成均館スキャンダル20話対訳:前半之書
途中からシーン単位でボチボチ訳し始め、面白すぎてだんだん詳しくせざるを得なくなった「成均館スキャンダル」。
いよいよ最終回に入ります。
【お知らせ】韓国語のセリフを記載した箇所は削除いたしました。ご了承くださいませ 2020/10/22
捲堂を行い、王への儒疏を託した後、父の残した遺品を眺めていたユニは
はたとあることに気づき、走り出します。
ユニが向かったその場所は…?
では、どうぞ。
成均館スキャンダルのユチョンが満載のPhotoBookセット!!【予約】【韓国ドラマ】ユチョン(東…
+-+-+-+
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ユニ(心の声):
学びの向かう場所、国の始まり。
ジェシン:
成均館の門は最も賤しいとされる伴村に向かい合ってる。
兄が教えてくれたんだ。
>>
ユニ(心の声):
国の始まりは宗廟ではなかった!
学びの向かう場所はまさしく…
(成均館の門に到着するユニ)
ユニ(心の声):
この場所。朝鮮で最も賤しいとされる… この場所。
伴村に向かい合っている…。
(門の足元から掘り出した箱の中には、まさに彼らが探していた金縢之詞が)
+-+-+-+
(厳しい表情で立ち上がるインス)
インス:
キム・ユンシクが女だというのか?
+-+-+-+
ユニ(心の声):
金縢之詞… 探し出しました、父上。
朝鮮で最も賤しい者たちに向かって開かれているこの場所…
この場にあなたの意思があったのです。
+-+-+-+
(儒生たちからの儒疏は王のもとへ届いていました。
大臣たちを呼び、この内容について確認する正祖。)
正祖:
つまり、昨夜、紅壁書が現れたと…。
ゆえに、今牢獄にいるイ・ソンジュンは紅壁書ではないということか。
(左相の隣で口を開いたのは…大司憲でした)
大司憲:
さようでございます、殿下。
正祖:
ふむ…。いずれにしても兵判は一日も早く儒生たちの望みどおり赦罪されたほうがよろしいな。
兵判:
殿下、それは少々…。
正祖:
真理の殿堂である成均館へは官軍の侵入を許さないという名分すら捨て、
非道にも成均館の儒生たちを押送し、捜索したことが招いた結果であるから、
あのように血気盛んな儒生たちが何日も宮殿の前でその事実を騒ぎ立てれば、
国じゅうの民たちの知るところになるのではないか?
#にっこりと笑う領議政や、緊張して事の成り行きを見守る左相。大臣たちそれぞれの表情が面白い。
正祖:
次は余が返答を下す番であろうか?
(大臣たちの顔を順番に見比べる正祖)
+-+-+-+
(鐘の合図と共に宮殿の中から登場する役人。
儒生たちは立ち上がります)
役人:
殿下が返答を下されるそうだ。
こたびの儒疏の掌議はどこにいるか。
(顔を見合わせる儒生たち。ユニの姿はありません)
役人:
こたびの儒疏を率いた疏頭儒生、掌議はどこか。
掌議の儒生はおらぬか。
ユニ(声):
ここにおります。
(後ろからユニが現れます。その手に金縢之詞の入った箱を抱えて。
ジェシンとヨンハのそばで立ち止まったユニは…)
ユニ:
見つけました、師兄。
ジェシン&ヨンハ:
!
ユニ:
私が探しだしたのです。
(ユニは役人の前へ進み出ます)
ユニ:
こたびの儒疏の掌議、成均館儒生キム・ユンシク、殿下のご返答を賜ります。
(後ろに控えている儒生たちを振り返るユニ。視線は先頭にいるヨンハとジェシンに。無言で信頼の視線を交わす3人)
+-+-+-+
(チョン博士と領議政が見守る中、ユニは正祖と対面していました)
正祖:
そなたたち成均館の儒生たちの意思に従い、余は儒生イ・ソンジュンを無罪とし、釈放する。
そして、兵曹の謝罪文もまた公表するとしよう。
これが余の返答だ。
(ユニの元へ正祖から贈られる品が運ばれてきます)
正祖:
若い友人たちの頼みを聞き入れたのだから、酒の一杯でも振舞わねばなるまい。
チョン博士:
(ユニに)儒疏が終われば成均館の儒生たちに御酒を授けられるのが我が国の伝統だ。
(その厚意を受け入れるべく一礼し、口を開くユニ)
ユニ:
殿下、私からもお渡しするものがございます。
密旨… 解くことができました。
(驚き、息を飲む一同)
ユニ:
学びの向かうところ、国の始まりであるその場所、
朝鮮で最も賤しいとされる伴村に向きあうその門に… 金縢之詞があったのです。
(王自ら箱を開け、中に収められた書状を取り出します)
正祖:
これにより、そなたの父の夢、
そして、余の長い夢が叶う。
礼を言うぞ、キム・ユンシク。
約束しよう。そなたの努力が無駄にならぬよう、余は全力を尽くすつもりだ。
今こそこの朝鮮でそなたが新たな夢を見る番が来たのだ。
+-+-+-+
(とっぷりと日の暮れた司憲府の前。外へ出てきたイ・ソンジュンを迎えたのは大勢の儒生仲間たちでした。手を叩き、「イ・ソンジュン!」「イ・ソンジュン!」大歓声で友の釈放を喜ぶ彼ら)
ヘウォン儒生:
イ・ソンジュンが無罪放免になったぞ!
