韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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49日 6話あらすじ

   

韓国ドラマ「49日」6話です。

印鑑争奪戦にひとまず決着(あそこに隠したんじゃ、後でまた何か起きそうですが)。
イギョンに大切な人を失った辛い過去があるらしいことを知るジヒョン。

大好きな両親を同じ目に遭わせるわけにいかず、涙集め作戦を思いつきますが
そのためにネックになってしまうのがバイトの拘束時間です。

さてさて、のんびり進んでいくこのストーリー、今回もマターリと見守りませう。

ではどうぞ

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※私の翻訳では、ジヒョンが憑依した状態のイギョンをイギョン(ジ)と表記します。

HEAVEN

無視して通りすぎようとしたイギョン(ジ)の腕を乱暴に掴むミノ。

ミノ:「お前、エラく面白い素振りだな」
イギョン(ジ):「・・・。」

そこへやって来たインジョンは、2人の姿を見かけて立ちすくみます。

ミノ:「単に手を出したとか好きになったとか、そんなんじゃない。俺について何か知ってるかのような素振り、驚いた素振り、怯えた素振り、今度は無視に嘲笑だ。大した腕前だな」
イギョン(ジ):「お客様、不愉快なことがおありなようですが…」

イギョン(ジ)が振り払おうとした腕を、ミノはさらに強く掴みます。

ミノ:「神経を遣わせることには成功したがな、そこまでにしておけ。お前の相手になる人間じゃない」
イギョン(ジ):「・・・。」
ミノ:「2度とそんな目で見るなと言ってるんだ!」

そこへミノの携帯を鳴らしながら、ガンが外へ出てきます。
ガンもまた二人の様子を見て、思わず立ち止まるのでした。
イギョン(ジ)が掴まれた腕を何度振り払おうとしても、ミノは頑として離そうとしません。

インジョン:「カン室長」
イギョン(ジ)&ミノ:「!」
インジョン:「どうしたんです?」

ようやく離れるミノの手。

イギョン(ジ):「私が失礼をしまして…。申し訳ありませんでした、お客様」

ゴミ袋を拾い、その場を離れるイギョン(ジ)。
ガンは「話も終わってないのに帰ってどーすんだよ」とミノをもう一度中へ招き入れます。
二人を先に店に入らせ、ゴミを捨てに行くイギョン(ジ)の後ろ姿を見つめるガン。

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店の前でゴミを捨てたイギョン(ジ)は…

イギョン(ジ):「あいつら全く!何で二人でここへ来られるの?!私の土地が売れなくてヤキモキするでしょうね」

怒りがこみ上げる彼女に「シン・ジヒョンと明らかにしちゃ駄目だ。言葉の上だけじゃなく、心でもな」というスケジューラの忠告が浮かびます。

~~49日作戦のスタート時~~

ジヒョン:「心でも駄目って?」
スケジューラ:「相手が誰でも、母親でも父親でも、友だちでも恋人でも、あんたがシン・ジヒョンだってヒントを与えちゃ駄目ってことだ。誘導はなおさらな」

~~なるほどなるほど~~

イギョン(ジ)(心の声):「はぁ、もっと気をつけなきゃ」

+-+-+-+

ミノとインジョンの食事に同席するガン。
頼まれた設計をやらないと言い出します。ただ「やりたくないから」と言い張る彼。
これまでのスケッチは渡すからと、ミノの説得に耳を貸しません。

一方的に話を終わらせ、席を立ったガンは、イギョン(ジ)を事務室へ呼びます。

二人になったミノとインジョン。

インジョン:「さっき… 従業員とどうしたの?」
ミノ:「聞いたろ。自分が失礼したって彼女が…」
インジョン:「どんな失礼を?オッパみたいな人にどれだけ失礼なことをしたらそうなるの?」

ミノは、「先輩は誰に対しても寛大なのに、なぜあの人にだけ?」というガンの言葉を思い浮かべます。

ミノ:「・・・。」
インジョン:「かなり深刻そうに見えたけど」
ミノ:「・・・。」

答えに困ったミノはカウンターの女店員がこちらを見ているのに気づき、笑顔を作ります。

ミノ:「たいしたことじゃありませんよ」
インジョン:「・・・。」

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事務室ではガンがお説教中。

ガン:「ホテル勤務中やホテル観光科に通っている時、顧客接待の要領を習わなかったんですか?なぜ度々お客を不愉快にさせるんだ?」
イギョン(ジ):「お友だちの婚約者だから親切にしないように言われて気をつけたんですよ」
ガン:「俺がいつ親切にしないように言った?!尻尾を振るなと言ったんだろ」
イギョン(ジ):「私がいつ?!」
ガン:「!… 尻尾振ってるような真似したでしょう!最初に」

酔い潰れたミノを店の前で待ち、駆け寄ってタクシーに乗せたのを思い出すイギョン(ジ)。

イギョン(ジ):「(溜息)」
ガン:「あのときは一体どうしたんですか?」
イギョン(ジ):「あのときは何も分からずに…。ついある人が思い浮かんでそうしたんですが、今後どのようなことはありませんから」
ガン:「何で気分で…!100じゃなきゃ0か?」
イギョン(ジ):「… そうですよね」
ガン:「二度とこんなことのないようにしてください。ミノ先輩は僕のお客で、僕の友だちの婚約者なんです」

心の中で文句タラタラな彼女。

イギョン(ジ)(心の声):「私(ジヒョン)のことは大嫌いな癖に、婚約者のことはすごく大事にするのね」

イギョン(ジ):「(ジロジロ)」
ガン:「…何だ?何でまたそんなに見るんだ?」
イギョン(ジ):「そのお友だちと親しかったんですか?」
ガン:「何でそんなこと聞くんだ?(手で追っ払うように)行って。仕事してください」
イギョン(ジ):「・・・。」

思わず動揺したのを隠すように、目を逸らして咳払いをするガン。

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なかなか戻ってこないガンに痺れを切らしたミノたち。
ミノが「先に出てる」と席を立ったとき、ガンがイギョン(ジ)と一緒に階段を上がってきます。

