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成均館スキャンダル1話対訳:後半之書

   

【お知らせ】韓国語のセリフを記載した箇所は削除いたしました。ご了承くださいませ 2020/9/11

科挙試験場で恥をかかされたソンジュン。

ユニを捕まえようとしますが、それは単に腹が立っただけでしょうか。それとも…

後半に入ります。

ムン・ジェシン登場!

+-+-+-+

(ソンジュンに見つかり、逃げ出したユニは街の中へ。橋を渡ろうとしたユニは成均館儒生たちの一行を避けきれず、転びそうになります。それを華麗に抱きとめたのはヨンハ。あはぁ~~ん♥)

(そのまま逃走するユニ。ソンジュンも追いかけようとしますが、ピョンチュンに止められます)

(腕に残った感触を確かめながら、ユニの後ろ姿を見つめるヨンハ)

ピョンチュン:
おい、成均館の庠儒に会ったら挨拶すべきだろ。
あぁ、凱旋将軍にでもなったつもりか?
試験場でえらく活躍したそうだな。

コボン:
それで学士の体面をすっかり捨てて逃げて来たんだろ。
(お尻を振り)”うわーん、父上!お尻をぶってください!”

ソンジュン:
無礼を働きました。
騒動になった試験場を見るに、文を読む学士として恥ずかしくなり、到底顔を上げることが出来なかったのです。

(ソンジュンに興味をそそられた様子のヨンハ)

ソンジュン:
私のような一介の儒生でさえこうなのに、成均館庠儒の皆さんは恥というものを全くご存じないようで。

(初めて振り返り、ソンジュンを見る掌議、インス)

ソンジュン:
成均館の儒生であることをひけらかしながら、白昼の通りを闊歩なさっていますので。

(思わず吹き出すヨンハ)

インス:
君の言うとおりだ。
文を読む学士の正しい道とは…
成均館へ来たならば、君がひとつ教えてくれまいか。
待っていよう。
だが、その思い上がりに目をつぶるのも今日が最後だ。

ソンジュン:
似合いもしない先輩面に目をつぶるのもやはり… これが最後です。

インス:
・・・。

(立ち去ろうとしたソンジュンの襟首を掴むピョンチュン)

ピョンチュン:
何だと!こいつめ!先輩に対する正しい道理を教えてやろう。

ソンジュン:
道の上では行く手を塞がないことが唯一の道理です。

(ほぉ~とヨンハが目を輝かせた瞬間、掴みかかった手をソンジュンに払われたピョンチュンは橋の下へドボン!)

(素知らぬ顔をして立ち去るソンジュン)

ヨンハ:
誰なんだ?

コボン:
左相の息子、イ・ソンジュン。文才があって善良。由緒ある老論家門の盟主!ふふふ

ヨンハ:
(手を見つめ)あいつ、妙に気になるな。

(黙ったままちらりとヨンハを見るインス)

ヨンハ:
後ろの奴じゃなくて前の… やつさ。

+-+-+-+

(市場の雑踏の中へ逃げ込んだユニ。魚売りにぶつかってしまったソンジュンはもう少しのところでユニを見失います。ユニが入っていった方向へと、吊るされた色とりどりの反物をくぐっていくと、その奥には顔を隠したユニの姿。顔を確認しようとしたソンジュンにユニの平手打ちが飛びます)

ユニ:
殿方が班家の婦女子をからかうとは何と非常識な行いでしょう。

ソンジュン:
も、申し訳ない。無礼でしたら…

(ソンジュンに背を向け、してやったり!と笑顔で立ち去るユニ。ソンジュンは上着に残された詩文を見つめ、溜息をつきます)

+-+-+-+

(宮廷内の的場。矢を選ぶ王のそばにはチョン博士の姿がありました)

正祖:
ハハハハハ、イ・ソンジュンとな。
実父の祝いの席をひっくり返した息子か… 面白い。
面白い奴じゃないか。

チョン博士:
しかし殿下、彼は老論盟主の息子にございます。

正祖:
老論の息子と…
そなたを成均館へ左遷した者たちの息子だから警戒しろ… そういうことか?