ウタク儒生:
もう白状しろよ。
君はイ・ソンジュンのことが嫌いなんじゃない。そうだろう?
ヘウォン儒生:
くだらん奴め。
いなけりゃ悪口を言う相手がいないからな。
(と言ったところで、彼の目の前にソンジュンが)
ヘウォン儒生:
いや、今のは…
(彼の腕にしっかりと手をかけたソンジュンは…)
ソンジュン:
これからも頼むよ。
あの中にいる間、はなはだ退屈だったからね。
(微笑んで彼らの前を通り過ぎるソンジュン)
ドヒョン儒生:
やはり人は苦労するもんだな。
(ソンジュンがやってきたのは師兄たちの前)
ジェシン:
今度自分勝手に出しゃばった真似してみろ。
もう許さんからな。
ヨンハ:
おい、コロ、つまりそれは、一生イ・ソンジュンのことを見ながら生きていくっていう凄絶な愛の告白かい?
それも私の目の前で?
(お互いを救うために命を掛けたソンジュンとジェシン。見つめ合う二人の間には以前とは違う何かがありました)
ジェシン:
ご苦労だったな。
ソンジュン:
ありがとうございました、師兄。
私のために皆さんが随分骨を折ってくださったと聞きました。
(話しながらチラリチラリと目を泳がせるソンジュン)
ヨンハ:
苦労した人は他にいるさ。
君がさっきから目で何度も何度も探している人がね。
こたびの儒疏をこうやって率いた掌議は大物の奴だったんだよ。
(驚くソンジュン)
ソンジュン:
キム・ユンシクは今どこにいるのですか?
+-+-+-+
(ユニはソンジュンの家で父の左相と向き合って座っていました)
左相:
ありがたいことだ。
同室生だとはいえ、その父である私を思えば、息子を助けることは容易いことではなかったであろうに。
私もありがたく思っておる。
ユニ:
友を助けたのですから、賛辞を賜ることではありません。
左相:
並外れた気迫は父親似であるな。
ユニ:
!
左相:
私はそなたの父が初めから気に入らなかった。
度を越した理想主義に浪漫派であったゆえ、王を支えるため、私はそなたの父を排除するあらゆる手段を惜しまぬ考えであった。
そなたの父を承服させ、現実以上に完璧であることは叶わぬと降伏させたかったゆえ。
しかし、あのようにそなたの父の命を断とうとは夢にも思うてはいなかった。
それでも私に対する憎しみは深いであろう。
ユニ:
憎しみではなく境界と考えるべきだと心がけております。
左相:
境界とな?
ユニ:
一度引き下がれば、今度はそれを隠すために二度引き下がることになり、
そのうち曲がりくねって散り散りになった自らの足跡の中で、
初めはどこへ向かおうとしていたのかさえ忘れてしまうことになるでしょうから。
(微笑む左相)
左相:
うちの子がなぜそなたを大切に思うのか分かる気がする。
#ユニを最大限に賞賛する言葉であり、ユニを大切にしている息子のことを認める言葉でもありますよね^^
+-+-+-+
(姿の見えないユニを待ち、部屋の前をうろうろしていたソンジュン。ユニに気づきパッと顔を輝かせますが、次の瞬間、表情を厳しく引き締めます)
ソンジュン:
私が出てくると知らなかったのか?
(ソンジュンに気づいたユニの笑顔は、意外な彼の態度に驚いて消え…)
ソンジュン:
一体今までどこで何をしていて今頃帰って来たのだ?
