テバク21話あらすじ&日本語訳vol.1
チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」21話です。
いよいよ佳境ですね~♪
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延礽君を庇って立ち塞がったテギルを押しのけ、景宗は今度こそ大きく刀を振り上げた。
「先代の殿下が…!」テギルが夢中で叫ぶ。
景宗「!」
テギル「私に言い遺されました。老論は世子を王と認めないだろう、少論が勢力を得て血の換局が続くに違いないから、そのときお前が延礽君の命を救え、弟の命を救うのだと」
「!」延礽君がハッとして顔を上げる。
テギル「私は答えました。はい、殿下、私が延礽君の命を守ります、兄としてこの命を捧げますと」
延礽君「…。」
景宗「父上が… 逆賊を救ってやれと…?」
テギルは強くうなずいた。
「来い」景宗は誰かを呼びつける。
入ってきたのは、いつも粛宗のそばにいたサウンとサモだ。
#君たち、おったんか!
ちなみに手前の細面なのがサウン、奥のちょっと目がギョロッとして頬骨が張ってるのがサモです。
「はい、殿下」二人は揃って頭を下げた。
景宗は恨めしそうに延礽君を睨む。
「父上がお前の命をお救いになったか…」手に握った刀を、彼は力なく放り出した。
景宗「だが、お前を許すのも今回限りだ。そして…!私を王と認めぬ老論の大臣たちを決して許すことは出来ぬ。全員斬刑に処す!」
テギル「殿下!」
延礽君が慌ててひれ伏す。「殿下!!!」
景宗「並びに…!世弟、お前は命を大切に考え、今後政事に関与するな。よいか」
そこまで言ったところで、景宗は大きく咳き込み、血を吐いた。
近づこうとしたサウンとサモを手で制し、景宗は部屋を出て行った。
延礽君「…。」
延礽君はあまりの衝撃にふらふらと頭を押さえる。「どうすればいいのだ…」
延礽君「老論の重臣たちの命、どうやって救えばいいのだ…?」
テギル「私が方法を探してみますから、邸下は迂闊に動かないでください。よろしいですか?」
延礽君が頷くのを確かめると、テギルはその場を後にした。
延礽君「…。」
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捕らえられた老論の大臣たちは厳しい拷問に遭っていた。
#拷問したって特に吐かせることなんかないよねぇ
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逆に、少論の大臣たちはイ・インジャを囲み、酒に興じた。
#この人たちの頭をモグラたたきみたいにポコポコ叩くアプリ作ったら、皆さんやります?
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テギルは今朝渡せなかった血書を手に、いよいよ景宗の元へ乗り込む。
「証拠?」差し出された血書を、景宗は静かに開いた。
テギル「逆賊鄭氏とイ・インジャの血書にございます」
景宗「!」
テギル「殿下、謀反を主導し、老論をそそのかして世弟冊封を主導、寝殿に刺客を送り、御膳に毒を盛り、殿下を陵辱し、朝廷を踏みにじった者…!全てイ・インジャなのです。老論の重臣たちの罪をお許しになり、逆賊イ・インジャを断罪なさいませ」
「…。」黙って聞いていた景宗は、強気を保ち、口を開いた。「イ・インジャが逆賊なら、あやつもまた斬首に処せばいいこと」
景宗「老論の大臣たちが逆心を抱いた事実を覆すことは出来ぬ」
テギル「殿下!そもそも世弟冊封と代理聴政は…」
景宗「それがイ・インジャの謀略だと主張したいのか」
テギル「…。」
景宗「老論の大臣たちはイ・インジャの操り人形ではない。また、謀反の有無も重要ではない。重要なのはあやつらが逆心を抱いたこと。あやつらがただの一度も余を王として認めなかったこと、それが!…それがあやつらを殺さねばならぬ理由だ」
#あ~あ、すっかり怒っちゃってから出しても遅かったね…。
テギル「ですが、殿下!」
景宗「二度は言わぬ。老論の大臣たちとイ・インジャ、あやつらの処分は余が決める」
テギル「…。」
#「でも、死なないんでしょ~」(通販番組風に)
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「どうなった…?」訪ねてきたテギルに、延礽君は恐る恐る訪ねた。
テギル「老論の大臣たちの斬刑は… 阻止できませんでした」
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老論の大臣たちは、翌日さっそく処刑場へ運ばれていた。
