テバク12話あらすじ&日本語訳vol.1
チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」12話です。
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イ・インジャもムミョンとホンメ一味を引き連れ、西小門へ来ていた。
「ひどい臭いだね」ホンメは終始鼻を押さえ、身を縮めて歩く。
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「久しぶりね」六鬼神との勝負に割って入ったのは、六鬼神が親の仇だと言った当の本人、ソリムだった。
ソリム「あんた、六鬼神の首を取りに来たの?」
テギル「…。」
ソリム「どうした?こんなところで会って意外だった?」
状況が掴めず、テギルはただただ目を丸くする。
六鬼神「犬斫刀のおもちゃがここに何の用だ?」
「綺麗な顔に斧傷でも出来たら大変だ」そう言って六鬼神はソリムの頬に触れる。
ソリムは強気に六鬼神の手を振り払った。
ソリム「うちの頭領が伝えろって。やられてもその首だけは残しておけってね」
「…。」六鬼神は思わず自分の首に手をやった。
六鬼神「失せろ、このアマ」
ソリムは六鬼神の背後に回り、椅子に腰を下ろした。
ソリム「それは出来ないわ。あんたの首を守れって言われたんだもの」
テギルは一旦抜いた刀を鞘に収め、ソリムの手を引く。「ちょっと話そう」
ソリムは彼の手を頑なに振り払う。「離して」
テギル「!」
ソリム「あんたの知ってるソリムはもういないの」
テギル「…。」
ソリム「あたしはもう犬斫刀についてるんだから」
#何だかさー。テギルはいい感じでノリノリだったのに、変なタイミングでソリムに出てこられて、出鼻をくじかれちゃったね…。自然な流れって難しい。
六鬼神「ごちゃごちゃ言ってねぇで、そろそろ始めるか」
「遅くはなかったようだな」と、さらに誰かが賭場の中へ入ってくる。
イ・インジャ一行ではないか!
#あーもー、ほんと面倒くさい(爆)
六鬼神「はぁ、また面倒な旦那のお出ましだな。何だ?」
インジャ「久しぶりに面白そうな勝負があるというのに、見逃す手はなかろう?」
テギル「…。」
「ふたりとも健闘を」インジャは余裕の笑みを浮かべた。
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さて、ようやく仕切り直しだ。
インジャは階上の席に陣取り、のんびり酒を飲みながら二人の様子を見下ろした。
六鬼神「明日の朝になったら屍口門に噂がわっと広まるな」
テギル「だろうな。世にも恐ろしい六鬼神ももうすっかり過去の人だ…ってな」
六鬼神「いくら賭ける?」
テギルは手元に用意した文書の束を差し出した。
テギル「イ・インジャから奪った地方の賭場12箇所。その質券を全部合わせたら1万両になる。そこに、俺の命までつけよう」
六鬼神「はぁ、随分強気だな。そんなら俺は何にしようか」
テギル「この賭場の所有権。それに、お前の命」
六鬼神「よし。男に二言はなしだ」
「…。」テギルが小さく頷く。
「楽しい賭けに口を挟んで悪いが」2階からインジャが声を掛ける。
インジャ「ここにいる見物人たちにも機会を与えてはどうだ?勝つ方に賭けたいんだが」
「はは」インジャは軽快に笑った。「賭けというのはそういうものだろう」
インジャ「二人が楽しんでいるのを見ているだけでは腹が痛い」
テギル「何を企んでる?」
六鬼神「賭けろ。賭けたきゃ賭ければいい」
テギル「…。」
周りで眺めていた客たちが次々に出て来ては、六鬼神側の卓上に金を置いていく。
六鬼神はすでに勝ち誇った顔だ。
と、ホンメの部下が二人、大きな木箱を担ぎあげると、テギル側の卓に置いた。
箱を開くと、底にはぎっしり金塊が詰まっているではないか!