「また明日来る」と言うミノに「その必要はない」と、これまで書いたスケッチを差し出すガン。
ミノは受け取らず、インジョンに「先に帰ります」と言いますが…

インジョン:「(立ち上がり)ついでに乗せてください」
ミノ:「?!」
インジョン:「体調が悪くて5分も歩けそうにないんです」

「設計はお前がやらなきゃ駄目だ」と、ミノはもう一度ガンに声を掛け、出て行きます。

+-+-+-+

車に乗ったミノとインジョン。

ミノ:「何でいつもと違うことするんだ?」
インジョン:「心にやましいことがあると勝手に不安になるものよ。私がオッパの車に乗ったからって変に思う人は誰もいないわ」
ミノ:「歩いて5分の距離だ。それに君は一度もこんなことなかったろ」
インジョン:「体調が悪いからだって言ったでしょ」

インジョンは気になって仕方がなかったジヒョン父とのことを尋ねます。
とりあえず車を出すミノ。

+-+-+-+

ある川辺に車を止め、二人は話していました。

インジョン:「そんな方法があったのね。お父様、ジヒョンを禁治産者にすることは出来ないわ。娘が蘇生不可能だと認めることになるから」
ミノ:「大きな峠を越えたっていうのに、あまり嬉しそうじゃないな」
インジョン:「1ヶ月だか2ヶ月だか、その期間の分だけ遅くなるってことでしょう」
ミノ:「2年も待ったのに、あと1,2ヶ月待てないのか?」

ちょっと失礼。あ゛ーーーイライラする!!!

インジョン:「そのが2年どれだけ辛かったか!こういう所じゃなきゃホテルの部屋とか… もう嫌よ」
ミノ:「こいつ…。場所なんて重要じゃないだろ。俺たち二人が他人の目を気にせずに、気楽に話せることが重要なんだ」
インジョン:「オッパの家で穏やかに過ごせたのがいつのことだったか…」
ミノ:「生涯ずっと一緒にいるのに?」
インジョン:「・・・・」
ミノ:「シン社長もジヒョンを諦めるために時間が必要だろう。チョン理事側の要求どおり、シンカ産業を不渡りに追いやりたいか?」(←訳に自信なし
インジョン:「(溜息)予定ならジヒョンの結婚式前にこの山場を乗り越えて、会社も辞めていたはずだったわ」
ミノ:「ヘミドの土地処理が終わったら会社辞めろよ」
インジョン:「辞めろって?」
ミノ:「君は最初の予定通りすればいい。残りは全て俺が処理するから。な?」
インジョン:「・・・。」

インジョンがミノの手を握ろうとすると、彼は気づかず、「行こう」と自分のシートベルトに手を伸ばします。
彼女は宙に浮いてしまった手をそっと戻し…。

ミノ:「検討しなきゃいけないことが山ほどある。準備する書類も山積みだ」

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帰りのバスの中。
イギョン(ジ)はミノと一緒に写った写真をひたすら消し続けます。
そして、出てきたのはインジョンとソウ、3人でバースデーケーキを囲んで笑っている写真。
彼女は笑顔の自分たちをじっと見つめます。

イギョン(ジ)(心の声):「こんなに楽しかったのに、このときも嘘だったの?インジョン、一体いつから私の友だちじゃなくなったの?私は一瞬だってあんたが友だちじゃないと思ったときはなかったのに…」

彼女の目から涙がこぼれ落ちます。
そこへハッと閃くイギョン(ジ)。

イギョン(ジ):「そうだ!これよ!何で思いつかなかったんだろう!はぁ~シン・ジヒョン、あんた!生きてるときもこれくらいIQが高かったら… わぁ~!」

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スケジューラの電話が鳴ります。
発信者はシン・ジヒョン。

スケジューラ:「忙しいのに何だよ?」
イギョン(ジ):「この電話ってさ、あんたがくれた携帯電話よ、この世の人たちに掛けてもいいの?」
スケジューラ:「使ってなかったのか?あ゛ーもどかしい奴。切るぞ!」

切れる電話。

イギョン(ジ):「スケジューラ専用じゃなかったんだ!わぁ~!」

バスを降りた後、イギョン(ジ)はさっそく誰かに電話します。

イギョン(ジ)(電話):「えぇ。シン・ジヒョンの友だちです。事故のこと聞きましたよね?そのことでミョンシンさんにお会いしたいんです」

歩いている彼女の後をチラチラ覗くようについてくるおばさんが一人。

イギョン(ジ):「それじゃ明日ギャラリーに伺いますね。はい!」

「お嬢さん!」と声を掛けたそのおばさん。それは大家さんでした。
「お嬢さん、家賃!」と言われ、慌てて逃げ出すイギョン(ジ)。

イギョン(ジ):「(走りながら)おばさん、朝来てって言ってんのよ!」

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家に逃げ帰り、急いで元の服に着替えたイギョン(ジ)はすぐ布団に横になります。
眠った彼女の体から転げ出すジヒョン。

ちょうどそこへ大家さんがやって来ます。
ノックの音に目を覚まし、ドアを開けるイギョン。

イギョン:「どうしたんですか?」
大家:「どうしたって?家賃払うから今日来いって言っといて、何で避けるのよ?!」
イギョン:「私が?」
大家:「さっき私を見て逃げたじゃないの!」
イギョン:「… 私、寝てましたけど」
大家:「?!(イギョンの服装をもう一度よく見て)見間違えたのかしら。とにかく、今日来いって言ったんだから払ってちょうだい」
イギョン:「今日来てくれって、いつ言ったんですか?」
大家:「昨日言ったじゃない!昨日の昼間来た時よ!」
イギョン:「昨日… ここへ来たんですか?」
大家:「? 昼夜逆で暮らしてるから、頭まで逆になったのかしらね?このお嬢さんは… もういいから!家賃ちょうだいな。4日過ぎてるのよ」
イギョン:「ちょっと待っててください」

家に戻り、鍋の中から封筒を1つ取り出し、大家に渡すイギョン。
そして、コンロの火をつけようとして、ふと髪に異変を感じます。
鏡を覗き、眠る前と髪が全く違っていることに気づき、驚くイギョンの後ろで、ジヒョンも「しまった!」と慌てます。

「オンニ、勘づいたみたい!」とスケジューラに電話を掛けますが、「今は非常事態ではありません」と応答メッセージが返って来るのみ。
再びコンロの方へ戻るイギョンを見て、ひとまずホッと胸を撫で下ろします。