チョン博士
恐縮にございます。

正祖:
余はだからこそ気に入ったのだ。

+-+-+-+

(宮中を歩く大臣たち)

左相:
お気に召したとは… 幸いです。

大司成:
もちろんですとも!
ご子息のような人材を育て上げることこそ
ひたすら成均館を守ってきた一途な人生唯一の甲斐なのですから。

左相:
息子の若気の至りを大司成が理解してくださるといいのですが。

兵判:
今日のことで我々老論名門の子弟に被害があってはならん。
書物を読むだけが教育ではなかろう?
食卓が教育の基本じゃないか。

大司成:
すでに禮曹に寄って特別に申し入れておきました。

(響く兵判の笑い声)

+-+-+-+

(再び水車小屋で男装を解き、腰掛けるユニ。自分が用意した答案用紙を手にとり…)

ユニ:
10両、20両、15両、それからこれは30両。
お金持ちね、私。

+-+-+-+

(ユニが家の前まで帰って来ると、そこにはたくさんの荷物が。隣人が噂します)

隣人たち:
売られて後妻になるんだって?
あぁ、勿体ないね。

(そこへ出てきたユニ母。力なく娘を見つめます)

+-+-+-+

(ユニの家の中で…)

ユニ母:
かえって良かった。
兵判の妻になれば生涯お腹をすかすことはないだろうからね。

ユニ:
だけど母上、ユンシクは峠を超えたし、借金は私が何とかして…

ユニ母:
こうしてかい?

(母が取り出したのは、巨擘のための答案用紙と、ユンシクの身分証)

ユニ:

ユニ母:
役人が来たんだ。
科場での騒動で落としたんだろうと言って、 持って来たんだよ。
ユニ、お前… 自分の仕出かしたことがどれほど大きな罪になるか分かっているのかい?
他人の身分証で、しかも女が科場に立つとは…。
男女間にそれぞれ守るべき礼儀があり、綱常の道理が厳格である以上、
死罪に問われようと何も言えないことだ。

ユニ:
すみませんでした、母上。

(溜息をつく母)

ユニ母:
罪を問うと言うなら… 全てこの母の罪だろうね。

ユニ:
・・・。

ユニ母:
若い娘が100両の借りを返すと豪語したとき、
いや、ユンシクに成りすまして薬代稼ぎを始めたとき、
あのとき、お前を引き止めるべきだったんだ。

ユニ:
・・・。

ユニ母:
ユンシクを救いたいがために、母がお前を墓場へ追いやるところだった。
これ以上はいけない。
これからは女として生きなさい。
男の軒下で雨をしのぎながら… そうやって女として生きなさい。

ユニ:
母上、もう二度と… 二度とこのようなことはありませんから。
借金は筆写の仕事をもっと頑張って…

ユニ母:
まだ分からないの?
朝鮮八道、文才で生きていける女は妓生だけだよ。
ユニ、お前にとって文才は害になる。

(それ以上何も言い返せず、涙をこらえきれずに部屋を出て行くユニ。一人残された母もまた、声を押し殺して泣くのでした)

+-+-+-+

(ソンジュンの部屋。出来上がったユニの人相書きを侍従のスンドルが覗きます)

スンドル:
おっと… こんな綺麗な男がいるんですかい?惚れちまいそうですよ。

ソンジュン:
(人相書きを見つめ)都城じゅうの貸本屋を全て探してでも、必ず見つけ出さねば。
この者に返すべき借りがあるのだ。

+-+-+-+

(兵判宅。家人の男が門を開けると、そこにはユニが立っていました)

ユニ:
借りを返しに来たわ。

家人:
本当か?

ユニ:
何してるの?
早く大監のところへ案内なさい。

家人:
・・・。

(黙りこむ家人。ユニは案内を待たずに家の中へ入っていきます。それを見ていたのは、息子のインスでした)

インス:
・・・。

(そこへ妹のヒョウンが走ってきます)

ヒョウン:
お兄様!

インス:

ヒョウン:
(目元を指差し)ここ、ちょっと見て。大変なのよ。
ただれていない?

インス:
痛いなら医者に見せなきゃ駄目だろ。

ヒョウン:
見せてるじゃない。
お兄様に会いたくて病気になっちゃったのよ。

インス:
こいつ… 今度は何だ?

(ふふふっと笑うヒョウン)

+-+-+-+

(兵判の元へやって来たユニ)

ユニ:
借り、そして恩をお返しに参りました、大監。

兵判:
恩を返すと?