インジャ「5000両だ」
六鬼神「おい!白面書生!何かの間違いじゃないのか」
驚く六鬼神に、インジャはふふふと笑う。
六鬼神「いいだろう。三途の川を渡るにも順序ってもんがある」
六鬼神が合図をすると、こちらも手下が金の詰まった木箱を運び入れた。
六鬼神「始めようぜ」
テギルはニヤリと笑うと、サイコロの筒を手に取り、くるくると回した。
テギル「…。」
耳元で筒の中のサイコロがカラカラと小さな音を立てている。
その音を確かめると、テギルは一気に卓上に伏せておいた。
#もう”混ざってないやん”とか突っ込みませんよ~♪
二つのサイコロはどちらも4の目を示している。
今度は六鬼神の番だ。サイコロは二つとも5の目を出した。
誰も何もしゃべらない。
鎮まり帰った中、粛々と勝負は進んだ。
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「誰だ!」一番奥の部屋で待ち受けていた男に、延礽君は言った。
彼はファン・ジンギと直接会ったことがなかったのだ。
延礽君「私を知っているのか」
ジンギ「知ってるも何も」
ジンギは目の前に積んであった文書の山を掴み、乱暴に放り投げた。
延礽君「…。」
ジンギ「これをお探しか」
延礽君は部屋の中を慎重に見渡す。
棚の上にも、多くの文書が積み上げてあった。
延礽君「ファン・ジンギ!」
ジンギ「おぉ、高貴な宮様が私をわかってくださるとは!光栄ですよ」
延礽君「朝廷から禄を受け取っていた武官が、イ・インジャの犬になったのか」
「!」ジンギは大剣を手に取り、立ち上がった。「犬?違うな」
延礽君「…。」
ジンギ「何だ?びびったか?まだ刀も抜いてないぞ」
ジンギは彫り上げたばかりの木仏を、延礽君に投げ渡した。
#よっ!お得意の持ちネタ!
ジンギ「気の毒なこった。命が一つ…」
ジンギが大事な決め台詞を披露し、満を持して剣を抜くと…
延礽君はさっと部屋の外へ後ずさりし、扉を閉じてしまった。
ジンギ「(ポカーン)」
~~~~
思わず扉の向こうへ避難した延礽君は、急いで考えを巡らせた。
ここへ入る前にテギルと段取りを打ち合わせていたのだ。
テギル「分かれて動こうって?」
延礽君「お前は六鬼神を仕留めろ。私は奴の金庫を暴き、文書を運び出す」
このまま引き返すわけにはいかなかった。
~~~~
「宮様」扉の内側から、ジンギの呼ぶ声が聴こえる。
ジンギ「扉をぶっ壊す前に早く開けてくださいよ」
延礽君の目に入ったのは、壁に掛けてあった油の壺だ。
彼は咄嗟にそれを手に取り、扉から顔だけチラリと覗かせた。
延礽君「考えてみたらだな… この部屋一杯の帳簿、私一人で運ぶのは大変な気がして」
ジンギ「?」
延礽君「手伝ってはくれぬか?私の方がたくさん持つから」
ジンギ「…。」
延礽君「…どうした?嫌か?」
#怪しすぎやろ( 艸`*)フ゜ッ
ジンギ「どういうつもりなんです?」
延礽君「嫌なんだな。それならまぁ…仕方ない」
ジンギ「…?」
延礽君は扉を開き、手に隠し持っていた瓶をジンギめがけて投げ入れた。
ジンギは咄嗟に剣を構え、瓶を叩き割る。
#ナイスバッティング♪
ジンギ「?!」
ジンギが飛び散った液体を嗅ぎ、ハッと顔色を変えた。
と、延礽君は入口の壁に掛けてあった松明を外し、部屋の奥へと放り投げる。
たちまちジンギの前に火が燃え広がった。
「これはそなたが持っておきたまえ」延礽君は貰ったばかりの木仏をジンギに投げ返す。
そして、扉を閉め、外から固定した。
と、次の瞬間。
ドンと大きな音がしたと思うと、ジンギがいとも簡単に扉を破壊し、外に出て来たではないか。
延礽君「!!!」
ジンギ「話は全部終わったのか?」
延礽君「…。」
選択肢はない。
延礽君は一目散に逃げ出した。
#延礽君はこういうお茶目なところをどんどん出して欲しい♪
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テギルと六鬼神の勝負は静かに続いていた。
六鬼神の酒瓶はすでに空っぽだ。
ソリムが新しい酒瓶を持って来て、彼の前に置いた。
テギルが手に握ったサイコロを壷に入れ、六鬼神に差し出す。
六鬼神側には、『陸』のところに駒が二つ並んでいた。
六鬼神「双六(六が二つ)で勝負を終わらせてやる。そうなったら…後はわかるな?」
テギル「…。」
六鬼神は目を閉じ、慎重に筒を振った。
しんと静まり返る中、二人はサイコロが立てるかすかな音に神経を集中させる。
しっかり筒を振ると、六鬼神はドンと卓上に伏せて置いた。
テギル「恐ろしい運のいい男… それがまさに俺だ」
六鬼神が筒をどけると… 一つは六の目。一つは真っ二つに割れているではないか!
