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ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 6話vol.1

   

シム・ウンギョン、チュウォン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)6話です♪
Sオケ初公演が終わって、一旦燃え尽きてしまった上(爆)、このエピちっともテンションが上がらないので(爆!)ちょっと軽めに行きます。

+-+-+-+

プールの底に沈んでしまったユジンを助けたのは、そばにいた若い男性だった。
プールサイドへ助け上げ、胸を押さえると、ユジンは飲み込んだ水を吐き、息を吹き返す。

ネイル「オラバン、しっかりして!!!」

おぼろげな意識の中で、ユジンは仰向けに倒れたまま天井を見つめる。「…。」

「私のせいだ!」ユジンが息を吹き返し、仲間が駆けつけたのを見届けると、助けた男性はそっとそばを離れた。

+-+-+-+

医務室のベッドで、ユジンはまたいつもの悪夢から目覚めた。

119

ユジン「飛行機にも乗れない、水も怖い…。留学なんて行けるわけがない」

絶望的状況に、ユジンは笑いさえ漏らした。

+-+-+-+

「ウォーターパークに行っていたの?」ユジンを助けた男性、イ・ユヌは後部座席で母親からの電話を受けた。

ユヌ(電話)「えぇ。母さんの言うことを聞くんだった。ホント退屈でしたよ」
母(電話)「そうよ。大したことないって言ったでしょ。突然どうして行きたくなったのよ?」
ユヌ「やりたいことをやってみようと思って」
母「手に負担を掛けちゃ駄目よ。いいわね?」
ユヌ「分かりました。また連絡しますね」

ユヌは電話を切ると、横においていたPDAを手に取った。
リストの中の4行目を線で消すと、下に次の番号を書いたところで手を止めた。

120

<リスト>
1.両親と旅行
2.一人でレストランへ行く
3.一日中映画を見る
4.ウォーターパークに行く
5.

ユヌ「…。」

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いたずら3人組は完全に沈んでいた。
ここはどうやら音楽祭会場の宿泊施設だ。

イラク「まだ寝てるのか?」
スミン「(イラクを叩き)起きちゃうでしょ!(ネイルに)あんた、チャ様のとこに行かないの?」
ネイル「…怖いんです。先輩が死…!」
スミン&イラク「…。」
ネイル「先輩のこと考えたら、すごく怖いんですー」
スミン「私も…。チャ様、やっぱり水が怖いだろうね」
ネイル「…。」

「隠したがってるものは、知らんぷりしてやるのが友だちだ」イラクが窘めた。

そのとき、部屋の扉が開くと、シュトレーゼマンがユジンを無理やり引っ張って出てくる。「助手のくせに何寝てるんですカ!」

ネイル「ミルヒ、先輩は病人なんです!死にかけたんですから!」
シュトレーゼマン「Oh、ベイビちゃん。少し見ない間にキレイになりましたネー。推薦した甲斐がありました」
ネイル「推薦基準は美貌だったんデスか?」

引っ張られるがままだったユジンが、シュトレーゼマンの手を振り払った。

ユジン「何信じてんだよ?(シュトレーゼマンに)教授、僕をこき使うために推薦を?」
シュトレーゼマン「知っててどうして寝てるんです?」
ネイル「どれだけ苛めるつもりデスか!」
スミン「教授は戻って投票してくださいよ!」
イラク「チャ・ユジン、お前のことはオレらが守るからな!」

「Oh、投票しろと?」シュトレーゼマンは涼しい顔だ。

シュトレーゼマン「ワタシがどちらに投票すると思いまスカ?」
ユジン「!」
シュトレーゼマン「ワタシが投票しなくて得をしたのは、Aでしょうか?Sでしょうか?」
一同「…。」

シュトレーゼマンは厳しい顔でユジンの耳を掴み、無理やり連れ去った。

+-+-+-+

「煙草を吸った手で楽器を弾くつもり?」「いつも姿勢を正しなさい」…
学生一人ひとりに声を掛けながら、音楽祭会場を歩いてくる女性がいる。
「教授」彼女は不意に現れた誰かの姿に立ち止まった。