私がどれほど待っていたか考えてもみなかったのか?
(彼の胸の内を感じたユニ)
ユニ:
昨日も会ったじゃないか。
(そのまま彼の横をすり抜けたユニの顔から思わず笑顔がこぼれます)
ソンジュン:
ちょっと…!
(立ち止まるユニ)
ソンジュン:
昨日会えば今日は会わなくともよい… 私たちはそんな関係なのか?
ユニ:
それならどんな関係?
ソンジュン:
キム・ユンシク…
(振り返ったユニの顔は輝くような笑顔でした)
ユニ:
こんな関係かな?
(指輪の輝く手を上げて見せ、ふふふっと楽しそうに笑い、手を差し出すユニ。からかわれて黙り込んでいたソンジュンもユニの手を取ろうとしますが、そのとき部屋の扉が開き、ヨンハが顔を覗かせます)
ヨンハ:
なぜいつまでも入ってこないんだ? ん?
二人して外で万里の長城でも建築中か?
(ニヤリと笑ってウィンクするヨンハ)
+-+-+-+
(盃を持って伸びる四本の手。四人は中二房の部屋に集まり、ソンジュンの釈放を祝って乾杯していました。ソンジュンに酒をすすめたヨンハは…)
ヨンハ:
そうさ、飲みなよ。今日は左相のお宅の犬っころになっても許すぞ。
(そして、ユニにも酒をすすめます)
ヨンハ:
あぁ、ご苦労だった。
このようにやり遂げるとは、初めは見当もつかなかったのに。
儒疏を率いた上に金縢之詞も探し出すとは。
大物だよ、大物。
(嬉しそうに笑うユニ)
ヨンハ:
どれだけ眺めていても飽きないのは、キム・ユンシク、君が初めてだよ。
(ヨンハの言葉に気が気でないソンジュンは咳払いをして無言の警告を。ヨンハは無言でニヤリと笑います)
ユニ:
金縢之詞のことなのですが…。
新しい朝鮮では私たちが新しい夢を見る番だと、殿下がおっしゃいました。
ジェシン:
それで?
お前の夢は何だ?
ユニ:
これから考えてみるつもりです。
ヨンハ:
どうしたものかな?
つまらないことに、私は夢など必要なくなったんだけどな。
一同:
?
ヨンハ:
私はク・ヨンハで、私が誰だかすっかり分かっても去っては行かない君たちがいる。
それで十分じゃないか?
(それぞれが理解できる友の大切さ。特に今のソンジュンにはそれを身にしみて感じているに違いありません。四人の間に温かい空気が流れます。あらためて乾杯する四人)
~時間経過~
(酒が進み、ビミョーに雰囲気が変わっている部屋の中。酒瓶の口にタコが刺さってる!ヨンハが酒で満たしたユニの盃を、ソンジュンが横から取り上げます)
ソンジュン:
そろそろお開きにした方がよいかと思いますが。
ヨンハ:
そうか?なら今日はここで眠っていかなきゃな。
酔ってしまって動けそうにないよ。
(そのまま豪快に床に寝転がるヨンハ)
ジェシン:
(ユニに)おい、お前はヨンハの部屋に行って寝たほうがいい。
ここは狭苦しいからな。
(この瞬間、ピカーン!と輝くソンジュンの顔w)
ソンジュン:
それは百にも千にもコロ師兄のお言葉が正しいでしょう。
(寝たフリをしながら思わず吹き出すヨンハ)
(ソンジュンはヨンハの部屋へ行くよう、ユニに目で合図しますが…)
ソンジュン:
何してる?行かないのか?
ユニ:
私の部屋はここなのに、どこへ行くと言うんです?
(ヨンハに続き、自分も床に寝転がるユニ)
ユニ:
あぁ~いい気分!
私たち、ここでみんな一緒に寝ましょうよ。
花の四人組同士!
(暗く、静かになった部屋。皆が思い思いに眠っている中、ソンジュンが優しく握っているのは誰の手?^^)
+-+-+-+
(そのころ、父の元を訪れたインスは…)
兵判:
一体どう事を処理するつもりだ。
あれしきの小者一人阻止できず、父に恥をかかせるつもりか?
インス:
この上なく危険な奴です。キム・ユンシク…。
兵判:
・・・。
インス:
キム・ユンシクは… 女なのです。
兵判:
… 何だと!