テギル「双六じゃないから上がれないな」
六鬼神「手のひらの力で潰したのか」
そう。テギルは壷に入れる前に、こっそりサイコロを握りつぶしたのだ。
テギル「俺は知らん」
六鬼神「どうせ無効だ」
テギル「無効だなんて、勝手に言うなよ」
「確かに無効だね」後ろでホンメが言う。
ホンメ「サイコロが割れたらもう一度投げる。双六の基本も知らないのかい?」
テギル「…。」
「新しいサイコロを持って来い」六鬼神が言うと、手下が小さな木箱を持って来た。
蓋を開け、中に入っていたサイコロに、テギルが先に手を伸ばす。「イカサマのサイコロじゃないのか?」
六鬼神「何だと?」
テギル「双六ばかり出るサイコロみたいだが」
テギルが無造作にサイコロを転がすと、彼の言ったとおり六の目が揃った。
テギル「取り替えろ」
何度取り替えても、それは六ばかり出るサイコロだ。
そのたびにテギルは新しいサイコロを出させた。
六鬼神「おい、ふざけんのはやめようぜ」
テギル「ふざける?自分が生きるか死ぬかの局面で、ふざけるだと?」
六鬼神「…。」
テギル「ここの賭場で作ったサイコロは駄目だ。外で売ってるサイコロに替えろ」
六鬼神が立ち上がり、大声を上げた。「サイコロを持ってる奴はいるか!」
たった一人、前に進み出たのは、小さな子どもだ。
子どもは数字の書かれたサイコロを差し出し、くるりと背を向けた。
六鬼神「もう不満はないか」
テギル「あぁ」
六鬼神「いいな。双六が出ればおしまいだ。お前の首は俺のもんだぞ」
テギル「…。」
六鬼神は椅子に腰を落ち着けると、壷にサイコロを入れる。
ゴクリと酒を流し込むと、筒を振り始めた。
六鬼神「…。」
サイコロがカタカタと立てる音に、六鬼神は懸命に耳をそばだてる。
ドンと卓上に伏せると、ゆっくり筒を…
と、そのとき、「おい、六鬼神」
口を挟んだのはテギルだ。
テギル「せっかくだからもう少し楽しくやらないか?」
六鬼神「?」
テギル「そのサイコロ、双三が出れば俺の勝ち、それ以外なら何が出ようとお前の勝ちってことにするんだ」
六鬼神「何だ?双三さえ出なきゃ俺の勝ちだって?」
テギル「その代わり、俺が勝ったら、あいつらの命は全部俺のだ」
テギルは向こうで怯えている奴隷たちを振り返った。
#っていうか、テギルが勝てば六鬼神の命はないんだし、賭場はテギルの物になるんだから、奴隷も何も全部好きにすりゃいいんじゃないのかい?
六鬼神「こいつ… 肝っ玉だけは朝鮮一だな。自信あんのか?」
テギルがふっと笑う。「どうした?ビビったか?」
六鬼神「こいつ何言ってんだ!…よし、双三が出りゃ、あいつらの命、全部お前にやらぁ」
テギル「見せてみろ」
「待った」今度はインジャが口を挟む。
インジャ「六鬼神、この勝負で全てを失うかもしれぬが」
六鬼神「おい、白面書生!六鬼神だぞ、俺は六鬼神だ!」
「…。」インジャはそれ以上何も言わず、頷いた。
「行くぞ」六鬼神がゆっくりと筒を上げる。
現れたのは…
三が二つ。双三ではないか!!!
