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テバク23話あらすじ&日本語訳vol.2

   

チョン・グァンリョル出演SBSドラマ「テバク(대박)」23話、中盤です。

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夜になった。

「元気を出してくれ」疲れきった民兵たちを、ジンギはひとりひとり励まして回った。

ジンギ「皆、辛いだろうが、もう少しだけ力を出してほしい」

「ひどい有り様だな」ずっと黙って見ていた密豊君が口を開く。

インジャ「!」
ジンギ「!」
密豊君「この辺りでやめてはどうだ」
インジャ「なぜそう気弱なことをおっしゃるのですか」
密豊君「私が望んだ世はこんなものではないのだ。略奪をしたと聞いたぞ」

「…。」ジンギが黙って目を伏せる。

インジャ「致し方ない選択だったのです」
密豊君「その選択が正しいと思っているのか?」

「こちらへ」密豊君に導かれてついて行くと、そこに食糧を積んだ荷車があった。
見張っていた兵士たちが頭を下げる。

密豊君「誰も食糧に手をつけていない。彼らは兵士である前に民であり、豊かな暮らしのための国、民のための国を作ろうと一肌脱いだ人たちなのだ」
ジンギ「…。」
密豊君「略奪した食べ物を食べられるはずがない」
インジャ「略奪ではなく、犠牲なのです」
密豊君「民を犠牲にして王位に就いたところで、何の意味がある?」
インジャ「安城は目前なのです。半日もすれば玉座が密豊君様の手に入るのですよ!」
密豊君「こんなふうに民を駆り立て、ここまで引っ張ってきたのであろう。ついには村から略奪し、民を殺したのではないか!」

「…。」困惑した表情を浮かべると、インジャは荷車を守っている兵士にゆっくりと近づき、目を細めた。「なぜだ?」

民兵「いくら腹が減ったからって、罪もない人の物を奪うなんて…」
インジャ「口を慎むようにと何度も言い聞かせたものを」
民兵「私は密豊君様について来たんであって、旦那さんについて来たわけじゃありません」
インジャ「何だと?」

インジャはいきなり民兵の腰から刀を抜くと、その首を掻き切った。「!!!」

インジャ「命が惜しければ言葉に気をつけるのだ!」

「そなた!瞬き一つせずに、よくも私の前で人殺しを!!!」密豊君が叫ぶ。

インジャ「密豊君様。このイ・インジャを信じてくださいませ」
密豊君「…。」
インジャ「間違いなく玉座を手に入れて差し上げます」

「殺さなくてもいいではありませんか!」たまらず声を上げたジンギを、インジャは静かに振り返った。

インジャ「日当たりのいいところに埋めてやるのだ」

手に持った刀を乱雑に放り出し、インジャは来た道を戻っていく。
密豊君もジンギも、自分たちの思いと外れてしまった理不尽な状況に、歯を食いしばった。「…。」

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原っぱに野草が咲き乱れている。
その脇で、ジンギは一人、埋葬した兵士の墓に黙々と石を積み上げた。

そこへやってきたのは、密豊君だ。
彼に気づくと、ジンギは重苦しい表情で立ち上がった。

密豊君「一人になりたいのだ」

ジンギは頭を下げ、そこを立ち去る。

#なんだよ、二人でインジャの悪口でも言っていけばいいのに

「済まない」墓の前に立つと、密豊君は物言わぬ同志に詫びた。

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翌朝。

インジャたちはふたたび安城へ向けて出発した。

#兵士元気になってるし。ってことは結局食べたってことかな?( ゚Д゚)

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一方、馬を走らせ続けたテギルが竹州山城へ到着する。
彼はすぐさま英祖に謁見した。

テギル「殿下、なぜ約束をお守りにならなかったのですか。5日待ってやるとおっしゃったではありませんか!」
英祖「今日で5日であろう。そう言うそなたは… イ・インジャの首を持って来たのか?」
テギル「…。」
英祖「もちろんそなたの功績は大きい。反乱軍の数を半分に減らし、食糧と馬を奪い、進軍を遅らせた。だが、そなたの役割はここまでだ」
テギル「!」
英祖「ここからは私が自ら反乱を鎮める」
テギル「民に向かって刀を抜くおつもりですか?殿下の民です、殿下の子なのです!」
英祖「民であることを放棄した者たちだ!刀で罪を問う」
テギル「殿下、一度も刀を使うことなく、私がどうやってイ・インジャの勢力を半分に減らしたとお思いですか?」
英祖「…。」
テギル「信じる心。民を信じる心です。一万五千もの兵士が、みな刀を捨てたのです。それは何を意味しているとお思いですか?不可能ではありません。刀を持たずとも、血を流さずとも、この反乱を平定することは出来るのです!」
英祖「まもなく奴はここへ到達する」
テギル「!」
英祖「ここを奪われれば、都城西大門まで血を流さず辿り着く。いくら官軍の数が多いとはいえ、阻むのは難しいだろう。それゆえ、その前に鉄槌を下すつもりだ。必ずやここで反乱を退けねばならぬ!」
テギル「…。」