ユニ:
大監は弟を助けてくださった恩人でいらっしゃいます。
ですが、もはや高利の借金の形に幼い娘を買い興じる方と、民に後ろ指を指されることになりましょう。
私のために恩人が無意味な汚名を着せられることは望みません。

(懐から金の入った袋を取り出すユニ)

ユニ:
少しばかりですが、猶予をくだされば恩をお返しするため最善を尽くします。

兵判:
私がお前の脅迫を恐れると?

(しばらく考え、ゆっくりと口を開くユニ)

ユニ:
六韜(中国の兵法書)には…
「戦うことなく怒りを避けるのが上策。
名将は強敵の前では戦いを避ける」とあります。
大監が恐れるとすれば、それはひとえに民の心。
この国の兵判でいらっしゃるのですから、当然怒りを避ける上策をお選びになるだろうと
そのように信じただけにございます。

(高らかに笑い、ユニに手招きをする兵判)

兵判:
女が兵法を熟知しているとは。
感心だ。かなりのものではないか。

ユニ:
・・・。

兵判:
よかろう。
お前の言うとおり。
私が浅はかであった。
ならば!借りた金は今すぐ返して貰わなければな。
民がその事実を知る前に、今すぐだ!

(簾を上げ、顔を覗かせる兵判)

兵判:
それに、お前のその肝っ玉が気に入った。
男が好いた女を手に入れることは過ちにはならぬ。
私はお前を我が妻としたい。
三日後に輿をやろう。

(困惑して兵判宅を後にするユニ。その後姿を見送り、家人はニヤリと笑みを浮かべます。そこへ…)

インス:
父上は君をえらく可愛がっているようだな。

家人:
若様、それはどういう…?

インス:
そうでなければ、あれしきの小娘が父上と話を交えるなどという不可解なことが
畏れ多くも私の家で起きるはずがあるまい。

家人:
・・・。

インス:
私は父上とは違う。
二度目は見逃しはしないぞ。

+-+-+-+

(賑わう市場をとぼとぼと歩くユニ。兵判に収めるつもりだった金の袋を見つめます。そこへ、走ってきた男にあっという間に袋を奪われ…。男は追ってくるユニを誘いこむように、人目につかない場所へ逃げ込みます)

ユニ:
返して!渡すのです!渡せと言ってるのよ!

(男が袋を投げると、そこへもう一人の男が現れて受け取り、さらにぞろぞろと何人もの男たちが。すっかり取り囲まれてしまったところへ、兵判家の家人が現れます)

家人:
お前たち、丁重にお連れしろ。
大事なお体だからな。

(ユニを包囲する男たちの輪はゆっくりそ狭まり…。ユニはその場に跪きます)

ユニ:
お願いです。そのお金は私の命にも代えられぬ物。
ですからどうかそのお金だけは返してください、どうか!

(ユニは隙を見て、金の袋を持っている男の腕に噛み付きます。叫び声を上げる男。その叫び声に、ムシロの下で居眠りをしていた誰かが目を開きます。手に持ったリンゴを男の頭に見事命中させ、起き上がったその人物は…)

ジェシン:
寝かしてくれ。
うるさくて眠れねぇだろ。

(飛び掛ってきた男を蹴り飛ばし、ユニを自分の後ろへ下がらせるジェシン。あっという間に男たちを片っぱしから倒してしまいます)

ジェシン:
貧しいもん同士仲良くやろうぜ。

(リンゴをかじり、地面に落ちていた金の袋を拾い上げ、ユニに乱暴に渡すジェシン)

(そのとき、後ろに倒れていた男が起き上がり、ジェシンに襲いかかります。足元の棒をひょいっとすくい上げ、そばにいたユニの目を左手で覆い、男を殴り倒すジェシン)

ジェシン:
まだ不服のある奴は? 自分の間違いがわかってない奴はまだいるか?
いたらさっさと出て来い!