「何だこりゃ!!!」六鬼神がおもわず立ち上がった。
テギル「…。」
~~~~
さっきサイコロを持って出て来たのは、ここへ来る前、外でテギルが出会った子どもだ。
道端で泣いていたその子に餅を与えると、その手にそっとサイコロを握らせておいたのだった。
~~~~
賭場の中は不思議なほど静まり返っていた。
テギルの後ろに控えていたホンメの手下たちが、反対側の卓上から金を速やかに没収する。
六鬼神はただただ混乱して辺りを見回した。
テギル「さぁ、吐き出せ。腹ん中に飲み込んだ金!お前の肥やしになった血と涙!全部吐き出すんだ」
六鬼神はドン!と両手を卓につき、身を乗り出した。「てめぇ一体何者だ!!!」
テギル「言ったろ。恐ろしく運のいい男だってな」
と、次の瞬間、場内は大乱闘となった。
六鬼神が小斧を掴むと同時に、テギルも剣を抜く。
襲いかかってきた六鬼神を、テギルは冷静に迎え討った。
六鬼神の胸元が裂け、血は…滲んでいないようだ。
六鬼神「お前、人を殺したことあんのか?かっこつけてないで殺してみろ!」
テギルは刀を鞘に収めた。「勘違いするな」
テギル「殺せないんじゃない。譲っただけだ」
「彼らにな」テギルは奥を振り返る。
奴隷たちが、じっと六鬼神を見ていた。
奴隷「ワシらの金を返せ!」
「返せ!」奴隷たちが口々に叫ぶ。
六鬼神「この虫けらどもが!死にてぇのか!!!」
と、そのとき!
突然誰かが短刀で後ろから六鬼神を刺した。
六鬼神「あっ!」
ソリムだ。
ソリム「死ぬのよ!お父さんとお母さんの仇!」
六鬼神は振り返ると、その短刀を掴み、ソリムの首に近づけた。
テギル「!!!」
六鬼神「一つ教えてやろう。お前の親父が何でくたばったか」
ソリム「…。」
六鬼神「酒に薬を入れてやったんだ」
ソリム「そういうあんたは…大丈夫なわけ?」
ソリムは短刀を持つ六鬼神の手にがぶりと噛みついた。
あぁ!と雄叫びを上げ、六鬼神は彼女を放り出す。
と、六鬼神は急に呻き声を上げ、ふらふらとよろめき始めた。
双六勝負の途中でソリムが持って来た酒…
彼女はその酒の中に毒を仕込んでいたのだ。
毒がどんどん体に回り、六鬼神はその場にガクンと跪く。
落とした短刀をもう一度拾い上げると、ソリムは短刀ごと彼に体当りした。
ソリム「あんたに復讐したくて犬斫刀にくっついてたのよ!」
六鬼神「!!!」
ソリム「あんたに復讐したくて…!血の涙を飲み込んで今まで耐えてきたんだから!!!」
「あんたに復讐するために!!!」ソリムが短刀を抜く。
「六鬼神を殺せ!!!」一斉に奴隷たちが襲いかかった。
テギル「…。」
+-+-+-+
ここで区切ります。
かっこ良く勝ったまではいいけど、その後はただただビックリしてるテギルがツボです(笑)
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Comment
ありがとうございます!
ソリムの登場に目を丸くしてるテギル
ソリムの危機にも、、テギル動くかと思いきや
ソリムがあっという間に六鬼神の腕に噛み付きと 勇ましいソリムに驚いてるばかりのテギル私もツボです(≧∇≦)
台詞だけでなく背景や仕草、間の置き具合なども毎回小説を読んでいるような楽しさですっかりハマりました。
言動とは裏腹に、懸命に状況把握をするテギルの表情もツボですが、
ユジナさんのツッコミ感性も毎回ツボってます。
いつもありがとうございます。