オーマイビーナス Oh my Venus 8話あらすじ&日本語訳vol.2
シン・ミナ、ソ・ジソブが出演!「オーマイヴィーナス」8話の後半です。
今日も楽しくやるぞ~♪
+-+-+-+
スジンは買い物袋をいくつも提げ、ひどく疲れた様子で帰宅した。
スジン「…。」
買ったものを出しては、空になった紙袋を乱暴に床へ放り出す。
どんなに買っても心は満たされず、虚しい思いが募るばかりだった。
ガフンの新理事長として紹介された彼は、どう見てもジュウンと恋愛関係に間違いない。
なぜいつもジュウンだけが…。
彼女の中に、染みついて消えない劣等感が渦を巻いていた。
【タイムマシンに乗りたくないんでしょ?それなのに、なんで乗ってるの?】
何度電話してもウシクとは連絡が取れない。
心がどうにも乱れて、彼女は薬を口の中に流し込んだ。
「何でこうなの…?私、こんなに変わったのに…!こんなに…!」思わず声に出した心の叫びに、彼女はハッとして脱力する。
スジン「私、こんなに…変わったでしょ?それなのにどうして?綺麗でスタイルのいい子たちが持ってたもの… 今度は私のものにならなきゃおかしいのに…。私が手に入れてなきゃダメなのに!どうして何ひとつ変わらないの?」
「どうして?」彼女の目からとめどなく涙が流れた。
#ジュウンのためにウシクがストーカーを脅したことが引き金になってるのはわかるんだけど、
この間からまだ「ん?急にどした?」感で一杯です^^;
愛されたかったら、まず彼女自身が自分を愛してあげないとね^^
+-+-+-+
うなり続ける携帯を無視し、ウシクはバーのカウンターで酒を飲んでいた。
隣にいるのはコPDだ。
#え?ここも知り合い?前妻ヒョヌはジュウンの親友だから、そりゃ十分ありえるけど、唐突だね。
ウシク「ジョン・キムがガフングループの人間かもしれないって… それどういうことなんだ?」
#そもそも何でこんなにジョン・キムネタで盛り上がってんだろうねー 暇だねー
コPD「アメリカでジョン・キムに張り付いてる記者がいるんだ。今回アメリカでその人に会ったんだけど、ジョン・キムの住んでた家の名義が韓国人だって言うんだ」
ウシク「?」
コPD「ひょっとしてと思って調べてみたら…”イ・ホンイム”だってさ」
「!」グラスの氷がコトリと音を立てる。
コPD「どこかでよく聞く名前じゃないか」
ウシク「ガフンのイ・ホンイム会長?」
コPD「しかも、ジョン・キムの件が浮かんでからもイ・ホンイム名義のままだ。イ・ホンイムにごく近い人間ってことじゃないか?もしその”イ・ホンイム”がガフンのイ会長だった場合、ジョン・キムは間違いなくガフンの人間と関係があるってことだ」
#コPDはなんだか史劇の悪役みたいなしゃべり方するね(笑
ウシクがフッと笑った。「コPD、この件、他に誰が知ってる?」
コPD「俺の単独だって言ったろ」
ウシク「とりあえず報道自粛しろよ」
コPD「おい、イム・スター」
#わかったこと。お調子者は”イム・スター”と呼ぶ。
コPD「これは大スクープなんだぞ」
ウシク「疑惑じゃなくて、事実にしてやれるかもしれないから」
コPD「何?」
ウシク「ヒョヌとジュウンにも言っちゃダメだ」
+-+-+-+
帰りの車の中で、ウシクは携帯を覗いた。
スジンから3件着信がある。
彼は履歴から彼女に電話を掛けた。
#今普通に掛けるんなら、さっき電話に出てあげなよ(-_-;
数回のコールの後、留守番電話サービスのメッセージに切り替わった。
ウシク「…。」
コPDの話に、ウシクの中では一人の人物の姿がハッキリと浮かんでいた。
