テバク14話あらすじ&日本語訳vol.1
チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」14話です。
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「やめろ!」骨蛇に振り下ろそうとしたタムソの刀を弾き、テギルは彼女の首に自分の刀を突きつけた。
テギル「タムソ、お前何の真似だ?」
そのとき、扉の向こうでヨナの声が聴こえる。「お父さん、いらっしゃいますか?」
テギルはタムソに向けた刀を下ろした。「行け」
テギル「理由は後で聞くから、とにかく早く行け」
タムソはくるりと身を翻し、窓から飛び降りた。
テギルは急いで骨蛇を抱き起こす。
骨蛇は口から血を吐いた。その血しぶきでテギルの服が赤く染まる。
ちょうどそこへ入ってきたのがヨナだ。
テギル「!」
ヨナ「お父さん!」
テギルは思わず手を離し、立ち上がる。
と同時に、骨蛇がごろんと床に倒れ込んだ。
ヨナ「お父さん!お父さん、しっかりして!」
骨蛇が目を開け、ゆっくりと娘に視線を向ける。
と、次の瞬間、彼は力尽きてしまった。
#何だよー、目を開けたんなら一言くらい言えっつーねん
ヨナ「お父さん!!!」
ヨナが恐ろしい形相でテギルを振り返る。
テギル「俺じゃない!」
ヨナ「どうして…お父さんを!」
テギル「俺じゃないって!」
ヨナの目から涙が流れ落ちる。
テギル「俺が突き止める!犯人が誰なのか、なぜ殺したのか」
そこへ、賭場の男たちが異変に気づいて駆けつけた。
ヨナ「言い逃れしようとは!(賭場の男に)捕まえてください、今すぐ」
テギルは慌てて逃げ出した。
「…。」ヨナはその場に残された刀に視線を移す。
その刀の先は… 床に溜まった血に浸っていた。
ヨナ「人殺し!許すものですか!」
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麻浦の商人たちが集まっていた。
商人「ペク・テギルなる者に忠誠を誓いはしたが、どこか釈然としない」
商人「あの恐ろしい六鬼神も賭場を奪われた後に死んだことを思えば、ペク・テギルの目的は賭場だけではない気もする」
商人「ひょっとして…骨蛇も?!」
と、そのとき、男が血相を変えて飛び込んでくる。「骨蛇が死んだぞ!」
「!!!」皆が目を丸くし、立ち上がった。「骨蛇が?!」
そこへタイミングを図ったかのように登場したのがイ・インジャだ。
インジャ「犯人はペク・テギルではないか?」
商人たち「…?」
インジャ「ペク・テギルの蛮行はこれで終わりはしない。しかも、じき殺人罪で追補されるはずだ。そうなれば、この麻浦の商圏に責任を持つべき人としては、世間知らずの骨蛇の娘か、私イ・インジャ、二人だけだが…。どうだ?私と手を組むか?」
#はぁ~?!