ユヌだ。
彼はまっすぐやってくると、教授にハグをする。

教授「相変わらず感情表現がオーバーね。だから演奏もオーバーなんですよ」
ユヌ「2年ぶりですね、先生。推薦してくださってありがとうございます。推薦状をいただいて、すぐ駆けつけたんです」
教授「ユニセフの欧州公演と重なるって言うから、来られないかと思いましたよ」
ユヌ「先生の推薦を断るわけにはいきません」

ユヌは教授を見つめ、首をかしげる。「相変わらずお美しいですね」

ユヌ「胸がトキメキますよ」
教授「その心にもないお世辞、いい加減にしなさい。イ・ユヌ君」
ユヌ「また誤解なさってる。本気で言ったのに」

121

ユヌは教授の手を取って微笑んだ。

ユヌ「僕が見た中で一番綺麗な手です。人をそわそわさせ、幸せにし、そして悲しませる」

教授は少し照れたように笑みをこぼした。

ユヌ「食事しましょうよ、先生」

「もう食べました」教授はイタズラっぽくユヌの手を払いのける。

教授「でも、イ・ユヌ君が来てくれて、音楽祭の格が上がったようだわ」
ユヌ「(ニッコリ)」
教授「フランツがおかしな学生ばかり推薦したものだから、困っていたのよ」
ユヌ「マエストロシュトレーゼマンがいらっしゃってるんですか?」

#あかん。耐えられん。とってつけたようなキャラにも程がある。

+-+-+-+

美しい景色を前に、巨匠は自撮りに余念がない。
いいショットが撮れると、彼はそれをメールに添付した。

シュトレーゼマン(メール)「ミナ、ワタシは元気です」

そのとき、当のミナから着信が入った。

シュトレーゼマン「おっ?」(←可愛ええ♥

「ようやく電話が繋がったわ」学長のミナが電話の向こうで言う。

シュトレーゼマン(電話)「何か良くないことでも?」
学長(電話)「最悪なのはフランツが逃げたことでしょうね」
シュトレーゼマン「Oh、ミナ。本当にスミマセン。先に言えばミナが困るだろうと」
学長「分かってます。大きな構想のための礎だって」
シュトレーゼマン「Oh、そのとおり。大きな構想のための」
学長「でも、もう分からなくなったわ。深い意図があるのか、ただの気まぐれなのか!」

そこで学長は電話を切った。「少し悩めばいいのよ」

+-+-+-+

会場内の庭にネイルがいた。
なぜか街灯を登ろうとしているところに、ユヌが通りかかる。

ユヌ「大丈夫ですか?」
ネイル「あのー、ひょっとしてラウンジに行きませんか?」
ユヌ「えぇ、行きますけど」
ネイル「それなら、ラウンジに行って、一番カッコいいオラバンを…」
ユヌ「?」
ネイル「あ、チャ・ユジン先輩っていう人がいるんです。もうちょっと窓際に近づいてくれって、その人に言ってくださいませんか?ここから全然オラバンが見えないんです」