(無言で逃げ出す男たち。兵判の家人もそっとその場を立ち去ります)

ジェシン:
一杯ずつ酒でも飲んでやろうと思ったのに、金使わずにすんだな。

(ふっと笑い去っていくジェシン。呆気に取られていたユニは慌てて彼を追いかけます)

#彼の魅力は「ここがいい」「あそこがいい」と説明できるレベルじゃない。生物学的に本能を揺さぶられる、そんなレベルの男だ。

ユニ:
ありがとうございます。
お陰で免れることができました。
本当にありがとうございます。

(何も言わず歩き出そうとするジェシン)

ユニ:
あの…

(ユニはジェシンの腕から血が流れているのに気づき、驚いて彼の顔を見つめます。黙ってうつむくジェシン)

(ユニは手巾を差し出しますが、ジェシンは受け取らずに歩き出そうとします。再び引き止めたユニは…)

ユニ:
恩返しをさせてください。

ジェシン:
恩返しか…
恩を返したいならもう目の前に現れるな。
お前みたいな鈍くさいヤツ、二度と見たくないから。

ユニ:
・・・。

ジェシン:
むやみに頭を下げるな。
誰にでも跪くのもやめろ。
癖になる。
一度癖になったら、直すのはえらく大変だから。

(再び歩き出すジェシンに慌てて声を掛けるユニ)

ユニ:
あの…

ジェシン:
恩返しだろ。

(立ち去るジェシンは急にしゃっくりが…。ユニは取り返してもらった袋を抱きしめ、彼の後ろ姿を見送ります)

+-+-+-+

(ソンジュン宅の庭。ユニを探しているソンジュンの元へ報告が入ります)

ソンジュン:
探しだせなかったと?

スンドル:
坊ちゃん、頭は勉強のときだけ使うもんですかい?
罪犯しといて「捕まえてください」って首を出す奴がどこにいます?
丸太橋で寝そべって待ってれば
嫌でも出会うのが仇ってもんです。
何日かすれば覆試でしょう。
また巨擘にきたそいつをパッと!

ソンジュン:
だから、その前に捕まえるのだ、必ずや。

スンドル:
・・・。

ソンジュン:
これでは駄目だ。
明日からは私が直接動かなければ。

スンドル:
え?

(ユニが詩文を残した上着を見つめ)

ソンジュン:
このようにあしらわれて忘れられるなら、それは学士ではない。

(そこへ父の低い声が響きます)

左相:
ここにおったか。

(驚いて振り向き、手に持った上着を隠す二人。左相はそれに気づきながら何も言わず…)

ソンジュン:
お帰りですか、父上。

+-+-+-+

(ソンジュンは父の部屋へ呼ばれます)

左相:
科場でのことは聞いた。
学士の意気を立派に守った… そう思うか?

ソンジュン:
・・・。

左相:
節操のない奴め…

ソンジュン:
・・・。

左相:
これからは世間がお前に注目することになる。
皆がお前の失態に期待し、失態が全てであるかのように騒ぐであろう。
それが出仕だ。
覚えておきなさい。
この世で最も愚かなのは己の知恵を誇る者だ。
学人の道が知恵を磨くものならば、出仕は知恵を隠すのがその第一歩なのだ。

ソンジュン:
隠したくはありません。

左相:

ソンジュン:
男子が志を世界に繰り広げるのが出仕だとおっしゃいました。
しかし、知恵を隠し信念を捨てねばならぬのが出仕であるなら、
それはただの官職狩りとどこが違うのでしょうか。

(息子の反論にニヤリと微笑む左相)

左相:
権力も手に入れ、名誉も守りたいと…。

ソンジュン:
・・・。

左相:
悪くはなかろう。
ただし、お前は眞城李氏一族の長男だ。
あらゆる言動において特別に注意するように。

ソンジュン:
肝に命じます。

+-+-+-+

(成均館の書庫)

インス:
イ・ソンジュン…  お坊ちゃんに礼儀をつけてやらなければ。

ピョンチュン:
どうしましょう。暴力組織を当たってみますか?
口八丁な奴には鞭が有効でしょう?

コボン:
色仕掛けはどうです?

インス:
お前たちは頭を使うな。ずっとな…

コボン:
(構えて)では体を使いましょう。ご命令を!

(ピョンチュンに怒られるコボン)

インス:
(そばにいる誰かに)言ってみろ、方法を。

(少し離れた場所で本をめくっていたのはヨンハ)

ヨンハ:
イ・ソンジュン?
あいつにうってつけの切り札が一つあるね。

+-+-+-+

(ユニの人相書きを手に、自ら市場を訪ね歩くソンジュン)

町人:
(人相書きを見せられ)帰ってくれ。

スンドル:
ほらね、坊ちゃん。見つかりませんって。
私が飯も食わずに探し回ったんですからね。

ソンジュン:
(他の人に)こんな人を見かけたことは?