アメリカからやってきたイ会長とごく近い人物を、彼も調べていたところだったのだから。
ウシク「キム・ヨンホが…ジョン・キムかもしれないって?」
#で、ジョン・キム=ヨンホだってわかったらそんなにマズいという実感がない。
そもそもジョン・キムの存在自体がふわふわしてるし、ヨンホ自身は進んで理事長になりたいわけじゃないからねぇ。
+-+-+-+
ぐっすり眠っているジュウンの枕元に薬を置くと、彼はコートを手に立ち上がった。
壁に掛けてある家族写真が目に入る。
生前の父親も含め、家族4人、仲睦まじい様子が伝わってくる。
ヨンホ「?」
写真の少し上に、絆創膏で×印が付けてあった。
+-+-+-+
ジュウンの家の外へ出てくると、もう空は明るく白んでいた。
階段を下りてきたヨンホを迎えたのは… ミン室長だ。
#すげーーーっ
ヨンホを後部座席に乗せ、運転席に乗り込むと、ミン室長はミラー越しにじっとヨンホを見た。
ヨンホ「(目を閉じたまま)さっさと説教済ませてください」
ミン室長「プライベートだとおっしゃったではないですか」
「出発します」ミン室長が静かに言う。
ヨンホ「ありがとう、ミン室長」
車が動き出した。
+-+-+-+
ウシクがゴルフ練習場に来てみると、チェ理事は一人、イライラした様子でショットを打っていた。
#この前のシーンと同じ雨(笑)
ウシク「チェ・ジュノ代表理事は?」
チェ理事「ミン室長に裏金をはたかれたらしい。昨日、辞任すると電話があった」
ウシク「そうなると…」
チェ理事「キム・ソンチョル理事長が代表理事になって、キム・ヨンホは理事長。俺とヨンジュンは取り残されるわけだ」
ウシク「…。」
チェ理事「キム・ヨンホから何も出て来ないのか?」
ウシク「ジョン・キムってお聞きになったことがあるでしょう」
チェ理事「?」
ウシク「アメリカで売れてるトレーナーで、アンナ・スーとスキャンダルになった」
チェ理事「あぁ。それがどうした?」
ウシク「もしキム・ヨンホがジョン・キムだとしたら…どうなります?」
チェ理事「…何?何だって?」
ウシク「万が一、それが事実なら…」
チェ理事は落ち着いて考えを巡らせた。
チェ理事「伝統と名誉を重視する株主たちを方向転換させるチャンスになる。イム・スター、こんなシナリオってあるか?!(感激)」
ウシク「61周年の就任までに、出来る限り速やかに、密かに調べます」
+-+-+-+
ヨンホたちはなぜか自宅で揃いも揃って”死体ごっこ”の最中だ。
「ジュンソン」ソファの上で天井をぼんやり見つめたまま、ヨンホが口を開いた。
ヨンホ「体重は?」
ジュンソン「ほとんどピッタリです」
ヨンホは腕時計を見た。「さっきからずっと5時だな」
ジュンソン「はぁ、何でこんなだるいんだ?」
#昨日こっそりラーメン食べたせいだと思うよ
ヨンホ「無理しすぎると毒だ。週末なんだから1日くらい休め」
ジュンソン「死体ごっこみたいだ。カン・ジュウンDay」(←また説明されちゃって残念。シーン冒頭でニヤリとしたのにね^^;
ヨンホ「…だな」
「はぁ、Ma’amいつ帰って来るんだ?」ジウンが言う。「超退屈だよ」
そのとき、「ただいま!」元気なジュウンの声が響く。
「!!!」3人の死体たちは一斉に飛び起きた。
ジュウン「皆さんどうしてました?」
ジュンソンとジウンが駆け寄り、彼女の手土産を受け取る。
ジュンソン「お帰りなさい!」
ジウン「超会いたかったよ!」
ジュウン「何?この甘えん坊たちは」
#ソファから一生懸命覗いてるヨンホ兄貴最高