+-+-+-+

翌日のHEAVEN。
本日もハン・ガン社長が庭でコーヒーを楽しんでいると、「おはようございま~す♪」と元気に現れる女性が一人。

女店員:「11時が朝なの?」
イギョン(ジ):「天気がすごくいいから^^」

手に持っていた手帳を開き、ガンに差し出した彼女は…

イギョン(ジ):「ここに… ”出勤 11時”の横に確認のサインしてください」
ガン:「これ何です?」
イギョン(ジ):「出勤時刻、外出する時刻、戻って来る時刻、退勤する時刻。こうやって全部書いておけばバイト代の計算もちゃんと出来るでしょう?」
ガン:「(笑)そうしよう」

言われたとおりサインするガン。

イギョン(ジ):「ありがとうございます、社長♪」
ガン:「その社長っていうのやめろよ」
イギョン(ジ):「社長に社長って言わなきゃ何て言うんです?ハン・ガンさん、そう言いましょうか?それとも… ハン・ガン?かな?」
ガン:「ハン・ガン?!」
イギョン(ジ):「ホントに ”ハン・ガン”… そう呼んじゃ駄目かな?アメリカに住んでればみんなそう呼ぶでしょう?ジェニー、ジャン、ブレッド、Hi,ガン♪」
ガン:「・・・・・・。」


イギョン(ジ):「・・・。あはっ^^;天気がすごくいいからちょっとおかしくなっちゃったのかも」
ガン:「・・・。」
イギョン(ジ):「仕事します^^」

イギョン(ジ)に「フリーのバイトになった」と聞き、不思議そうにガンに目をやる女店員。
そこには、イギョン(ジ)の姿を楽しそうに見送るガンがいました。

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ジヒョンの母は主のいない娘の部屋にいました。
パク・ジョンウンという友人が語った、ジヒョンの母親像を思い返しながら。
「シン・ジヒョンがどんなにお母さんのこと好きだったか…。この世で一番可愛らしくて情のある女性だって、お母さんみたいな母親になりたいって、そう言ってたんです」

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HEAVEN
支配人妻が重い荷物を持って現れます。
中身は家で作ってきた四骨(牛)の汁だとか…。

従業員たちは「しばらくこればかり食べさせられるのか」と不満顔。
そこへやって来たイギョン(ジ)は鼻をくんくんさせ、「私、1ヶ月毎日だって食べられますよ!」と話し、支配人妻を大いに喜ばせます。

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ジヒョンの病室。
まだ目覚めぬ娘に会いに来た母は、ベッド脇で食事を広げます。

母:「ジヒョン、お母さんよ。(隣にいる夫に)あなた、昼ごはんまだでしょう?(ジヒョンに)ジヒョン、お父さんの昼ごはんから先にするわね。牛汁は冷めちゃいけないでしょう」
父:「君、牛汁だって?」
母:「? あなたとジヒョンは牛汁が大好きじゃない」
父:「チョン・ミオク、ちょっと来てごらん」(←妻は牛汁が嫌いなので
母:「(嫌がり)私はしっかりしてますよ」
父:「・・・。」
母:「ジヒョンの友だちが来たんだけれど… 、あのね、ジヒョンが私のような母親になりたいって言ってたんですって」
父:「ジヒョンの友だち?」
母:「えぇ、その子が言ってたのよ。シン・イルシクとシン・ジヒョン父娘が二人きりでどれほど仲良しだったかしら?私、疎外感でいっぱいだったのよ」
父:「君、疎外感だなんて…」
母:「そう思ってたけれど、違うんですって」

器に汁を注ぐ母親。

母:「ジヒョンがね、私のような母親になりたい。そう言ったって」
父:「ジヒョンが… そう言ったって?」
母:「あなた知らなかったでしょう?ジヒョンは私のことそのくらい思ってたのよ」
父:「それで自慢しに飛んできたのか?ただ自慢するんじゃきまりが悪いから牛汁を口実に」
母:「(涙)あなた…。私ね、これまで生きてきて、私みたいになりたいなんて言葉、初めて聞いたの」
父:「… 羨ましいな。私はこれまで、そんな言葉聞いたことがないのに」
母:「(涙)そんなふうに思ってくれてたのに、私が落ち込んで横になっていちゃいけないわ。私に見放されたと思わせたらいけないもの」
父:「わが子を見放す親などいるわけがない」
母:「(何度も頷き)だから…。ジヒョンの世話もして、祈ろうと思ったの。本当に神様がいるなら、良心もなくたった一人の娘を奪っていくかしら…?」
父:「・・・。」

父は何も言わず、妻が持って来た食事を食べ始めるます。
それを見ながら、妻の目にはさらに涙が溢れるのでした。

#このドラマ、母親の描き方が上手い。すごくリアル。とても共感します。

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HEAVEN

イギョン(ジ)はガンたちと一緒に昼食中。
綺麗に平らげ、おかわりを欲しがるイギョン(ジ)の食べっぷりに皆が驚きます。
ご飯がもうないと聞き、自分のご飯をさっとイギョン(ジ)に差し出してやるガン。

庭のテーブル席には子供連れの客が来ていました。
落ち着きない子どもは走り回っているうちに食器を割ってしまいます。
イライラする女店員の代わりに、「私が行きます」と客の元へ向かうイギョン(ジ)。

食器を片付けているイギョン(ジ)の横では、母親に叱られた子どもが泣いていました。
イギョン(ジ)にティッシュを貰い、子どもの涙を拭こうとする母親ですが、嫌がった子どもはそれを払いのけてしまいます。
怒った母親は「泣いてなさい!」とさらにキツく怒鳴ってしまう始末。

ティッシュを拾い上げたイギョン(ジ)は…

イギョン(ジ):「あ!ティッシュが落ちて怪我しちゃった~。(子どもに)見て、ビリビリ~!直してあげなきゃ!ギュッギュッ!」

握った手の中に、破れたティッシュを押し込む彼女。

イギョン(ジ):「しっかりギューギュー押さえなきゃダメよ。ギュッギュッギュッギュッ!」

その様子をガンがじっと見つめていました。

イギョン(ジ):「さぁ、手を開いてくださ~い。(子どもの手にティッシュを)ギュッと握っててね。お姉さんが魔法の粉をヒュ~!開いてみて。さぁ~(ティッシュを広げる)ジャーン!」