町人:
知らないよ。

スンドル:
ほらね。いませんって。

(ソンジュンは店の前で掃除をしていた貸本屋の店主、ファンガの元へ)

ソンジュン:
ひょっとしてこんな人を見たことは?

ファンガ:
・・・。

(人相書をじっと見つめ、何も言わず首を横に振るファンガ。ソンジュンは諦めて他へ回ります)

スンドル:
私を信じられないんですかい?ねぇ!

(そんな彼らの様子を物陰から見ていたのはユニその人でした)

+-+-+-+

(貸本屋に飛び込んできたユニ)

ユニ:
私を助けてくれないか。

(慌てて店の扉を閉めるファンガ)

ファンガ:
お、お助けしますとも。えぇ、どんな本をお探しで?

ユニ:
100両貰えるなら地獄へでも行こう。

ファンガ:
何とまぁ!金も稼げて見物もできるなら、私だってお供しますよ。

ユニ:
何日かすれば覆試であろう?
前金で頼む。

ファンガ:
前金ですと?!
はっ!この間の初… この間の初試のとき、学士様のおかげでこの店畳むところだったんですよ。
そのとき学士様と会った旦那が今捕まえに来て大騒ぎですよ、大騒ぎ!

ユニ:
ワン書房のやつ!前世で私とどんな恨みがあると…!

(扉を開き)

ファンガ:
とにかくこの仕事は学士様には合いません。
もうお帰りを。

ユニ:
君の言う通りだ。
私はこの仕事に合わない。
(店主の反応を伺いながら)だから、先日巨擘を行なったと、役所へ行って自白するつもりなんだが…、
この本屋と君の名前も話すしかあるまい?

(思わず唸るファンガ)

ユニ:
では役所で会おう。

(店を出ようとするユニ。店主は慌てて扉を閉め、引き止めます)

ファンガ:
いかほどご入用なんです?学士様。

ユニ:
100両 用立ててくれ。

ファンガ:
身の程知らずな!5文の筆写ならいくらでもあげますから。

ユニ:
ならば鞭打ち200回で死ぬ他ないな。
冥土までお供してやろう。

ファンガ:
50両!

ユニ:
!

ファンガ:
(耳打ちを)禁書を運ぶ仕事です。
出来ますかね?

ユニ:
(笑顔で)地獄でも行くと言ったろう?

(明るい顔で貸本屋から出てくるユニ。それを見ていたのはヨンハでした)

+-+-+-+

(ファンガが後ろを振り返ると、そこにはいつの間にかヨンハの姿が)

ヨンハ:
どっちの味方なんだ?

ファンガ:
何をやぶから棒に…

ヨンハ:
左相の息子が探してるあいつ、匿ってるじゃないか。

(驚愕の声を上げるファンガを見てニヤリと笑うヨンハ)

ヨンハ:
私を誰だと?
このくらいで感動されちゃ寂しいな。
左相宅の目があるから表立って使うことは出来ないし、
巨擘としても使えない。
ならばさらに隠密な… 禁書か?

(さらに驚愕するファンガに、ヨンハは楽しくてたまらず)

店主:
いくら欲しいんです?
いくらでその口閉じてくれるんです?

ヨンハ:
口を閉じてくれなきゃいけないのはそっちさ。

+-+-+-+

(まだ市場を歩いているソンジュン。そこへ…)

声:
探し物は…

(ソンジュンは声の主を振り返ります。そこにいたのはヨンハ)

ヨンハ:
私が助けてやれると思うけど。

(ヨンハが広げてみせたのは、ユニの人相書)

+-+-+-+

(二人は酒膳を挟んで向き合っていました。呑気に酒を飲むヨンハを硬い表情で見つめるソンジュン)

ヨンハ:
はぁ~美味い。(酒瓶を持ち)一杯飲むだろう?

ソンジュン:
なぜ私を助けると?

ヨンハ:
なんだ… 感謝されると思ったのにな。
有り難くないなら帰るとしよう。

(席を立とうとしたヨンハでしがた…)

ソンジュン:
私を… 助ける理由があるように見えぬから言ったのです。

(ニヤリと笑い、再び腰をおろすヨンハ)

ヨンハ:
理由か…。
本当に気になるか?
そのうち共に生活することになる儒生への友情、
一目で友を見分ける男同士の熱い信義、
誰かの切実な願いが叶うのを願う良心…

ソンジュン:
・・・。

ヨンハ:
… まさかそんなはずはあるまい。ん?