ジュンソンたちは彼女の手土産を持ち、嬉しそうに階段を駆け上がって行く。
と同時に、ヨンホは立ち上がり、あぁーっと伸びをすると、両手を広げた。
ジュウン「!」
彼女は照れくさそうに近づくと、小声で言った。「昨日のことは…後で話しましょ」
階段の上のキッチンにジュンソンたちの姿が見える。
ジュウン「バレたら気まずいわ。一緒にいる間は(人差し指を立て)シーッ」
ヨンホ「…。」
「ジウン!」ヨンホが唐突に言った。「お前のMa’amから話があるってさ」
ジュウン「!!!!!」
ジウン「(キッチンから)Oh、言いなよ♪」
ジュウン「!!!!!」
「ジュンソンさんの撮影、うまく言ったんですか?」困ったジュウンは、咄嗟に別の話題を切り出した。
ジウン「チャン・イジン、兄貴に惚れちまったんだぞ!(可愛く)私と食事する~?キスする~?」
ジュンソン「ジウン!」
ジウン「私とキスする~?寝る~?」
ジュンソン「やめろって!」
※イジンのパロディには出て来なかったけど、「俺と寝るか?」ってのもあります。
「どこかで聞いた台詞なんだけど」ヨンホがぼそっと呟いた。
#何かね、笑えると同時に、ぐっとく来るものがあるね。
あの作品を、ヨンホであるジソは何かしらこの瞬間考えてるとか思うとね^^
で、この後ニヤッと笑うミナちゃんの顔がとてもいい♪
ジュウン「(ジウンたちに)チャン・イジン、見る目あるわ。冷蔵庫に入れておいてくださいね」
ジウン「Yes,sir!」
ジュンソン「待ってください(ジウンを追いかけながら)こいつ捕まえてから!」
「後で…」小声で言う彼女を、ヨンホは楽しそうに見つめる。
「ちょっと休みますね!」ジウンたちに言い、ジュウンはクルリと背を向けた。
+-+-+-+
自室へ入りドアを閉めると、そこは一人の空間になった。「…。」
彼女はゴロンとベッドの上に寝転がり、”この野郎”に抱きつく。
ジュウン「…。」
大邸に会いに来たヨンホのことが、自然と思い出される。
今朝、目覚めた時にはすでに彼の姿はなく、『几帳面な大邸ビーナスの薬』と書かれた薬が置き手紙代わりに残っていたのだ。
そうしてなんとなく浸っているうちに、彼女はいつの間にかまた寝入っていた。
トントントン、ノックの音に彼女は飛び起きる。
「カン・ジュウンさん」ヨンホの声だ。「PTタイム」
※PT=理学療法、リハビリ
ジュウン「何タイム?」
+-+-+-+
トレーニングルームへ言ってみると、いつもどおり厳しいジョン・キムコーチが、彼女を手招きした。
ジュウン「週末まで運動させないでください」
ヨンホ「…。」
ジュウン「恋愛… するんじゃなかったんですか?ヨンホさん」
ヨンホ「(一瞬楽しそうに目を細め)公は公、私生活は別。それから、この部屋では”コーチ”。OK?」
ジュウン「わぁ~、二重人格じゃあるまいし」
ヨンホ「カン・ジュウンさんはもっと健康にならなきゃいけないし、僕は”人生の甘味”を末永く味わいたいからね」
ジュウン「意図はわかりましたけど」
彼女は急に咳込んだ。「甲状腺機能低下の患者なもので」
ヨンホは彼女の両肩にドンと手を置く。「人間は誰しも少しずつどこか悪いんです」
ヨンホ「生まれつきだったり、後々そうなったり」
彼はそのままぐっと肩を押し下げ、彼女を床に座らせた。
ジュウン「私は大丈夫なんです。(喉を指し)この子に、甲状腺に負担が掛かるかもしれないから」
ヨンホ「心配ありません。患者の運動はコーチ次第だから」
ジュウン「(諦め)はい、コーチ」
ヨンホ「(頷く)」
ジュウン「(お尻を触って)私、ホントすごく痩せたんだけど」