「オラバン?」ユヌはウォーターパークで溺れた男性に突進してきた女の子を思い出した。
あのときの彼女だ!
「また会ったな」彼はポツリと呟く。

ネイル「あのー、早く行ってくださいませんか?もう2時間も見えなくて禁断症状が…」
ユヌ「けど、僕がどうして?」
ネイル「?」
ユヌ「?」

「イヤならいいです」ネイルは再び果敢に街灯をよじ登り始めた。

ユヌ「あぁ、そんなことしてたら怪我します。僕が見えるようにしてあげますから」

彼はネイルの手を不意に掴む。「そのオラバンを♪」

+-+-+-+

「…。」ユジンは目の前に現れた見知らぬ男を前に、呆れた表情を浮かべる。

122

ユジン「ここまで付いてくんのか?」
ユヌ「え?」

「出て来い」ユジンは慣れた様子でユヌの後ろを覗く。
ユヌの後ろから、ネイルがおそるおそる顔を出した。

ネイル「…。」
ユジン「お前、コアラか?何で人の背中にくっついてんだ?」
ネイル「ごめんなさい」

ユジンは溜息をつき、ネイルの腕を引いて連れて行こうとした。
「待ってください」ユヌがもう片方の手首を掴み、引き止める。「!」

ユヌ「女の子に対して酷すぎるんじゃないですか?」

「女の子?」ユジンの視線がネイルに移る。

ユジン「これが?」
ユヌ「そんな言い方ってありますか?まさかあなたみたいな人が音楽をやるわけじゃないですよね?」
ユジン「…。」

ネイルは両手をイケメンに掴まれ、降って湧いたようなシチュエーションに困って俯いた。
そこへ現れたシュトレーゼマンは彼らの存在に目もくれず、重苦しい表情で近くの椅子に腰を下ろす。

シュトレーゼマン「冷たい水を。氷たっぷりで」

「はい」ユジンが返事をしてその場を離れようとした。

ユヌ「マエストロシュトレーゼマン、僕を覚えておいでですか?」
ユジン「?」
ユヌ「イ・ユヌです。昨年僕の独奏会に来てくださったでしょう?」

「あぁ!あの有名なチェリスト?!」ネイルが顔を輝かせた。

シュトレーゼマン「知っているもないも。心に残るリサイタルでした」

そう言っておいて、シュトレーゼマンはユジンに水を催促する。「水を頼んだんですよ」
キッチンへ向かいながら、ユジンはぼやいた。「あの年で氷水なんて」

+-+-+-+

先に氷水を差し出すユヌを制し、ユジンは水だけを入れたグラスを差し出す。

ユジン「氷水は歯に滲みます。これをどうぞ」
ユヌ「マエストロは氷水をと仰ったじゃないですか」
ユジン「頼まれたら何でも渡すんですか?(シュトレーゼマンに)どうぞ」

シュトレーゼマンはユジンの差し出したグラスを受け取り、ゴクゴクと水を飲む。

シュトレーゼマン「音楽祭の開会イベントに行きましょう。気難しいユン・イソンは気に入らないが、今は酒が必要です。たっぷりネ」
ネイル「ミルヒ!私も行きます♪」
シュトレーゼマン「Oh、いいですヨ!今夜は一晩中飲んで、ワタシたち二人で…」

「お前!」シュトレーゼマンの言葉を遮り、ユジンがネイルに指をさした。「課題曲は練習したのか?」
ネイルは口をあんぐり開け、首を横に振る。
「さっさと練習しろ」ユジンはそう言い、シュトレーゼマンの腕を取ると、その場を後にした。

ネイル「私のライバルはストーカー先輩じゃなくてミルヒだったんだ…!」

+-+-+-+

ユジンは泥酔したシュトレーゼマンをやっとのことでベッドまで運んだ。

ユジン「こんなくだらんことさせるためにオレを呼んだのか。このクソジジイ」
シュトレーゼマン「(ムニャムニャ)全部聞こえてますヨ…このヤロウ、弟子が師匠にクソジジイ?!」

「弟子?」寝室を出て、ダイニングでグラスに水を注ぐと、ユジンは壁越しに言った。

ユジン「ただの小間使いをエラく高尚に例えるんですね」
シュトレーゼマン「ふん… 光栄だと思いなさいヨ。ワタシの小間使いになるのが簡単だと思ってるんでスカ?」
ユジン「えぇ、えぇ。光栄ですよ。あらゆるミッションを与えられて、苦労が耐えませんがね」
シュトレーゼマン「それが… ただのミッションだと思ってるんでスカ?」
ユジン「?」
シュトレーゼマン「団員たちの顔も知らず、ただ総譜だけ見入ってるヤツに、どうして指揮を任せられますか」
ユジン「…。」

123

シュトレーゼマン「人を見ようとしないヤツに、指揮など出来るワケがありまセン。指揮者の場所がナゼ真正面なのか…?団員たちをよく見るためです」
ユジン「…。」
シュトレーゼマン「ようやく指揮者になろうとしているヤツが… 何を文句ばかり…」