ビリビリに破いたはずのティッシュは、元通りになっていました。

子ども:「(ビックリ)」
イギョン(ジ):「(涙を拭いてやり)綺麗なお顔は綺麗なティッシュで拭くのよ~。分かった?」

さらに、両手を握って「どっちの手だ?」と差し出したイギョン(ジ)。
子どもが指さした手を開くと、そこにはキャンディが一個握られていました。
子どもの顔がパッと輝きます。

彼女の様子を見ていたガンは驚きます。
高校時代、手品部に入ってぼんやりしていた転校生の自分に、全く同じ手品を見せたジヒョン。
手品を練習しようとしないガンに「じゃ何でうちのクラブに?」とジヒョンは尋ねますが、ガンは「絶対どこかに入らなきゃいけない義務があるからだ」とそっけなく答え、ジヒョンを怒らせたのでした。

ガン:「手品できるんですか?子どもに手品を見せてたけど」
イギョン(ジ):「あぁ、あれは… 友だちに教わったんですよ」
ガン:「・・・。」

ガンはちょうどコーヒーを持って来た支配人と共に、庭のテーブルに座ります。

ガン:「おじさん、ソン・イギョン見てたら、誰か思い出さないか?」
支配人:「おい!俺にファジュンさん以外の女がいるわけないだろ!」
ガン:「あの人を見ると、何で度々シン・ジヒョンを思い出すんだろう」
支配人:「え?(考えて)確かに性格は似ているな。おおらかで明るくて… よく食べて」
ガン:「3回ずつ言うし、箸でパスタを食べる。月桂樹の葉も嫌う。指先を弾く癖。手品までやった…」
支配人:「そうなのか」
ガン:「話し方も」
支配人:「話し方も?」
ガン:「フィーリングもだ」
支配人:「フィーリングまで?」
ガン:「・・・。」

+-+-+-+

店を外出したイギョン(ジ)は、連絡のついた友だちを訪ねます。
「病床のジヒョンに見せていい刺激を与えるため」と言い、カメラに向かって思い出話やメッセージを話してもらい、涙をゲットしようという作戦。

友人が話しながら涙をこぼすよう、何とか誘導しようとするイギョン(ジ)ですが、なかなか上手く行きません。

イギョン(ジ)(心の声):「本当に死んだわけじゃないから泣かないのかな…」

+-+-+-+

病院。

ジヒョンの手足をマッサージした母は「家でご飯を食べて元気をつけて、また明日来るわね」と娘に声を掛けます。
夫に「来るな」と言われた彼女は…

母:「あなたももう会社に出なきゃいけないでしょう?いくらミノがいると言ってもよ。ジヒョンのそばにずっとくっついているのはいけないと思うわ」
父:「会社のことに女が口を出すな。自分でちゃんとやる。ほら、帰りなさい」
母:「いえ、私が言いたいのは…」

妻の荷物を持ち、無理やり帰らせようとしたところへ扉が開き、入って来たのはガンでした。
両親に気づき、頭を下げるガン。

母:「うちのジヒョンに会いに来たんですか?」
ガン:「はい」
父:「… しばらく付き添っていてくれ(妻に)行こう」

出て行く両親。

ひとりになったガンは、眠っているジヒョンに近づきます。

ガン:「おい、シン・ジヒョン。元気だったか?(手に持った花束を掲げ)これ、持って来た。お前が一番好きなスモーキーカラーのバラだ」

ベッドの上のジヒョンからは反応がありません。
布団から足先が出ているのに気づいた彼は、丁寧に布団を掛けてやり、もう一度彼女の顔を見つめます。

ガン:「そうだよな。お前はここにいる。… ここに。なのに何でお前の姿がしきりに見えるんだろうな。俺、おかしいだろ。お前はここでこうして苦しんでいるのに、他の人をお前と錯覚するなんて…。”駄目に決まってるでしょ!このバカ!” そうだろ?」

+-+-+-+

ソウの働くパン屋にやって来たイギョン(ジ)。
ソウは入って来た彼女に気づかず、悲しい表情で物思いにふけっていました。

イギョン(ジ)(心の声):「ソウ、私よ。どうしたの?何かあったの?」

そこへようやく気づいたソウに、イギョン(ジ)は「こんにちは」と微笑みます。

トレイを手に取り、お気に入りのパンを取るイギョン(ジ)。
それを見て、「あ!」と気づいたソウは…

ソウ:「そのパン、好きなんですか?」
イギョン(ジ):「?」
ソウ:「(笑顔になり)この前もそのパンを買ってましたし」
イギョン(ジ):「えぇ、すごく美味しいでしょう^^」
ソウ:「友だちが週に一度ずつパンを一抱え買って行ってたんですよ。会社のお掃除のおばさんたちにあげて、警備のおじさんにもあげて、自分も食べて。パンがものすごく好きだったんです。特にそのパン」
イギョン(ジ):「そうなんですか?親しいお友だちだったんですか?」
ソウ:「(悲しそうに頷き)ちょうどその友だちのこと考えてて…」
イギョン(ジ):「あら、彼氏でもないのにそんなふうにぼんやり考えるなんて、どんなお友だちなんですか?」
ソウ:「そんな関係じゃないですよ!」
イギョン(ジ):「え?私だってそんな意味で言ったんじゃないですよ。どんなにお友だちのことが好きなら、そんなふうにぼんやり考えたりできるんだろうって、羨ましいなって思って言ったのに…」

「楽しいショッピングを」と頭を下げて行ってしまうソウを、イギョン(ジ)は寂しく見送ります。

+-+-+-+

ガンは病院からの帰り道。店へ向かう車を走らせていました。

ふと見ると、前方にのんびり歩いているイギョン(ジ)の姿が見えます。
車のスピードを落とし、その後姿を見つめながらゆっくりと近づくガン。

やがて車はイギョン(ジ)の横に並びます。
じっと彼女を見つめていたガンはイギョン(ジ)が「あれ?!」と気づくと思わず目を逸らし、再びアクセルを踏んでスピードを上げるのでした。

イギョン(ジ):「(手を振り)ハン・ガーーーン!社長ーーーー!」

ガンは彼女を追い抜き、サイドミラーに目をやります。
遠ざかっていく彼女の姿…。

+-+-+-+

HEAVENの前に車を停め、ガンが降りたところで、イギョン(ジ)が息を弾ませて走ってきます。

イギョン(ジ):「呼んでるのにそのまま行くなんて」
ガン:「・・・。何で呼んだんです?」
イギョン(ジ):「目が合ったみたいなのにそのまま行っちゃったから呼んだんですよ」
ガン:「(ドキッ)・・・。」