ヨンホ「体重より筋力強化が主な目的です。そうすれば甲状腺機能低下からも成人病予備軍からも脱出できる」
ジュウン「待って!ってことは、ムキムキになるんですか?!」
ヨンホ「そうなりゃ綺麗でセクシーだろうけど♥ 女性はそう簡単に筋肉はつきません」
「さぁ、あぐらをかいて足の裏をくっつけて」ヨンホが見せる手本どおりに、ジュウンは真似をした。
ヨンホ「腰を伸ばして。簡単に出来る骨盤ストレッチです」
彼は彼女の後ろに回り、両膝を下に押す。「息を吐いて。フー」
体が硬いところを無理やり押され、彼女は思わず悲鳴を上げた。「あぁ!」
ジュウン「痛い!」
ヨンホ「悪いところを自分自身で正すんです。骨盤が曲がってると全身のバランスが崩れるから」
次は同じ体勢のまま、横にゆらゆらと揺れる運動だ。「行ったり来たりね」
ヨンホ「空き時間のたびにやるといいから。忘れずに」
その後もヨンホの熱血指導にジュウンは悲鳴を上げ続けた。
+-+-+-+
翌朝、ジュウンは副代表室でぼやいていた。「さっきまでグッモーニンだったのに」
「そんなふうに足を組んだら、骨盤が歪んで血の巡りが悪くなるんですって」スジンに淡々と言う。
ジュウン「足も攣るし」
スジン「(微笑)健康管理にご熱心ですねぇ、カン弁護士」
「…。」ジュウンはだらしなく開いたジャケットの前を閉じ、座り直す。
スジン「ガフンの理事長キム・ヨンホさん、知り合いなんでしょう?」
ジュウン「…。」
スジン「あのときホテルでも…”(ヨンホの真似)来るなと言ってるじゃないですか!”って言ってた」
# ( *´艸`)ププッ
ジュウン「あぁ、ホテルで副代表と私の元カレが目撃された、あのとき?」
スジン「ガフンの外部法務チームを任された以上、依頼人と個人的に親しいのなら、上司である私が知っておくのが正解じゃないかと思って」
ジュウン「私生活をいちいち報告しろっていうのは、人権侵害だと思うけど?」
スジン「私生活?」
ジュウン「…。」
スジン「ガフンの理事長ってっことは、事実上、ガフンのオーナーよ。そんな男相手に、私生活?」
「あはははは」スジンは笑った。「面白いわね」
ジュウン「…。」
スジン「イメージトレーニングの一種?それとも、想像の中だけでも復讐しようって?」
ジュウン「(呆れて笑う)復讐?私がそんなに暇に見える?」
スジン「…。」
ジュウン「あんたはあんたなりに好きになさいよ、副代表。私は私なりに無病長寿100歳の夢を叶えるから」
#何か面白いね↑
スジン「明運電子、和解の合意取れました?」
ジュウン「私がなんで?補薬まで贈った厳然たる副代表の仕事だと思うけど」
スジン「和解するつもりはないんですって。カン弁護士がどんな忠告をしたんだか」
ジュウン「忠告じゃなくて助言です」
スジン「…。」
ジュウン「一生懸命法律を勉強したんだから、使わないとね」
スジンは何も言えずじっとジュウンを見つめた。
ジュウン「もう話はないですよね?まぁ、さっきまでは…グッモーニン♪」
ニッコリ微笑み、ジュウンは立ち上がった。
#前回に引き続き、スジンとジュウンの会話はよくわからない時間です。
余裕をかましたつもりのスジンが空回りしてることだけはよくわかります^^;
+-+-+-+
スーツに着替えていたところへ、ヨンホの電話が鳴った。
「待機しております、理事長」ミン室長だ。
ヨンホ「今出ますから」
+-+-+-+
ヨンホがやって来るのを、理事長室で役員たちが待っていた。
父親であるキム・ソンチョルを始め、チェ理事、そしてウシクの姿もある。
#ウシクどんだけ偉い役職なんだ!