ソンジュン:
・・・。

ヨンハ:
興・味。
君がどこまでの偉人なのか見届けてやろうっていう興味だよ。

ソンジュン:
・・・。

ヨンハ:
あいつを探したければ方法はたった一つ。
危険で大きな犠牲を伴う…。
それでもやるか?

ソンジュン:
学士が一度決めたことです。
これ以上言葉が要りますか?

(ソンジュンを見つめ、うなずくヨンハ)

+-+-+-+

(夜。人気のない山道をユニが歩いています。手には大きな包みを抱え…。そこへ雨が降り始めます)

貸本屋店主ファンガ(声):
国法で禁じられている本です。
官軍に尻尾を捕まれないよう気をつけて。
本当に地獄に行くことになりますから!

(決意を固めたユニの足はポツンと立っている小屋の方へ)

+-+-+-+

(放り出される大金。それを囲んでいたのは、成均館掌握インスたち一味でした。掌議の正面には官軍の兵士が二人…)

インス:
イ・ソンジュンの奴が禁書を受け取ったら、直ちに捕らえよ。

官軍:
はい!

(ほくそ笑むインスたち)

+-+-+-+

(暗い小屋の中、月明かりを頼りに奥へと入っていくユニ。そこへ誰かの声が…)

声:
”昼の声は鳥が聞く”

ユニ:
!!!

(ユニはファンガの言葉を思い出します)

ファンガ(声)
男がそう言ったら?

ユニ:
… ”夜の声は鼠にも聞こえない”

※낮말은 새가 듣고 밤말은 쥐가 듣는다(昼の言葉は鳥が聞いて夜の話はネズミが聞く)という諺から決めた合言葉。日本の諺では「壁に耳あり障子に目あり」にあたるようです。

ファンガ(声):
安全が命ですから、お互いの顔も知られないよう気をつけて…

(背を向けたまま近づき、ユニは後ろの人物に包みを差し出します。が、手首を捕まれ、驚いて振り向くと、そこにいたのはソンジュンでした)

ユニ:
ワ、ワン書房?!

(慌てて逃げ出すユニ。追うソンジュン)

ソンジュン:
私がどれほど探したと?

ユニ:
ああ、よく知ってるさ!

ソンジュン:
・・・。

ユニ:
あんたのせいで…!

(そこへ遠くから聞こえてくる声)

声:
捕らえよ!!!

ユニ&ソンジュン:
!!!

(そこには二人めがけて走ってくる官軍たちの姿)

官軍の大将:
捕らえよ!禁を犯した者どもだ!

官軍たち:
はい!

ユニ:
(ソンジュンに)今度は官軍たちまで?!

ソンジュン:
あ…

(思い切りソンジュンの頬を叩くユニ)

ソンジュン:
何の真似です!

ユニ:
しらばっくれるのか?

官軍たち:
捕まえるのだ!
はい!

(いよいよ追いつかれそうになり、逃げ出すユニたち。ソンジュンはユニが持っている包みを奪いとり)

ソンジュン:
この本は私が持って行こう。

ユニ:
代金をくれ!

(そこへ追いついてきた官軍。ソンジュンは華麗に応戦します。飛び蹴りに回し蹴りに…官軍タジタジ)
(刀を一斉に抜く官軍たち。ソンジュンはユニを斜面の方へ突き落とし、自分は官軍に追われ、道なりに走り出します)

+-+-+-+

(妓楼で酒を飲んでいるのはインスたち)

ヨンハ:
がっかりだな、イ・ソンジュン。
これほどあっさり捕まってしまうとは、面白くもない。

ピョンチュン:
ははは!それならイ・ソンジュンは今ごろ義禁府へ連行されるところですかね?

コボン:
それならイ・ソンジュンは覆試も受けられないんですかね?

(黙って微笑むインス。ヨンハの表情に笑顔はありません)

+-+-+-+

(山道を全速力で逃げるソンジュン。官軍に追われ、下へ飛び降ります。下を覗き込み、悔しがる官軍)

(一方、ユニは…)

ユニ:
本を持って行くなら代金をくれなきゃ!
ワン書房、あの性悪!

