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テバク7話あらすじ&日本語訳vol.2

   

チョン・グァンリョル、チェ・ミンス出演SBSドラマ「テバク(대박)」7話、中盤です。

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ホンメの賭場で捕らえられた者たちは捕盗庁で厳しい刑罰を受けていた。
延礽君がやって来たのを見て、捕盗隊長が立ち上がった。「止めよ」

隊長「延礽君様、いかがされました」
延礽君「取り調べが順調か確認しに来たのだ」

彼は捕まっている面々はひととおり見渡す。「なぜあやつらだけなのだ?」

延礽君「イ・インジャは?」

#インジャはさっき自ら尋問してたし、ここで一緒にお尻叩かれてても変やん

隊長「誰ですって?」
延礽君「…? こやつらの頭、イ・インジャだ」
隊長「あぁ、そやつは義禁府にいるはずです」
延礽君「義禁府?」

※捕盗庁はいわば町の警察。義禁府は王命によって反逆罪などの重罪人を尋問する部署です。

延礽君「なぜあやつだけ義禁府にいるのだ?」
隊長「さぁ、義禁府に聞いてみないとわかりませんね」

そこへ軍官がやって来て、隊長に何やら耳打ちをする。
「?」チラリと延礽君を見ると、捕盗隊長は部下たちに命じた。「全員釈放してやれ」

延礽君「!」

絶句する延礽君の前で、ホンメたち全員が縄を解かれ、そそくさと捕盗庁を出て行く。

隊長「義禁府がこやつらを免罪したとのことですので、私どもにもはや権限はありません」

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「ここにもいないと?」すぐに向かった義禁府にも、インジャの姿はなかった。

義禁府長官「たしかに義禁府に護送されましたが、帳簿の確認が終わった途端、大司憲様が自ら連れて行かれました」

※大司憲(官吏の監察や弾劾を行った司憲府の責任者)

延礽君「大司憲?司憲府が?!」
義禁府長官「延礽君様も司憲府にご所属ですのに、ご存知なかったのですか?」

延礽君は言葉を失った。
大司憲が一体なぜ…?

延礽君「帳簿はどこにあるのだ」

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「帳簿は全てでっちあげです」義禁府長官は帳簿を見せ、そう言った。

延礽君「…。」
義禁府長官「まともな記録は何一つありません。帳簿も手形も全て偽物で、イ・インジャなる者から賄賂を受け取ったという官吏たちの名前と役職まで全て嘘。原本ではないということです」

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怒りに震えて司憲府に乗り込んだ延礽君が目にしたのは、酒を飲みながら和やかに談笑している大司憲とインジャの姿であった。

延礽君「大監。なぜ罪人と酒を酌み交わしておられるのですか」
大司憲「罪人?延礽君様、誰が罪人なのです?」
延礽君「大監!」
右参賛「はははっ、延礽君様もお掛けください。誤解がおありのようです」
延礽君「右参賛!」

※右参賛=最高行政機関、議政府の高官。トップは領議政で、この人は5番手くらいかな。

右参賛「延礽君様、今日は大きな失態をおかされたそうですね」
延礽君「失態?そやつを捕まえたのが失態だと?!」
右参賛「そうではありませんか。罪のない者を証拠もなく捕まえたのが一つ、官吏の非行を暴く司憲府の本分を忘れ、任務と何の関係もない賭場を差し押さえたことが一つ。加えて、私的に捕盗庁と義禁府を動かした越権行為。おそらく王宮も騒ぎになりましょう」
延礽君「右参賛!何ということを!」
右参賛「延礽君様、ひょっとして… 世子邸下の許可を得てなさったことですか?」
延礽君「…。」
右参賛「ふむ、証拠もなく世子邸下の策士を逮捕なさっておいて、邸下には一言も断っておられないのですか」

「いやはや、全く」右参賛は呆れたように苦笑した。

インジャ「延礽君様は私にお話がおありでしょうから、お二人は少し席を外していただいてはいかがでしょう?」

「そうしよう」大司憲と右参賛が部屋を出て行くと、そこには延礽君とインジャ、二人きりになった。

延礽君「あやつらに一体いくらくれてやった?!」

インジャは手元の盃を持って立ち上がる。「まずは、気持ちを落ち着かせて。一杯どうぞ」
延礽君が盃を冷たく払いのけると、卓上を盃がコロコロと転がった。

延礽君「お前の魔の手は一体どこまで伸びているのだ?その根の先は…一体どこなのだ?」
インジャ「延礽君様は私が魔の手を伸ばしているとお考えなのですか?」
延礽君「…。」