「殿下!!!」王の前で、延礽君は無我夢中で懇願する。
延礽君「私を罰し、老論の重臣たちの命をお助けくださいませ!この弟の命と引き換えに、大臣たちの命をお救いくださいませ、殿下!!!」
景宗「お前がやったことか」
延礽君「…。」
景宗「老論の大臣たちを動かして余を廃位させ、余を名ばかりの王へ追いやり、侮辱した罪。全てお前がやったことかと訊いているのだ」
延礽君「殿下!老論の重臣たちは… 間違いを犯した忠臣です」
景宗「ならば、死に値する逆臣たちを庇う理由は何だ」
「殿下、どうか…!」延礽君の目から涙が流れ落ちる。
#ここで言葉が出ずに気ばかり焦る延礽君がとてもリアルで、胸がキリキリしました。
大事な人たちを失いたくない気持ちに理由なんてないよね…(´;ω;`)
景宗「逆心を抱いた者たちを許すつもりは微塵もない。それが弟だとしても」
「殿下…」延礽君は声にならぬ声で、ただ繰り返すしかなかった。
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太鼓の音が一層高らかに響く。
「道を空けよ」やってきた武官の後ろから、延礽君が姿を現すと、ずっとうなだれていた四大臣たちがハッと顔を上げた。「邸下!」
延礽君の前に、警備をしていた武官がさっと立ち塞がる。
延礽君「退け」
そこへ、口を開いたのは領議政キム・チャンジプだ。
チャンジプ「全ては国と王室のため。不忠だ謀反だと言えるはずがありましょうか」
「大監!」延礽君の目に再び涙が滲む。
必ずや淑嬪との約束を守ると、信じてくれと、キム・チャンジプは世弟となった彼に力強く語ったのだった。
チャンジプ「邸下!最後まで諦めることなく、揺れる我が国の政治を正してくださいませ!!!」
「えいや!」処刑人が掛け声を上げる。
延礽君「やめろ!」
陽光を受けて光る大剣が、大臣めがけて振り下ろされた。「!!!」
一人。そして、また一人…。
延礽君「やめろ!やめろ!やめろ!!!!!」
前へ駆け寄ろうともがく延礽君に、警備の武官たちが集まる。
延礽君「退け!退くのだ!!!!!」
後ろで見守っていたテギルが駆け寄り、後ろから弟を抱きかかえた。
テギル「耐えてください。出て行ってはいけません」
延礽君「彼らは死んじゃいけない!一体何の罪があると言うのだ!!!」
魂を絞り出すような叫び声と共に、延礽君はその場へ崩れ落ちる。
さっと左右に引いた警備の武官たちの向こうに、彼の大事な臣下たちの亡骸がずらりと並んでいた。
「!!!!!」泣きじゃくりながら、延礽君は彼らの元へと這う。「済まない…。私が必ずや…!」
延礽君(心の声)「そなたたちの無念を晴らしてやる…!」
「私を信じ… 待っていてください」延礽君は物言わぬ忠臣たちに呼びかけた。「済まない…!」
1722年。辛壬士禍である。
※実際にはこのようにすぐ処刑されたわけではありません。四大臣は謀反を企んだとして免職され、まずは流刑になっています。そこへ、モク・ホリョンが”粛宗の時代、世子だった景宗を殺そうと老論が計画した”と告発し、死刑となったのです。斬首ではなく、位の高い罪人への配慮として自決の形だったようですね。
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延礽君は茫然自失で宮廷へと帰り着いた。
「放っておいてくれ」後ろを黙って付いて来るサンギルに、彼はポツリと言う。
延礽君「頼むから放っておいてくれ…」
サンギル「…。」
延礽君「私を放っておいてくれ」
その場に留まったサンギルを残し、延礽君はふらふらと住処へ向かった。
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部屋へ戻ると、延礽君は力尽きたようにガクリと跪いた。「父上…」
延礽君「私は… これからどうすればいいのですか」
延礽君の目からとめどなく涙が溢れる。
延礽君(心の声)「父上…。失いたくないのです。私の臣下たちを、二度と失いたくありません」
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テギルが家に帰って来ると、待ちかねていたソリムたちが出て来た。「テギル!」
ソリム「大丈夫?」
テギル「…。」
ソリム「邸下はどうなの?」
トッケビ「そばにいて差し上げろ。何でそのまま帰ってきたんだ?大変な衝撃だろうに」
テギル「何もないんだ。俺がしてやれることは…」
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景宗はテギルが持ち込んだ血書を前に、悶々と夜を過ごしていた。