インス:
女の身でありながら恐れ多くも厳格な国法をないがしろにし、
成均館にいるのです。キム・ユンシクは…。
兵判:
・・・。
+-+-+-+
(一夜明け、左相と兵判は…)
左相:
王は閣議を開き、華城への遷都を宣言されるおつもりでしょう。
兵判:
金縢之詞を見つけたようですな。
しかし、我が手に更に鋭い刀を手にしているのに、何を恐れることがありましょうか。
左相:
?
兵判:
金縢之詞を探せと御命を受けたキム・ユンシクは…
女なのです、女!
左相:
!!!
#この左相の驚く顔が好きでたまらん(笑)悪い人じゃないって分かりますよね^^
+-+-+-+
(昨夜ユニが自分の言う事を聞かず雑魚寝したことで機嫌の悪いソンジュン)
ユニ:
もう、腹が立つなら腹が立つって、理由はあぁだこうだって、
そう言うべきじゃないか?
唇ばかりぶうっと突き出して、つんと澄まして行っちゃうだけなのかい?
大の男がそんなに度量が狭いなんてさ。
隠居した年寄りみたいだな。
ソンジュン:
・・・。
ユニ:
いや、私が言いたいのは…。
ソンジュン:
”他の男たちに混じって寝るくらい何でもない”… と、
大したこととも思わない豪快な情人が心配で、一晩中眠ることが出来なかった。
…そんな言葉を私がどうして一句一句口に出来ようか。
隠居した年寄りのように、度量の狭いことを。
(嬉しくておかしくて笑ってしまうユニ。ふたたび歩き出したソンジュンの後をついて歩きながら)
ユニ:
それならお望みどおり隣に行って寝ればいいのか?
(立ち止まって振り返り、ソンジュンは思わずこみ上げる笑顔を我慢して…」)
ソンジュン:
まぁ、それでもいいが。
ユニ:
私が隣に行って寝れば、余計に眠れなくなりそうだけど。
ソンジュン:
!!!
ユニ:
それでもいいのかい?
(ユニの大胆な言葉が気になり、真剣な顔で見つめるソンジュン。調子に乗って口を滑らせたことに気づき、ユニは慌てて逃げ出します)
ソンジュン:
キム・ユンシク、キム・ユンシク!
(書庫にやって来て猛反省するユニの後ろで足音が近づきます。振り返り”やばい!”という表情を見せるユニ)
ソンジュン:
確かめなければ。
一体、貸本屋でこれまでどのような本を筆写してきたのだ?
ひょっとして官能小説ばかり専門に筆写していたというその美しい居士というのは…!
ユニ:
ち、違うよ!私はたったの三度しかしていないんだ。
ソンジュン:
三、三度もしたと?!
まことか?
ユニ:
そ、それは… お金になったから…。
(ため息をつくソンジュン)
ソンジュン:
この成均館にやって来るまで、一体どこでどのように生きてきたのか、私には知りようがない…。
(たまたま傍にあった書を手に取ってみて一呼吸置き、ふたたび口を開きます)
ソンジュン:
次の帰宅日にはキム・ユンシク儒生の家へ行って確認せねばならぬから、そのように承知を。
ユニ:
うちの家に?
ソンジュン:
ではまさか、他に身を寄せている家でもあると?
ユニ:
いや、そうじゃなくて… うちの家に来るって言うのはどういう意味なのか…。
ソンジュン:
いい年の男が情人の家へ行くのだ。
まさかそれが分からず聞いているのか?
ユニ:
本当… 本当に?
ソンジュン:
楽ではない道になるであろうから、堅く覚悟せねばならぬだろう。
私はすっかり準備ができた。
(驚くユニを見つめ、ソンジュンは穏やかに微笑みます)
+-+-+-+
(正祖と二人きりで話す左相)
左相:
金縢之詞のことはお伏せくださいませ。
父に続き、子どもまで… あまりに惨いとはお思いになりませぬか?
正祖:
どういう意味ですかな、左相。
左相:
改革に対する殿下の欲望が、成均館博士キム・スンホンを犠牲にし、
いまやその娘まで危険に陥れているのです。
正祖:
キム・スンホンの娘と…?
左相:
成均館儒生キム・ユンシク、あの子は女です。
正祖:
!!!
左相:
殿下は金縢之詞を見つけ出すため三綱五倫と綱常の道理を自ら崩した廃主となられたのです。
正祖:
・・・。
(ひそかに拳を握りしめる正祖)
※三綱五倫=儒教の基本原理 綱常=人の守るべき大道
+-+-+-+
(ヒョウンに呼び出されたヨンハ)
ヨンハ:
何だよ。まだイ・ソンジュンのことが諦められないのか?
