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テバク22話あらすじ&日本語訳vol.1

   

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」22話です。

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小舟を漕いでいた男の遺体が岸へ回収された。
仰向けに返してみると… それはムミョンではないか。
彼は師匠イ・インジャを逃すため、自ら囮となったのだ。

テギル「奴はまだ森を抜けていないはずです」

「探せ」チェゴンの指示に官軍がただちに動いた。

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テギルたちはふたたび慎重に森の中を進む。

穴の中のインジャにもその気配は届いていた。
ゆっくりと近づいてくるその足音に、インジャは緊張を高める。「!」

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チェゴン「もう逃げのびている頃だ」
テギル「いや、間違いなくこのどこかにいる」

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「殿下!」「殿下!」宮廷の人々がその場にひれ伏し、口々に嘆いた。「お戻りください、殿下!!!」

「殿下!!!」中殿が夢中で駆けてくると、立ち尽くす延礽君には目もくれず通り過ぎていく。
延礽君は後ろを振り返ることなく、王の住処を後にした。

延礽君「…。」

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まるで眠っているかのように、景宗は穏やかな表情で布団に横たわっていた。
「殿下!」駆けつけた中殿は、その場に崩れ落ち、何度も彼を呼んだ…。

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神経を集中させながら、テギルはゆっくりと森を進んでいた。
と、彼はふと足を止める。
落ち葉がこんもりと丸く盛り上がっているところがあったのだ。

すぐ近くで止まった足音に、インジャはぎゅっと目を閉じた。「!」

テギルは手に持った刀をそこへ思い切り突き刺した。

インジャ「!」

インジャの目の前すれすれに、刀が突き刺さる。
もう一度、テギルが刀を突き刺そうとしたそのとき… 「キム様!」

テギル「?」

武官が一人、大慌てでキム・チェゴンの元へ走ってきた。

チェゴン「どうした?」
武官「殿下が崩御なさいました」
チェゴン「!」

「!」穴の中のインジャも驚いて視線を上げる。

チェゴン「(テギルに)戻ろう」
テギル「…。」

仕方がない。引き返そうとして、テギルは悔しさに振り返った。

テギル「イ・インジャ!一生そうやって隠れて生きろ。鼠みたいにな。その忌まわしい顔を見せるんじゃないぞ」

遠ざかっていく足音を聞きながら、インジャは狡猾な笑い声を立てた。

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チェゴンとテギルが急いで宮廷へ駆けつけると、そこには喪服姿で王の死を嘆く人々で埋め尽くされていた。

テギル「!」

「もうこの生命も長くはない」そう呟いた景宗の姿が思い出される。

テギル(心の声)「邸下… 邸下ではありませんよね?!」

テギルは奥へと駈け出した。

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「手をお放しを!」周りの大臣たちが止めるのも聞かず、キム・イルギョンは住処の前にいた延礽君へ詰め寄った。
テギルたちが駆けつけたのもちょうどこの時だ。

イルギョン「御医に会って来たところです」
延礽君「…。」
イルギョン「邸下が差し上げた蟹醤を召し上がって倒れられたそうですね」
延礽君「何を仰りたいのですか」
イルギョン「長く患い喀血までなさっていた殿下に、蟹醤と柿を差し上げるとは!相克で毒になるのをご存じないと仰るのですか!」

#前回解説するまでもなかったですね(笑)

延礽君「殿下が亡くなったことには私も胸が痛みますが、それを食べて人が死んだとは聞いたこともありません。そうでしょう?」
イルギョン「ですが…!」
延礽君「なのに何故!食膳を進上したという理由だけで国本(=王室)を侮辱なさるのですか!」
イルギョン「…。」
延礽君「令監の目には… 私が世弟に見えていないのでしょうか」

延礽君の冷ややかな目に、キム・イルギョンは押し黙った。

延礽君「お引取りを」

他の大臣たちに両脇を抱えられ、イルギョンは退散した。
それを見届け、テギルが延礽君の元へ進み出る。「邸下、何があったのですか」

延礽君「聞いたとおりだ。殿下が普段からお好きだった蟹醤と柿で、私の気持ちをお伝えしたに過ぎない」
テギル「おっしゃってください。本当に邸下は…」
延礽君「私が殿下を毒殺したとでも?」
テギル「違うとおっしゃることが出来ますか?」
延礽君「…。」
テギル「違うなら違うと私におっしゃってください。自分にはやましいところなどない、国本として恥ずかしいところなどない、命も惜しまぬ友ペク・テギル、私に…!やましいところはないと、そうおっしゃってください」
延礽君「違うと言えば、お前は信じられるのか」
テギル「一時は友だと思い、一時は弟だと思った邸下を… 私は信じます」
延礽君「だが、その心に疑念を抱いた瞬間、お前はすでに私を捨てたのだ」
テギル「邸下」