「殿下!」サンギルが駆け込んでくる。「反乱軍がやって来ました」

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インジャ率いる反乱軍は、竹州山城の城門へとまっすぐに続く道をやって来ると、矢の届かぬだけの距離を置いて歩みを止めた。

ジンギ「ついに来ました。安城まで…」
インジャ「嶺南と湖南から知らせはないのか」
ジンギ「嶺南は鎮川を出発したばかり。湖南は平沢を通過したとの知らせですから、到着まで半日掛かるでしょう」

#今頃そんな話を…

ジンギ「万が一、その前に官軍が打って出れば終わりです」
インジャ「案ずることはない。中に牌を一つ潜ませておいた」
ジンギ「?」

城を眺め、インジャはほくそ笑んだ。

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英祖とテギルは、城門の上の見張り台に立っていた。
向こうに反乱軍の姿が見える。

英祖「見よ、あの兵士たちを。お前の目には民に見えるのか」
テギル「…。」
英祖「(周囲に)反乱軍を惨殺せよ」
テギル「殿下!」

英祖は早々に背を向け、見張り台を去っていく。

テギル「…。」

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英祖は作戦本部へ戻ってくる。

英祖「イ・インジャと密豊君以外、謀反に加担した者は全員、ひとり残らず…」

そこへテギルが飛び込んできた。「いけません、殿下!」

英祖「逆らうつもりか」
テギル「殿下の民なのです!」
英祖「逆党だ」
テギル「恩恵を施してくださいませ!」
英祖「恩を知らぬ者たちゆえ、刀で裁くのだ!」
テギル「ならば私も… 私のことも捨てるのですか!」
英祖「お前が逆党の手を取るなら、いつでもその首を撥ねてやる」
テギル「殿下、先代の殿下と約束しました。必ずや殿下をお守りすると」
英祖「…。」
テギル「ですが、その約束!… 今この瞬間から守れはしません」
英祖「!」

テギルは腰の刀を一気に抜くと、思い切り卓に突き立てた。
周囲の武官たちが一斉に刀を向ける。

卓上に飛び上がり、振り下ろしたテギルの剣を、サンギルが阻む。「何をする!」

「…。」目の前で繰り広げられる激しい戦いがまるで見えてもいないかのように、英祖は身じろぎ一つしなかった。

何度も刀を合わせるうちにサンギルを弾き飛ばし、テギルはいよいよ英祖に刃先を向ける。

英祖「お前本気で…」

と、そのとき!
目で合図を交わした中央軍の二人が、テギルに向けていた刀を突然英祖へと翻した!

テギル「!」

残りの者たちが慌ててその二人に刀を向ける。

中央軍1「王よ!」
中央軍2「死んでいただきます!」

二人は雄叫びとともに刀を振り上げた。

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「戊申党?まだ残っていたんですか?」ジンギが驚いて尋ねた。

インジャ「朝廷はどこまでも腐り切っているのだ。いないほうがおかしいと思わぬか?」
ジンギ「…。」
インジャ「大妃様が我が手を取った直後、守禦廳と摠戎廳の隊長が王を捨てた。愚かな王はわざわざここまでやって来て寿命を縮めたのだ」

誰もいなくなっていた城門上の見張り台に武官が一人現れ、白い旗を大きく翻した。

「ふはははは」インジャの不敵な笑い声が、静かな城前に響き渡る。

インジャ「とうとう王が死んだか!」

見張り台の上段に、裏切った中央軍の隊長が姿を見せ、インジャに向かって頷いた。

インジャ「まもなく城門が開く!我々が胸にいだいた壮大な夢が叶おうぞ!我々はこのまま漢陽へ打って出る!」

「皆、覚悟はいいか!」インジャの声に、後ろの群衆が雄叫びを上げた。

インジャ「密豊君様、最初に入城なさいませ」

隣で密豊君が黙って頷く。

インジャ「進軍せよ!!!」

インジャとジンギが脇へ道を空ける。
密豊君が槍を持った群衆を従え、前進し始めると、城門の扉が中から開かれた。

と…

インジャ「?」

見張り台に立っている中央軍の隊長がわなわなと震えているのに、インジャは気づいた。
「?」インジャは何か異常を感じながらも、状況が掴めず、きょろきょろと辺りを窺う。
そうしているうちに、密豊君と群衆は城門の中へと吸い込まれ、同時に城門の扉が再び閉ざされた。