歩き出すガン。
イギョン(ジ)がチョコチョコと後を追いかけます。

イギョン(ジ):「私のこと、見えませんでした?」
ガン:「見えませんでしたよ」
イギョン(ジ):「どこ行ってたんですか?」

立ち止まってイギョン(ジ)をジロリと睨み、何も答えずガンは再び歩き出します。

イギョン(ジ):「どうしたんだろう?私、遅れちゃったのかな?(時計を見て)そんなことないのにな…」

イギョン(ジ)は固い態度のガンを不思議そうに見つめます。

+-+-+-+

ガンが事務室へやって来ると、そこにはイギョン(ジ)の姿が。

ガン:「そこで何してるんです?」
イギョン(ジ):「(パンの包みを差し出し)パン買って来たんですよ」
ガン:「いりません」

イギョン(ジ)に背を向け、イライラと落ち着かないガン。
イギョン(ジ)は差し出したパンをテーブルに置き、

イギョン(ジ):「それじゃ、後でお腹が空いたときに…」
ガン:「いらないから持って行ってください」
イギョン(ジ):「みんなの分はあるんです。支配人、スンジョンさん、ジュニ、厨房長さん…」
ガン:「しつこいな。いらないって!!!」
イギョン(ジ):「!」

二人の間に流れる沈黙。

ガン:「… 用事が済んだらもう行ってください」
イギョン(ジ):「(手帳を開き)ひょっとして戻る時間の許可を貰わずに出掛けたからですか?」
ガン:「フリーのバイトなんだから、出勤しようがしまいが、いつ出掛けようが戻ろうが関しません」
イギョン(ジ):「・・・。」
ガン:「(手帳を指し)それからこれ、今後は支配人にサインを貰って。もう行ってください」
イギョン(ジ):「突然どうしたんですか?もしかして私、知らないうちに何か失敗しました?それなら言ってくれればいいのに」
ガン:「(詰め寄る)ソン・イギョンさん。俺は君の友だちか?君はスタッフ、俺は社長だ。出て行けと言ってるのに、何で喋り続ける?!」
イギョン(ジ):「・・・。」
ガン:「・・・。それから今後はここへ勝手に入って来ないでください。分かりましたか?」
イギョン(ジ):「・・・。(うなずく)」
ガン:「ソン・イギョンさんには口はないのか?話せないのか?」
イギョン(ジ):「・・・。」
ガン:「社長が話してるのに何で答えないんだ?!そんなふうに意味も分からず見つめられるからお客だって気分を害するんだ」
イギョン(ジ):「… 分かりました」

言い出すと止まらず、どんどんエスカレートして責めてしまうガン。
イギョン(ジ)の弱々しい返事を聞き、黙ってしまいます。

#リアル視聴時もつぶやいたけど、こういう段階が私は一番好き。クレッシェンドしていく自分の気持ちに戸惑って、つい相手を責めて無視して傷つけて。落ち込んで寂しくなって…。

+-+-+-+

店の外へ出てきたイギョン(ジ)。

イギョン(ジ):「どうしたのかな。薄情な…。さっきまでは何ともなかったのに。カン・ミノのせいなのかな」

受け取ってもらえなかったパンを見つめます。

イギョン(ジ):「好きなパンのはずなのに…」

包みを開き、彼女は涙をすすりながら、むしゃむしゃと食べ始めます。

イギョン(ジ):「急にどうしたのよ…」

+-+-+-+

家にいるインジョン。
「何してるの?」とミノにメールを送りますが、「仕事中。美味しいもの食べろよ」と短い返事が返って来ます。
そこへ、ジニョンから電話が。

インジョン:「もしもし」
ジニョン:「チョ秘書ですが、今、奥様の使いでそちらへ向かっています」
インジョン:「ジヒョンのお母さんですか?」

家の前へやって来たジニョン。
インジョンに丁寧に包みを差し出します。

ジニョン:「それでは失礼します」

頭を下げ、背を向けるジニョン。
ふと顔を上げたインジョンは…

インジョン:「ジニョンさん」
ジニョン:「?」
インジョン:「カン室長は… オッパは今どこに?」
ジニョン:「お家におられます」
インジョン:「・・・。」

※ミノとインジョンの関係を、ジニョンは知っていながら黙っており、前回のように協力することもある人物だということが分かりますね。

インジョンはソウに電話し、彼女を夕食に誘います。

+-+-+-+

インジョンがソウとやって来たのはHEAVENでした。
ちょうど店の外に出てきたイギョン(ジ)は二人と出くわします。
ちょうどその時、「だいぶ疲れているようだから、今日はもう帰りなさい」と声を掛ける支配人。

席についたインジョンとソウ。
ソウがガンを呼びに席を立ったとき、インジョンが女店員に声を掛けます。

インジョン:「さっきのバイトの人、仕事できるみたいですね。支配人がとても親切にしてらっしゃるから」
女店員:「社長の影響でしょ」
インジョン:「ガンの?」
女店員:「うちの社長ね、ソン・イギョンのこと好きなんですよ」
インジョン:「ガンが?」
女店員:「無断欠勤に外出に遅刻、ぜ~~んぶ大目に見て、今度はフリーのバイトだとか。やりたいときだけ来て働いてもいいって」
インジョン:「ガンはそんな性格じゃないんだけど…」
女店員:「それにね、ジヒョンさんの婚約者いるでしょ?あの人にすんごく傲慢な態度取ったんですよ」
インジョン:「カン室長に?」

+-+-+-+

アパートに帰ってきたイギョン(ジ)はフラフラと体調が悪い様子。
誰かと電話で話していますが…

イギョン(ジ):「具合が悪くて…。うん、だからあんたがちょっと取りに来てよ」

相手はスケジューラくん。

スケジューラ:「取りに来いって?何をだよ」
イギョン(ジ):「お金よ。4万9千ウォン。あんたが貸してくれた一時金」
スケジューラ:「・・・。」
イギョン(ジ):「49日が過ぎるまでに返せって言ったでしょ。それだけ受け取りに来て」
スケジューラ:「… 持って来いよ!借りた者が持って来るべきだろ。何で貸した者が貰いに行くんだ?俺は今日これを完成させなきゃなんないんだ。そっちが来い!」
イギョン(ジ):「オンニに体を返したら、私、お金に触れないでしょ」
スケジューラ:「俺に渡す金なら掴めますよ。分かったろ!」