前の理事会?には出席してなかったけど。
ノックの音が響き、ヨンホが姿をあらわした。
「キム・ヨンホ新理事長がご挨拶に」ミン室長が最初に述べる。
ヨンホ「キム・ヨンホです。ご挨拶が遅くなりました」
ヨンホは厳粛に頭を下げた。
+-+-+-+
挨拶を済ませると、チェ理事たちは先に部屋を出て、廊下で待っていた。
「ジョン・キムが写真を撮られたあれと、今会ったイメージ、俺が見るにかなり違う気がするんだけど」チェ理事がウシクたちにコソコソと話す。
同席していた他の役員たちも、彼ら側の人間のようだ。
そこへ理事長室の扉が開き、ヨンホが出てきた。
チェ理事「(笑顔)我が甥っ子がこんなに成長なさったとは」
ヨンホ「初めてお目にかかります、チェ理事」
チェ理事「(ミン室長に助けを求める)ほら、理事長が子どもの頃、俺にずっとくっついてたろ」
ヨンホ「…。」
チェ理事「ともかく、志を合わせて一生懸命やりましょう」
「センター長のイム・ウシクです」ウシクが伸ばした手を、ヨンホが握る。「よろしくお願いします」
ウシク「こちらこそ。よろしくお願いします」
「それでは就任式でお目にかかります」ヨンホは小さく頭を下げると、役員たちの間をすり抜け、立ち去った。
+-+-+-+
ジュウンはデスクでPCの画面を睨んでいた。
そこへ電話が鳴る。「…ジュンソンさん?!」
ジュンソン(電話)「お仕事が終わってから、時間おありですか?」
ジュウン(電話)「あ…えぇ、今やってることさえ片付けば、終わりますけど」
+-+-+-+
仕事を終え、ジュウンはカフェでジュンソンと落ち合った。
彼は下を向いたままぎこちなくお茶を飲み、なんだか落ち着かない様子だ。
彼の様子を、ジュウンは静かに見守った。
ジュウン「…お酒でも飲みますか?」
ジュンソン「試合の準備があるので」
ジュウン「(笑顔)あぁ、そうだったわ!ごめんなさい」
ジュンソン「…。」
ジュウン「話しづらそうだったから」
#超いいお姉さんの風格がぷんぷん漂ってるね^^
ジュンソン「そういうわけじゃないんだけど… 簡単じゃないですね」
彼の表情をしばらく見つめると、彼女は慎重に言った。「お母さん探し、お手伝いしましょうか?」
ジュンソン「見つけたんだけど… 会いたくないとおっしゃってるって」
ジュウン「…。」
ジュンソン「まぁそれはどうしようもないけど、暮らし向きがあまり良くないようで。何とか力になる方法はないかって」
「韓国で頼れる人は弁護士さんしかいないんです」ジュンソンはそう言って笑った。
ジュウン「ヨンホさんには?」
ジュンソン「話したくなくて。きっとまた失望されるから」
「これを」ジュンソンが封筒を差し出した。
ジュウンは封筒の中身をチラリと見て、ニッコリと微笑む。「できる限り協力します」
ジュンソン「お忙しいのに僕のことまで…」
ジュウン「(ニッコリ)」
ジュンソン「費用は…」
「もう!」ジュウンは彼の言葉を遮った。「そんなこと言わないで」
ジュウン「私のほうがお世話になってるんですから。恩返しのチャンスをくださってありがたいわ」
ジュンソン「こういうのは弁護士さんがなさってる仕事じゃないですよね」
ジュウン「そうですね…。こういうのが弁護士の仕事なら良かったんだけどな」
ジュンソン「ありがとうございます。お送りしてからジムに行きます」
+-+-+-+
ジュウンはジュンソンの車の中で、上着にすっぽりくるまって隠れていた。
#今でも隠れて出入りしてたのか?!