ブツブツ言いながら、シュトレーゼマンは眠りに落ちる。

ユジン「…。」

掛け布団を掛けにやって来たユジンが寝室を出て行く。
ソファに腰を下し、ユジンはそこに置いてあった楽譜をなにげなく開いた。
…と、シュトレーゼマンはそっと目を開ける。「…。」

+-+-+-+

ト教授がアン教授のレッスン室へやって来る。

ト教授「ユン・イソン音楽祭は何も問題ないようですか?あの落ちこぼ…」
アン教授「?」
ト教授「いや、学生たちとシュトレーゼマン教授は何もトラブルを起こしていませんか?」
アン教授「何もありませんよ。ご心配なく」
ト教授「ユン・イソンはエラく気難しい人ですから」
アン教授「…。」
ト教授「まぁ、オーケストラもやりましたし、実力は伸びているでしょう。まさか昔のレベルのままってことはないでしょうね?」
アン教授「…。」

+-+-+-+

「そんなレベルでここへ来たのか?お前は退席だ!!!」イラクはレッスン室の外へ問答無用で放り出された。

「だから練習しろって言ったでしょ」落ち込んでいるイラクを、スミンが食堂でなだめる。

スミン「毎年オーディションに受かった子しか来られないんだから、皆上手くて当たり前よ」
イラク「これほどとは思わなかった」
スミン「私なんかね、午前のレッスンで褒められちゃた~♪ あんな有名なティンパニストに~♪」

実際は…

「出て行きなさい!講師に向けてバチを投げるなんて!二度と入って来ないで!」イラク同様、放り出されたのだった。

スミン「投げたんじゃなくて、パフォーマンスしようとしただけなのに。公演のときはウケたでしょ?」
イラク「おい、ソルレバル。お前まで追い出されたらエライことだぞ。しっかり練習したか?」
ネイル「(頷く)心配ありません!課題曲、練習しましたから!」
イラク「おぅ!よくやった、ソルレバル!」
スミン「ユン・イソン先生はホントに怖いから、失敗しないでね」
ネイル「…怖い?」

「怖いのはイヤだな…」ネイルの勢いが急速にしぼむ。

スミン「アン先生みたいな方ばかりなわけないでしょ」
ネイル「怖いのは絶対イヤなんだけど…」

+-+-+-+

ネイルはユン・イソン教授のレッスンに参加した。

ネイルの見ている目の前で、先にレッスンを受ける生徒が竹刀で叩かれる。

# …にしても、この生徒はありえない。リアリティゼロ。

基礎のなっていない生徒をさっさと下がらせ、ユン教授は次の生徒を呼んだ。「ソル・ネイルさん」
ネイルは恐怖に震えながらピアノの前に座った。

緊張で… 手が動かない。
ユン教授の竹刀が、ネイルの背中を打った。

ユン教授「ふざけてるんですか?もう一度最初からちゃんと弾きなさい」

「!!!」パニックになったネイルの頭の中に、子どもの頃レッスンで叩かれた記憶が甦る。

~~~

「オクターブでミスが多いわ。練習してないの?」先生は幼いネイルの手の甲を定規で叩いた。
「もうやめたいです」そう呟いたネイルの手を掴み、先生は鍵盤の上に無理やり叩きつけたのだ。

ピアノ教師「もう一度最初から、百回弾きなさい。また間違えたら千回よ」

先生はそう言ってメトロノームを仕掛ける。
ネイルが弾き始めたのは、ブルグミュラー25の練習曲3 牧歌だ。

ピアノ教師「ピアノは趣味で弾くものじゃない。あなたの未来なのよ!!!」

のどかな牧歌には似つかわしくもない、殺伐としたレッスンだった。