ブチッと電話を切るスケジューラ。

+-+-+-+

仕事に出掛けるイギョンと一緒に外へ出たジヒョン。
「私、先に行きますね~」とイギョンを追い越し、早足で歩き出します。

力なく歩いていたイギョンは数歩進んだところで立ち止まり、慌ててアパートへ駆け戻ります。
急いでトイレへ駆け込み、苦しそうにもどしはじめるイギョン。

+-+-+-+

たった一人のガランとしたバー。

ジヒョンがやって来ると、スケジューラはギターを弾きながら歌っていました。

歌い終わり「よっしゃ!」と会心の出来に唸ったところへ、ジヒョンの拍手に気づきます。

ジヒョン:「うわぁ~~~♥」
スケジューラ:「(照)何をこれくらいで^^;」
ジヒョン:「あんた、ホントに何でもやるスケジューラよね!クラブにカフェにバイクにギター!」
スケジューラ:「分かってねーな。ギターしか見てねーのか。大事なのは歌だろ。俺はな、シンガーソングライターなんだ」
ジヒョン:「そのくらい私だって知ってるわよ!」

そばにあったピアノの前に座り、メロディーをワンフレーズ。

ジヒョン:「一時は歌手が夢だったから」
スケジューラ:「がはははは!」
ジヒョン:「!」
スケジューラ:「なら犬も牛も歌手だな」
ジヒョン:「あんた!!!(スケジューラの前の楽譜をトントン)ここで音程と拍子がズレたでしょ」
スケジューラ:「(ふんふん)」

彼の横で歌い始めるジヒョン。

ジヒョン:「(歌い)こう歌わなきゃ」
スケジューラ:「うわぁ~!嘘じゃないんだな。何で歌手にならなかったんだ?」
ジヒョン:「お父さんが許してくれなかったの。私を立派な男の人のところへ嫁にやるのがお父さん一世一代の使命だったのよ」
スケジューラ:「それがカン・ミノってか?」
ジヒョン:「・・・。まぁそうね」
スケジューラ:「選びに選んでクズを選んだな~~~♪」

スケジューラを睨んだものの、ジヒョンはピアノの前に戻ります。

ジヒョン:「あんたまでそんなこと言わないでよ」
スケジューラ:「・・・。」
ジヒョン:「今日、涙を手に入れに出掛けてどれだけ惨めだったと思う?」
スケジューラ:「惨めなのは”49日旅行者”たちの必須コースだぞ」
ジヒョン:「必須コース?」
スケジューラ:「葬儀場で言ったろ。人間たちはエラく複雑だ。予定通り死んで、自分の葬儀場に行かなくていい人間が一番幸せ者なんだ」
ジヒョン:「!… 怖いこと言わないでよ」
スケジューラ:「それでもな、俺みたいにスケジューラしか出来ないよりは、あんたのほうが百倍マシだろ。また生きられるかもしれないって、希望があるから」


ジヒョン:「あんた、どうしてスケジューラになったの?」
スケジューラ:「志願した」
ジヒョン:「スケジューラも志願してなるの?どうして志願したの?」
スケジューラ:「何か分からないけど、俺はすごく重大なことをやり残して死んだ気がする。だから志願した。5年の任期を無事終えたら、それをやり遂げられる。俺がスケジューラとして暮らしてるのはそれが理由だ」
ジヒョン:「重大なこと?それは何?」
スケジューラ:「・・・。それが分かったらスケジューラやってるか?!スケジューラやってないでそっちからやるだろーが!」
ジヒョン:「… だよね^^;あんたもすごく可哀想。若いのに」
スケジューラ:「(呆)自分だってそーだろ!金返せよ」

小さくなってお金を差し出すジヒョン。

+-+-+-+

朝。

精神科医、キョンビンが今朝もコンビニに訪れますが、イギョンの姿が見当たりません。
代わりに働いている店主の姿。

キョンビン:「あの、夜働いているソン・イギョンさんはなぜ来ていないんですか?」
店主:「知りませんよ」
キョンビン:「知らない?」
店主:「連絡もなしに来なかったんですよ」
キョンビン:「・・・。」

+-+-+-+

アパートの前でイギョンの帰りを待つジヒョン。
10時半を過ぎても帰って来ず、困ったジヒョンはスケジューラを呼びます。
「オンニが帰って来ない」と聞いて、真顔になるスケジューラ。

アパートの中ではイギョンが布団の中で苦しんでいました。
「お前が中にはいって病院へ行け」、とスケジューラはジヒョンを布団へ突き飛ばします。

そして起き上がったイギョン(ジ)。
お腹の具合が悪い彼女に、スケジューラは「具合悪くさせたなら責任取れ」と言い、立ち上がらせます。

イギョン(ジ):「私が具合悪くさせたわけじゃないよ」
スケジューラ:「病院行った後、報告の電話するときもそう言えるか」
イギョン(ジ):「私一人で行けって?」
スケジューラ:「俺はあんたの保護者じゃねーから。今日は午前と午後で2件もあるんだ。タクシーで行け」

+-+-+-+

HEAVEN

ガンは彼女が現れない店の入口をウロウロしていました。

ガン:「言い過ぎたかな…」

そこへやって来た支配人。

支配人:「お前、ソン・イギョンさんの携帯番号知らないよな」
ガン:「連絡もないのか?」
支配人:「黙って辞めるような人じゃないと思うんだがな。何かあったのかな」
ガン:「・・・。」

+-+-+-+

イギョン(ジ)は病院へ来ていました。

医師:「昨日何を食べました?」
イギョン(ジ):「(えーと)昼に四骨汁2杯にご飯2杯。パンを食べて、夕食にパスタ、夜に椀麺を」
医師:「… 吐いたりしませんでした?」
イギョン(ジ):「え?… 吐いたのかな?はぁ」

+-+-+-+

ジヒョンの病室。

ジヒョン父は「ヘミド合作投資契約書」をミノから受け取っていました。

めくった契約書の中には… ?
「工事名:ヘミドリゾート事業」
「貸地価:1,000,600,000ウォン」といった文字が見えますね。
ミノが相手にしているのが「JCコンサルティング」という会社だということも判明。