「邸下ではない」延礽君はまっすぐにテギルを見た。「殿下だ」

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テギル「…。」
延礽君「雑仕女の生まれだなどと、もう二度と侮辱されたりするものか。私、李昑を辱める者を… これ以上許しはしない」
テギル「…。」
延礽君「たとえそれが兄弟であったとしても」

絶句するテギルの前で、延礽君は冷たく目をそらす。
「これ以上言うことはない。もう行け」テギルを残し、延礽君は住処へと戻っていった。

テギル「邸下!」

立ち尽くすテギルに、後ろで見守っていたチェゴンがやって来る。「邸下のおっしゃることは間違っていない」

チェゴン「ここからはお前が口を挟むことじゃない」
テギル「…。」
チェゴン「もうこれ以上… お前の友ではないのだ」

「…。」冷たく背を向けた延礽君を思い、テギルの目に涙が滲んだ。

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「テギル、本当に行っちゃうの?」荷造りをするテギルに、ソリムが言った。

トッケビ「止めても無駄だぞ。こいつ父親に似てひどい意地っ張りなんだ。もう家を出て行くのも百回目なんだから!」

「旦那」入り口で声がする。

トッケビ「誰だ?」

暖簾をかき分け、中へ入ってきたのは… マングムだ。
父の姿に、テギルが顔をほころばせた。

トッケビ「こりゃ誰だ!マングム!!!」

マングムは嬉しそうに頷く。「元気だったか?」
両腕を広げると見せかけて、トッケビは「えい!」と額を小突いた。「お前が死んで、テギルとわしがどれだけ苦労したと思う?!」
マングムが黙って頷いた。

トッケビ「黙って引っ込んでりゃいいものを、こんな腐った世間に何で戻ってきた?!お前に会えば嬉しくて小躍りするとでも思ったか!」
マングム「ありがとうよ。テギルをしっかり守ってくれて」

「マングム!」二人は固く抱き合った。「こりゃ夢かうつつか!」

313

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「みんな一緒に発とうって?」トッケビは目を丸くした。「どこに?」

テギル「民を助けて、俺たちもちゃんと暮らしていけるところだ」

「行けばわかるさ」テギルの隣でマングムが言った。

トッケビ「?」
テギル「心配するなよ。いい所だから」

「そのいい所ってのはどこだ?」いつの間にかチェゴンが帰っていた。

テギル「?」
チェゴン「…。」

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二人になり、テギルはチェゴンに考えを話した。

チェゴン「そうか。そう決心したんなら行かないとな」
テギル「イ・インジャは?結局見つからなかったのか?」
チェゴン「行方がわからん。だが、生き延びたとしても二度とは起き上がれまい」

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月香閣の前にたむろしていた乞食を、数人の妓生が追い払いに出て来た。
乞食の一人が、立ち去る間際に、書簡を握らせる。「行首様にお渡しを」

#あれ?月香閣自体は没収されてないのか。まぁいいけど

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じっと下を向いていたファングはゆっくり顔を上げた。「旦那様、生きておいでなのですね」

と、そこへ妓生が一人入ってくる。
「行首様、どこかの乞食が…」そう言って、受け取った書簡を差し出した。

ファング「!」

それはインジャからの書簡であった。
【私を探さず、待っていてくれ。
いつかまたそなたに会いに行く】

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儀式の始まりを告げる太鼓の音が高らかに鳴り響く。
景宗の死を受け、世弟であった延礽君が新たな王となるべく、即位の儀がおこなわれていた。

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朝鮮第21代王、英祖である。

「先代王の死に哀悼の意は尽きぬが…」前回、景宗の即位時にはキム・チャンジプが読み上げた宣言文を、今度はキム・イルギョンが読み上げた。

後ろの門の向こうに、そっとテギルが顔を見せる。

英祖「…。」
テギル「…。」

新たな王誕生を宣言する参列者たちの掛け声を挟み、二人は黙って視線を交わした。

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英祖(テレパシー)「私を恨んでいるのか」
テギル(テレパシー)「恨んだりはしません。お互い定められた運命、それぞれの道を行くのみ」

