ子を洗いながら、上の子たちを振り返る。

サイムダン「最初から最後まで例外なく ”そうではなかった” から。お前たちも同じよ。引っ越しを前にして少し気ぜわしいからといって、いつもやっている宿題を後回しにしていいの?」

「ごめんなさい」長男と長女が声を揃える。

次男イ「宿題はすべてやりました。不公平です。どうして僕だけにウの面倒を見ろとおっしゃるのですか?ウのせいで本を読む時間もありません。お兄様は本も読まずに外で遊んでばかりいるんだから、お兄様がウの面倒を見るべきじゃありませんか?」

「ちびのくせに!」長男が思わず食って掛かる。

サイムダンは立ち上がり、次男に問いかけた。「まだ理由がわからないの?」

次男イ「わかっています。お母様は僕がお兄様より字に詳しいのがお嫌なんでしょう?だから、僕が字を勉強できないようになさるんです」
サイムダン「…。」
次男イ「お母様はお兄様のことしか考えていらっしゃらないから!」
サイムダン「理由がわかるまで、ずっとウの面倒を見なさい」

そのとき、後ろでサイムダンの母が近づいてきた。「私のおチビちゃんたち、そこで何をしているの?」

「お祖母様!」子どもたちが訴える。

サイムダン母「お前たちの好きな干し柿を買ってきたわ。さぁ入って食べなさい」

「はい!」子どもたちは大喜びで駆け出した。

サイムダン「お母様」
サイムダン母「もう祖母に会えることもないんだから、そばにいるときは甘えさせておやり。母屋へ来なさい」
サイムダン「…はい」

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サイムダンを部屋へ呼ぶと、母は一通の目録を差し出した。「大きな引越しをすると、思いもよらぬ出費があるものよ」

サイムダン「いいんです、お母様。崇信坊の家だけで十分です。もう多すぎるほどいただきました」
母「気が引けるなら、祖母から孫へのお小遣いだと思って、必要なときに使いなさい」
サイムダン「…。」
母「遠くへ送り出す母の心は穏やかではないわ」

母が伸ばした手を、サイムダンはそっと包んだ。「ごめんなさい、お母様」

サイムダン「お母様一人残して行くことになって…」
母「強く生きるのよ。堂々と」

母を見つめ、サイムダンは頷いた。

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引っ越しの荷造りはほとんど終わり、がらんとした部屋にタミがせっせと雑巾がけをしていた。

タミ「お嬢様、少しお休みになってください。私たちで終わらせておきますから」
サイムダン「ほとんど済んだのかしら」
タミ「えぇ、あれで最後ですよ。あとは押入れの物だけ選り分ければ」
サイムダン「そこは私が整理するから、向こうで子どもたちの荷物を見てやって」

「はい」タミが出ていくと、サイムダンはそっと奥の押入れの扉を開けた。
美しい木箱を開け、手に取ったのは龍媒墨だ。
王から賜ったものだと、かつてキョムが贈ってくれたものだった。

サイムダン「…。」

サイムダンは最後に、壁に隠してあった金剛山図を、丁重に剥がさせた。

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小さな荷物を一抱えにし、タミが困った顔で使用人たちの輪に入る。「お嬢様が軒轅庄にお返ししろって…」

龍媒墨の箱と、金剛山図を収めた筒だ。

下女「え?あそこは今日婚礼なんじゃ?」
下男「そうなんだよな…」
タミ「(下男に)あんたが行ってお渡しして」

「あたしゃ知らない!」タミは品を下男に押し付け、溜息と共に背を向けた。

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届けられた金剛山図を一瞥し、キョムは顔をしかめた。「爺!」

執事「お呼びですか」
キョム「これがなぜここにある?」
執事「本来の持ち主にお返しすると、鳥竹軒から…」

「何?!」キョムは絵を乱暴にその場に放り出した。

キョム「私の記憶にない品だ。今すぐ返して来い」
執事「…はい」
キョム「今すぐ返すのだ!!!」

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サイムダンが漢陽へ向け出立した頃、軒轅庄ではキョムの婚礼の儀式が始まっていた。

キョムの頭の中は、式直前に返された金剛山図と、それにまつわる記憶が渦巻くばかりだ。
「あぁ、全く!」苛立ちを抑えられなくなったキョムは、真っ最中で式を放り出し、盃も冠も投げ捨てて屋敷を飛び出した。

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「サイムダンお嬢様!」漢陽へ向かうサイムダン一行を誰かが追いかけてきた。

サイムダン「?」

馬を下りたのは、キョムの執事だ。
「お返しするようにとのことです」彼は金剛山図と龍媒墨の包みを差し出す。

執事「記憶にない品だとおっしゃいまして」
サイムダン「…。」

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キョムは一心不乱に馬を走らせた。

丘の上に馬と止まらせると、眼下の草原を見下ろす。
向こうに、サイムダン一行が歩いていくのが見えた。

キョム「…。」

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長い旅路の末、賑やかな漢陽に到着したサイムダンたちは、思いもよらぬ窮地に陥ってしまった。
夫イ・ウォンスが保証人となった取引のせいで、両親から譲り受けた家がいつの間にか人手に渡っていたのだ。