「さもなくば!!!」インジャが叫ぶと、後ろでファン・ジンギがドンと大剣を床に突き立てた。
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「犯人を見たって?捜査に訪れた武官がヨナに訪ねた。
ヨナ「はい。ペク・テギルなる者です」
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すっかり朝寝坊をした延礽君は、大慌てで正殿へ走った。
「申し訳ありません」すでに揃っている大臣たちの間を抜け、世子と粛宗の前で頭を下げる。
世子「なぜ遅くなった?常参は済ませたのか?」
※常参=毎朝、重臣が王に行う政事報告
「…。」延礽君は領議政キム・チャンジプを振り返る。
キム・チャンジプはただ黙って、彼を見つめ返すばかりだ。
延礽君「(世子に)禁亂廛權の廃止案はどうなったのですか?」
「禁亂廛權…」世子の後ろで粛宗が口を開いた。
粛宗「証拠を手に入れて来いと、お前に言ったはずだが」
延礽君「証拠は…すでに」
延礽君はもう一度チャンジプを振り返った。「…手に入れたのですが」
キム・チャンジプ「殿下、私は延礽君様から市廛の商人と朝廷の大臣たちの結託が記された帳簿を受け取り、確認いたしましたが…」
延礽君「…。」
チャンジプ「証拠価値がなく、焼却いたしました」
延礽君「!!!」
#うん、君以外、全員知ってたよ。どうせそんなこったろうって。
延礽君「…大監!」
チャンジプ「証拠も不十分ですので、禁亂廛權廃止に関する延礽君様の提案は却下なさるのが宜しいかと存じます」
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「大監!」正殿を出たところで、延礽君がキム・チャンジプを呼び止めた。
延礽君「一体何の真似ですか。苦労して手に入れた証拠を燃やしてしまうとは!」
チャンジプ「漢城府を動かして延礽君様に協力する代わりに、帳簿に関する一切を私に一任すると約束なさったではありませんか」
延礽君「ですがそれは!」
チャンジプ「一任なさったなら手をお引きください」
延礽君「なぜこのようなことを!」
チャンジプ「延礽君様のためです」
延礽君「私のため?」
チャンジプ「延礽君様は我々老論の柱です。禁亂廛權一つで倒れてはなりません」
延礽君「私のために、私の足元を見るとは!矛盾しているではありませんか!」
チャンジプ「延礽君様、禁亂廛權が廃止されたところで、少論が潰れるとお思いですか?イ・インジャ!あの怪物を牢獄へ送れるとお思いですか!それは誤算です」
延礽君「…。」
チャンジプ「かえって延礽君様が痛手を負うだけです」
延礽君「私には受け入れられません。決して!」
「淑嬪様のご意思だ」後ろから声を掛けたのは、世子だ。
延礽君「邸下、今何と…」
世子「淑嬪様のご意思だと言ったのだ」
延礽君「母上が…なぜ?」
世子「わからぬか?禁亂廛權廃止の件が大きくなればなるほど、大臣たちの矢はお前に向かうことになる。結局、お前自身の足かせになるだけだ」
延礽君「…。」
~~~~
「延礽君を止めてください」淑嬪はそう世子に頼んだ。
世子「淑嬪様、延礽君の計画はぬかりなく、私一人でどうにか出来ることではありません」
「大監」淑嬪の声に、待機していたキム・チャンジプが姿を現す。
チャンジプ「邸下が延礽君様を大事に思われるならば、方法がないわけではありません」
世子「何だ?方法とは」
チャンジプ「殿下に謁見し、延礽君様の地位回復の約束を取りつけてくださいませ。そうすれば、後のことは私が処理いたしましょう」
~~~~
「この辺りで終わりにするのだ」世子は静かに諭した。
世子「そうすれば、お前の職位は元に戻してやろう。すでに父上も許可なさっている」
延礽君「…。」
世子が差し出した司憲府掌令の身分証を、延礽君は受け取った。
※私、前は掌令じゃなくて将令と書いてますね。難しい…^^;
~~~~
「本心はどこにある?」延礽君の復職を願い出た世子に、粛宗は問うた。
粛宗「生かしたいのか、殺したいのか」
世子「…。」
粛宗「これから王となるお前にとって延礽君は邪魔になるはずであろう。放っておけばよいではないか。ああして一人暴れているうちに死ぬことになっても、世子、お前にとってはそう悪いことではあるまい」
世子「私は弟である延礽君の兄として、臣下である延礽君の主君として、横暴を止めさせ、職位を回復させたいのです」
~~~~