~~~~

「!!!」楽譜がかすんで見えない。
次の瞬間、ネイルは逃げ出した。

ユン教授「ソル・ネイル!!!」

+-+-+-+

外へ駆けてきたネイルは、ベンチにしがみついて泣いた。

ネイル「…オラバン」

126

+-+-+-+

ネイルはやっとのことで部屋にいるユジンを見つける。

ネイル「やっと見つけた。どこにいたんですか?」
ユジン「どうしたんだ?」

ネイルは気持ちを落ち着けようと、ユジンの手をぎゅっと握る。
彼女の様子に、ユジンは呆れたように笑った。

ユジン「おい、仔犬かよ?」
ネイル「…。」

「マスタークラスは?」ユジンはネイルの握った自分の手を引っ込めた。「どうなんだ?」

ネイル「(首を横に)知りません… そんなの」
ユジン「?」
ネイル「私、早く家に帰りたいです。先輩が作ったご飯が食べて、ただ先輩と楽しくピアノ弾きたいです」
ユジン「だったらさっさと帰れ」
ネイル「!」
ユジン「誰かにとっては命ほど大事なチャンスなんだ。ムダに使うな」

「…。」言葉を失うネイルを残し、ユジンは素っ気なくその場を去った。

+-+-+-+

トギョンはユジンの母ソニョンのカフェを訪れていた。
久しぶりに会ったトギョンに、ソニョンは感激する。

トギョン「ホントにカフェをなさるなんて。お母さんらしいです」

「私たちのこと、お聞きになりましたよね?」トギョンがそっと探りを入れた。

ソニョン「えーと。そうね。付き合って別れた。そのくらいはね」
トギョン「…。」
ソニョン「上手くやってるんでしょう?」
トギョン「勿論です。恋人じゃなくなっても、友だちとしては変わりません」

バイト中のミニはカウンターの中で誰かにこっそり電話を掛けた。

ミニ(電話)「あのね、店にトギョン先輩が来てるんだけど、ひょっとして…。あぁ、元恋人?ユジン先輩が言ったの?ふぅん、じゃあ別れたのは間違いないんだね。それなら良かった。だって、うちの社長の前で嫁みたいに振る舞ってるから、なんだか変だと思って。社長の息子さんがうちの大学に通っててね、その人と付き合ってるみたい」

+-+-+-+

シュトレーゼマンはトイレに籠城していた。

職員「無理ですか?何度も吐くなんて、一体何を召し上がったんです?」
ユジン「ワイン4本…」
シュトレーゼマン「!」
職員「マエストロの指揮なしでワークショップは出来ません。どうしたものやら…」

トイレから出て来てうなだれているシュトレーゼマンが顔を上げた。

シュトレーゼマン「弟子が… 代わりにやります」
ユジン「僕が?!」

「弟子がいたのか!」職員が顔を輝かせた。「マエストロに弟子がいたとは!」

職員「午後は君が代わりにやってくれればいいよ」
ユジン「僕がですか?」

「勉強はもちろんしてありますネ?」シュトレーゼマンが言う。

ユジン「そりゃやりましたけど、そんなの話になりませんよ。僕がアンサンブルのワークショップで指揮するなんて!」

+-+-+-+

仕方なく、ユジンは急遽、シュトレーゼマンの代わりに指揮に立った。
ユン・イソン教授を始め、多くの人が見物に集まる中、ユジンはなんなく代理指揮を務めた。

外へ出て来たある女性が、興奮した様子でどこかに電話をする。「シュトレーゼマンの弟子らしいわ!」

女性(電話)「ホントに大衆にウケるビジュアルなんだってば!名前はチャ・ユジン。うん、えぇ?!ピアニストのチャ・ドンウの息子?ホントナノ?!」

「シュトレーゼマンが弟子を育てるなんて。絶対にそんなことしなかった人なのに」ユジンの指揮を初めてみたユン教授は、その堂々たる指揮ぶりに唸った。
「留学はどこへ行くのかしら?シュトレーゼマンについて行くのかしらね」後ろにいる女性が言う。