「賤しい雑仕女の子の分際で…」ふいに扉の向こうから声が聞こえてきた。「出しゃばりすぎではありませんか」

延礽君「!」

先ほど退室した右参賛たちが、外で立ち話をしているのだ。
中にいる延礽君本人に聴こえるのも厭わない話しぶりだ。「賤しい生まれだから前後の見境もつかないんだろう。まるで手綱を解かれた子馬だ」「だから司憲府でしっかり手綱を結んでおいたのですよ」

扉の向こうに笑い声が響く。

インジャ「お忘れになりませんよう。どれほど利発でも、政治は決して一人では出来ないのです」
延礽君「…。」

「しかも、生まれが…」そう畳み掛けると、インジャは出口へと向かった。

延礽君「待て!」

彼はそこに置いてあった刀を咄嗟に抜くと、インジャの後頭部に突きつけた。

インジャ「法を論じながら、結局は刀を抜くのですか」
延礽君「!」
インジャ「延礽君もまた今の王と変わりませぬ」
延礽君「何だと!」

インジャはひとつも動揺した様子を見せず、延礽君へと向き直った。「お斬りになってはどうです?」

インジャ「私はここを動きません」
延礽君「…。」
インジャ「私には見えます。私を斬り、少論を斬り、世子邸下を斬り…。ついには玉座に就きたいのではありませんか」

※少論=インジャの属する党派。西人が分裂して生まれ、景宗(ドラマでは現在の世子)を支持した勢力です。

延礽君「黙れ!!!」

延礽君が怒りにまかせて振り下ろした刃先は、インジャの笠のつばの先を裂いて止まった。

インジャ「…。」
延礽君「…。」

「これにて失礼いたします」そう静かに告げ、インジャは背を向けた。

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延礽君はその足で世子の元へ向かった。

世子「何を言うのだ?イ・インジャを退けろと?」
延礽君「…。」
世子「軽挙妄動の許しを乞うどころか、何という荒唐無稽な…」
延礽君「邸下!」
世子「…。」
延礽君「一体どこまでご存知なのですか」
世子「何のことだ」
延礽君「あやつがどんな人間なのか、どんな野望を抱いているのか、何が目的なのか、朝廷内にどれだけ深く根を張っているのか… 知っておられるのですか?イ・インジャは…!」
世子「あやつは… 私の友だ」
延礽君「!」
世子「それ以上何を知れと言うのだ?」

そう。世子は母親の禧嬪張氏を失った際、イ・インジャに助けられたのだ。
そのためならたとえ玉座だって差し出す、世子はそうインジャに言ったのだった。

世子「イ・インジャは余の右腕であり左腕であり… 余の心臓を鷲掴みにした人間だ」
延礽君「!」

080
世子「お前の過ちは不問に付そう。イ・インジャが何をしようと、知らぬふりをして見過ごせ。それが余のためであり、朝廷のためであり、我が国朝鮮のためなのだ」
延礽君「…。」
世子「延礽君、お前が口を出すことではないということだ!」

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延礽君は呆然と世子の住処を後にした。

出来ることは何一つないのか?
一国の王子でありながら… 思い通りにできることは一つもないというのか?
本当に…?

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父、粛宗の元を訪れ、延礽君は涙を流した。

粛宗「泣いておるのか」
延礽君「…。」
粛宗「今ごろ分かってきたか」

#賭場→捕盗庁→義禁府→司憲府→世子→粛宗
忙しすぎやろ…。

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インジャは自宅に戻っていた。

タムソ「ご無事でしたか」
インジャ「どうなった?」
タムソ「ペク・テギルは騒ぎの後、すぐ家に帰りました。塩商の餓鬼一派も捕盗庁を出てすぐ江華島へ帰り、賭場も明日は通常通り営業するでしょう」
インジャ「ご苦労だった。お前も戻って休みなさい」
タムソ「はい、師匠」