「それでも…私は納得できません」延礽君は絞りだすように言った。
チャンジプ「一つを得るならば、一つは譲歩すること」
延礽君「?」
チャンジプ「それが政治です、延礽君様」
延礽君「…。」
#インジャと同じこと言われてもねぇ(-_-)
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「母上」延礽君は淑嬪に訴えた。「なぜ私のことに関与されるのですか」
淑嬪「息子の危機を黙って見過ごす母親がどこにいましょうか。大臣たちを敵に回せば、生き残ることは出来ません」
延礽君「…。」
淑嬪「延礽君、このまま…全て失ってもよいのですか?」
延礽君「全て失ってもやるつもりです。やらねばなりません」
淑嬪「お願いです!どうかお止めなさい」
延礽君「!」
淑嬪「母の頼みです。母の切実な頼みなのです」
延礽君「…。」
淑嬪「母がこうして頼み事が出来る日も、そう残されてはいません」
延礽君「!」
淑嬪「この母の小言も、これが最後かもしれないのです」
延礽君「母上!なぜそんなことを…」
淑嬪は涙の滲んだ目で、まっすぐ息子を見つめた。「…。」
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延礽君は医官の元へ駆け込んだ。
医官「病状がひどく、これ以上手の施しようがございません」
延礽君「何たること!!!」
【母上のためなら、私は命をも差し出せます。ですが、ここで止めるわけにはいきません】
延礽君はぎゅっと拳を握りしめた。
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「蔵が腐って鼠が入ったのか」手元の本を捲りながら、粛宗が言う。
彼の前にいるのは、領議政キム・チャンジプだ。
粛宗「それとも、鼠が入ったせいで蔵が腐ったのか」
チャンジプ「…。」
粛宗は本を乱暴に卓へ放り出し、視線を上げた。「領相」
粛宗「イ・インジャについてどれだけ知っている?」
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今日の少論大臣の集まりは、打って変わって和やかだ。
#この人たちホント能なしの集まりだよねぇ
チョ・イルス「(インジャに)そなたには実に驚きだ。キム・チャンジプ大監に会ったのか?」
インジャ「竹を割ったような気性のキム・チャンジプ大監を動かす力など、私にありましょうか。延礽君の反対側に立つ王、世子。延礽君を案ずる淑嬪や老論の心が互いに通じあったのでございましょう」
イルス「はははは。やはりイ・インジャ、そなたは…」
「あっ」イルスがはたと話題を変える。「骨蛇を倒したペク・テギルなる者、どうするつもりなのだ?」
イルス「結局、君は片足を失ったではないか」
「そのようなはずがありましょうか」インジャが声を落とし、ニヤリとほくそ笑んだ。
インジャ「骨蛇の管理していた麻浦の商団は全て私が引き継ぎました。ペク・テギルはじき牢獄へ送られる運命です」
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テギルはホンメの元へやって来る。
ホンメ「賭場を潰しに来たって顔じゃないけど、何だい?」
テギル「タムソはどこだ?」
ホンメ「お嬢さんが何でここに?お嬢さんが帰って来てるのかい?」
「…?」ホンメは何も知らないようだ。
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テギルは月香閣へ乗り込んだ。
門を入ったところにいたのはファン・ジンギだ。「何だ?」
ちょうどそこへ、正面の扉が開き、イ・インジャが出てくるのが見えた。
ジンギ「何だと言ってるんだ」
テギル「…。」
「退いてやれ」インジャがテギルに気づき、ジンギを窘める。
イルス「誰だ?」
インジャ「…。」
テギルはまっすぐインジャの前へ進み出た。
インジャ「この男こそペク・テギルです」
イルス「ペク・テギル…」
インジャ「私は少しこの男と用がありますので、皆さん先にお帰りを」
「ふむ」イルスたちは二人を残し、月香閣を出て行った。
テギル「タムソはどこだ?」
「タムソとな?」インジャもまた、意外そうに首をかしげる。
テギル「何言ってるんだ?あんたが寄越したんじゃないのか?」
「?!」そばにいるムミョンやジングも、驚きの表情を浮かべた。
インジャ「タムソが現れた…?骨蛇の死んだ現場にタムソが現れたということか?」