(起き上がろうとしたユニは誰かに体を引き寄せられます。それは戻ってきたソンジュン。ユニが声を上げぬよう口を押さえ、岩陰に身を隠します)

(引き上げてくる官軍たち。二人が潜む岩の向こう側で立ち止まり、辺りを見回します。さらにユニの体を強く引き寄せるソンジュン。ユニの目の前には、ソンジュンの喉仏が…。高鳴る鼓動)

+-+-+-+

ここでエンディングです。

 - 成均館スキャンダル

Comment

  1. violet より:

    ユジンさん、こんにちは(^o^)!

    成均館スキャンダルの対訳、前半部分を、ユジンさんの訳で読ませていただきたいなと思っておりました。
    またこうしてセリフを綺麗な日本語で読む事が出来てとても嬉しいです。
    すっかり嵌ってドラマを見ていたのがもう6ヶ月も前になりますね。最近見ていなかったので、またこれを機会に見直そうかと思っております。意味がわかってドラマを見ると違った観点や感想が出てくるように思いますので楽しみです。
    (期待した〇ネットはカットが多くて、画面も高画質じゃないのでがっかりで見ておりません。)

    ←ユジンさん、お勧めの公式ガイドブックは本当にいいですね。私的には、用語解説と読み方が助かりました。
    充実した内容と価格にトンです!

  2. シビリル より:

    ユジンさん、ありがとうございます。美しい言葉に感激しています。大変な労作を一気に読ませていただきました。読むは安し書くは難し、ですね。申し訳ない。これからまたじ~っくり一言一言噛みしめて読ませていただきます^^
    こちらの皆様、リアルでご覧になられてる。テダナダ~。私はムロン、字幕付きです。それがあまりに面白くて久しぶり検索し、こちらにたどり着きました。コロちゃん、いいですね。無骨な優しさ、本物の男といった感じで、もちろん私もノムチョア~、
    ですが、「ソンジュンの男前っぷり、惚れてまうやろ~」 おっしゃる通りに、まずイソンジュンの真っ直ぐな心に、発する言葉の格好良さに、惚れちまいました。それが私が見た字幕でのこと。ユジンさんの美しい訳を読んで、驚きました。ホントはもっとこんなに、男前なセリフだったんですね。しかも、そなた、それしきの事…、時代劇風言葉がまた、ぴったり嵌ってます。
    トンバンはもちろん知っていたのですが個々のお顔までは知らず、初めてユチョン君を認識しました。ほわんとした優しいかわいいお顔。もしイソンジュンを、凛々しいお顔の方、例えばイハンスが演じてたら、ただの立派な人でした^^; 男前なセリフはユチョン君だから、若い純粋さが、より出ていたと思います。ユジンさん、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

  3. シビリル より:

    連日お邪魔しています。14話対訳:前半の書にあるヨンハのセリフですが、ユジンさんが「←ここ好き!」とポイントしてくれた「なんなりと」という訳が、字幕では「どうぞ」でした^^; こんなさりげない一言にも、粋なヨンハらしい、すました格好良さが出ていると感心しました。TVの字幕は他も後は推して量るべしですわ。ああ、出来ることならばユジンさんの字幕で見たかった。きっともっと20倍、アニ、100倍^^ 面白かっただろうと思います。残念です。でも私はまだ、こうして拝見できてラッキーでした。チョンマル カムサハムニダm(_ _)m

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途中からシーン単位でボチボチ訳し始め、面白すぎてだんだん詳しくせざるを得なくなっ …

成均館スキャンダル12話シーン対訳:それでもやっぱりソンジュンには萌える

成均館スキャンダル12話より。 やっぱりソンジュンのシーンも放っては置けずorz …

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成均館スキャンダル7話:ソンジュン渾身の激励シーン セリフ対訳

成均館スキャンダル7話。リアルタイム視聴で胸が一気に熱くなり、心拍数がど~んと上 …

成均館スキャンダル15話対訳:後半の書

成均館スキャンダル15話。さて、後半後半♪ 後半こそシーンを絞りますよ!絶対に! …

成均館スキャンダル11話より:名シーン&名台詞対訳vol.2

ユチョン、パク・ミニョン、ユ・アイン、ソン・ジュンギ。 李氏朝鮮のイケメン4人組 …

成均館スキャンダル7話:美女チョソンを巡って シーン翻訳

成均館7話、大イベントに華を添えにやってきた妓生チョソン。 チョソンをめぐるちょ …