インジャ「!」
ジンギ「!」

白旗を振っていた武官がくるりと背を向けたかと思うと、入れ替わりに弓兵たちが一斉に矢を向ける。
中央郡の隊長は両脇を抱えられ、姿を消した。

「!!!」愕然とするインジャたちの前に満を持して姿を現したのは…
英祖、そして、テギルだ。

インジャ「ペク・テギル!!!」
テギル「…。」

「後退だ!」インジャの掛け声で、残っていた軍勢は城に背を向け、来た道を戻り始めた。

英祖「…。」

+-+-+-+

一方、城内に入るやいなや、密豊君たちは周りを兵士に取り囲まれた。

密豊君「!」

見張り台の上で方向転換をし、英祖たちも上から彼らを見下ろす。

密豊君は民兵たちに向き直った。「お前たちはたった今から反乱軍ではない!」
民兵たちが不思議そうに顔を見合わせる。

密豊君「イ・インジャには大義などなかった!ただ醜悪な私利私欲があるのみ!」

テギルがゆっくり近づいてきて、密豊君に頭を下げた。「お待ちしておりました」

~~~~

昨夜。
イ・インジャの凶行で命を失った民兵の墓の前に、密豊君が佇んでいた。
そこへ…

現れたのはテギルだ。

テギル「私をお呼びですか」
密豊君「…。」

~~~~

目下の光景を眺めながら、英祖は宮廷でのことを思い出していた。
テギルに「三つ目の作戦は何か」と聞いた時のことだ。

テギル「湖南と嶺南の反乱軍がイ・インジャの両足とすれば、イ・インジャの手に握られた刀は、密豊君様。胸に潜ませた短刀は、宮中に忍ばせた諜者です」
英祖「密豊君と戊申党の残党…。それをどうやって切り離すのだ?」
テギル「密豊君様を擁立した反乱軍をこちらへ進軍させます」
英祖「密豊君を餌に、罠を仕掛けると…?」

「…。」英祖は静かに考えを巡らせる。「戊申党の残党を見つけ出す方法は?」

テギル「私が殿下の首に刀を突きつけます」
英祖「!」

329

~~~~

そして…

竹州山城の作戦本部で、戊申党の残党は思惑どおりその正体を現した!
二人の裏切り者が刀を向けるまで我慢強く引きつけると、英祖はいきなり刀を抜き、一人の首を斬る。
と同時に、テギルが身を翻し、もう一人に刀を突きつけた。「!」

「まさかとは思ったが…」英祖が声を震わせる。

英祖「二人もいたとは…!我が目を信じられぬ」

生き残った残党を見張り台に立たせ、弓兵が隠れている中央で白旗を振らせている間、英祖たちは近くで身を潜めていたのだ。

330

#ステージ脇で出番待ちの皆さん

~~~~

「武器をお捨てください」囲まれた民兵たちに、テギルが呼びかけた。

テギル「投降した者は全員命を助けてくださると、殿下は約束なさいました」

そこへ見張り台から英祖が下へ降りてくる。
「!」密豊君がその場にひれ伏した。
密豊君を一瞥し、英祖はまず民兵たちに向き直る。「気が変わらぬうちに武器を下ろすのだ」
「…。」仲間たちを窺いつつも、民兵たちは次々に武器を手放した。

テギル「恐れることはありません。反乱はまもなく終わり、皆さんは全員故郷に帰ることになるでしょう」

「殿下!!!」民兵… いや、民は深々とひれ伏した。

英祖「(テギルに)またもや七千の民を救ったな」
テギル「…。」
英祖「だが、そなたの役割はここまでだ。残りの者共は私が処断する」
テギル「殿下!」

「密豊君」英祖がひれ伏している密豊君を見下ろす。

密豊君「…。」
英祖「そなたの処分は反乱を鎮めてから決める」

護衛を引き連れ、英祖はその場を立ち去った。

テギル「殿下!」

+-+-+-+

「どうか刀をお収めください!」英祖を追いかけ、テギルは食い下がった。

英祖「まもなく十万の反乱軍がここに集結する。この機を逃せば、都城まで主を失う。一巻の終わりだ」
テギル「…。」
英祖「先に攻撃しなければ、安城に続き都城まで陥落することになる」

331

テギル「二つ目の作戦、必ずや成功します」

「…。」背を向けていた英祖が、テギルを振り返った。「知らせが来たのか」

英祖「パク・ピリョンを阻み、チョン・ヒリャンを処断したと、確認できたのか」

「…。」テギルが困って目を伏せる。

英祖「今夜が最後だ」

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ここで区切ります。

どこから「スパイあぶり出し作戦」でわざとやってるのか、後から振り返ってみると頭が混乱しますね。
まぁ、そこは考えても仕方ない部分だと思うけど、このどんでん返し的展開は面白かったです^^

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