緊急に人を呼び出すとは…。
ヒョウン:
一度人を見下したら、いつだって見下していいの?
私、助けてあげようと思って来たのよ。
礼儀を正してちょうだい。
(ヨンハはとにかく微笑んでうなずきます)
ヒョウン:
兄上がお気づきになったわ。
ヨンハ:
?
ヒョウン:
まさか、あなた方みな知らずにいたんじゃないでしょうね?
ヨンハ:
はいはいはい、だから何をです、お嬢さん?
ヒョウン:
キム・ユンシクが女人だってことよ。
ヨンハ:
… !!!
+-+-+-+
(帰宅日。ユニは訪ねてくるソンジュンのため、女としての身支度を整えていました。
土産物を手に出掛けるソンジュン。
二人とも表情には自然と笑みがこぼれます)
(待ち合わせの場所にやってきたユニ。
待ち人が来るのを待ちながら、手鏡を覗き髪を整えますが、そこに何者かが現れ…!)
+-+-+-+
(人気のない夜の草むら。ジェシンは一人、盃に酒を注いでいました)
ジェシン:
おい、ムン・ヨンシン!
俺の酒、一杯受けるだろ?
(そう言って酒で満たされた盃を自分の前に置き、自分は酒瓶から直接飲みます)
ジェシン(心の声)
俺はな、兄貴がこの世をどこまでも憎んでると思ってた。
だから、あんなふうに逝ったあんたをずっと憐れに思ってたんだ。
(盃の酒を地面にまき…)
ジェシン(心の声)
けど、やっと分かった。
ムン・ヨンシンはこの世を憎んだんじゃなく、愛してたんだな。
だからあんなふうに生きられたんだ。
俺の言うとおりだろ?
(ふっと笑顔を浮かべ、ため息をつくジェシン)
ジェシン:
はぁ… えらく寒いな。
この人間(兄)は寒いのが大嫌いだったのに…。
(そこへ走ってきたヨンハ)
ヨンハ:
おい、コロ!
発覚してしまった…。
ジェシン:
…?
+-+-+-+
(待ち合わせ場所に到着したソンジュン。
ほどなくヨンハとジェシンが走ってくるのを見て驚きます。)
ヨンハ:
おい、イ・ソンジュン!
ジェシン:
お前も知ってやって来たのか?
ソンジュン:
何を…?
(ヒビの入った手鏡が落ちているのに気づくヨンハ。
事態を察した三人は無言で顔を見合わせ、緊張に包まれます)
+-+-+-+
(ユニは女の姿のまま王の前へ連れて来られていました)
正祖:
頭を上げよ
ユニ:
・・・。
正祖:
キム・ユンシクは余の命令を聞かぬつもりか?
頭を上げよ!!!
(恐る恐る顔をあげるユニ。その顔を見て正祖は愕然とし…)
正祖:
余は国法を崩し…
三綱と五倫を地へと打ち落とした廃主に違いない…。
(そこへ慌てて入ってきたのはチョン・ヤギョン博士。
王の前に跪いているキム・ユニを見て呆然とします。
小さくなるユニと、チョン博士を睨みつける正祖。)
+-+-+-+
(二人きりになった正祖とチョン博士)
正祖:
チョン博士。
そなたの沈黙が招いた結果だ。
満足か。
チョン博士:
殿下…。
正祖:
なぜ隠したのだ。
余の臣下であり友であるそなたがなぜ?
なぜなのだ!!!
(跪くチョン博士)
チョン博士:
死を以て私の罪を問うとおっしゃるならば黙って従う所存です。
あの子の過ちは私だけに問うてくださいませ。
正祖:
そなたの信じる西洋学のためか。
西洋学では男女が平等な世を夢を持つと聞いた。
チョン博士:
私は西洋学で貧富貴賤、老若男女の隔て無く、
人であれば誰であれ尊ぶものだと学びました。
しかし、我が国の官員として、神は女が学問を修める必要はない、出仕する理由もまたないとおっしゃったのです。
正祖:
それなのに何故!
チョン博士:
あの子から学びました。
学問と生活に違いはないことを。
正祖:
ならば、許しはそなたの信じる西洋学の神の元で請うがいい。
チョン博士:
西洋学は学問に過ぎません。
私が信じ、従う主君は殿下ただお一人です。
+-+-+-+
(兵判は内密に呼び出した人物は…?)