当のウォンスは、町中で自分を探し回る下女ヒャンを見かけて大慌てだ。

ウォンス「どうすればいいのだ?可哀想なソンにメチャンにヒョンリュン、ウ…!悪い父親の元に生まれてしまって…。そうだ、借金を踏み倒した奴を捕まえなければ!」

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学堂の母親会で、一際優れた絵の才能を発揮している女性がいた。
彼女が描き進める絵に、一同はただ溜息を漏らすばかりだ。

ソ氏夫人「(絵を見て)セミが葦にしっかりつかまっているのは、及第間違いなしということですわね。葦は王様がお授けになる御膳を意味するのではありませんか?」
夫人「白々しいですわ。素直に欲しいとおっしゃいなさいな」
ソ氏夫人「まさか。フィウム堂様は龍頭会のご準備にご苦労の多いときだから、お手伝いに参りましたのよ」
夫人「フィウム堂様の描いた草虫画を家に飾っておけば、立身出世、子孫繁栄の吉相になるというのは、うちの末っ子でも知っていますわ」

皆がクスクスと笑う。
じっと黙って絵を描いていた当のフィウム堂… かつてのソクスンも、小さく微笑む。「大げさですわ」
彼女は母親会の代表であり、ミン・チヒョンの妻であった。

フィウム堂「趣味で少し描いている程度ですのに」
ソ氏夫人「趣味で少し描いた絵がこれほどなら、まさに神の授けた才能ですわ!」

「その通り!」皆が声を揃える。

フィウム堂「お母様方にまたご苦労をお掛けしましたわね。龍頭会の準備と重なって、集まりの日取りを少し変えようと申し上げただけですのに。こうして力をお貸しくださるとは」
ソ氏夫人「私たち母親会が立ち上がらなくてどうするのですか!」
全員「そうですわ!」

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高価な磁器を割ってしまった下男の見つけるや否や、フィウム堂は彼の頬を張り倒した。

フィウム堂「大事な催しを前に何故こんな失態をするのだ?どこまでぼんやりしているの?!」
下男「申し訳ありません!」
フィウム堂「(執事に)今すぐ陶器商に人を遣りなさい。壊れた青華白磁に一番似た物を選ばなければ」

「何をしているの?早く片付けなさい!」使用人に言いつけ、振り返ったフィウム堂はそこで固まった。「!」
夫のミン・チヒョンが立っていたのだ。

フィウム堂「お気になさいませんよう」
チヒョン「…。」

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磁器を割ったのをチヒョンに見つかってしまった下男は、原っぱのど真ん中で刑罰台に張り付けにされていた。「助けてください、旦那様!どうか命だけは!」

必死で叫ぶ下男の足に… チヒョンは刀で斬りつける。

#ドン引き…ㅠㅠ

チヒョン「三政丞、六判書に国王までやって来る催しだ。そんな宴を前にお前ごときが大胆にも…!」
下男「!」

怯える下男を前に、チヒョンは乾いた笑い声を上げる。「酒甕に手を付けたそうだな」

下男「たった一杯だけです。本当です!」

上空にカラスが集まってきた。

チヒョン「もう血の匂いを嗅ぎつけたか」

縛り付けた下男をその場に残したまま、チヒョンはその場を立ち去った。

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籠の中でひたすら木の実をかじるリスを、中宗はぼんやりと眺めた。「養老の宴を吏曹参議が主催するそうだな」

内禁衛将「さようにございます」
中宗「三政丞たちはどこまで私を馬鹿にするのか。正三品の下っ端にやらせるとは」
内禁衛将「ミン・チヒョン… あの者の威勢の届かぬところはございません。造紙署への独占納品権を持つ最大の紙物店、実はミン・チヒョンが主(あるじ)です。あの者が成した莫大な財産は、朝廷の実力者の裏金へと流れていますし、明国の朝廷にも強い人脈を築いております。それだけではありません。相当な金銭が王室の財物庫にも入ってきております」
中宗「何と…?余の財物庫にまで?」
内禁衛将「さようにございます」

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宮中では養老の宴が盛大に催されていた。
高齢者のために毎年行われている祝宴だ。

列席している大臣たちの一番うしろに、ミン・チヒョンの姿もあった。

中宗「あぁ、(チヒョンに)領議政が宴会の主催にそなたを推薦したのは知っていたかね?」
チヒョン「恐れ入ります」
中宗「毎月私財をはたいて老人たちのために養老の宴を催すとな?」
チヒョン「大したことではございません」
中宗「大小に関わらず、民を思うその気持ちが大事なのだ。(宴の様子を指し)素晴らしいではないか」
領議政「(宴会の客を指し)彼らが帰れば殿下の功徳をより高く称賛するでしょうから、尚更です」
中宗「あぁ、そういうものですかな?」

内禁衛将がやって来て、中宗に声を掛けた。「宜城君が光化門に到着したそうです」
「何と!宜城君が来た?」さらに機嫌を良くした中宗が高らかに笑い声を上げた。

中宗「(大臣たちに)宜城君が来たそうですよ。余があれほど会いたいと便りを出しても何の連絡もなかったのに、20年ぶりですぞ、20年!」

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キョムが訪ねてきたという知らせに、中宗は居ても立ってもいられず、彼を迎えに出た。

中宗「よく来た。ようやく顔を見せてくれたのだな」
キョム「殿下も随分歳を取られました」
中宗「こやつめ!」

二人は顔を見合わせて笑う。

中宗「積もる話は追々することにして、早く中へ」

中宗はキョムの肩を抱き、揚々と歩き出した。

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ここで区切りますね^^

 - サイムダン(師任堂)色の日記

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