テギルは背を向け、姿を消した。

英祖「…。」

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ボロボロの姿に欠けた器を抱え、裸足で歩いてくると、インジャは宮廷の門の前で立ち止まった。

インジャ(心の声)「待っておれ。必ずや再起し、お前たちの五臓六腑を食いちぎって腐った朝廷をひっくり返してやる!」

そこへ門が開き、テギルとチェゴンが出て来たのを見て、インジャはさっと俯いてその場を離れる。
と、向こうから歩いてきたマングムが、インジャとすれ違いざまにハッと顔をこわばらせた。「?!」

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思わず振り返り、「いや、そんなはずは」と首を振る。

チェゴン「本当に行くのか?」

テギルは黙って頷いた。

チェゴン「体に気をつけろ」
テギル「師匠も」

迎えに来たマングムを見て、テギルが歩き出した。
マングムに丁重に頭を下げ、チェゴンは旅立つ弟子を見送った。「…。」

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正殿に入り、玉座に腰を下ろすと、ずらりと並んでいた大臣たちが英祖に頭を下げた。「お慶び申し上げます」
そこには、かつてひそかに老論を裏切ったモク・ホリョンの姿もあった。

英祖「同副承旨」
同副承旨「はい、殿下」

返事をしたのは、同副承旨キム・イルギョンだ。

英祖「私はそなたの顔を見たくない」
イルギョン「ならば、宮廷を去れとおっしゃるのですか」
英祖「ふむ、そうではない」

英祖は素っ気ない様子でイルギョンを眺める。「斬刑を命じる」

イルギョン「!!!」

少論の大臣たちが衝撃に凍りついた。

イルギョン「殿下!」
チョ・イルス「殿下!ご冗談が過ぎます!」
英祖「冗談とな?先代王が即位された直後、私を支えていた老論の大臣100名が命を奪われ、300名を超える者が流刑になった」
イルギョン「…。」
英祖「背後に誰がいたのか余が知らぬとでも?」
イルギョン「…。」

「同副承旨キム・イルギョンを斬刑に処せ!」英祖が宣言した。

武官たちが入ってきて、キム・イルギョンの両脇を抱える。

英祖「中枢府同知事モク・ホリョン」
モク・ホリョン「!!!」
英祖「お前がありもしない謀反を告発し、罪もない者たちの命を奪ったのだ」

「殿下!」モク・ホリョンは慌ててその場にひれ伏した。「お助けくださいませ!」

英祖「斬刑に処せ」

モク・ホリョンも直ちに取り押さえられ、キム・イルギョンと共に連行されていく。

イルギョン「殿下!!!」

残った大臣たちは恐怖に縮み上がり、頑なに俯いた。

英祖「意見のあるものは申せ。だが、命を担保にしてもらう」

「…。」正殿を沈黙が包んだ。

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大殿へ戻った英祖の元へ、キム・チェゴンがやってきた。

英祖「どこへ去ったのだ?」
チェゴン「行き先はよく存じません」
英祖「何か残した言葉は…ないのか」
チェゴン「…。」
英祖「わかった。もう下がられよ」

「はい、殿下」キム・チェゴンが退室すると、ガランと広いその部屋に、英祖は一人になった。

英祖(心の声)「玉座の重みには耐えられる。だが、この世に一人残されるのは耐え難いものだな…」

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トッケビとソリムを連れ、マングムとテギルは山の集落へとやってきた。
飛び出してきた人々が、大喜びで彼らを出迎える。

ソリム「わぁ、なんてこと?!」
トッケビ「故郷に戻ってきたみたいだな」

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「おーい!」ソリムとテギルが一緒に洗濯をしているのを、マングムが呼び寄せた。「スイカ食べろよ」

「よく熟してるぞ」家の前の縁台に集まると、彼らは1切ずつスイカを手に取る。
と、そこへヨナがやってきた。

ソリム「お姉さん!元気だった?!」

顔を見合わせる彼らは皆、微塵の曇もない笑顔だった。

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ここで区切ります。

「もう友でも弟でもない」って言うんなら、友であり兄弟だった二人の姿をもっと描いて欲しかったです。

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