その間にも再び血を吐き、口元を血に染める。
彼の病状は確実に進んでいた。
景宗「…。」
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翌朝。
景宗はイ・インジャ本人を呼び出す。
#粛宗の代理聴政を始めた頃だったかな?そのときも素直にインジャ本人を呼び出して直接訊いて、あっさり丸め込まれてたよね。
インジャ「お呼びでしょうか、殿下」
景宗「述べてみよ。世弟をどうすべきだ?」
インジャ「根を取り除かぬ限り、謀反の種はいつでも蘇るものです。命を絶っておかれますよう」
景宗「老論の重臣たちが100名以上処刑となった。そなたのたった一言で」
インジャ「?」
景宗「そなたが老論の重臣たちを説得したのであろう。彼らをそそのかし、死路へ追いやったのだ」
インジャ「!…そうではありません、殿下。私に老論の大臣たちを動かす力などありましょうか」
景宗「ならば余は?そなたにどんな力があって余を動かした?そなたにとって、余は大臣たちより軽いのか」
インジャが戸惑って視線を泳がせる。
「サウン」景宗の合図で、サウンが手に持っていたものを手渡した。
それは…
インジャ「!!!」
ホンメが燃やしたはずの、あの血書だ。
インジャ(心の声)「来るものが来たのか」
景宗は血書をインジャに突きつける。「この血書もそなたのしたことではないと?」
インジャは咄嗟にその場にひれ伏した。「殿下!」
景宗「…。」
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テギルが訪ねてきたとき、延礽君は依然として部屋の奥でぽつんと座り、うなだれていた。
テギル「邸下」
「帰ってくれ」下を向いたまま、延礽君はつぶやく。
テギル「…。」
延礽君「今は誰にも会いたくない。何も聞きたくないのだ…」
テギル「殿下が英断をくだされました」
延礽君「?」
テギル「殿下はイ・インジャを退けるでしょう」
延礽君「!」
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「殿下!」インジャは跪き、懸命に訴える。「私は決して謀反を企ててはおりません!」
景宗「この血書を前にしても言い逃れるつもりか」
インジャ「殿下、この血書は私が書いたものに間違いありません。ですが、全ては殿下を王位に就けるための救済策だったのです」
景宗「…?」(←こらー!!!
インジャ「殿下、もうお忘れですか。世子の頃、先代王と老論の大臣たちは殿下にどんな態度を取りましたか!延礽君はいかがでしたか!」
「…。」鬱積していた苦しい思いが、景宗の胸の内にふつふつと蘇る。
インジャ「冷たく、軽く、強迫的だったではありませんか!私は過去に誓った殿下への盟約、心に深く大切にしまってございます。全ては殿下のため、殿下の治世のため、私の忠誠心に拠るものだと本当におわかりでないのですか!」
「そなたの忠誠心…」景宗は考えを巡らせる。「知らぬわけではない」
「忘れることも出来ぬ」血書を開き、景宗はそれを引き裂いた。
#視聴者全員、同じ顔してるだろうな…。
粉々に引きちぎった血書を固く丸め、景宗は地面にぽいと放り捨てる。
景宗「だが、そなたが言ったように、謀反の根はいつでも蘇るもの」
#「根を抜かぬ限り、種はいつでも蘇る」って言ったんだよ(←細かいけど文句言わせて
景宗「命を助けてやる代わりに、二度と宮廷に足を踏み入れることを禁ずる。そなたの持つ全てを手放せ」
インジャ「殿下!いっそのこと私の首を討ってくださいませ!」
景宗「頼むから二度と政事に関与するな」
インジャ「殿下!!!」
景宗は再び血を吐いた。
サモがさっと進み出て手拭いを渡す。
景宗「逆賊鄭氏は明日斬刑に処す」
インジャ「…。」
景宗はクルリと背を向け、インジャを残して足早に歩き去った。
インジャ(心の声)「忍苦の年月を耐え抜き、やっとのことで手に掴んだ牌であるのに… 結局はこうもあっさり捨てねばならぬのか…?これほどにも虚しく…?」
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ここで区切ります。
別武士になったころからかな?テギルの発声が溜息みたいな裏声にシフトしてしまって、声を張らなきゃいけないところであまり力強さを感じないのが気になっています。
役作りを考えた上でのことだろうし、シーンによっては情緒があっていいと思うけど…。
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