タムソが退室すると、インジャは後ろにいたムミョンを呼んだ。

インジャ「ペク・テギルを見張れ。どこで誰に会い、何をするのか、何もかもだ」

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淑嬪もまた、長い夜を悶々と過ごしていた。

淑嬪「あの子がどうなったのか… 気になるわ」
ファジン「あの子とは… 永寿のことでございますか?」

淑嬪は頷いた。

淑嬪「延礽君が言っていたわ。あの子を育てたペク・マングムがイ・インジャの手に掛かって死んだと。それが本当なら…!」

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淑嬪がひそかに呼び出したのは、延礽君の護衛サンギルだ。

淑嬪「今日、延礽君に何が起きたのか言ってみなさい」

「!」サンギルは困って目をうろうろさせる。

淑嬪「秘密にしよう。そなたもまたそうすべきだ」
サンギル「賭場を急襲し、イ・インジャを逮捕することには成功したのですが、捕盗庁に義禁府、司憲府まで結託しており、釈放となってしまいました」
淑嬪「それで… 殿下に謁見して泣いているのか。無念と怒りに…」
サンギル「…。」
淑嬪「延礽君が言うには、賭博師ペク・マングムという者がイ・インジャに殺されたとか。ひょっとして内幕を知っておるか?」
サンギル「ペク・マングムの遺体は発見できませんでしたが、そやつの息子が復讐するといって、事あるごとにイ・インジャと…」
淑嬪「息子と?!」
サンギル「はい。ペク・テギルという者です」
淑嬪「!!!」
サンギル「ですが、なぜそやつを…?」

「ペク・テギル」淑嬪はその名をつぶやき、感激に目をうるませた。「生きていたのね…私の子」

081

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トッケビは闘牋の札をじっと見つめた。「そいつは一度で当てたんだな?」
テギルが頷く。「どうやったんだ?」

トッケビ「うむ、どうにもわからんな。目印をつけるのは初心者のすることだし、だとすると… ひょっとして重さが違うのか?」
テギル「重さ?」

トッケビは唾で札の先を濡らし、何層にもなっている紙をほぐして見せた。「見ろ」

トッケビ「闘牋の札ってのは、薄紙を何十枚も重ねて、油を塗って丈夫にしてある。そのとき薄紙を増やすか減らすかによって重さが変わることがある」

「!」テギルは1枚ずつ両手に札を持ち、重さを比べた。「だとしても紙一枚の差なのに、そんな小さな違いがわかるわけないだろ」

トッケビ「そりゃ人間のなせる技じゃない。白面書生イ・インジャ、お前も見ただろう。あいつの目は人間の目じゃない」
テギル「イ・インジャ?爺ちゃんが何であいつの名前知ってんだよ?」

「イ・インジャ? わしゃそんな奴は知らん」トッケビは笑って誤魔化す。

テギル「さっさと言えよ」
トッケビ「あぁ、分かった。わしには悪縁がある。一つ目はわしの目を奪った奴、二つ目は白面書生イ・インジャだ」
テギル「!」
トッケビ「朝鮮全土、5本の指に入る大勝負師だ。わしも一時は南山トッケビとして名を馳せたがな、どういうわけかあいつの前じゃ何もできずにやられちまった」
テギル「それで…何で父ちゃんを殺したんだ?理由は何だよ?」
トッケビ「そりゃわしも詳しくは知らん。だがな、一つだけ確かなのは、あの日、あいつがマングムに妙なことを言ったんだ」

それは20年前。
ポクスンと永寿の絶体絶命の危機に駆けつけたマングムに、インジャが放った言葉だ。
「この赤ん坊が大成すれば、そのときにはお前の命を奪う」と。

テギル「けど… けど、何で今まで言わなかったんだ?」
トッケビ「お前が心配でな。お前が助かるように、ぎゅっと口を閉じて生きてきたんだ」

「…。」じっと考えを巡らせたテギルは、奴隷として囚われているときに出会った謎の剣豪を思い浮かべた。

テギル「爺ちゃん、今から話すこと、よく聞いてくれ」

【強くなる。白面書生、あいつの倍強くなって戻ってくるから】
【あぁ、お前は死ぬ運命にさえ逆らう奴だ。きっと上手くやる】

082

翌日。旅立つテギルを、トッケビは気持ちよく送り出した。

トッケビ「腹を空かせるんじゃないぞ!!!」

テギルの後ろ姿が遠ざかると、トッケビは懐からサイコロを二つ出した。
地面に転がしたそれが示したのは…『大舶(テバク)』!

トッケビ「あいつ!しっかり我が道を進んでおる!はははははっ!」

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ここで区切ります。

どこからどう言うべきか、ツッコみ方もわからないほどモヤモヤしてます。
テギルが何でこの流れで武芸の達人を思い出すのか…本当にいつも唐突ですね。
そして、せっかく漢陽に戻って来たのに、またわざわざとんぼ返りするんですね(;´Д`)

 - テバク ,

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