ジヒョン父:「前払金を貸す代わりに持分の20%を寄こせ?ヘミドの経営権を見くびったな」
ミノ:「我々の資金事情が切迫しているのを知っていますので。それでも社債を使うよりは…」

ベッドの上の娘を見つめる父。
そのとき、吐き気を催した父はトイレに駆け込みます。

+-+-+-+

診察を終えたイギョン(ジ)。
時計を見ると午後1時。ようやく「お店!」と思い出します。
昨日ガンに「フリーなんだから好きにしろ」と怒鳴られたことも…。

+-+-+-+

病院から車を出したミノ。
信号待ちで車を停めた彼は、薬局から出て来てくるイギョン(ジ)の姿に気づきます。

フラフラと歩く彼女の様子をじっと目で追っていた彼は、
つまずいて転んだ彼女を見た瞬間、反射的にシートベルトを外そうとしていました。
すぐ立ち上がった彼女を見て思いとどまり、心配そうに溜息をつきます。

#ペ・スビンさんは、こういう「心配でたまらないのに手が出せないで見守っている」的な演技がものすごく似合いますね…。

そして…

バス停でバスを待ちながら薬を出すイギョン(ジ)。
ミノは少し離れたところから彼女を見守ります。
転んで打ったのか、膝を押さえる姿を見ては思わず身を乗り出し。でも行けず…。

ぐったりと座っている彼女を見つめるうち、彼は心を決めて車を降ります。

ミノ:「乗ってください」
イギョン(ジ):「… ?!」
ミノ:「具合が悪そうだから。送って行きます」
イギョン(ジ):「結構です」
ミノ:「ついでだから言ってるんです。ガンに会いに行くところだったので。あそこへ行くんじゃないんですか?」
イギョン(ジ):「結構ですから」
ミノ:「どうして乗らないんです?」
イギョン(ジ):「嫌だから」
ミノ:「嫌だって?なぜ嫌なんですか?」
イギョン(ジ):「(睨)」
ミノ:「僕が何度か怒ったから?誤解したから?それとも、ガンに叱られたから?」
イギョン(ジ):「いいえ。お宅のことが嫌なんです」
ミノ:「・・・。」
イギョン(ジ):「ここは職場じゃないんだから気楽に喋っていいですよね?お宅が嫌なんです」
ミノ:「僕がなぜ嫌なんです?」
イギョン(ジ):「人を嫌うのに理由が必要なんですか?」
ミノ:「・・・。」
イギョン(ジ):「理由なく好きになって、理由なく嫌いになって… そういうの分からないでしょう?理由があるから好きになって、理由があるから嫌う。そうなんでしょう?」

これまで努めて穏やかに話そうと抑えていたミノ。
とうとうたまらなくなり、イギョン(ジ)の腕を取って無理やり立たせます。

ミノ:「不快なのはお互い様だから乗ってください!」
イギョン(ジ):「聞こえなかったの?あなたのことが嫌だって言ったでしょ!!!」
ミノ:「相手がソン・イギョンじゃなくても、具合が悪くて唸っている人を置いて行きはしない」
イギョン(ジ):「!」
ミノ:「僕のことを嫌だと言われて見捨てていくほど特別な感情があるわけじゃない。大げさに考えるな」
イギョン(ジ):「・・・。」

嫌がるイギョン(ジ)の腕を掴んだまま、薬を持って車に引っ張っていくミノ。

イギョン(ジ)を乗せて、車は走り出します。

+-+-+-+

助手席に座ったイギョン(ジ)の前に、ミノとジヒョンの写真が飾ってありました。
黙って見つめる彼女。

ミノ:「僕の婚約者です」
イギョン(ジ):「婚約者… ですか」
ミノ:「婚約したと知ってたんじゃないのか?」
イギョン(ジ):「婚約者… エラくマヌケに見えるわ」
ミノ:「何だって?」
イギョン(ジ):「人を好きになって無条件で信じて。そんな顔だって意味ですよ」
ミノ:「… 全く人を不愉快にする癖があるな。純粋でいい人だ。透明で明るくて」

思わず彼を睨むイギョン(ジ)。

イギョン(ジ)(心の声):「純粋でいい人?!だから騙したのね。簡単だから」

そのときミノの携帯が鳴ります。相手はチョン理事。

ミノ:「えぇ、チョン理事。決済を受けました。詳しいことは会社からお電話します」

+-+-+-+

HEAVEN

今度はベランダから外を眺めているハン・ガン社長。
彼の目の前でミノの車が店の前に停まり、中からミノとイギョン(ジ)が降りてくるのが目に入ります。

何も言わずに店に入ろうとするイギョン(ジ)。

ミノ:「ありがとうございます。… そう挨拶もしないんですか?」
イギョン(ジ):「ありがとうございます。… なぜ挨拶を?無理やり乗せられたのに」

ぷいっとそっぽを向き、階段を上がっていくイギョン(ジ)を、ミノは唖然として見送ります。

ミノ:「無理やり乗せられた… か」

思わず苦笑いを浮かべたミノがふと見上げると、ベランダでこちらを睨んでいるガンと目が合ってしまいます。
苛立った様子で中へ入ってしまうガン。

+-+-+-+

ミノが事務室へやって来ると…

ガン:「どうなってるんだ!」
ミノ:「?」
ガン:「ソン・イギョンが何で先輩の車から降りてくる?!」
ミノ:「おおごとみたいに言うなよ。ソン・イギョンが俺の車に乗っちゃいけないのか?」
ガン:「どこで会った?何で会ったんだ、あの人に!!!」
ミノ:「何でお前にそんなことまで話さなきゃいけないんだ?」
ガン:「先輩はジヒョンの婚約者だろ。ジヒョンがあんな状態なのに、苦しんでるのに、何の真似だよ!!!」
ミノ:「そういうお前は何だよ?ジヒョンの兄貴とでも?」
ガン:「!」
ミノ:「お前こそ、俺にそんなこというのはソン・イギョンが原因なんじゃないか?」
ガン:「馬鹿なこと言うな!」
ミノ:「何なんだ?お前ジヒョンのこと何とも思ってなかったろ!嫌がってたじゃないか!」
ガン:「俺はそうでも、先輩はジヒョンを愛してたろ!」
ミノ:「ジヒョンを口実にするな。ジヒョンの家の設計図、面倒だから辞めると言ったお前だからな」
ガン:「それは…」
ミノ:「あの女のせいだろ」
ガン:「俺は先輩の話をしてるのに、先輩は何で俺の感情ばかり問い詰める?」
ミノ:「・・・。」
ガン:「先輩は… もうジヒョンのことを諦めたのか?」
ミノ:「!… こじつけるな!何であんな女を… あの女はない!違うからな!関心なんかない!分かったか?!」
ガン:「・・・。」