盛り上がる人々の様子を、ネイルは離れたところで寂しげに眺めた。「留学?」
「いつの間にいたんだよ?」ネイルに気づいたイラクとスミンが駆け寄った。

イラク「ユジンが指揮するの、見たか?凄かったよな」
ネイル「…。」
イラク「イケメンで実力アリ。マジで羨ましいぞ」
スミン「そうそう♪」

「だから好きなのに」ネイルは溜息をつく。

ネイル「そのせいで不安だ」
イラク「ん?何が?」
ネイル「…。」

124

+-+-+-+

学長のところへトギョンがやって来た。

#この子、頭におバカなリボンつけるのとかやめればいいのに

学長「お父様に聞いたわ。あなたがすごく落ち込んでるって、心配なさってたわ」
トギョン「大丈夫です。オーディションに落ちるなんて、よくあることですから」
学長「私は随分期待してたけど。でも、分かってるわね?オーディションのチャンスを掴んだだけでも、あなたは認められたってことなのよ。あともう少しだけ…」
トギョン「あともう少しだけ…」
学長「?」
トギョン「あともう少しだけ努力しよう…それで来られたのはここまでなんです」
学長「…。」
トギョン「学長、私が努力して上手くいくって、本当にそうお思いですか?ご存知じゃないですか。努力だけじゃ、決して天才には追いつけないって」
学長「トギョン…」
トギョン「いいんです。天才じゃないのは、仕方ないことですから」
学長「…。」
トギョン「天才の… 隣に立つことで満足しなきゃ」

125

+-+-+-+

心配する父親からの電話に、イラクはレッスンから追い出されたことを言えず、順調な振りをした。
その電話を切ったところへ、今度は隣のスミンの電話が鳴る。「お~、シウォン!」

駈け出したスミンを、イラクが追いかけた。「ちょっと待てよ♪シウォン?」
イラクはニヤニヤしてスミンの電話に耳に寄せる。

スミン「ちょっと!ユ・イラク!何よ、変態!!!」
イラク「…。」
スミン「(電話に)切るね、シウォン」

スミンはそのまま電話を切った。

イラク「お前!言ってそのまま電話切ったろ!聞こえたろ、今!」
スミン「何を?」
イラク「さっさと電話してオレが変態じゃないって言え!誤解すんだろ!」

「何が誤解よ」怪訝な顔で去っていくスミンの後ろ姿を、イラクはぼんやり眺める。

イラク「シウォンは変態好きかもな。 …なワケねーって!!!」

+-+-+-+

よくわからないまま切れた電話に、シウォンは無言で携帯を見つめた。
ここはイラクの父親の店だ。

ジェヨン「何て?自慢ばっかだろ?裏切り者のマ・スミンめ」
シウォン「自分のオケで最善を尽くすのが裏切りなわけないでしょ」
ジェヨン「好きなだけ楽しめばいい。理事会が黙ってるはずないからな」
シウォン・ソンジェ「?」
ジェヨン「評判高い音楽祭に、学校の落ちこぼれたちを連れて行ったんだ。問題が起きないわけがない」

そこへやって来たイラクの父が乱暴にメニューをテーブルに叩きつけた。「ご注文を。お客様」

+-+-+-+

ここで区切ります。
うーん、すごくキツイ言い方をしますが、絵ばかり綺麗で、上っ面を撫でてる感じがものすごく居心地悪いです。
ユジンの指揮するシーンも含めて。
このエピ自体あまり気分のいいものじゃないので、さっさと終わって欲しい…^^;

一番居心地悪いのは突然現れたユヌですが、黒木くんにチェロの菊地テイストを混ぜたんですかね。
しばらく我慢して見守ります…。

 - のだめカンタービレ(韓国版) ,

Comment

  1. tamaarikun より:

    yujinaさん ありがとうございます!
    ”日本版ドラマではなく、原作漫画をお手本に・・・”といった制作発表会でのプロデューサーさんの言葉でしたが・・・。
    私もちょっとだけ居心地の悪さを感じます。
    この先どういう展開になっていくのか、楽しみですが・・・少しだけ不安^^;
    ”楽しい音楽の時間”、待ってマス。

  2. yuchiko より:

    いつもありがとうございます♪
    ユヌは黒木君にして欲しかった。菊地君テイストにする理由が?ネイルはユヌには目もくれないでしょうからユジンがネイルを人間愛から好きだと気付くきっかけになるぐらいでね。

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