兵判:
お前に必ずやしてもらわねばならぬことだ。
(月の光に浮かび上がったその人は… チョソン)
チョソン:
大監は約束を守ってくださる方だと思っておりました。
わたくしの任務はすでに…
兵判:
お前もやりたがるはずだ。
チョソン:
?
兵判:
キム・ユンシクを連れて来ねばならぬ。
(チョソンは驚いて顔を上げます)
チョソン
若様をなぜ…?
兵判:
キム・ユンシクは男ではない。
女なのだ!
チョソン:
大監、そのような話にならぬことを…
兵判:
その話にならぬことを仕出かした女を捕らえ、
我が国の根底を正すつもりだ。
次の晦日までにキム・ユンシクを私の前へ連れて来るのだ。
(兵判が出て行った後、驚きのあまりすっかり力が抜けてしまうチョソン)
+-+-+-+
(ソンジュン、ジェシン、ヨンハの三人はユニを救うため、チョン博士の前に並んでいました)
ヨンハ:
お答えください。
キム・ユンシクは今、王の元にいるのですか?
チョン博士:
… そうだ。
ヨンハ:
それならば先生、それはキム・ユンシクを保護するためですよね?
(三人を順に力なく見つめたチョン博士は…)
チョン博士:
もう夜も更けた。
戻りなさい。
(チョン博士は三人に背を向けようとしますが…)
ソンジュン:
閣議が… 、来る晦日、閣議が行われると聞きました。
その閣議で華城への遷都を宣言されるだろうとも聞きました。
その席で反対するであろう老論たちを制圧するため、金縢之詞を示すお考えなのでしょう、殿下は。
その通りですか?
チョン博士:
… そのおつもりであろう。
ソンジュン:
万一、兵判と老論たちが金縢之詞を探しだしたキム・ユンシクが女だと聞き、
殿下に反旗を翻す計画であるなら、
そのとき殿下はどうなさるお考えなのか聞きたいのです。
ジェシン:
我々にはその答えを聞く権利があります!
チョン博士:
・・・。
ジェシン:
答えてくれと言っているのです!!!
何も心配するな…
何があろうと王はキム・ユンシクを守ってくださるはずだ…
それが… それが王の言う希望だと!!!
チョン博士:
・・・。
ジェシン:
なぜ答えられないのですか?!
ヨンハ:
先生…。
ソンジュン:
つまり、キム・ユンシクは金縢之詞を見つけ出したために… まさにそのために!!!
いまや王に捨てられのですか?
(やはり何も答えられず、黙って背中を向けることしかできないチョン博士)
+-+-+-+
ユチョン、ソン・ジュンギ主演ラブコメディ★ご予約★『トキメキ☆成均館スキャンダル』12DVD(…
ここで一旦区切ります。
はぁ~、やっと怒涛の「学びの向かう場所、国の始まり」呪縛から逃れられたようだ^^;
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Comment
[…] This post was mentioned on Twitter by ユジナ~♪, ユジナ~♪. ユジナ~♪ said: 成均館スキャンダル20話対訳:前半之書 http://is.gd/hUzRX […]
訳ありがとうございます☆
台詞が細かく分かると益々ソンジュンに惚れます
ユニの言動に気が気じゃなくて、やきもち焼きで
完全にユニにリードされていて可愛いですね^^
チョン博士は命をかけるほどユニを認めていたのですね
三人ともユニが女なのを知っている事を口には出さないし
お互い知っていることも知らずやり取りしてて
それが、発覚した・・・の一言で何もかもピンと来たところが
考えて見たら面白かったです
たこがびんについてるなんて気づきませんでした
JYJのコンサートに行ったら、一日目はユアイン君とジュンギ君
二日目はソンピルさんが来てくれていました
かっこ良かったです☆このドラマの曲はすごく盛り上がりました
三人とものそれぞれ台詞とキャラクターが素敵です☆
ありがとうございました♪
ゆじなさん、20話前半も、どうもありがとうございました。
映像で見てどきどき、
ゆじなさんの訳で読ませて頂いて、またまたどきどきです^^
ゆじなさんの日本語訳 とても楽しく読ませてもらいました。
成均館スキャンダルは 韓国語で最初見てましたが、次に 英語訳を見つけ、また見なおして、
『DVD買わないと…わからない』と思ってたところ、ゆじなさんのを見つけ、また ハマって見てました。(すべて携帯で見てました(~_~))
20話の後半は いつ頃にアップされますか?
前半は アップされる予定はありますか?