太王四神記最終回【幻のオリジナル台本】vol.0
太王四神記最終回のオリジナル台本は、クライマックスからラストシーンまで訳してご紹介しましたが、
その前にあるシーンをもう1シーン、紹介したいと思います。
それは、ホゲが出陣する前、キハと交わした最後の言葉…。
原語シナリオはいろいろなサイトにアップされているのですが、
興味のある方はこちら(※別窓で開きます)を。
私の記事には日本語訳だけを載せます。
では、どうぞ
〇アブルラン寺
鎧を身に着けているホゲ。
キハがホゲの鎧を丁寧に整えてやりながら口を開く。
キハ:とうとう終わらせるときが来ました。
キハ:行ってあの人を連れて来てください。
ホゲ:生かしたまま連れて来るんだな…?
キハ:……言わなきゃいけないことがあるんです。
キハ:その言葉を伝えて…、あの人にそれを伝えて…心臓を取り出せるようにしてください。
ホゲ:チュシンの王…。
ホゲ:その者の心臓を取り出し、天の力を呼び出せば…、
キハ:雨、風、そして雲を操れるそうです。
キハ:その力をこの地の人々が持つことになるでしょう。
キハ:もうこれ以上、天を仰ぎ、すがりつかなくてもよくなるわ…。
ホゲ:聞かせてほしい。
ホゲ:生きているあの者に会ったなら…
ホゲ:何を言うつもりなんだ…。
キハ:さぁ…。何が言いたいのかしら、私。
キハ:会ってみれば分かるかしら…。
ホゲ:あなたは自分の手であの者を殺すのだろうか…。
キハ:もう…一度やってみました。あの人の心臓を刺すのは。
ホゲ:あのとき、あなたはこう言ったな。
ホゲ:一緒に死ぬつもりだったと…。
キハ:(微笑んで)行って来て下さい。
キハ:お待ちしています。
ホゲはキハを見つめた。これで永遠の別れであるかのように…。
そして、キハに背を向けると、もう振り向きはせずに去って行った。
+-+-+-+-+
個人的にこのシーンはドラマ版の方が好きなので、先日訳したときは省いていました。
ドラマと決定的に違うところは、キハがタムドクを生きたまま連れて来てほしいとホゲに頼んでいるところ。
ドラマでは「行って心臓を取ってきて」と言っています。
「本当は最後にもう一度会いたい」という気持ちは、ドラマ版のキハもきっと持っているとは思うのですが、
台本のようにそれを言ってしまうと、これまで「タムドクを殺して」という姿勢を通してきた気丈なキハと矛盾してしまう気がします。
また、内心は会いたいけれど、最後まで「心臓を持ってきて」と突っ張るキハが、とてもキハらしく…(*^-^)
愛する人の子を身篭り、大長老に殺されそうになってもタムドクには絶対頼ろうとしなかったキハですから。
また、タムドクを殺して自分も死のうとしているキハに、
「どうやったらあなたを救えるんだろうか…」とものすごく悲しそうな顔をする、
私の一番好きな瞬間がこの台本にはありませんね。
(そのかわり後にもっといいシーンがありますけどorz)
あの瞬間、優しい風がそよそよとホゲの髪を揺らし、それがホゲが元々持っている優しさを強調してくれているようで、すごく好きなんです。
以上、作家が書かれたオリジナル台本からのご紹介でした。
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