#韓ドラでもそうはお目にかからない、女を巡って大の男二人が口喧嘩w

+-+-+-+

二人で店へ上がってくるガンとミノ。

ミノの後ろで、ガンがイギョン(ジ)を呼びます。
厳しく感情的な口調に緊張を走らせるミノ。

+-+-+-+

事務室へやって来たイギョン(ジ)。

イギョン(ジ):「連絡もなしに遅刻して、迷惑ばかり掛けてすみません」
ガン:「同じ話を繰り返すのはこれで終りにしましょう。君は解雇だ」
イギョン(ジ):「!」
ガン:「フリーでバイトさせてやったら、ミノ先輩に会いに行ってたのか?友だちの婚約者だと言ったはずだが!」
イギョン(ジ):「それは… そうじゃなくて偶然出会ったんです」
ガン:「それが事実であれどうであれ、ミノ先輩の近くに君を置いておくわけにはいかない」
イギョン(ジ):「・・・。」
ガン:「ミノ先輩は友だちの婚約者で、俺にはその友だちを守る義務があるんだ」
イギョン(ジ):「・・・。」

イギョン(ジ)(心の声):「友だち?私のために言ってるの?」

ガン:「これ以上君を許すわけにはいかない。… 許さない」
イギョン(ジ):「私、本当にカン・ミノに何の関心もありません。本当です!」

ガンは懐から封筒を出し、テーブルの上に叩きつけます。

ガン:「持って行こうが行くまいが構わない」
イギョン(ジ):「・・・。」
ガン:「・・・。二度とここへ現れないでくれ」

黙って見つめるイギョン(ジ)に、たまらず背を向けるガン。

イギョン(ジ):「… 私がこのお金を受け取らないこと、知ってますよね」
ガン:「脅迫か?!」
イギョン(ジ):「私がこのお金を受け取らなくても気に病まないように…。そう言いたくて」
ガン:「!」
イギョン(ジ):「決して… 絶対に思い悩まないでください。私、本当に大丈夫ですから」
ガン:「… もう辞めよう」
イギョン(ジ):「その友だちを思う心だけで… 全部いただいた気がするんです」

静かに頭を下げ、イギョン(ジ)は事務室を出て行きます。
動けず、何も言えず、茫然と見送るガン。

+-+-+-+

ミノは店の前に停めた車の中で、まだ帰れずにいました。
エンジンボタンを押そうとして、やはり彼女が心配でまた手が止まり。

そこへ、従業員たちが「ソン・イギョンがクビになった」と話しているのが目に入ります。

+-+-+-+

イギョン(ジ)は支配人と店員たちに「これまでありがとうございました」と頭を下げ、店を出て行きます。

それと同時に上がってくるガン。

支配人は何も言わず、じっとガンを見つめます。ガンも何も言えず…。(←この無言の会話、たまらん!

+-+-+-+

店を出て力なく歩いていたイギョン(ジ)。
しばらく歩いた彼女は、路上に停めた車の前でミノが待っているのに気づきます。

ミノ:「解雇されたそうですね」
イギョン(ジ):「・・・。」
ミノ:「僕のせいだって気がするんだが… 違うと釈明してあげましょうか」
イギョン(ジ):「… 結構です」
ミノ:「これからどうするんです?新しい仕事が必要なんじゃないか?」
イギョン(ジ):「お構いなく」
ミノ:「うちの家はどうです?」
イギョン(ジ):「?!」
ミノ:「金が必要なんでしょう。うちの家で働いてください。金をあげますから」

ゆっくりと振り返るイギョン(ジ)。

ミノ:「掃除は出来るでしょうし、料理は?」
イギョン(ジ):「いくらくれるんです?」
ミノ:「・・・。」
イギョン(ジ):「先払いで貰えますか?」
ミノ:「うちの家で… 働くつもりだってことか?」
イギョン(ジ):「やれと言ったでしょう?… やるわ」

+-+-+-+

ここでエンディング。
また同じ構図でエンディングなのはわざとなんでしょうか^^;

正直ミノの陰謀についてはあまり興味がないんですが、イギョン(ジ)との挑発的なやり取りは決して嫌いじゃござーせん。
ガンも一緒に3人で思う存分とんがっていただきたいものです。
インジョンはもういいから。
顔は大好きなんだけど、暗いんだよぉー彼女が出てくると。

そして今回、スケジューラの正体についても、敢えて書きませんが、ピカっと推測が立ちました。
これまでを振り返って「もしや!」と思われた方も多いのでは?

彼については今のうちからあまり膨らませることの出来ない、一番とっておきの部分だとは思いますが、
早く真相を知りたいですね~。

それにしてもどうやって3人も心から泣かせるのか見当がつかん…。

 - 49日(私の期限は49日)

Comment

  1. パタッリロ より:

    ユジンさん、ありがとうございますm(__)m 「必殺…」は、美しき日々からだったんですね。はるか、HKで放映された頃の記憶を辿っています。色々な韓流ドラマがありましたねぇ…。この(49days)は、結構面白いんじゃないかな?と。まぁ、病気などお決まりのパターンもありますが。私は、韓国語だけでは、理解出来ないので、英語字幕付き動画サイトで追いかけていますが、スケジューラー君が話したある単語で、かな?と思ったところに、ユジンさんのコメント…。やっぱり、同じ見方かしら?と思いました。そうだと嬉しいなぁ〜
    早く、字幕付きを卒業したいけど、勉強しないと無理ですね

  2. maimai より:

    はじめまして(*^^*)

    49日にかなりハマってます。内容があまり理解できないので、こちらにお邪魔しては「なるほどー」と感動しています。

    とくに好きな俳優さんが出てるわけじゃないけど、それぞれの俳優さんがいい味を出されていてたまんなく面白いです。
    脇役の方がいいと、ドラマがいっそうよくなりますよね。
    今後もお邪魔させていただきます(^-^)v

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