テギル「噂が早いな。イ・インジャ、あんただろ。骨蛇を…」
インジャ「骨蛇はお前が殺したのではないか!」
テギル「!」
インジャ「タムソはここにいない。もう帰れ」
「…。」このまま続けても仕方ない。
テギルは早々に背を向けた。
インジャ「タムソが…帰って来たと?」
自分の信念のまま、自分の道を行く… そう言ってインジャの元を去ったタムソ。
今になって、彼女はなぜ姿を現したのだろうか。
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一人、月香閣を出て歩くテギルの前に、誰かが現れた。
ムミョンが先回りをしたのだ。
「タムソを見たのか?」ムミョンの声に殺気はなく、実に静かだ。
テギル「…タムソが殺した」
ムミョン「…。」
そう。六鬼神が死んだときも。
矢が放たれた階上に身を潜めていたのは…タムソだ。
テギル「西小門の六鬼神、麻浦の骨蛇」
ムミョン「それで、タムソを探してどうするつもりだ?」
テギル「…?知ってるんだな、タムソがどこにいるのか」
ムミョン「…。」
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テギルは懸命に山道を駆けていた。
「タムソがよく訪ねていた寺がある。帰って来たなら、おそらくそこにいるはずだ」ムミョンがそう教えてくれたのだ。
テギルはムミョンから聞いて寺に辿り着いた。
正面の仏像の前で、一心に祈りを捧げている女の姿が見える。
テギル「!」
女はふと後ろに気配を感じ、振り返った。
タムソだ!
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「骨蛇が死んだと?!」延礽君は驚いて顔を上げる。「本当なのか?」
サンギル「間違いありません。しかも…」
「この目で確かめねば」延礽君は立ち上がった。
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延礽君はすぐさま遺体と対面した。
首に小さな刺し傷がある。
武官「たったの一太刀です。武芸に秀でた者に違いありません」
「ペク・テギル…」入ってきたヨナが口を開く。「間違いなくあやつです」
延礽君「見たのか。自分の目で」
ヨナ「見ました。私の目で」
「もう一度訊く」延礽君はヨナに詰め寄った。「お前の目で、はっきり見たのか」
ヨナ「見たと言ったではありませんか!今すぐあやつを掴まえてください。今すぐ!」
#ええー 見てないじゃんねぇ(-_-)
「この事件は私が預かる」延礽君は宣言し、司憲府掌令の札を掲げた。
武官「…。」
ヨナ「…。」
二人は、捜査に出かける延礽君を無言で見送る。
インジャ(声)「延礽君が動いたら、関与せず見守るのだ」
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テギルは、寺を見下ろす丘の上に、タムソと共にいた。
タムソ「知りたいことを言って」
テギル「六鬼神、骨蛇。お前が殺したのか?」
タムソ「訊きに来たの?確かめに来たの?」
テギル「…。」
タムソ「話したら、信じるつもりはある?」
テギルは言葉では答えず、まっすぐタムソを見つめた。
タムソ「悪事を重ねていた六鬼神、あやつは死んで当然。骨蛇、あやつもまた悪行を働いていた。私が審判を下してやりかったの」
「だけど」タムソの目に力がこもる。「私じゃない」
テギル「お前じゃなかったら、一体誰なんだ?」
タムソ「本当のことを話しても信じないのね」
テギル「…。」
タムソ「官衙に通報するつもりじゃなかったら、もう帰りなさい」
テギル「どうして… 何でこんなことになったんだ?何があった?」
タムソ「あなたもそのうちわかるはずよ。自分の父親がなぜ死んだのか」
テギル「?!」
タムソ「師匠があなたをなぜ殺さないのか」
テギル「…。」
タムソ「分かれ道に出会ったら、選ばなきゃならなくなるはず。師匠の信念を捨てた私のように、並んで共に進むか、対立してぶつかるか」
テギルは黙ったまま歩き出す。
その背中を、タムソはじっと見守った。
タムソ(心の声)「もうじきわかるわ。自分が王の息子だと」
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ここで区切ります。
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