ジュンソン「まだ隠れてなくていいのに」
上着の端から、ジュウンが楽しそうに顔を覗かせる。「これも思い出だわ」
ジュウン「あ、私、一週間後に出ますね」
ジュンソン「?!」
ジュウン「家、決まったんです」
ジュンソン「あぁ… 寂しいですね」
「No,no!!!」後ろの座席でジウンが言う。「Ma’am、どこ行くの?」
ジュウン「いつまでもよその家に頼って暮らすほど、面の皮は厚くないんです」
ジュンソン&ジウン「…。」
「ふふっ」小さく笑って、ジュウンはまた上着を頭から被った。
#おまいら、Ma’amを止めるんだ!おまいらならできるぞ!
その瞬間、ジュンソンとジウンが同時に目を見開いた。
ジウン「ほら、見てよ!」
空からチラチラと舞い降りるのは…雪だ。
ジュウンは起き上がり、顔を輝かせた。「わぁ!初雪!」
ジウン「Ma’am、5kg減った?」
ジュウン「!」
ジウン「キャンプ、超行きたいよ!」
「どうしよう…」ジュウンは困って彼らの顔を見比べた。「そんなに減ってないわ」
ジウン「まだわからないだろ。ね?」
ジュウン「自分でわかるわ。減ってない…」
ジュンソン「…。」
ジュウン「あ、ヨンホさんって今どこなんです?」
ジュンソン「えっと…?」
ジュウンがニヤリとした。「あのさ、ヨンホさんが見てなきゃいいんじゃない?」
ジウン「そうだそうだ!(外を指さし)これは雪じゃない。No,no,no」
ジュウン「うん、違う違う」
運転席でジュンソンが愉しげに笑う。
雪じゃないものが舞い散る中を、3人の乗った車が走り抜けた。
+-+-+-+
ジュウンが帰って来ると、家の中は暗かった。「ヨンホさ~ん、コーチ?」
彼女は慎重に呼びながら家の中を探す。「寝たのかなぁ?」「いないのかなぁ?」(←可愛すぎる
部屋へ入ると、彼女はカーテンを開け、ゆっくり雪を見上げた。
ジュウン「(頷く)そうよ、キャンプはキャンプ。初雪なんだから一緒に見なきゃ」
+-+-+-+
「ヨンホさぁーん」ジュウンは名前を呼びながら、彼の部屋の方へゆっくり進んだ。「入っちゃっていいのかな」
ジュウン「寝てます?コーチ?雪ですよ~、雪!」
彼の部屋まで辿り着くと、そこはガランと静まり返っていた。
「わぁ!」間接照明で美しく照らされた豪華な部屋に、彼女は吸い寄せられるように入っていく。「持ち主だからってこんないい所で寝てるのね」
#あれ?でも、ここへ来たの初めてじゃないよね。
ジュウン「一体どこ行ったの?」
彼女は電話を取り出した。
ヨンホに電話を掛けてみると… 向こうのほうで小さく呼び出し音が聴こえてくる。「?」
彼女は音のする方へ慎重に進んだ。
部屋を出て奥へ進むと、最初に目に入ったのは床に乱雑に脱ぎ捨てられた服だ。
几帳面なヨンホには考えられない光景だった。
ジュウン「!」
どうやら、音が聴こえているのは、クローゼットの奥だ。
そこは大きな扉があり、わずかに隙間が開いていた。
そっと扉を開けてみる。
大きな酸素カプセルの光が、薄暗い部屋の中を青く照らしていた。
さらに扉を開けてみると… 床にぐったりと座り込んでいる人影が見えた。
ジュウン「!!!」
それは、右膝の痛みに苦しんでいるヨンホの姿だった。
ジュウン「…コ、コーチ!」
汗でびっしょりになった顔を、彼はかすかにこちらへ向ける。
#ふとイヌクの面影が(遠い目
ヨンホ「来ちゃ…駄目だ」
駆け寄ろうとした彼女に、彼は力の限り叫んだ。「来るな!!!!!」
+-+-+-+
ここでエンディングです。
見直したら緑文字だらけでびっくり^^;
横槍だらけの長い翻訳に、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
ツイッターなどで感想を聞かせてくださる皆さん、一緒に突っ込んでくださる皆さん(笑)、ありがとうございます。
ものすごく励みになります^^
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